宮崎県の東国原知事の『徴農(徴兵)発言』と現代の自由社会における道徳教育の原則論

宮崎県の東国原英夫知事が、若者の規律訓練を目的とする『徴兵制』の復活を肯定するような発言をして、その後、戦争と関連する徴兵制ではなく強制参加を前提とする『徴農制』の導入が必要ではないかという意見に変更して話題となっているようです。自由主義国家で徴兵制(徴農制)を議論することは法原則的にはナンセンスだと思いますが、政治思想や法哲学の原理原…
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リチャード・ドーキンス『祖先の物語 ドーキンスの生命史 上』の書評1:文明社会を構築した人の適応戦略

科学としての進化生物学には進歩主義的な進化(evolution)というものは存在せず、進化という現象に『今よりも優れた存在になる』という意味は含まれていない。進化は自然淘汰(自然選択)と突然変異という二つの原理によって生成される『個体の適応的な変化』であり、悠久の歴史過程における微細なDNAの変異の膨大な累積が『配偶不能な種の変化(小進…
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社会的な集団状況における『同調圧力(集団圧力)・役割行動規範』と『個人の判断基準』との葛藤

『前回の記事』で、いじめ問題に対する危機介入アプローチと社会心理学的な集団力学について触れましたが、いじめやモラルハラスメント(精神的嫌がらせ)に限らず『複数の人間が相互作用する場面=社会的状況』には頻度依存的な同調圧力(集団圧力)が掛かります。儒教の祖の孔子は『論語』において『君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず』という同調行動にま…
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聖徳太子と蘇我馬子による仏教保護と氏姓制度・冊封体制から離脱し始めた大和王権

古代~近世に至る日本では神道(アニミズム)・儒教・仏教・道教などの宗教が折衷的に信仰されていましたが、仏教は近代以前の皇室から深い帰依を受けたという意味で特別な宗教でした。仏教伝来の年は、百済の聖明王から釈迦の仏像や仏教経典が献上された538年とされますが、飛鳥時代から平安時代にかけての仏教は『国家鎮護・皇室保護・貴族繁栄』を目的とする…
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カウンセリングにおけるコンプレックスの自己洞察とラポールと関係した自己言及の中立的な調整:2

前回の記事の続きになりますが、相手の個人的コンプレックスや心的外傷の内容、今までの生活履歴(成育歴)、基本的な価値観などを十分に理解していなければ、私達は絶えず『悪気は無くても他人を傷つけたり不快にする発言・行動』をしてしまう恐れがあります。しかし、一般的な話題やありふれた行動で無意識的に他人(友人)を傷つけてしまっても、コンプレックス…
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カウンセリングにおけるコンプレックスの自己洞察とラポールと関係した自己言及の中立的な調整:1

あらゆる相手に不快感や劣等感、抵抗感を感じさせずに話すというのは現実社会では非常に難しい作業ですが、それは無意識的に相手の個人的コンプレックス(感情的複合体)を刺激する発言を人はしてしまうものだからです。C.G.ユングが分析心理学の中で定義したコンプレックス(心的複合体)とは、個人的無意識の領域に抑圧された『現在の自分が認めがたい価値観…
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学校教育におけるいじめの認知件数の増大と関係者全員が連携した危機介入的アプローチの必要性

文部科学省が『いじめの定義』をいじめられる側の心情を中心にしたものに書き換えた影響もあり、学校現場におけるいじめの認知件数が約6倍に急増しました。文科省実施の『児童生徒の問題行動調査』によると、2006年度に認知されたいじめ件数は小・中・高校・特殊教育学校などを合わせて約12万5000件ですが、認知件数が少なかった2006年度以前に実際…
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梅田望夫『ウェブ時代をゆく ―いかに働き、いかに学ぶか』の書評3:自由主義を取り巻く世論の空気と教育

前回の続きになるが、本書を、世間一般的なワークスタイルや進路選択のアドバイスをしてくれる本として読んでしまうと道を踏み誤ってしまう恐れもある。本書は『高速道路の先(高く険しい道)』に行こうとも『けものみち』を進もうとも、飽くまで『自由な生き方の実現のためのケーススタディと条件』にまつわる本なのである。その為、『自由な生き方』に強い不安や…
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梅田望夫『ウェブ時代をゆく ―いかに働き、いかに学ぶか』の書評2:好きを貫く事と知的に生きる事

前回の記事では、ウェブ経済圏の最大規模について考えたが、マスメディアや財界の有力企業、ベンチャーキャピタルの主要な関心事は確かに『ウェブビジネスの成長可能性』だった。しかし、大多数の個人にとってウェブは元々大金を稼いだり事業を起業したりするような場所ではなかったのだから、梅田氏が言うように『経済のゲーム』よりも『知と情報のゲーム』にもっ…
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梅田望夫『ウェブ時代をゆく ―いかに働き、いかに学ぶか』の書評1:経済圏と知的情報網としてのウェブ

