孫子とニコロ・マキャベリの性悪説的なリアリズム3:マキャベリの君主論と時代要因

カール・シュミットの友敵理論は『権力闘争(自他の利益・支配を巡る争い)』をリアリズムの極地としていて、孫子の性悪説的な人間観・政治観との共通性を持っているが、『政治(政策)の公共的な目的・福祉』や『理性的かつ倫理的な人間を育成しようとする教育(市民社会)の効果』をかなり低く評価した政治学だとも言えるだろう。 『孫子の兵法』の戦略性…
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孫子とカール・シュミットの性悪説的なリアリズム2:シュミットの政治観と友敵理論

孫子のリアリズムは『支配と略奪・権力闘争』をイメージさせるが、ドイツの政治学者カール・シュミット(1888-1985)もまた政治のリアリズムを『権力闘争・友と敵の区別』に求めた人物である。 カール・シュミットは『第二帝政のドイツ帝国・ワイマール共和国・ナチスドイツ・戦後の西ドイツ』という4つのドイツの政治体制を経験したが、ナチスド…
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『孫子の兵法』の戦略性とリアリズム1:彼を知り己を知る・戦わずして勝つ・権謀術数

古代中国の春秋時代を生きた呉の武将である孫武(そんぶ,紀元前535年~没年不詳)は、『孫子』という敵に勝つための戦術・戦略を記した兵法書を残した。『孫子』の兵法の最大の奥義は、戦争を省略して戦わずに勝つ(味方に犠牲を出さない)という『真の戦略』にある。 『孫子 第一 計篇』の1 『孫子 第二 作戦篇』の1 『孫子 第十…
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都議会で塩村文夏都議に浴びせられた下品な野次:女性の私生活の自己決定・個人的事情に対するハラスメント

18日の東京都議会でみんなの党会派の塩村文夏(しおむらあやか)都議(35)が、女性の妊娠・出産(不妊治療)・育児に対する支援策などの一般質問をしている最中に、自民党会派の方向にいる男性都議からセクシャルハラスメントや女性蔑視(女性のライフプランや性別役割の強制に基づく揶揄)と受け取られるような野次を浴びせられた。 塩村文夏都議が、…
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イラクの内戦状態の悪化、ISIS・ISILの進撃と米国のイラク再介入2:価値観外交が空転する中東

ISIS・ISILの過激派勢力の兵士は、内戦でイラク政府を転覆させた後に、みんなが個人として尊重されて自由・平等・物質的な豊かさを享受できるような民主的な国づくりをしたい(欧米のような個人が自由に振る舞う世俗国家になりたい)と思っているわけではそもそもないので、平和的な問題解決やイラク政府側の人間と妥協点を模索しながら話し合う必要性を感…
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イラク情勢の悪化、ISIS・ISILの拡大と欧米の外交姿勢1:イスラーム圏と近代的価値の相性の悪さ

米軍撤退後のイラク情勢は不安定化していたが、ここに来て『シリア内戦』でアサド政権(シーア派の政権基盤)を攻撃していたイスラム原理主義・スンニ派の“ISIS(イラクとシリアのイスラム国家)”と“ISIL(イラクとレバノンのイスラム国家)”が『親米派のイラク政権』に対する攻勢を強めている。 欧米諸国はシリア内戦では、シリア国民を虐殺す…
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ヨーガの“心”を安定させる呼吸法と三昧の境地:腹式丹田呼吸の効果を説明する“気”の思想

仏教もヨーガも『我執(がしゅう)』を苦悩の原因と定義して、自己中心的に自分だけが幸福になって快楽を得ようとする生き方が逆に人生の苦しみや虚しさ、葛藤を強めていくとするが、“私”という自意識・欲求に囚われない世界(他者)と自然に調和していくような自我の持ち方を仏教では『無我』と呼び、ヨーガでは『真我』と呼ぶことが多い。 内向的な仏教…
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内向的な仏教思想と外向的な近代科学(西洋思想)が求めるものの違い:外界の現実と心の関係性の捉え方

自然科学に代表される“西洋思想(近代思想)”は、外界の事物の『実在性・現実性』を前提として、外界のモノの世界を『知識・技術』で改善したり、実在する他者との関係性を『実際のコミュニケーション』で円滑にしようとしてきた。西洋思想や近代科学は、ユングの性格理論でいえば自分の外部にあるものや人の実在性を重視して、価値の基準(欲求の対象)にする『…
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ウクライナでペトロ・ポロシェンコ新大統領が就任:対ロ交渉を進展させ悲惨な内戦状態の早期終結を。

