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PTSDの発症に関係する神経系・内分泌系の『闘争‐逃走反応』と罪悪感・自責感を生む“凍りつき”の問題
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2009/07/01 00:38 |
PTSD(心的外傷後ストレス障害)を形成するトラウマ体験と自律神経系の過剰亢進による身体症状
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2009/06/27 01:57 |
解決志向ブリーフ・セラピーにおける“心的リソース・前向きな可能性・例外の発見”を引き出す質問法
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2009/06/20 10:55 |
S.フロイトの“エディプス・コンプレックス”とM.クラインの“原始的防衛機制”に基づく発達的な病因論
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2009/05/25 21:04 |
S.フロイトの精神分析における“無意識の原因論”と“欠如した物語性の回復”:幼少期記憶の位置づけ
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2009/05/25 20:57 |
“不況による雇用悪化・生活苦・うつ病”などの影響で30代の自殺者が増加。うつ病原因論の問題点
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2009/05/16 07:57 |
“真のリア充”のライフスタイルや行動基準とはどんなものか?リアルとバーチャルの欲望の相互補完性
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2009/04/20 15:21 |
認知療法による非合理的思考や悲観的な思い込みの改善:ネガティブな自己アイデンティティの問題
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2009/04/06 20:36 |
適応的な精神機能が低下する“精神衰弱”と完全主義欲求・自己不確実感によって持続する“強迫性障害”
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2009/03/09 12:33 |
人間行動の予測・制御を目指した行動主義心理学とオペラント条件づけから導かれる“マッチング法則”
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2009/03/05 14:54 |
優劣判断される“能力面の個性”と価値判断されない“人格面の個性”:理想自我と現実認識のバランス
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2009/02/28 10:44 |
青年期のモラトリアムや中年期のアイデンティティの危機と関連するアパシー・シンドローム(選択的退却)
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2009/02/24 04:48 |
電車・バスの中における携帯電話の通話はどうして迷惑に感じるのか?儀礼的無関心とマナー違反
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2009/02/20 21:02 |
A.エリスのABCDE理論のモデルと“不快な気分・苦痛な感情”を改善する合理的信念の効果・特徴
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2009/02/11 13:42 |
『他人に何かをして貰うこと(贈与−返報)』の負債感の増大と経済取引に求められるサービス・人間関係の質
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2009/02/04 06:26 |
精神分析的なエロス論と大人の性愛コミュニケーションに内在する“退行・依存”の要素
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2009/01/27 04:49 |
『怒りの感情』の発生原因を考慮した認知療法的な対処法:カタルシスとアンガー・マネージメント
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2009/01/23 14:48 |
遺伝要因と環境要因によって形成される人間の性格傾向:性格理解のための『類型論』と『特性論』
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2008/12/28 07:14 |
カウンセリングにおける対話の焦点づけと『自分にとっての意味の洞察』:認知・行動の変容と問題解決
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2008/12/01 15:31 |
社会不安障害(SAD)における『対人不安・回避行動・環境不適応』の症状:対人恐怖症の自己認知の障害
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2008/11/20 03:34 |
ジャック・ラカンの『現実界・象徴界・想像界』の視点から見た人間の欲望・言語活動と信頼関係の本質
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2008/11/10 16:17 |
カウンセリングの基本技術としての『傾聴・中立性』:相手の話を引き出し自己洞察を深める傾聴の難しさ
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2008/10/31 02:54 |
“プライベートな人間関係”の親密度を推量する基準としての『応答可能性・援助可能性・価値基準の親和性』
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2008/10/13 12:46 |
ギャンブル依存症の簡易チェックシートと『損失補てんの焦燥感・刺激的興奮の追求』によるハイリスク行動
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2008/10/06 04:18 |
コミュニティの流動性と学校環境におけるいじめ問題:集団活動の本来の目的からの逸脱と優越欲求
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2008/09/24 00:39 |
ピエール・ジャネの精神衰弱概念と不安障害・強迫性障害につながるパーソナリティ特性
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2008/09/11 06:00 |
J.バビンスキーの“無意識的な観念”の作用と認知療法の“認知の歪み”の変容:抑圧による病理形成
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2008/09/10 08:35 |
仕事中だけ鬱になるという“新型うつ病”についての雑感2:退却神経症とアパシーを巡る労働意欲の問題
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2008/09/02 14:44 |
仕事中だけ鬱になるという“新型うつ病”についての雑感1:一般的なうつ病とストレス反応の異同
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2008/09/01 05:46 |
子どもの気質と母親の養育態度から形成される“愛着の質”:愛着行動と抗ストレスホルモンの分泌
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2008/08/25 11:47 |
不合理な人間を前提にする行動経済学と“利得・損失・リスク”に対する曖昧な価値判断
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2008/08/22 14:15 |
児童虐待の問題から考える『家庭(家族)の養育機能・教育機能』と『外部の相談機関・支援制度』の重要性
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2008/08/09 13:34 |
異性の“外見の魅力”と“内面の魅力”についての考察:恋愛における性格・内面の評価とは?
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2008/07/31 04:03 |
青年期の精神的成熟(安定)を支援する家族関係と社会環境のあり方:対人ネットワークと社会的孤立
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2008/07/29 10:19 |
認知心理学における高次知覚の考察と人間の顔認識機能(個体・表情・言語情報の識別)の複雑さ
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2008/07/16 09:52 |
自己顕示的なパーソナリティ障害における“虚言癖・演技性の心理”と“他者操作・場の支配の影響”
