オットー・カーンバーグの境界性パーソナリティ構造(BPO)とメラニー・クラインの早期発達論の視点

自他の境界線が深刻に混乱して、思い通りにならない他者に激怒したり罵倒したり攻撃したりするような境界性パーソナリティ障害(BPD)では、『良い相手の部分(良い部分対象)』と『悪い相手の部分(悪い部分対象)』を分裂させて別人のように認識してしまう事がある。その混乱した心理状態には、メラニー・クラインの早期発達理論でいう『妄想‐分裂ポジション…
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境界性パーソナリティ障害と他者に対する両極端な評価3:メラニー・クラインの妄想‐分裂態勢

自己と他者の境界線が弱いという事は、他者の言動から暗示的な影響を受けやすく、相手の気分や感情に巻き込まれやすいという事を意味しているが、実際、BPDの人は自分が気分が悪くて機嫌が悪い場合には、その感情を相手に投影して『相手のほうが気分が悪い・不機嫌で怒っている』という風な事実ではない他者認知をしてしまいやすい。自他が未分離でストレス耐性…
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境界性パーソナリティ障害と自他の境界線の曖昧さ2:ストレス耐性の低さが生む判断基準の硬直化

クラスターBのパーソナリティ障害では、幼少期に母親(父親)からの保護や愛情を十分に受けられなかったという思い残しがあったり、幼少期~思春期にかけていじめ・集団からの疎外などを経験して友人関係に関するトラウマ(基本的信頼感の欠如)を受けたりした事で、『自己と他者の境界線・区別』が曖昧になってしまうことがある。 自分の視点と他人の視点…
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境界性パーソナリティ障害と自他の境界線の曖昧さ1:自分と異なる他者の人格・感情に対する想像力

自己愛の調整能力や感情の自己制御、自己アイデンティティの確立が障害される事によって、境界性パーソナリティ障害(BPD)や自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人格構造の不適応な偏りが生まれやすくなる。 境界性パーソナリティ障害(BPD)では、“対象恒常性(安定した他者の内的イメージ)の欠如”によって、大切な他者から永続的かつ絶対的…
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“大津市の中学校のいじめ自殺問題”と教育現場の無力・混乱6:いじめのトラウマの影響と再発防止

いじめ問題は自殺・殺人にまでは至らないとしても、“いじめ”を受けることによる精神的な傷つきの悪影響や不利益は非常に大きい。その子どもが将来の長きにわたって、自尊心の欠損や他者に対する不信感(恐怖感)、社会環境(集団生活)に対する不適応感で苦しみ続ける恐れも高いのである。 いじめの内容が深刻であったり、いじめられている期間が長期化し…
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大津市の中学校のいじめ自殺を『少年法・少年事件』の視点から考える4:子供の教育に対する大人の責任

日常生活や人間関係において何が正しくて何が間違っているのかを親・教師からしっかりと教えて貰えなかった子ども、ずっと育児放棄(ネグレクト)のような状態にあって愛情・保護を受けられずに精神的に不安定になってしまった子ども、親から虐待を受け続けて人間不信や復讐感情(やらなければやられるという感情)が染み付いてしまった子ども、学業不振になり学校…
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大津市の中学校のいじめ自殺を『少年法・少年事件』の視点から考える3:少年法の保護主義の理念と刑罰

殺人などの重大事件を犯していない場合には、犯罪少年・触法少年・虞犯少年は、『知事・児童相談所長への送致』という軽い保護処分か(18歳未満のみ)、『保護観察・児童自立支援施設送致・児童養護施設送致・少年院送致』といった保護処分かになるのである。 14歳以上の犯罪少年が収容される可能性がある“少年刑務所”は『罪に対する罰を与えられる施…
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大津市の中学校のいじめ自殺を『少年法・少年事件』の視点から考える2:14歳未満の触法少年の処遇

いじめている生徒が、ストレス解消や嗜虐欲求の満足のための『いじめ』をやめずに、そのいじめが人道的・倫理的に間違っている悪い行為(自分自身を貶める恥ずべき行為)であることを学べないまま大人になれば、それはその生徒の人生や人間関係を台無しにしかねない欠点(教育の失敗による性格構造の歪み・長期的な悪影響)として残ることになる。 いじめら…
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大津市の中学校のいじめ自殺を『少年法・少年事件』の視点から考える1:先生の教育的指導のあり方

学校内で『犯人探し・悪者探し・加害者としての決めつけ』をすることは、教育的に悪い影響を与えて教師と生徒との信頼関係を壊し、冤罪的な疑いを掛けられれば性格構造(大人への価値観)が更に歪む恐れがあるというのはその通りかもしれない。 だが、そういった学校教育の理念的な前提があるにしても、『限度を超えた暴力・侮辱・脅迫のいじめ(実質的な犯…
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“大津市の中学校のいじめ自殺問題”と教育現場の無力・混乱5:教師はいじめをどう認識していたか

いじめは絶対にしてはいけない、友達の気持ちを想像して思いやらなくてはいけないと建前でいいながらも、実際にいじめが起こったら先生・学校に相談しても何もしてくれないのではないかという不信感を生徒に植え付けているのであり、この事は『間接的ないじめの容認・看過(大人は子供・生徒のいじめに対して具体的かつ有効な対応をすぐにしてくれるとは限らない)…
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“大津市の中学校のいじめ自殺問題”と教育現場の欺瞞・混乱4:いじめを隠す教育者を見る生徒