ウクライナの首都キエフで7日、5月の大統領選に勝っていたペトロ・ポロシェンコ氏が新大統領に就任したが、48歳という若い大統領が『ロシア(親露武装勢力)との武力対立・内戦の継続』ではなく『ロシアとの対話交渉・関係改善』の姿勢を明確に打ち出したことは率直に評価できるのではないかと思う。 2014年2月に、親露派のヤヌコビッチ政権が反政…
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ケン・ウィルバーの円環的なライフサイクル論と虚無主義・刹那主義を否定する“永遠の生命”

トランスパーソナル心理学の往還論を前提とする『円環的なライフサイクル論(仏教的な輪廻転生のアレンジ版)』では、『誕生→子供の成長→大人(自我の確立)→大人の老化→死=上昇(往道)のプロセス』と『死→魂の中間生(バルド)→肉体の獲得→転生=下降(還道)のプロセス』という双方向的で円環的なぐるぐると回り続けるライフサイクルが考えられているわ…
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ケン・ウィルバーのトランスパーソナル心理学と『往還論(上昇⇔下降)』の精神発達モデル

トランスパーソナル心理学では、自他を区別しない非自我的(非意図的)な心理状態として『プレパーソナル(前・自我)』と『トランスパーソナル(超・自我)』を想定していますが、原初的なプレパーソナルのほうは『自他の能力的な未分離=未熟・混沌』、自己超越的なトランスパーソナルのほうは『自他の無境界的な合一=達観と悟り・真の充実』といった特徴を持っ…
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スピリチュアルなトランスパーソナル心理学とケン・ウィルバーの定義した“心(意識)の三つの水準”

トランスパーソナル心理学は『個人としての自己実現・自己成長』を超越しようとする心理学であり、自我(自分)の欲求や能力、目的を超えたところにある『世界の普遍的な真理(万物とのつながり・生命の根源的な感覚)』に近づいてつながろうとする思想的・神秘的な側面を持ちます。 トランスパーソナル心理学は、現代の物質世界の世俗主義に対するカウンタ…
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人の“愛”を解明しようとする脳内ホルモン仮説とその限界:自他の長期の結びつき・利他性・共同幻想

魅力的な異性の知覚・認識そのものは、神経伝達物質(脳内ホルモン)の分泌以前の段階の『内面・心』で半ば自動的に行われているので、すべての性欲や恋愛感情の発動を生化学的・物質的な基盤だけで解明し尽くすことはできないし、そこには多分にどのような異性が魅力的であるかという文化的・社会的な情報や価値観の刷り込みも影響しているでしょう。 進化…
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進化心理学の生殖適応度とスティーブン・ジェイ・グールドのスパンドレル:愛と性欲の生理心理学

進化心理学が想定する『遺伝的な優秀性と劣等性の基準』は、適応に求められる能力(俊敏さ・狩猟の技量・戦闘能力・多産性・授乳能力)の時代感覚が相当に古い時代に留まっている感じがあるにも関わらず、異性の美貌や望ましいスタイルの特徴に関しては『マスメディア(商業主義)の影響を受けた近代的な最近の基準』が採用されているという矛盾点も上げられます。…
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生殖適応だけでは語れない人間の男女関係の複雑さとロバート・トリヴァースの『投資理論』

冷徹な進化論の生存適応度の統計的研究では、自己遺伝子が数百年のスパンでさえ生き延びる確率は数%にも満たず、結局、遺伝子の系統樹を子孫に下っていくと大半は数世代くらいの子孫で断絶してしまいます。家系・家業・身分としては養子などを取ることで存続することも多いですが、確実な直系の子孫が何十世代も途絶えずに続くことは極めて稀なことです。 …
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佐藤賢一『革命の終焉 小説フランス革命ⅩⅡ』の書評2:ロベスピエールの女性恐怖の葛藤と理想主義の挫折

マクシミリアン・ロベスピエールにとっての共和主義の理想は必然的に『徳の政治との融合』を志向していたが、大多数のフランスの民衆や政治家にとって『清く正しく慎ましく公正な生活態度(非俗物な徳のある人間になること)』は言葉や思想の上での綺麗事の域を抜け出るものではなく、それを恐怖を用いて強制されれば清廉なロベスピエールに対する不平不満・怨嗟の…
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佐藤賢一『革命の終焉 小説フランス革命ⅩⅡ』の書評1:徳の政治とロベスピエールの禁欲

勤勉で高潔な理想主義者マクシミリアン・ロベスピエール(1758-1794)は、私利私欲のすべてを捨ててフランスと民衆のために『徳の政治』の実現に奔走する。フランスからありとあらゆる不正義・不平等と政治腐敗を排除する理想を思い描き、他者を自分と同じ人間として尊重する“徳”を人々に身に付けさせようとするロベスピエールは、その理想をストイック…
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