古典的な性格心理学では、カール・ヤスパースなどが相当な無理や演技をして『自分を現実の自分以上の存在として顕示すること』をヒステリー的な自己顕示と定義したが、これは演技性人格障害の特徴に近い自己顕示のやり方であると言える。しかし、他者危害性の小さい演技的(オーバー・おおげさ)な自己顕示の問題が“病理的”であるとまで言えるかは微妙であり、自己顕示の最も病理的な現れとしては『欺瞞・虚言・犯罪に基づく顕示的な言動』などを想定することができる。 ...続きを見る |
2008/07/11 12:31 |
科学的な認知心理学の誕生と情報処理システムとしての人間の精神
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2008/07/09 06:14 |
“安全安心の欲求”−“所属の欲求”−“承認欲求”の相互的なつながりと他者に承認されない孤独感の認知
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2008/07/03 19:10 |
個人的・社会的な承認ネットワークから零れ落ちる不安(危険)と自己の人格の尊厳を支える自他の信頼感
アブラハム・マズローの欲求階層説では、『生理的欲求→安心と安全の欲求→所属愛の欲求→承認欲求→自己実現欲求』へと発展していきますが、他者の承認や評価と完全に無関係な欲求は『生理的欲求(食欲・睡眠欲)』だけであり、生理的欲求の一つである性欲も自分ひとりでは十分に満たすことが出来ません。人間の人格的な尊厳や本性的な欲求について『他者からの承認(愛情)・他者とのコミュニケーション』を完全に無視して語ることはできず、人間の尊厳や倫理、欲求のあり方は『他者との関係性』と深い相関を持って相互につながっていま... ...続きを見る |
2008/07/01 18:34 |
パーソナリティ障害(人格障害)における“内向性・外向性の過剰”と“自己顕示欲求の表現形態”
性格構造の形成要因には『遺伝・体質・気質・性格(パーソナリティ)・態度・環境』などがあるが、人間の選択する行動の多くは『欲求の充足・緊張の緩和・社会的な役割・自尊心の維持』によって理解することができる。欲求の充足のより高次な形式には『意味の追求』や『自己アイデンティティの確立』があり、そこに社会的存在としての自己概念が加わってくると自己の欲求と社会貢献(他者への奉仕)のバランスが自然に取れてくることもある。『人格(パーソナリティ)』という概念が内包する意味には日本と欧米で大きな違いがあり、最近で... ...続きを見る |
2008/06/27 16:45 |
ジョゼフ・バビンスキーの自己暗示による神経症論(ヒステリー麻痺形成)とバビンスキー反射
自分が致命的な重い病気であることをしきりに訴えるヒポコンドリー(心気症)や手足が振るえたり身体がけいれんしたりするヒステリー反応も、自分の周囲に他人が存在する場面のほうが起こりやすいという傾向があり、他者からの認知・承認を求める心理が大きな要素となっています。前回の記事の続きになりますがS.フロイトやP.ジャネ以前の神経精神医学では、『神経学的異常(脳障害)あるいは身体的原因があって精神症状が発生する』という器質因論(身体因論)が主流でしたが、ジャン=マルタン・シャルコーの催眠療法によってヒステ... ...続きを見る |
2008/06/22 04:52 |
秋葉原の無差別殺傷事件から考えたこと3:特別な他者や恋人を求める感情と条件・属性による対人魅力の承認
6月6日2時55分の加藤容疑者の掲示板の書き込みに『それでも、人が足りないから来いと電話がくる・俺が必要だから、じゃなくて、人が足りないから・誰が行くかよ』とあるように、彼はきつくて給料が安い仕事が嫌というのもあったでしょうが、自分という存在(人格)が道具のように取り扱われる職場環境への不満を鬱積したようにも読み取れます。本当は自分のことなんてどうでもいいくせに、何かに利用しようとする時(相手にとっての利益がある時)だけ自分を呼び出してくるというような対象関係の認知が加藤容疑者の内面に非常に根強... ...続きを見る |
2008/06/15 08:16 |
秋葉原の無差別殺傷事件から考えたこと2:他者に対する破壊衝動の克服と対人関係の功利的調整
精神分析家メラニー・クラインが考案した発達早期の精神発達論では、乳幼児は無意識的な破壊衝動(攻撃欲求)を部分対象に向ける『妄想‐分裂ポジション』から、破壊した部分対象にも自分と同じ人格や感情があることに気づいて罪悪感を抱く『抑うつポジション』へと発達していくと考えられています。『妄想‐分裂ポジション(生後3〜4ヶ月)』の最大の特徴は、自己と他者(母親の部分対象)の区別が曖昧で、他者を自分と同じ主体性(意志・感情)を持つ独立的存在として認知できないことですが、妄想‐分裂ポジションでは『分裂(spl... ...続きを見る |
2008/06/13 01:17 |
秋葉原の無差別殺傷事件から考えたこと1:家族との情緒的な結びつきと社会と向き合う精神的自立のプロセス
6月8日、東京・秋葉原の歩行者天国で7人を死亡させ10人に重軽傷を負わせるという戦後稀に見る無差別殺傷事件が発生しました。加藤智大容疑者(25)はレンタルした2トントラックを歩行者天国の横断歩道に突っ込ませた後に、ダガーナイフを振りかざして多くの人を殺傷しましたが、事件後の加藤智大容疑者の供述とネット(ケータイサイトの掲示板)への書き込みによって浮かび上がってきた人物像は『異性・友人・社会からの肯定的評価』を執拗なまでに求める孤独な男性の姿でした。 ...続きを見る |
2008/06/13 01:05 |
古典的なヒステリー性格の特徴と自己愛性人格障害:他者への信頼感と共感性の視点
神経症(neurosis)は心理的原因による心身の機能障害と位置づけられますが、無意識的願望や二次的疾病利得が反映されるヒステリーの自己暗示的な側面について過去の記事で説明しました。ヒステリーの身体症状(麻痺・けいれん・感覚‐運動障害)を発症させる自己暗示は何らかの疾病利得と関係していることが多いですが、クラスターBの人格障害へと推移したヒステリー性格は『他者の注目・関心・評価』を求める外向型性格の過剰に由来しています。 ...続きを見る |
2008/05/31 05:42 |
好きな相手との関係を終わらせないために『相手から欲望される』ということ:双方向の“贈与”の反復
前回の記事で書いたように、『相手からの贈与を受け取らないこと・相手についての詳細な情報を得ないこと・相手のプライバシーに踏み込まないこと』によって、応答の必要のある『他人』は応答の必要のない『他者』へと変質していきますが、これは自分に働きかけてくるすべての『他者』を『他人』として処遇することが物理的に不可能である以上、半ば自衛的で必然的なものであるとも言えます。贈与の最もありふれた形態は『パロール(話し言葉)』ですが、都会の雑踏で出会うナンパやキャッチセールス、夜間飲食店のスカウトの贈与(パロー... ...続きを見る |
2008/05/08 07:06 |
“贈与―応答の原理”によって維持されるコミュニケーション:贈与(パロール)と人間関係の距離感の調整
私たちの人間関係やコミュニケーション、経済活動の多くは『等価原理』によって大枠が規定され、『贈与と返礼の不均衡(バランスの崩れ)』によって関係性(コミュニケーション・ゲーム)が継続されます。『贈与(プレゼント)』というのは他者に何らかの恩恵・利益を与えたり、逆に他者に何らかの損失・被害を与えたりすることです。贈与を受け取った人間はそれが良きものであれ悪しきものであれ、ある種の『返礼義務・応答の責務』を心理的に負わせられることになります。 ...続きを見る |
2008/05/06 06:45 |
エミール・デュルケーム『自殺論』の類型論とアノミーな現代社会におけるメンタル面のリスクファクター
前回の記事の続きですが、具体的な個別の問題については、これからの人生をどのように考えて生きていけばよいのかという目的性(適応的な認知変容)を意識したカウンセリング的対応を行い、経済・生活・健康面の問題については利用可能な保健福祉制度(相談制度)や法律制度など社会的資源の情報提供を行っていく必要があります。硫化水素ガスを用いた自殺の場合には、本人とは無関係な周辺住民を巻き込む問題がありますが、本人の希死念慮(悲痛な絶望感)を緩和する心理的支援の方法と周囲の二次的被害の防止をどのような形で統合してい... ...続きを見る |
2008/05/05 17:51 |
硫化水素による自殺問題の波及とインターネット・マスメディアによる情報伝達の問題
3月から5月現在にかけて60人を越える人たちが硫化水素ガスによって自ら生命を絶ちましたが、『硫化水素を利用した自殺手段』がインターネット経由で広まったことが各種メディアによって批判されているようです。生きていくのが辛くて死にたいと思う感情が先か、自殺の具体的手段に関する情報が先かという根本問題を無視して、『目に見えるネガティブな情報』だけを確実に規制・削除すれば問題が沈静化するという単純な構造ではありませんが、『手段(道具・薬物)入手の容易性』が自殺既遂率に相関するというデータはありますので、具... ...続きを見る |
2008/05/03 23:00 |
“制縛型の自己不確実者”と“敏感型の自己不確実者”の持つ不安感情と強迫症状の特徴
前回の記事の続きになりますが、エルンスト・クレッチマーの言う内的活動を外部に表現する『転導能力』には、精神内界の表象(イメージ)や感情を外部に発散して内界に留めないというカタルシス機能があります。しかし、転導能力が障害された自己不確実者は、一度体験した強烈な出来事に伴う表象(イメージ)や感情を外部に発散(表現)することができないので、長期間にわたってその表象・感情に伴う不安感に悩まされ続ける恐れが出てきます。 ...続きを見る |
2008/04/29 16:56 |
“内的表象による不安症状”の持続性と“外的対象による恐怖症状”の即時性:行動力を抑制する自己不確実感
