千葉県の姉による弟の殺害事件2:騒音トラブル・自分の居場所・家族とプライバシー

25歳の姉はスーパーのアルバイトをしていて、21歳の弟は老人福祉施設の職員として働いていたようだが、姉が弟を殺害した動機は『小さなことで弟ともめ、殺害してしまった』としか報道されていないものの、ネットの情報では『弟の音ゲーの騒音+複数の友達を呼んでの大騒ぎ』をはじめとする『弟の家庭内のルール違反+自宅の所有権の主張』が殺人の引き金になったのではないかと言われているようだ。

姉・弟は二人暮らしをしていたが、この一軒家(三階建て)に住む前には離婚していた母親と一緒に別の家で暮らしていた。5年くらい前に一人暮らししていた父親が亡くなったため、姉と弟が移り住んできたというが、母親と別のきょうだい二人は元の家に残ったため、子供二人だけで暮らすというやや特殊な世帯構成になっていたようだ。移り住んだ当初の二人の年齢ははっきりわからないが、21歳の弟はまだ未成年だったのかもしれない。

千葉県の姉による弟の殺害事件1:遺体切断の心理と事件事故から逃げようとする咄嗟の保身

弟が姉と円滑な共同生活をするためのルールを守らなくなったことが、姉弟の関係が険悪化するきっかけになったようだ。その一因として精神的・生活規律的にまだ未熟な二人の関係を上手く調整できる『親の役割を果たせる大人(父親は死亡・母親は別居で不干渉)』が不在だったこともあるように思う。事件の起こった家はかなり大きな一軒家だが、亡くなった父親が一定の財産を残していたのではないかという話もあり、『弟の遊びへの散財・遺産(持ち家・現金の配分)』で揉めていたのではないかとのニュースもある。

姉が弟に守るように言っていた共同生活のルールは『生活費の折半・勝手に部屋に入らない・友達を家に入れる時は事前許可が必要』の3つだったという。弟はその全てのルールを守らず、姉との喧嘩で『ここは俺の家だから出て行け』と大声を上げていたこともあるといった知人の話も出ていた。姉の元彼氏も、姉から『弟が妹の部屋(隣の部屋)を占拠して騒がしい』といった話を聞いたことがあるという。

近隣住民の話では、元々は仲良しのきょうだいで一緒に連れ立って出かけることも多かったというが、弟がまだ未成年だった時期には姉が上手く制御できていたものが成人したり働き出したりしたことで(自我が強くなったり仲間関係ができたり遺産が入ったりで)『姉の生活規律面やルール面での指導・注意・管理』などに弟が全く従わなくなってきたのかもしれない。

何より姉のプライベートや自宅でくつろげる時間の尊重というものができておらず、『静穏な生活環境で暮らす権利』という共同生活や地域社会における当然のルールの前提が理解できていない。遂には『俺が俺の家でどれだけ騒ごうが自由だろう・それが嫌なら出て行け』といったような言動にまでエスカレートしており、『最低限の共同生活の場やルールを守らせられる親(上位者)の不在』の影響は小さくないように思われる。

殺人行為にまでエスカレートした姉が最も悪いという話にはなるが、弟の性格行動パターンの未熟さや生活態度の身勝手さといったものが、持続的なストレスや不満の蓄積となって、姉の精神状態をおかしくさせてしまった面もあるのだろう。

弟がなぜそんなに(ゲームセンターのような部屋環境を作って)音ゲーばかりしてうるさく騒がしい生活態度になっていってしまったのかにも色々な成育歴や心理状態の理由を推測することはできるだろうが、『機能不全家族(愛情・安心の実感の弱い家族)における孤独感・空虚感』のようなものもあったのかもしれない。

ずっと仲良くしてきた姉に彼氏ができたことで、自分だけが一人で取り残されるような寂しさを感じていたというような可能性もあるかもしれないが、『ここは俺の家だぞ(文句あるならお前が出て行け)』と強い自己主張をする背景には『本当の自分の居場所や帰属できる相手の欠如』というものが見え隠れしているようにも感じた。