1990年代後半から続くIT(情報技術)の発達とウェブ環境の普及によって、18世紀イギリスの産業革命に次ぐ情報革命が起きたと言われるが、私たち個々人にWeb2.0(総表現社会)を前提とする情報革命はどのようなインパクトをもたらしたのだろうか。産業構造の概略について考えると、『産業革命』は管理された集権的な工場労働(営利活動)によって全世…
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本田直之『レバレッジ時間術 ノーリスク・ハイリターンの成功原則』の書評

過去の記事で、本田直之氏がビジネス書の多読法について書いた『レバレッジ・リーディング』を紹介しましたが、その時に『レバレッジ時間術』も読んでいたので自分の時間管理法と簡単に比較しながらレバレッジ時間術の書評を書きたいと思います。『レバレッジ・リーディング』では、ビジネス書の多読にレバレッジ(関数的な効用)をかけることで読書を投資行為とし…
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演技性人格障害の“自己アイデンティティの拡散”と“性的アイデンティティの未成熟”の問題

前回の記事の続きになりますが、演技性人格障害の全般的な印象としては、物事への注意深さや慎重な判断が不足がちで、長い時間をかける熟慮を好まず相手への親身な共感性に欠けているという印象があります。大雑把な直感(好き嫌い)やその場限りのノリだけで物事を判断してしまうので合理的な問題の解決が苦手であり、勢いで軽はずみな対応をした時には『他人から…
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ジェフリー・F・ミラー『恋人選びの心 Ⅱ 性淘汰と人間性の進化』の書評2:言語機能の進化と性的魅力

19世紀のゲーテとシラーのドイツロマン主義では、美術(芸術)に禁欲的なヴェールがかけられ、芸術家は有性生殖に非適応的な隠棲者のようなイメージで想起されていたが、その根拠は『芸術はそれそのものが快楽となる自己充足的なものだから』ということであった。しかし、快楽や喜びをもたらす行動には多くの場合、何らかの適応的利益や必要性が潜在しているので…
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ジェフリー・F・ミラー『恋人選びの心 Ⅱ 性淘汰と人間性の進化』の書評1:性的身体とスポーツの適応度

チャールズ・ダーウィンの『人間の進化と性淘汰』を元にして異性の選好(選り好み)と繁殖適応度を考える『恋人選びの心 Ⅰ』では、自然界の動物に見られる『生存に役立たない高コストな形質』が異性への求愛(性的魅力)に役立っていることを見てきた。アモツ・ザハヴィのハンディキャップ理論によれば、生存維持に不利益(ハンディ)となる高コストな性的装飾形…
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自民・民主の大連立の失敗と二大政党制、小沢一郎の国連中心主義的な外交理念の問題:2

前回の記事では、民主党の小沢一郎代表の国連中心主義的な外交理念について書いたが、日本国憲法の前文には以下のようにあり、確かに『世界平和維持への積極的なコミット』が示唆されている。しかし、今まで日本国憲法の前文の『世界平和実現の理念』が政府によって直接的な外交政策に結び付けられたことはなく、一般的には、理想的な努力目標や抽象的な進歩主義、…
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自民・民主の大連立の失敗と二大政党制、小沢一郎の国連中心主義的な外交理念の問題:1

宥和的な政策協調を目指す自民・民主の大連立構想が破綻して、民主党の小沢一郎代表が突然党代表を辞任する意向を明らかにしたことで政界に大きな変化の兆候が見え始めている。小沢一郎代表が福田康夫首相と二人だけの密室協議を行ったことで民主党内部からの不満の突き上げがあり、小沢代表が辞任しなくても党内の求心力低下は避けられなかっただろう。民主党が大…
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他者の注目と好意を求めるハイテンションな演技性人格障害の特徴と表層的な人間関係

前回の記事では、衝動性・依存性・自己中心性・感情の不安定性などを特徴とするクラスターBの人格障害では『他人から認められたい(愛されたい)という外向的な承認欲求の過剰』があり、内向性・非社交性・妄想性・自閉性などを特徴にするクラスターAの人格障害では『他人と関わりたくないという内向的な不安の過剰』があるという話をしました。クラスターB(B…
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他者(社会)からの影響を拒絶するA群(クラスターA)の人格障害:現実と想像の境界線で孤立しやすい人

過去の記事でクラスターBの人格障害について解説したが、クラスターAの妄想性・分裂病質・分裂病型の人格障害に共通する精神力動は『自己の主観的かつ妄想的な世界像』を懸命に維持するために、現実社会や対人関係を無視して拒絶することである。自分の都合のいい現実解釈や世界認識に執着してその妄想を修正することが困難であり、『自己の内面世界のイメージ及…
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