心理的不快をもたらす精神症状の代表的なものとして『不安(anxiety)』がありますが、持続期間の短い『正常圏の不安』には『恐怖(phobia)』と同じような特定可能な理由が見つけやすく、持続期間の長い『病理的な不安』には特定可能な理由が見つけにくいという特徴があります。他人に『不安の内容』を具体的に説明しやすく、不安な問題について話を聴いてもらうと気持ちが落ち着いて、自然に不安が和らいでいくという場合には病理的な不安とまでは言えないでしょう。反対に、『不安の内容』についての自己理解が難しく他人... ...続きを見る |
2008/04/17 09:18 |
人間の性格における『固定的な部分(気質要因)』と『可変的な部分(環境要因)』:抑うつ性格の悲観的認知
心理学とは『客観的な行動(対人関係)』と『主観的・生理的な心理(内面)』のメカニズムを科学的に研究する学問ですが、行動主義や性格心理学では『人間の行動生起の予測』に重点が置かれてきました。結論から言うと、現在の心理学のレベルでは事後的に人間の行動を説明(解釈)することはできても、事前的に人間の行動の形成・変化を予測することは不可能です。しかし、『人間の大まかな行動形成の原理』については、オペラント条件づけ(報酬・罰則による行動強化)や成育過程における価値規範(判断基準)の内面化、本能的・社会的な... ...続きを見る |
2008/04/12 00:21 |
仕事を通した社会的アイデンティティ確立の問題と子どもの労働意欲・職業選択を促進する家族関係
茨城県土浦市で起きた事件では、フリーターの加害者が父親から『仕事(正社員の定職)に就け』と責められていたことが“逆切れ”につながったという報道がありましたが、20〜30代で職業選択・就職活動で躓いた場合の就労サポートや仕事に対するモチベーション(勤労意欲)の向上は、非常に困難の多い課題になっています。加害者の男性は、バイトではなく定職に就けという父親の就労刺激に対して、頻繁に家の中のモノに当たる家庭内暴力をしていたようです。しかし、思春期以降も小動物に対する虐待や対人コミュニケーションの困難など... ...続きを見る |
2008/04/01 14:49 |
ヴォルフガング・ブランケンブルク『自然な自明性の喪失』の考察:“当たり前(常識)”を共有できない苦悩
統合失調症の陽性症状(幻覚・妄想)は健常者には存在しない心的過程を経験することを意味しているが、精神病理の苦悩の多くは『日常性・自明性からのズレ』によって生まれている。病態水準の重い精神疾患や妄想・興奮に基づく逸脱行動は、多くの場合において、既存社会に適応している人たちの不安や恐怖を高めやすい。そのため、精神保健福祉領域の歴史的活動は『精神疾患にまつわる誤解・偏見の除去』に当てられ、精神病者の社会復帰を促進するためのデイケアやケースワーク、集団精神療法などが創意工夫されてきた。現実社会への適応力... ...続きを見る |
2008/03/27 06:25 |
茨城県土浦市の無差別殺傷事件の報道に対する雑感と人生・家族関係に対する行き詰まり感の問題
3月23日に茨城県土浦市のJR常磐線荒川沖駅周辺で8人を殺傷する悲惨な事件が起こりましたが、24歳の容疑者男性の就労状況や趣味娯楽、生活態度、成育歴などに対するメディアバイアス(メディア報道における偏った印象形成)が大きくなっており、事件と加害心理の本質から遠ざかっているように感じます。容疑者男性の趣味であるゲームやオタク的な生活態度が突発的にキレた原因だとか、コンビニでフリーター(アルバイト)をしていて定職に就いていないことが問題だとか、加害行動の安直な因果関係をラベリング(レッテル貼り)の方... ...続きを見る |
2008/03/26 08:06 |
自己暗示的な神経症症状(自律神経失調)と精神的ストレスへの逃避的適応:古典的神経症における疾病利得
『前回の記事』では、『身体的疲労・精神的ストレス・睡眠不足』によって作業効率や仕事能力が低下する神経衰弱を解説しましたが、19世紀の古典的な精神医学では神経衰弱はノイローゼ(neurosis, 神経症)の下位分類に置かれていました。過去に書いた記事で神経症(neurosis)の定義を、『精神的原因による器質的障害を伴わない心身の機能障害』としましたが、古典的神経症の下位分類で最も代表的なものが多面的な症状・問題を有するヒステリーです。 ...続きを見る |
2008/03/24 03:04 |
“道具としての外国語(英語)”の学習とL.S.ヴィゴツキーの内言・外言による言語の発達観
前回の記事の続きになりますが、太田雄三の『英語と日本人』という書籍では、日本人が外国語の日常会話がなかなか出来るようにならない理由として、『一つの言語体系を完全にマスターしようとするような無謀な完全主義欲求(ネイティブであっても完全に自国語の言語体系を完全にマスターしている人などはいない)』について言及されています。 ...続きを見る |
2008/03/19 22:48 |
近代的な結婚観に基づく“目的論的な家族像”の衰退と個人の自由選択に任された“結婚・出産・育児”の問題
女性の妊娠出産や家庭での育児を巡る問題は、『近代的な家族像・結婚観の変化』や『ジェンダー(社会的性差)の変化』と深く関係しています。ある人にとっては出産育児の決断はそれほど悩むべき問題ではなく、むしろ自分が父親・母親となって子どもを持つことを『人生の主要な目的』だと考えています。ある人にとっては出産育児の決定は深刻な悩むべき問題となり、自分が父親・母親となって子どもを持つことを『人生の重要な選択』だと考えているかもしれません。 ...続きを見る |
2008/03/09 10:57 |
乳幼児期の言語発達(ことばの発達)と“話し言葉・書き言葉”の学習プロセスの違い
『英語と日本人の書評』では話し言葉と書き言葉の学習方法の違いについて述べましたが、実際に、子どもが『母語としての言語』を覚えていく場合にも話し言葉と書き言葉の学習は異なる特徴を持っています。『乳幼児期の言語発達』では、生後2ヶ月頃から単純な発声である『喃語(なんご・赤ちゃんの単純な発声)』を出し始め、生後8ヶ月頃になると喃語がやや高度化して『言語としての意味』はないものの『うーうぅ・ああ〜う・ままぁ』など自分勝手に音を色々と組み合わせ始めます。 ...続きを見る |
2008/03/07 11:17 |
育児・子どもへの苦手意識に対する母性神話の影響:母親アイデンティティの受容と間接的な承認欲求
保育・教育政策の話から育児不安の話題に戻りますが、もし子どもに何かあったら私の責任(自分の育て方の間違い)にされてしまうのではないかという母親の養育責任に対する不安は、夫が育児に関与せずに『お前に全部子どものことは任せている』というような態度を取るほど強くなります。子どもに何か問題が起きたらという不安は、子どもが乳幼児の時には『健康上(病気や事故)・発達上(言語や知能の発達)・しつけ上(マナーや行儀)の問題』について感じ、子どもが児童期以上の年齢になってくると『学校の成績や不登校・友達との関係(... ...続きを見る |
2008/02/26 23:37 |
大学での発達障害の学生に対する教育的支援の取り組み:知的能力とコミュニケーション能力のアンバランス
大学教育機関で発達障害の診断基準に該当する学生が増えているというニュースがあり、京都大学や富山大学、信州大学では発達障害を持つ学生に対する支援体制の整備が進められているといいます。記事のタイトルには『自閉症などの発達障害』とあり、複数の下位分類がある発達障害の中でも、知的障害・言語障害のない広汎性発達障害(PDD)を中心とした学生支援のあり方が考えられているようです。 ...続きを見る |
2008/02/24 05:04 |
過労状態によって発症する神経衰弱と仕事(勉強)の効率性:睡眠を取れないマウスの脳下垂体の損傷
仕事や勉強の『量』を増やす為には、仕事や勉強をする『時間』を増やさなければならず、『仕事・勉強の時間』を極限まで増やそうとすれば睡眠時間や休養時間を減らす必要が出てきます。受験前の学生は睡眠時間を削って一日の大半を勉強に費やすこともありますし、人員(労働力)が恒常的に不足している企業や厳しいノルマを掲げている企業の場合には、休み返上で毎日長時間労働をしなければならないこともあります。 ...続きを見る |
2008/02/19 20:02 |
“閉鎖的な人間関係”における対人トラブルを生む“非社会的な自己愛”の高まり
前回の記事の続きになりますが、他者に危害を加える『反社会性』と自己愛の過剰による『利己性』とは必ずしも相関しません。他人に関心が向かないほどに自己愛(ナルシシズム)が極端に強くて、自分自身に関係する事柄にしか興味がないような人は、内的世界(内向的行動様式)に退却して社会適応性が低下することはありますが、他人を攻撃するような反社会性が高いとは言えないからです。自己愛や利己主義が強い場合には、外的世界において他者の行動や財産を力ずくで不当に支配しようとする『反社会性』として問題が現れることもあります... ...続きを見る |
2008/02/14 23:12 |
少子化時代の母親の育児ストレス(育児不安)と社会成員の子育てに対する認識・協力の多様化
育児には他の行為とは比較にならないような多くの喜びと幸福がある一方で、毎日、小さな子どもと向き合って献身的に世話をする母親(父親)には精神的にも時間的にも大きな負担がかかります。政治的な少子化対策や育児支援は段階的に進められていますが、日常生活における精神的ストレスや育児不安を和らげるような支援を公的な枠組みで行うことは難しく、『夫婦・親族の協力』や『地域社会の育児に対する対人的な理解・支援』が必要になってきます。しかし、核家族化が進んでいる現在では、実質的に配偶者以外の人から育児の協力を得られ... ...続きを見る |
2008/02/06 00:33 |
“主観的な幸福感”を重視するスピリチュアルな世界観と“客観的な根拠”を重視する科学的な世界観:2
前回の記事でスピリチュアルな対話について書いたが、無論、科学的な意味で死後の人間とコンタクトを取る霊媒・霊視や前世へのタイムスリップが事実であるわけではない。『スピリチュアルの世界観の前提』を共有する人間同士であれば、精神的な苦悩を和らげたり、充実した人生を過ごす支えとなる「物語的な意味」を手に入れることができるかもしれないが、それは第三者が客観的に認識できるという意味での科学的事実とは異なるものである。その意味で、スピリチュアルな技法や特殊能力というものは、科学技術のように万人に通用するもので... ...続きを見る |
2008/02/01 15:14 |
“主観的な幸福感”を重視するスピリチュアルな世界観と“客観的な根拠”を重視する科学的な世界観:1
テレビで放送されている江原啓之氏のスピリチュアル番組がBPO(放送倫理・番組向上機構)からの倫理的勧告を受けたようだが、時にカウンセリングとも結び付けて語られるスピリチュアルとは何なのかを現代社会のアノミー(中心的価値観の衰退)と結びつけて考えてみたいと思う。スピリチュアルに対する倫理的批判や科学的検証などは意図せずに書くつもりだが、スピリチュアルというのは基本的に『自分の人生にとって意味のある想像的な物語(霊的世界の前提)を受け容れるか否か』という信仰に近い問題である。ただし、教義に基づく規範... ...続きを見る |
2008/01/30 00:15 |
精神的ストレスとフラストレーションに対応する自我防衛機制の働き:環境適応の視点から見る人間
前回の記事では、『外部環境への適応』と『内的欲求への適応』のバランスについて書きましたが、適応には、自我が余り関与しない物理的充足(生存・摂食・睡眠)のための適応と自我の関与が強い精神的充足(承認・自尊心・自己愛)のための適応とがあります。近代以降にはパノプティコン(一望監視施設)を説いたM.フーコーや反精神医学を標榜したR.D.レイン、普遍的無意識を重視したC.G.ユングなど、『所与の環境への適応に内在する問題』を指摘する人物が多く現れましたが、依然として精神医学や臨床心理学(一般的なカウンセ... ...続きを見る |
2008/01/17 21:37 |
ストレスフルな現代社会における『自己への適応』と『環境への適応』:自由主義と自己アイデンティティ形成
精神疾患の多くは素因ストレスモデルによってその発症を理解することができますが、双極性障害(躁鬱病)や統合失調症など精神病圏の問題を除いて、『環境への不適応による持続的なストレス状況』を引き金にしてメンタルヘルスの不調が起こってくるケースが多く見られます。精神の正常性と異常性の境界線を規定する基準として『標準性・価値認識・適応性・病理性』を考えることができますが、生物学的(進化論的)あるいは異常心理学的にもっとも基本になるのが『環境適応性の基準』です。 ...続きを見る |
2008/01/15 07:46 |
“他者の注目”を求める演技性人格障害と“社会的な価値(他者の好意)”を拒絶する反社会性人格障害
ウェブサイトで演技性人格障害と反社会性人格障害の特徴と概略についてまとめましたので、興味のある方は読んでみて下さい。クラスターB(B群)の人格障害に分類される『境界性人格障害・自己愛性人格障害・演技性人格障害・反社会性人格障害』に共通する特徴は不安定な対人関係(感情機能)と抑制困難な衝動性であり、その根本には自己と他者の境界線が曖昧になるという『自己愛と対象関係の調節障害』が横たわっています。自分で自分のことを尊重して大切にする自己愛(self-love)は適度なレベルで働けば、自分の能力・実績... ...続きを見る |
2007/12/30 10:30 |
カウンセリングと教育の異同についての考察:『社会適応・問題解決・能力向上・人間性の成長』の視点
『人間を精神的に成長させる・状況を良い方向へと変化させる』という目的論の視点で見ると広義のカウンセリングと教育行為には似た部分がありますが、教科指導や道徳教育を行わずに『精神的な問題の解決』に焦点付けするカウンセリングは教育よりも狭義の援助的対人関係と言えるでしょう。『教育』というのは多義的な言葉なので教育とは何かという問いかけに答えるのは難しいのですが、教育には必ず『教える人(先生・親)』と『教わる人(生徒)』という秩序的な上下関係があります。教育の本質は優れた知識・技術・資格・ノウハウを持っ... ...続きを見る |
2007/12/23 06:22 |
脳が認知できない『見せ掛けの現実』と『物理的な現実』の差異:認知的トリックの世界を生きる人間
大脳新皮質を進化過程で獲得した人間は、低次・高次の脳機能によって『環境(外界)・他者・言語・自己』を認知(知覚)して、適応的な行動(運動)をすることが出来る。しかし、認知科学や脳神経科学の研究成果から分かってきたことは、人間の認知機能にはエラー(誤謬)や錯覚が多いが、人間はそれに気づくことが極めて難しいということである。日常生活の中で人間は知覚・判断・予測のエラーを数多くしているが、通常、『現実世界の認知的な歪曲(捏造)』が実際的な不利益や心理社会的な障害につながることはまずない。人間には個別差... ...続きを見る |
2007/12/20 22:15 |
人生の再叙述を行う“ナラティブ・セラピー”と過去の物語を更新する“再決断療法”
前回の記事では、社会構成主義の思想的位置づけとカウンセリング技法への応用について書いたが、構成主義的なカウンセリングでは間主観的な共同作業によって『人生の肯定的な意味づけの生成』を行っていく。構成主義の文脈における不適応な生活とは『客観的な現実』を受動的に受け容れるだけの生き方を意味している。『変えられない客観的現実によって私は苦しんでいる』という自己認識を脱しきれないことによって主観的苦悩はより一層深まるが、『自分と他者の行動によって現実が作られている』という自己認識に近づくことで改善的な変化... ...続きを見る |
2007/12/08 15:37 |
社会的な集団状況における『同調圧力(集団圧力)・役割行動規範』と『個人の判断基準』との葛藤
『前回の記事』で、いじめ問題に対する危機介入アプローチと社会心理学的な集団力学について触れましたが、いじめやモラルハラスメント(精神的嫌がらせ)に限らず『複数の人間が相互作用する場面=社会的状況』には頻度依存的な同調圧力(集団圧力)が掛かります。儒教の祖の孔子は『論語』において『君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず』という同調行動にまつわる行為規範を語りましたが、同調圧力を回避した主体的判断を実践することは相当に困難なことであり、最近の流行キーワードでいうと同調圧力を無視した行動は『KY(空気... ...続きを見る |
2007/11/27 17:22 |
カウンセリングにおけるコンプレックスの自己洞察とラポールと関係した自己言及の中立的な調整:2
前回の記事の続きになりますが、相手の個人的コンプレックスや心的外傷の内容、今までの生活履歴(成育歴)、基本的な価値観などを十分に理解していなければ、私達は絶えず『悪気は無くても他人を傷つけたり不快にする発言・行動』をしてしまう恐れがあります。しかし、一般的な話題やありふれた行動で無意識的に他人(友人)を傷つけてしまっても、コンプレックスを全く刺激されない無菌室のような社会環境・対人関係というのは有り得ないわけですから、日常生活における何気ない言動の範囲内であればその人に加害責任があるわけではない... ...続きを見る |
2007/11/22 00:10 |
カウンセリングにおけるコンプレックスの自己洞察とラポールと関係した自己言及の中立的な調整:1
あらゆる相手に不快感や劣等感、抵抗感を感じさせずに話すというのは現実社会では非常に難しい作業ですが、それは無意識的に相手の個人的コンプレックス(感情的複合体)を刺激する発言を人はしてしまうものだからです。C.G.ユングが分析心理学の中で定義したコンプレックス(心的複合体)とは、個人的無意識の領域に抑圧された『現在の自分が認めがたい価値観・生き方・特徴』のことであり、コンプレックスに関連する話題や概念、人物を認知すると人は不快感や怒り、悲しみ、居心地の悪さなど『特異的な感情反応』を生じます。 ... ...続きを見る |
2007/11/21 21:22 |
演技性人格障害の“自己アイデンティティの拡散”と“性的アイデンティティの未成熟”の問題
前回の記事の続きになりますが、演技性人格障害の全般的な印象としては、物事への注意深さや慎重な判断が不足がちで、長い時間をかける熟慮を好まず相手への親身な共感性に欠けているという印象があります。大雑把な直感(好き嫌い)やその場限りのノリだけで物事を判断してしまうので合理的な問題の解決が苦手であり、勢いで軽はずみな対応をした時には『他人からの信頼』を失いやすいというリスクを孕んでいます。 ...続きを見る |
2007/11/12 09:29 |
他者の注目と好意を求めるハイテンションな演技性人格障害の特徴と表層的な人間関係
前回の記事では、衝動性・依存性・自己中心性・感情の不安定性などを特徴とするクラスターBの人格障害では『他人から認められたい(愛されたい)という外向的な承認欲求の過剰』があり、内向性・非社交性・妄想性・自閉性などを特徴にするクラスターAの人格障害では『他人と関わりたくないという内向的な不安の過剰』があるという話をしました。クラスターB(B群)には、『境界性・自己愛性・演技性・反社会性』の四つの人格障害が分類されていますが、このうち境界性・自己愛性・反社会性の人格障害については過去記事で詳述してきた... ...続きを見る |
2007/11/04 16:46 |
他者(社会)からの影響を拒絶するA群(クラスターA)の人格障害:現実と想像の境界線で孤立しやすい人
過去の記事でクラスターBの人格障害について解説したが、クラスターAの妄想性・分裂病質・分裂病型の人格障害に共通する精神力動は『自己の主観的かつ妄想的な世界像』を懸命に維持するために、現実社会や対人関係を無視して拒絶することである。自分の都合のいい現実解釈や世界認識に執着してその妄想を修正することが困難であり、『自己の内面世界のイメージ及び悲観的な物語』を絶えず外界に投影しようとする特徴を持つ。何故、このように自分の想像力や無意識的欲求が作り上げた『非現実的な世界像』にこだわるのかというと、A群の... ...続きを見る |