『生活音・騒音』は近隣トラブルの定番であるが、何度注意してもやまないか反発してくる『うるさい生活音・騒音』というのは、時に殺人事件の引き金になるほどのストレス・怒りをもたらす。しかし、騒音トラブルでは加害者と被害者の認識のギャップが非常に大きくなることが多く、音を出している本人の意識では『そんなに大きな音は出していない・神経質でうるさすぎる(少しくらい我慢すべき)』となって、反省せずに慢性的に音を出し続けやすく解決困難なケースも多い。

家庭内やきょうだい間の騒音トラブルというのはそれほど多くないと思うが、騒音トラブルが殺害や傷害に発展しやすい面を持つことは確かである。その理由のかなりの割合は『加害者(音を出す人)に迷惑をかけているという意識が薄く反省しづらいこと』と『被害者は自分はずっと黙って譲歩して我慢し続けているのにいつになったら静かになってくれるのか(注意しても注意しても改善されず真剣に聞いてくれずに頭がおかしくなりそう)』という双方の認識のギャップにある。

騒音くらいで殺したり傷つけたりするのは異常(手を出したほうが悪い)というのは常識的な判断や解釈なのだが、騒音をストレスに感じて悩んでいたり睡眠障害・ストレス反応などの精神疾患を発症したりしている被害者の側からすると、『初めは穏便に柔らかく注意した・何度もお願いするような形で注意した』という前提があるのだろう。

『それなのに全く静かにしてくれない・何ヶ月も何年も黙って我慢し続けているのに相手には何の罪悪感も遠慮もない・いつ音がするのか分からないというストレスで常に緊張や不安を強いられる(自宅で全く安らげない眠れない)・最後通牒で厳しく注意してそれでもダメならどうするのか』となることがあり得る。

元々の神経質さや音の知覚に対する過敏さ、静かな環境・時間を好む性格も関係してくるが、騒音トラブルで加害行為をする人の多くは『自分は長年にわたって耐えて我慢してきたという思い』がある。そして、騒音に耐えられず暴力に訴える時には、興奮状態や神経過敏、疲労困憊(不眠の継続)などで半ばノイローゼ状態になっていることも多く、刃物を持ち出して隣人に最後通牒の脅しめいた直談判に赴いたりして、相手が反省や謝罪をしなければそこで激高して殺傷沙汰を起こしてしまうケースがある。

姉と弟のきょうだい関係の悪化によって、表面的にはかなり猟奇性の強い殺人事件・遺体切断が起こってしまった訳だが、その原因としては『大音量の音ゲー・友達を呼んで騒ぐなどの騒音トラブル(長期間に及ぶ姉の不満の蓄積・我慢の継続・ストレス反応)』『自宅を巡るきょうだいの主導権争い』を考えることができるのではないかと思う。

姉からすると長期間に及ぶ『自分のプライバシーの侵害』『静穏な生活環境の破壊』によって不平不満と怒りが鬱積していったと思われるが、弟も弟で『大音量の音ゲー・友達を呼んで騒ぐをせずにはいられない孤独感・寂しさ・虚しさ』のようなものがあったのかもしれない。

弟もただ自分が好きで馬鹿騒ぎや嫌がらせをしているように見えて、実際は『機能不全家族における愛情・関心・注目の不足(親との情緒的な縁の薄さ・未成年の時代からの子供だけでの共同生活)』で寂しさや虚しさを抱えていた部分もあるだろう。

また姉が大人になって『自分だけのプライベートな世界(弟との距離感が開いていく・恋人ができて親密になっていく・いつかは家を出るかもしかするとこの家で結婚生活を始める)』を作り始めたことで、余計に自分の居場所や安心できる関係がなくなっていく不安を感じ、わざと馬鹿騒ぎして注意を集めたり姉の自宅での居場所を無くそうとしていたのかもしれないと思うと、何とも救いのない悲しい事件ではある。


スポンサーリンク







■書籍紹介



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのトラックバック