第4次安倍改造内閣の発足と野党の対立軸・国民の関心を失った安倍政権の長期化

安倍晋三首相が2日夕方に「第4次安倍改造内閣」を発足させた。自民党総裁選では有力な対抗馬が見当たらず、石破茂氏との一騎打ちで下馬評通りの圧勝を収めたが、すでに3選を果たした安倍首相は戦後最長内閣の最後の舵取りに当たることになる。しかし、自民党の内規による4選禁止が無ければ、安倍首相が今後も暫くは自民党総裁・首相で有り続けた可能性が高く、政界における自民党一強政治の中での「安倍首相優位+対抗馬不在」というのは異様でもある。

第4次安倍改造内閣では安倍首相が最後の政権運営に当たることもあって、「入閣待機組」や「自民党の他派閥」に大きく配慮した人事になっている。安倍政権において最多となる12人を初入閣させているが、片山さつき氏(二階派)が初入閣というのは知名度からすると意外な感じも受けた。片山さつき氏は地方創生担当・規制改革・女性活躍推進担当大臣で入閣するという。

同じ二階派からは吉川貴盛氏が農林水産大臣、桜田義孝氏が五輪担当大臣に指名される。安倍首相の出身母体である細田派からは柴山昌彦氏を文部科学大臣、参院議員の山本順三氏を国家公安委員長に指名している。竹下派の渡辺博道氏を復興大臣とした。総裁選で安倍首相と争うことになった石破茂氏にも配慮した改造内閣であり、石破派からも元検察官の山下貴司氏を法務大臣に指名している。懲罰的人事は極力排除して、安倍首相が自民党内の各派閥に八方美人的に気を遣って不満を減らそうとしているようにも見える。

一方で、安倍内閣を長期にわたって強力にサポートしてきた麻生太郎副総理兼財務大臣、菅義偉官房長官は留任した。外務大臣の河野太郎氏、経済産業大臣の世耕弘成氏、経済再生大臣の茂木敏充氏、国土交通大臣の石井啓一氏は続投が決まっている。安倍首相を支持して常に近い位置づけにある麻生派・岸田派の議員からも当然閣僚が出ていて、防衛大臣に麻生派の岩屋毅氏、沖縄北方担当大臣に岸田派の宮腰光寛氏が起用されている。岸田派からはIT担当大臣として、平井卓也氏も指名されている。

二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長、加藤勝信総務会長の自民党役員人事にも変更はなく、基本的に安倍政権の中核的議員への論功行賞も抜かりなく行う形になっている。一方、自民党内部での敵対関係(反安倍精力)を調停するような内閣人事を行っていて、ポスト安倍政権における遺恨を残しにくい布陣を整えたとも言えるのだろう。

第4次安倍内閣は2020年の東京五輪を一つの節目として経済政策・株価優先(上場企業優先)・憲法改正の盛り上げ(改憲発議)で運営されていくことになりそうだが、日本社会が抱える根本的な大問題である「超高齢化社会(少子高齢化)・社会保障制度・労働力不足」などの問題に、安倍首相が任期内に着手する可能性は低そうである。

一方、安倍内閣が戦後最長内閣として続いている状況下で、政策ビジョンや政治理念で対立軸になるべき野党の存在感がますます薄らぎ(支持率も低迷して)、「政党政治・民主主義の正常な競争原理+国民の政治への関心・政治に対する民意の反映努力」がほとんど働いていないようにも見えるのは気がかりだ。


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