2007/11/02 20:55 |
自殺を“個人の問題”に還元しない自殺対策と自由主義社会におけるアトミズム(個人化)の問題:2
他人からの干渉を排除して、自分が選好する最低限の相手とだけ付き合えば良い自由主義の価値観は、他人の援助を必要としないほどに心身が健康な個人、一定の経済力がある個人にとってはそれ以上ない最高の価値観ですが、当然、行き過ぎた自由主義と個人主義には幾つかの副作用が生まれてきます。 ...続きを見る |
2007/10/28 11:01 |
自殺を“個人の問題”に還元しない自殺対策と自由主義社会におけるアトミズム(個人化)の問題:1
現代日本のメンタルヘルス(精神保健福祉)の喫緊の課題として年間約3万人にものぼる『自殺対策』の問題がありますが、最悪の結果である自殺を予防し抑止する為には『公的な支援・専門的な支援・個人的な支援』の三者をバランスよく統合して自殺志願者の生への意欲を強化していく必要性があります。意識的・病理的な自殺という行動は、高度な自己概念と自尊心、複雑な経済社会(生活環境)を持った人間特有の行動であり、『自殺の予防対策』では直接的・間接的な支援(援助)を通して、健全な自尊心と生存欲求を強化していくことが目標と... ...続きを見る |
2007/10/26 14:15 |
実存主義と『生きる意味・人生の価値』を探求する実存療法(existential therapy):2
ニーチェは、本来的に無意味な『人間の生』に生きる意味や根拠を与えてきた『宗教(神)・道徳・形而上学の虚構性(作為性)』を指摘し、『人間は自分の弱さ(無意味さ)に耐え切れず、自分が創造したものに従属しているに過ぎない』という誰もが目を背けていた身も蓋もない事実を無遠慮に突きつけました。世界を構成する現存在(人間)を超越的に拘束すると信じられてきた『宗教の神聖性・権威の不可侵性・形而上学の普遍性・道徳的な善悪』は、本当は『人間のニヒリズム(虚無主義)』を隠蔽するための虚構であるとニーチェはいいます。... ...続きを見る |
2007/10/16 21:47 |
実存主義と『生きる意味・人生の価値』を探求する実存療法(existential therapy):1
自分の人生の一回性や歴史性(一貫性)、不可避性を自覚する時に、自己認識の『実存主義的な転換』が起こってきますが、この自己認識の劇的な転換は『自分は、今生きているこの人生以外の人生を生きることはできない』という冷徹な現実認識に基づいています。自分自身の今までの人生を無かったものにして、新生児の段階からもう一度人生をやり直すことはできず、生得的な遺伝子によって規定される生物学的な特徴を新しく書き換えることも出来ないという客観的な現実認識から生まれるのは、『私は今、与えられているこの生命を生きる以外に... ...続きを見る |
2007/10/14 04:23 |
自己一致と肯定的受容を促進する来談者中心療法と早期母子関係を重視した精神分析理論の問題
『現在の問題の具体的な解決』に焦点を合わせる解決志向アプローチ(解決構築アプローチ)については過去の記事で解説しましたが、解決志向アプローチでは『今までと違った行動や考え方』を選択することで不適応な行動パターン(認知傾向)が改善されていきます。支持療法であるカール・ロジャーズの来談者中心療法(クライアント中心療法)では、カウンセラーの基本的態度を示唆すると共に、『精神的成長(健康)へと向かうクライアントの実現傾向』を促進する受容的・共感的環境を整備することが重視されます。 ...続きを見る |
2007/10/11 01:15 |
“生きる意味”を積極的に生み出す『合理的な信念』と“生きる資格の障壁”を生み出す『不合理な信念』
解決構築カウンセリングを始めとする解決的アプローチは、臨床的な精神症状(抑うつ感・不安感・パニック発作・強迫観念など)にも応用可能ですが、日常的な悩みや対人関係(異性関係)の問題、学校や企業への環境不適応、仕事や勉強の能力向上(目標の達成)などありとあらゆる心理社会的問題に行動的レベルから直接的にアプローチできます。何故なら、人間社会の対人評価(人間関係)や職業活動(学習行動)、試験の成績、社会的スキル、異性関係(愛情表現)などは『実際の行動・発言の組み合わせ』から成り立っており、自分が何かの行... ...続きを見る |
2007/10/09 14:38 |
ユング心理学の“影(シャドウ)”の元型から見る“いじめる人間”のコンプレックス:いじめと笑い
前回の記事の続きになるが、一般的には、高校生くらいの発達年齢になると『個人の発言権の平等性・個人の人格性の尊重』を意識するメンバーが増えて、クラスの中に固定的な階層序列が生まれにくくなりいじめ行動に関心を示す人もほとんどいなくなる。しかし、高校や生徒の気風によっては、頻度依存的な『いじめの娯楽化』の雰囲気が残っていることもあり、金銭目当ての恐喝などが絡むといじめの犯罪化が顕著になることもあるだろう。神戸市の私立高校で発生したいじめ事件では、特定の個人を侮辱して笑いものにすることで楽しむ卑劣な『い... ...続きを見る |
2007/10/02 12:34 |
双極性障害(躁鬱病)の“T型・U型”の分類と“軽躁エピソード”が持つ幾つかの問題点:2
前回の記事の続きになりますが、単極性のうつ病や双極T型障害と違って双極U型障害は、ある意味で活動と静止のバランスが取れた精神疾患であり、軽躁状態をどのように使うのかによって『行動性・衝動性・感情制御の問題の深刻度と性質』が変わってきます。また、躁病エピソードと比較して軽躁エピソードの場合には、『社会的な生産性・発想面の創造性・職業的な適応性』などが残存していることが多いので、双極性障害そのものの存在が見過ごされやすくなります。クライアントが周囲から社会的に有能でエネルギッシュな人物として評価され... ...続きを見る |
2007/09/13 00:11 |
双極性障害(躁鬱病)の“T型・U型”の分類と“軽躁エピソード”が持つ幾つかの問題点:1
気分障害(mood disorder)や感情障害(affective disorder)というと、抑うつ感・気分の落ち込み・意欲の減退・希死念慮などの精神症状が顕著な『単極性のうつ病』をイメージしやすいですが、実際の症例では抑うつ感と軽度な高揚感が交互に生起する『双極性障害(躁鬱病)』が見られることも少なくありません。躁病相とうつ病相が繰り返し出現する躁鬱病というと、統合失調症と並ぶ二大内因性精神病の印象が強く、重症度の高い精神疾患という固定観念があるのですが、軽度の気分の高揚である『軽躁(けい... ...続きを見る |
2007/09/11 12:55 |
ジョセフ・マーフィー『マーフィー わずか「1日」ですべてが変わる!』の書評
書店やウェブで『マーフィーの法則』という言葉をよく見かけた時期がありましたが、普段、人生哲学(成功哲学)や自己啓蒙(ポジティブシンキング)に関する本は余り意識しないこともあり、ジョセフ・マーフィー関連の本は一度も読んだことがありませんでした。本書『マーフィー わずか「1日」ですべてが変わる』は、厳密にはマーフィーの法則というものを一つ一つ解説したものではなく、マーフィーの法則を教えられた人がどのようにして自分の問題や欠点を克服したかという事例集のような構成になっています。その為、具体的な法則や理... ...続きを見る |
2007/09/07 08:09 |
ウェブで語られる“プライベートな問題”と“メンタルヘルスの悩み”:共感的なコミュニティの可能性と影響
前回の記事では、『社会的に不利な属性を持つ人』でもウェブであれば各種のコミュニティに参加しやすいというメリットについて触れました。これをメンタルヘルスの文脈で考えると、精神疾患(心的外傷・不安障害・うつ病)や社会不適応(対人恐怖・非社会性・失業)などの問題を抱えた人たちの『セラピューティック(治療的)なコミュニティ空間』を準備できるということにもつながってきます。 ...続きを見る |
2007/08/27 06:35 |
『不適応な行動パターン』を効果的に変容させる解決志向アプローチのカウンセリング
認知療法的な視点を取り入れた『解決的アプローチ(解決志向や解決構築のカウンセリング)』の嚆矢となったのが、REBT(Rational Emotive Behavioural Therapy, 論理情動行動療法)のアルバート・エリスやうつ病の認知療法で実績を挙げたアーロン・ベックですが、解決的アプローチでは『現在の問題への具体的な対処法』に焦点を当てます。 ...続きを見る |
2007/08/19 20:15 |
S.フロイトの快楽への意志, C.ロジャーズの有機体の価値判断, A.エリスの合理的思考の接点
どういった考え方や物事の捉え方が自分にとって実際的に役立つのか、どの行動を選択すれば自分の未来の可能性を高めてくれるのかを考えるのが、認知療法や解決志向(解決構築)アプローチですが、C.ロジャーズのカウンセリングでは『生得的な功利性への気づき(自然に自己肯定感や幸福感が高まってくれる自己充足的な意識の目覚め)』がその中心にあり、生得的な功利性に気づくことで『自己一致(congruence)』が促進されるとしています。自己一致とは、自分が率直に感じ取っている『自己の経験(self-experien... ...続きを見る |
2007/08/15 20:27 |
S.フロイトの精神分析の基本原則とC.ロジャーズのクライアント中心療法の共感的態度:2
精神分析療法を実施する分析家とクライアント中心療法を行うカウンセラーとの基本的態度(基本原則)の違いを原則論的にまとめると以下のようになります。現在のカウンセリングでは、カウチ(寝椅子)で横になったクライエントが次々に自由連想を続けるような精神分析や、助言や情報提供を全く行わないクライエント中心療法は減っているので、折衷的な態度を取るカウンセラーが増えていると思われますが、『共感性・中立性・真実性・丁寧な傾聴・肯定的な態度』などの基本的要素は程度の差はあれ、およそ全ての技法に共通する側面を持って... ...続きを見る |