アンケートの結果を受けて、学校・教育委員会は一応『いじめがあったという事実』そのものは消極的に認めたが、現在に至っても『いじめと自殺との因果関係(関連性)はわからない』と話しており、加害者にも人権(精神的に傷つけられるような調査を強制されない権利)があるので、その因果関係を証明するための踏み込んだ調査はできないというような態度を示した。…
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“大津市の中学校のいじめ自殺問題”と教育現場の保身・混乱3:いじめの隠蔽と逸脱した私刑的な制裁

いじめられていた男子生徒は、2011年10月に自宅マンションから飛び降り自殺したが、当初、大津市の教育委員会や中学校が『いじめそのものがなかった』という事実を隠蔽するような主張をしたことから、怒りや反発、非難を伴う世論の関心が強まってきたように思う。 ウェブ上にいじめをしていたとされる3名の男子生徒の個人情報を意図的に流したり、学…
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“大津市の中学校のいじめ自殺問題”と教育現場の欺瞞・混乱2:いじめ調査と加害者の人権

もちろん、大津市の教育委員会や皇子山中学校の教師が言っているのは、『法的な責任能力・判断能力』が未成熟でまだ将来性(更生の余地)のある子供を、加害者である犯罪者のような立場に置いて厳しく事情聴取するべきではなく、その精神的なショックが大きいという事だと思うが、『自殺に追い込むほどの苛烈・執拗ないじめ』というのは犯罪に近似するというかほぼ…
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“大津市の中学校のいじめ自殺問題”と教育現場の保身・混乱1:ウェブで加速する社会的制裁

滋賀県大津市の皇子山中学校で発生した“いじめ自殺(苛烈ないじめが原因と見られる自殺)”が非常に大きな騒動となっており、ウェブ上でいじめをしたとされる同級生の氏名・肖像・住所・電話番号などの個人情報が流されたり、いじめを見逃して責任回避をする学校に爆破予告の脅迫をする人物が現れるなど、“イリーガル(違法)な社会的制裁・私刑的行動”も加熱し…
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消費税増税をすれば社会保障と財政規律を保てるか5:消費税の中立性・公平性と経済成長の必要性

“消費税増税によって本当に安心できる社会保障制度と財政健全化の税収基盤が作れるのか?(経済活動が萎縮せずに税収は確実に増えるのか?)”という問いについては、消費税は『最低ベースの安定税収(5%の現状であれば10兆円ベース)』としては機能する可能性はあるが、税収総額そのものを増大させる効果は弱いのではないかと思う。 過去の税収(税収…
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消費税増税をすれば社会保障と財政規律を保てるか4:消費税以外の税金は増税できないのか?

“消費税増税以外の他の増税項目は本当にないのか?”という問題を考えるには、主要な税源となる『所得税・法人税・消費税・資産税(富裕税)・物品税』それぞれの中立性と公平性について考えなければならない。単純な利害と負担率だけで見れば(他の税金を上げない代わりの)消費税増税というのは、『大企業・高所得者・資産家(富裕層)』にメリットが多く、『中…
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消費税増税をすれば社会保障と財政規律を保てるか3:日本の一般会計の歳出入と社会保障費の増大

日本の財政は一般会計が約80~90兆円規模、官庁の特定事業(各種年金会計・財政投融資・社会保険事業・公共事業・農林水産業関連・労働保険・それらにまつわる人件費など)に使われる特別会計が約180~200兆円規模とされており、民主党は政権交代の当初、『特別会計改革(公務員制度改革・事業仕分け・行政の無駄の削減)』をマニフェストの目玉の一つと…
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消費税増税をすれば社会保障と財政規律を保てるか2:現状の増税法案に賛成する政党・反対する政党

社会保障以外の目的に消費税が流用されないような法的規定、歳入に対する歳出のプライマリーバランス(基礎的財政収支)が取れるようにする社会保障給付抑制を、増税時期よりも先にきっちりと整理してまとめておく必要があると思う。野田首相は『税と社会保障の一体改革は待ったなしであり、何を先にやるのかは問題ではない』という趣旨の発言をしているが、“消費…
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消費税増税をすれば社会保障と財政規律を保てるか1:小沢グループの増税政局と民主党の分裂

『税と社会保障の一体改革』を掲げていた野田佳彦首相が、6月26日に自民党・公明党と連携して“消費税増税法案”を衆院で可決させ、マスメディアの殆どは野田首相の増税政策をポピュリズム(大衆迎合主義)に流されない“絶対に必要な勇気ある決断”として評価している。一般的に消費税増税や社会保険料引き上げに賛成する有権者は少ないので、そういった選挙で…
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“Firefox13”をダウンロードした感想とFlashのコンテンツが表示されない問題の対処法

6月上旬に最新版となる“Firefox13”へとアップデイトしましたが、ブラウザの表示速度が更に速くなっていて快適になっています。メモリ管理が最適化されただけでなく、Googleが提唱している高速化プロトコルの“SPDY”が初期設定で有効になっていて、SPDYに対応したウェブサイトでのブラウジングが高速化されているようです。 “タ…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評7:男性のひきこもり・女性の摂食障害とジェンダーの規範性

『第五章 「おたく」のジェンダー格差』では、虚構のキャラクターに性的に興奮できるおたくのファンタジーが分析されているが、男性のおたくだけではなく女性の腐女子も考察の対象にされているのが興味深い。そしてそのおたく論に関する性的な興奮形式の分析でも、斎藤環氏は男性おたくの欲望は『所有』に向かい、腐女子(女性おたく)の欲望は『関係』に向かうと…
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