2007/08/08 04:38 |
S.フロイトの精神分析の基本原則とC.ロジャーズのクライアント中心療法の共感的態度:1
カール・ロジャーズの"person centered therapy"とも呼ばれるクライエント中心療法とシグムンド・フロイトを始祖とする力動的心理学の精神分析療法(psychoanalytic therapy)は、理論的・技術的に見ると大局的な技法なのですが、長期間の心理面接を予期した『人格的成熟・精神的発達』を究極の目標とする意味では非常に類似した目的論的な立場に立っています。クライエント中心療法や精神分析療法が『探索的アプローチ』であるという時には、この目的論的立場の共通性を意図しているわけ... ...続きを見る |
2007/08/06 07:24 |
精神分析学が“精神現象の解明”に果たした功績とカウンセリングの構成要素
カウンセリング(counseling)とは“健常パーソナリティ”を持つ人の心理的問題に対処する非日常的な人間関係であり支援技術ですが、心理療法(psychotherapy)はカウンセリングよりも臨床的な精神障害の問題に焦点を向けており“病理パーソナリティ”に専門的に取り組む傾向があります。 ...続きを見る |
2007/08/03 01:53 |
“音声言語による電話のコミュニケーション”と“文字言語によるウェブのコミュニケーション”
前回の記事に書いた『カスタマーサポートの話題』に関連するコンテンツが『コールセンターブログ』にいろいろと掲載されています。以下に引用した記事では、アメリカの顧客マーケットでは1回の電話で、「対応に出たコミュニケーター」が問題状況を解決できなければ、その企業の商品・サービスの利用を辞めるという厳しい調査結果が出ているとあります。 ...続きを見る |
2007/07/28 18:41 |
他者の評価や反応を求めるB群(クラスターB)の人格障害:“特別な自分の価値”を自己顕示する方法の違い
人格障害(personality disorder)は、社会環境に適応可能な『平均的な性格特性』から過度に偏った性格行動パターンのことであり、社会環境や対人関係に上手く適応できないために『主観的な苦悩』や『社会的(経済的)な不利益』が生じてくる。人格障害は厳密には精神病理ではなく精神疾患との連続性(スペクトラム)や近縁性を示しながらも、『正常圏における性格の偏り・歪み』と考えられている。 ...続きを見る |
2007/07/15 15:21 |
“子に対する親の保護・支援”の過大評価と子どもの独自性の尊重:家族・個人の“生きるという前提”
前回の記事では、『親と子の自他融合感(心理的境界線の曖昧化)』が強くなり過ぎて、子ども独自の人生(生命)を尊重できなくなる危険について書きました。しかし、一定の年齢に達した子どもに対して『この子は、私がいないと何も出来ない』というほど過保護・過干渉ではなくても、『暫くの間は、私たち(親)の経済生活面での支援がないと、経済力のない子どもが路頭に迷ってしまうのではないか』というような心配をしている親は多いでしょうし、それは養育責任を果たそうとする健全な意志(愛情)の現れでもあります。子どもが学齢期(... ...続きを見る |
2007/07/08 00:57 |
子どもを自己(親)の苦境に巻き込む家族病理:親と子が段階的にそれぞれの道を生きるという認識
加害者にとっても被害者にとっても余りに救済のない事件、日本文化の『親子の情誼(子に対する親の責任意識)』や小此木啓吾の阿闍世コンプレックスとの関係性が深い事件として親子心中の問題があります。人生に絶望した親が子や配偶者を道連れにする心中事件が起こるのは当然日本だけではありませんが、少なくとも『親は親の人生を生き、子は子の人生を生きる』という個人主義の影響が強い欧米文化圏では心中事件が発生する頻度は極めて少ないようです。 ...続きを見る |
2007/07/07 23:56 |
自己存在のリアリティ(現実性)を喪失する離人症と相補的な拘束作用の働く家庭環境の問題
常識的に考えてその環境から逃げ出すことが望ましいと思われる場合に逃げ出せない理由として、『アダルトチルドレンに絡む関係の静止性の問題』と『暴力・懐柔・経済的依存によるマインドコントロール』が二重三重に組み合わさっている可能性を考えることが出来ます。過去の記事の後半で取り上げた東京都足立区の元妻殺害の事件に限らず、『元配偶者のいる不遇な環境』に半ば自発的に支配拘束されてしまうケースというのは少なからずあります。 ...続きを見る |
2007/06/22 20:50 |
乳幼児の精神発達と言語獲得のプロセス2:『人間の顔』に対する認知と社会的微笑
新生児は産まれながらに大人や外界の刺激に対して微笑む『生理的微笑』のシステムを持っているが、生後2ヶ月以上くらいになってくると大人の表情を意識して微笑む『社会的微笑』をするようになる。つまり、生後2ヶ月以降の乳児は、『人間の顔』と『人間の顔ではないもの』を弁別して認識するようになり、人間の顔や表情に対して選択的に微笑むようになるが、一般的に生後6〜8週目以降になると『音声の聴覚刺激(母親の声)』よりも『顔の視覚刺激(母親の顔)』に対する反応が良くなっていく。 ...続きを見る |
2007/06/21 16:59 |
乳幼児の精神発達と言語獲得のプロセス1:新生児の音声の知覚と反射的な模倣
乳幼児は『然るべき時期』に『必要な刺激(愛情)』を与えてあげれば、健全な心身発達と能力の発現を示すことになる。特に、言語機能が完成に近づく『新生児〜幼児期(0〜5歳)の期間』の言語環境・視覚環境は(感覚器官を傷める余りに過剰な刺激は逆効果だが)豊かであればあるほどに良いといえる。自然環境から人工環境まで含めてありとあらゆる対象を指差して質問する子供には、『共感的な声かけ』と『モノの名指し(名前・概念を教えて上げるコミュニケーション)』が言語発達にとって非常に重要な効果をもたらす。 ...続きを見る |
2007/06/21 16:32 |
『自立』と『依存』を巡るアダルトチルドレンの対人葛藤と『状況の変化』を拒否する心理
アダルト・チルドレンは、『機能不全家族(非保護的環境・愛情剥奪環境)で育てられて大人になった人』という意味で用いられます。子ども時代に独特な偏った方法で家族関係に適応していたアダルト・チルドレンは、感情認識や感情の言語化が困難になるアレキシシミア(失感情言語症)や過剰適応による精神疾患、ストレス回避的な嗜癖(共依存的な人間関係)を発症するリスクが高くなると考えられています。 ...続きを見る |
2007/06/16 10:21 |
恋愛関係で重視される双方向的な感情の均衡と『来る者拒まず・去る者追わず』のコミュニケーション形態
通常の恋愛関係(異性関係)では排他的な独占欲求や依存欲求がある程度存在することが普通ですので、一切の嫉妬感情を抑制することは難しいと思いますが、前回の記事で書いたような異性への精神的依存度(独占欲求・執着感情)が弱いケースも『愛するより愛されたい意識』が強く、情緒的コミュニケーションよりも言語的コミュニケーションを優先する人であれば有り得るのではないかと思います。 ...続きを見る |
2007/06/13 06:27 |
恋愛関係における嫉妬感情などネガティブな感情の考察:『相手を愛する事』と『相手から愛される事』
はてな匿名ダイアリーで、『他人に対するネガティブな感情や嫉妬を抱けないという話題』が取り上げられていましたが、『他人に対するネガティブな感情』と『恋人(配偶者)に対するネガティブな感情』とには質的な違いがあり、前者には『他人に対する競争意識』があり後者には『恋人に対する独占欲求(依存欲求)』があります。 ...続きを見る |
2007/06/11 02:53 |
『自分のために生きること』と『誰かのために生きること』のバランスの崩れと機能不全家族の問題
過去の記事では、現代の日本をはじめとする先進国のように、子どもの人権が確立されて子どもが親よりも道徳的・実際的に優位に立ちやすい社会では、積極的に複数の子どもを持とうとするモチベーションが高まりにくいといった話をしました。『子どもの成長・教育・幸福』のために親が全身全霊を注いで尽くす度合いが大きい(過去と比べて)過保護な傾向がある社会では、育児に掛かる心理的・経済的コストが一般に大きくなり、子どもの心理社会的自立に擁する時間は20年以上かかることが珍しくなくなります。国家や地方自治体の育児支援は... ...続きを見る |
2007/06/09 11:07 |
配偶者間・恋人間のDV(ドメスティック・バイオレンス)と共依存的なパートナー選択の問題
前回の記事では、地域社会のコミュニティの衰退と児童虐待の問題について書きましたが、家庭内問題としてのDV(Domestic Violence)や親密な関係にあるパートナーとの間で起こる恋人間暴力について補足しておきます。通常、DVには配偶者ではない恋人(パートナー)からの暴力も含みますが、配偶者間や恋人間の感情的なトラブル(別離・結婚・金銭・浮気などを巡るトラブル)が元となって、室内や車内で相手に激しい暴力を振るうという事件は毎年頻繁に起こります。こういった親密な人間関係の中で突発的に起こる事件... ...続きを見る |
2007/05/26 18:18 |
ゲマインシャフト(地域共同体)の衰退と家族問題(DV・児童虐待)の非社会的な密室化
過去の記事では、多産多死の前近代的社会と少産少死の近代社会における妊娠出産にまつわる『養育責任の重圧感の違い』に焦点を合わせました。現代の日本社会では、若年夫婦が子どもを産み育てることを賞賛していますし政治的な少子化対策にも国民の関心が集まっていますが、『児童虐待・育児放棄(ネグレクト)・親の責任感や社会的スキルの欠如』が大きな問題となっています。政府が一旦打ち出そうとして辞めた親業マニュアルにしても、『標準的な育児方法のテンプレート(雛形)』を示すことで、(内容には、多少時代に適合しない部分も... ...続きを見る |
2007/05/26 16:51 |
性格心理学の類型論(タイプ論):C.G.ユング、クレッチマー、シェルドン、シュプランガーの仮説理論
その人を特徴づける持続的で一貫性のある行動・感情・認知・人間関係のパターンで幾つかのタイプ(性格類型)に分類した仮説が『類型論(タイプ論)』ですが、類型論による性格心理学の起源は、古代ギリシアの時代に遡ります。医聖ヒポクラテス(B.C.468〜377)が考案した四大体液説(血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁)と古代ローマの医学者ガレノス(A.D.131-199)が提示した体液理論(体液病理学:humoral pathology)に類型論の原初形態があると言われます。 ...続きを見る |
2007/05/09 01:56 |
W.ヴントの実験心理学の要素主義的な科学性:『類型論』と『特性論』から成り立つ性格心理学
心理学に科学的な研究手法を取り入れた実験心理学は、1879年にドイツのライプチヒ大学に心理学実験室を開設したウィルヘルム・ヴント(Wilhelm Max Wundt, 1832-1920)によって確立されました。イギリス経験論の連合主義の影響を受けていたヴントは、人間の精神構造が要素に還元できるという要素主義の立場にたち、自分の心の内容・変化を内省的に観察しようとする内観法を用いました。ヴントの要素主義は後に、弟子のティチナー(E.B.Titchener, 1867〜1927)に構成主義(con... ...続きを見る |
2007/05/08 18:53 |
レオナルド・ダ・ヴィンチの複雑なセクシャリティと『モナ・リザ』『三人づれの聖アンナ』の分析
ルネサンスの万能人レオナルド・ダ・ヴィンチの「禿鷹空想」の記事で書いたように、同性愛を幼少期の自分自身に向けられたリビドー(性的欲動)として解釈し、同性愛は自己愛(ナルシシズム)の変形であると考えたフロイトは、二人の母親の存在を意識したダ・ヴィンチの不安定な家族関係と口愛期(乳児期)の欲求不満が彼の同性愛傾向を導いたとしました。実際、フィレンツェ時代のレオナルド・ダ・ヴィンチは、17歳のヤコポ・サルタレリ (Jacopo Saltarelli)という男娼と同性愛関係を持ったとして匿名者からの告発... ...続きを見る |
2007/05/06 13:19 |
ルネサンスの万能人レオナルド・ダ・ヴィンチの『禿鷹空想』と同性愛気質の精神分析的解釈
過去の記事で、シグムンド・フロイトが想像的に行ったレオナルド・ダ・ヴィンチの幼児期の精神分析に言及しましたが、その精神分析は『レオナルド・ダ・ヴィンチの幼年期のある思い出(1910)』という論文に記載されています。レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)は、多くの優れた芸術家・文学者・技術者を生み出したイタリア・ルネサンスの盛期において、ミケランジェロ(1475-1564)やラファエロ・サンティと双璧を為す最高の天才と言われる人物です。 ...続きを見る |
2007/04/29 16:05 |
『脱価値化』が緩和する嫉妬感情と『共感性の欠如(他者の利用)』に根ざす自己愛の反社会性
前回の記事では、不適応で不安定な対人関係をもたらす『分裂』と『脱価値化(devaluation)』の防衛機制について解説したが、脱価値化は『過去に価値を認めていたものを潔く断念する』といった肯定的な効果を生み出すこともある。しかし、過去に親密だった人間関係をあっさりと断ち切る脱価値化を頻繁に用いると、一般的には、根気のない飽き性や身勝手な気分屋、友人に対して不誠実な人という批判を受けやすくなるだろう。 ...続きを見る |
2007/04/17 04:29 |
潜在的(covert)な自己愛障害とシャイネスの強い社会性不安障害(対人恐怖症)の関連性
前回の記事と関連して、自己愛障害の人が自分の自尊心(自己評価)や理想自我を傷つける他者を無価値なものと見なす『脱価値化(devaluation)』の心理機制について補足しておく。原始的防衛機制として知られる『分裂(splitting)』は、他人を『完全に良い人』と『完全に悪い人』の二つに断定的に分類して、自分を否定的に評価する『完全に悪い人』を攻撃して消滅させようとする心理機制である。 ...続きを見る |
2007/04/16 06:05 |
自己愛障害(自己愛性人格障害)に見られる“自己中心性・承認欲求・脱価値化・カリスマ性”
広場恐怖をともなうパニック障害の病理学の記事で、精神疾患全般に共通する中核的症状として『不安・緊張・抑うつ・恐怖・混乱・強迫性』を上げたが、性格傾向の過度の偏りや対人関係が上手くいかない問題で重要になってくるのが『自己愛の障害』である。 ...続きを見る |
2007/04/16 03:16 |
『暇(退屈)な時間』の意味するものと性格傾向(外向性・内向性)による時間の使い方の違い
前回の記事では、ブログの更新とストック性や文章のアウトプットの閾値の話になってしまったが、冒頭で挙げた『タイムマネージメント(time management)』と『暇(退屈)な時間』の話も少しだけ書いておきたい。この問題について書こうと思ったきっかけは、まず、自分自身が『暇(退屈)な時間』を意識することが殆どなくなったこと、そして、梅田望夫さんの『好きを貫くこと』に関する一連の記事で人生全体(個人の利用可能な時間)のタイムマネージメントを考えたことがある(当ブログの関連記事)。 ...続きを見る |
2007/04/12 12:25 |
パニック障害の認知モデルと破局的認知を修正する認知的・行動的なカウンセリング
前回の記事で書いた呼吸性アルカローシスを伴うパニック発作や過換気症候群が慢性化する理由については、バーロウ(Barlow)の“誤った警報理論”やクラーク(Clark)の認知理論などに代表される『パニック障害の認知モデル』によって理解することができる。認知行動療法を実施する場合には、認知モデルを前提としたパニック障害の基本メカニズムをクライエントに教えるようにするとスムーズに技法を適用できる。 ...続きを見る |
2007/04/08 21:58 |
広場恐怖をともなうパニック障害の病理学と過換気症候群の症状との類似性
現実吟味能力が保たれた精神疾患(精神障害)全般に共通する中核的症状として『不安・緊張・抑うつ・恐怖・混乱・強迫性』などがあるが、気分が落ち込み意欲を喪失するうつ病(depression)と並んで発症者数が多いのが不安障害(anxiety disorder)である。うつ病や統合失調症といった精神病と不安障害の不安症状(情緒障害)はオーバーラップ(重複)することが多い。それは、人間の精神の病理性の根本に『未来が現在よりも悪くなるのではないか(未来で何か悪いことが襲いかかってくるのではないか)』という... ...続きを見る |
2007/04/08 21:47 |
認知療法の『認知の歪み(思考の誤り)』とアーロン・ベックの『認知的三角形』
自分を苦しめる不適応(否定的)な思考パターンや行動パターンの適応的変容を合理的に目指す認知療法(cognitive therapy)では、『なぜ、そのような不適応な感情・気分・行動が生起したのか?』という問題状況や心理状態の形成機序(メカニズム)に焦点を合わせます。広範な適応症と対象事例を持つ認知療法は、『認知の傾向・思考の内容』によって『感情・気分・行動・生理』が決定されるという認知理論(認知モデル)を前提としています。 ...続きを見る |
2007/03/13 15:01 |
短期療法(ブリーフセラピー)としての認知療法(認知行動療法)とクライエントの利益を考慮した技法選択
アーロン・ベックがうつ病患者の臨床を経て創始した認知療法(cognitive therapy)は、現在の出来事や認知(考え方)に焦点付けして問題を解決しようとする未来志向の技法です。それに対して、シグムンド・フロイトが神経症(ヒステリー)患者の臨床経験と自己分析を経て構築した精神分析(psychoanalysis)は、幼少期の記憶(無意識領域の内容)や生育歴における精神力動(精神発達上の問題)に焦点付けする過去志向の技法としての特徴を持っています。 ...続きを見る |
2007/03/13 08:27 |
男性原理と女性原理の二元論(dualism)が相対化する現代社会:C.G.ユングの無意識の二面性
前回の記事の続きで、男性原理と女性原理の二元論(dualism)やグレートマザーの元型について補足記事を書いていこうと思います。法治主義と法令遵守(コンプライアンス)は近代国家成立の大前提であり、資本主義や自由主義の精神と矛盾しませんが、合理的でない伝統主義や宗教原理(父権宗教の道徳規範)は、資本主義や自由主義の精神と対立しやすくなります。自由主義とは、他人に具体的・物理的な迷惑を掛けない限り、思想・行動・言論・表現の自由が保障されるべきという思想ですから、『今まで悪いこととされてきたから、今も... ...続きを見る |
2007/02/23 09:38 |
『過去の異性関係』と『現在の異性関係』の狭間で進行する失恋の苦悩(葛藤)の処理プロセス
はてな匿名ダイアリーの元カノを過去にすることという記事を読んで、恋愛の失恋の痛手と男女の別れ方のパターンというものについて考えてみたいと思いました。以下の記事は、匿名ダイアリーの記事内容と重なる部分もありますが、若干の経験論を交えながらできるだけ恋愛の苦悩の一般論として書いた内容になっています。 ...続きを見る |
2007/02/20 10:20 |
自尊心を求めるH・コフートの自己愛の発達理論とS・フロイトの病的なナルシシズム
「発達早期の母親剥奪(mother deprivation)とナルシシズム(自己愛)の歪曲の問題」では、ジョン・ボウルビーの愛着理論とルネ・スピッツのホスピタリズム(施設症候群)を例に挙げて、健康で正常な精神発達に必要となる母性的なケア(共感的な母子関係)について言及しました。育児の目的である子供の自己アイデンティティの確立と心理社会的な自立を達成するためには、父性的な規律(相克的な父子関係)と母性的なケア(共感的な母子関係)の調和を上手く保つことが有効ですが、社会適応的な自己アイデンティティの... ...続きを見る |
2007/02/14 02:50 |
発達早期の母親剥奪(mother deprivation)とナルシシズム(自己愛)の歪曲の問題
幼少期から思春期の子供の育児をするにあたって最も重要なことは、自立心と依存心のバランスの取れた親子間のコミュニケーションを心がけることです。家族関係からの切り離しの作用を持つ『父権主義的なアプローチ』によって子供の自己愛(self-love)は対象愛(object-love)へと転化されやすくなり、家族関係への包み込みの作用を持つ『母権主義的なアプローチ』によって子供の基本的信頼感が培われ自己愛と対象愛のバランスをとりやすくなります。 ...続きを見る |
2007/02/12 00:05 |
生物学的精神医学の黎明期:B.A.モレルの変質概念やE.クレペリンの分類体系など
フィリップ・ピネルの弟子であったジャン・エチエンヌ・ドミニク・エスキロール(J.E.D.Esquirol, 1772-1840)は、ピネルの疾病分類を更に精密化して『メランコリー(melancholy)』を、単極性障害(うつ病)に該当する『リペマニー(lypemanie)』と妄想症状(気分高揚)を中核とする『モノマニー(monomanie)』に分類した。 ...続きを見る |
2007/01/29 15:04 |
精神病理学の歴史と『鎖からの開放』を企図したフィリップ・ピネルの疾病分類学
生物学的精神医学では、各種の精神疾患の原因を観察可能な身体因(個人要因)に求めて、解剖学的方法によって原因を発見し、薬物療法や電気ショック療法に代表される物理的な療法で病気を治療しようとする。生物・社会・心理(bio-social-psycho)の領域を横断する精神医学の理論モデルの中で、最も自然科学に近いモデルが要素還元主義に根ざした生物学的精神医学である。 ...続きを見る |
2007/01/26 03:07 |
NLP(神経言語プログラミング)やSFA(解決構築アプローチ)を活用した短期療法の目標設定
問題の内容を詳しくアセスメント(査定)してから有効な対処法(治療法)を考えるという従来の臨床心理学的アプローチ(問題解決志向)は、『クライエントの問題点(病理性・異常性・不適応)』を専門的に査定(判断)するところに最大の特徴があります。正常な知能(判断力)と適応的な精神機能(対人関係)を持っている平均的な健常者をモデルとして、そのモデルとの差異や社会環境への不適応を改善していこうとする問題解決志向のカウンセリングは、基本的に『減点法のアプローチ』です。専門家である心理臨床家(カウンセラー)が、外... ...続きを見る |
2007/01/08 09:40 |
『現在の問題の解決』を志向する解決構築アプローチと『過去の問題の分析』を志向する精神分析療法
『子どものトラウマに対するプレイセラピー』では、子どもの遊戯行為や生活動作に投影される「断片的な虐待のテーマ」や「内面的な表象関係のテーマ」を利用したプレイセラピーについて解説しました。プレイセラピーの治療機序についてはいくつかの見解があり、言語的な解釈を必要とするという「自我心理学的な立場」と言語的な解釈は不要であるとする「自己心理学的な立場」とがあります。 ...続きを見る |
2007/01/07 07:55 |
子どものトラウマに対応するプレイセラピー(遊戯療法)とユング心理学のコンステレーション(布置)の関係
ウェブサイトの記事で子どものトラウマと心理療法を書いたが、この記事では、機能不全家族で成長したアダルチルドレンや養育者から受けた虐待によるトラウマを中心にして「トラウマに対処する心理臨床」を考えてみた。 ...続きを見る |
2006/12/28 19:22 |
反社会性人格障害の診断と社会防衛的な精神医学の視点の問題
前回の記事と関連する内容ですが、行為障害と反社会性人格障害のアクティング・アウトとしての側面と精神医学の対象疾患が増えることによる“過度のラベリングの問題”について触れておきたいと思います。 ...続きを見る |
2006/12/21 12:50 |
DSM-Wによる行為障害と反抗挑戦性障害の診断基準:発達過程における反社会性の問題
発達障害(Developmental Disorder)とは、中枢神経系の成熟障害や神経伝達過程の異常によって発達早期に発症する問題ですが、発達障害の概念には『医学的な障害(disorder)』という意味合いと同時に『社会的不利益(handicap)』が強く含意されています。自閉症スペクトラムに代表される発達障害の多くは、生命の維持や身体の健康に直接関わるような症状を呈するのではなく、既存の社会環境(学校生活)や職業活動(経済生活)に適応できないために社会的・経済的な不利益を蒙りやすいという問題... ...続きを見る |
2006/12/21 11:05 |
ADHDに対する心理学的なアプローチとリタリンによる薬物療法の概略
前回の記事では、ADHDのDSM‐Wの診断基準と学校生活を困難にする症状について説明しましたが、今回は、療育を含むADHDへの基本的な対処法とリタリンによる薬物療法の概略について書こうと思います。 ...続きを見る |
2006/12/12 00:05 |
DSM‐WによるADHD(注意欠陥多動性障害)の診断基準と学校生活への適応の問題
学校教育システムの機能不全の露呈と生徒が所属する集団(グループ)の発達変遷過程の記事では、児童期から思春期に至る不安定な集団関係(対人関係)の問題を、『ギャンググループ・チャムグループ・ピアグループ』の集団発達概念を用いて考えましたが、発達臨床心理学的な問題であるADHD(注意欠陥多動性障害)や行為障害について補足しておきたいと思います。 ...続きを見る |
2006/12/11 18:20 |
心理アセスメント(心理検査)の目的と適応を考えたテスト・バッテリーの問題
『ロールシャッハ・テストとTATに代表される投影法の心理テストの有用性と問題点』では、結果の再現性や鑑別の正確性といった科学的客観性に焦点を合わせて投影法の利点と限界を考えてみました。ロールシャッハ・テストに限らず、無意識領域(意識化されていない区域)にある感情や性格傾向を探る投影法の最大のメリットというのは、心理テストそのものに治療効果が期待でき、通常の対話では得られにくい情報が手に入るということです。 ...続きを見る |
2006/12/06 11:56 |
DSM-Wの臨床診断と薬物療法の安全性を担保する臨床試験(治験)のエビデンスの問題
『前回の記事』で、精神分析に基づく力動精神医学から薬物療法を主力とする生物学的精神医学への移行についての概略を説明したが、勿論、薬物を用いた治療には大きなメリット(効果)がある一方で、それと拮抗するデメリット(副作用)が発生するリスクがある。 ...続きを見る |
2006/11/23 19:54 |
精神分析に基づく力動精神医学から記述主義と薬物療法を前提とする生物学的精神医学への転換
ドイツやオーストリア、イギリスなどヨーロッパ諸国からアメリカ合衆国へ移住した精神分析家達の啓蒙活動と臨床成果によって、1950年代から60年代にかけて精神療法としての精神分析は全盛期を迎えた。心理的な苦悩や病理を無意識の言語化によって治療するという精神分析は、プロテスタンティズムの信仰の伝統に欠けていた『カトリック的な罪悪・信仰の告解(懺悔)』の代理物としての役割を持っていたので、『赦しの秘跡(サクラメント)』の精神療法としてアメリカ国民の富裕層に受け容れられた部分もあった。 ...続きを見る |
2006/11/23 17:57 |
ロールシャッハ・テストとTATに代表される投影法の心理テストの有用性と問題点
臨床心理学の臨床実践と研究調査は、『心理療法(カウンセリング技法)・異常心理学(精神病理学)・心理アセスメント・心理統計学』の領域によって支えられています。有効性と安全性の高い心理療法を選択して、問題解決(症状・悩みの改善)につながる心理臨床を行っていく為には、異常心理学に基づく精神病理(異常心理)の正確な知見だけでなく、心理アセスメントによるクライエントの全人的な理解が必要になってきます。 ...続きを見る |
2006/11/17 13:07 |
学校教育システムの機能不全の露呈と生徒が所属する集団(グループ)の発達変遷過程
愛国心や規範意識、学校再建、教員教育(教員免許更新制)などの問題を巡る教育基本法改正の議論が盛んになっているこの時期に、いじめや学級崩壊、世界史の履修不足、保護者の非常識な振る舞い、教員の指導力不足といった学校教育が抱える諸問題が一気に噴出してきて現場と世論が紛糾している。 ...続きを見る |
2006/11/13 07:17 |
“抑うつ的な希死念慮”を構成する心理的要素が“強迫的な焦燥感・責任感”と結びつく危険性
去年9月の北海道滝川町の江部乙小学校のいじめ問題、先月の福岡県筑前町の三輪中学校のいじめ問題に続いて、岐阜県瑞浪市の瑞浪中学でもいじめの問題が発覚し最悪の結末を招くに至った。いずれの事件も、単なる一過性のいじめやいじめによる精神的打撃(長期的苦痛をもたらすトラウマ)に留まらず、いじめの状況に懊悩した生徒が最も回避すべき自殺の行動を選択したという点で共通している。 ...続きを見る |
2006/11/02 00:10 |
TAT(主題統覚検査)を開発したH.A.マレーの心理的欲求の分類と行動原理としての欲望
前回の記事では、攻撃行動やその衝動(欲求)を様々な理論的立場から説明してきましたが、コミュニケーションで満たされる“4つの対人欲求”と対人評価を高める“5つの性格行動特性”の記事でも以前書いたように、『他者・集団の欲求(目的)の充足』は、対人評価の上昇や対人魅力の強化と密接に関係しています。 ...続きを見る |
2006/10/27 09:07 |
フラストレーション攻撃仮説・モデリング・社会的動機と自己呈示行動:攻撃行動の発現に関する仮説
精神分析を含む心理学史を振り返ると、人間の精神や行動の基本原理として『欲求(desire)』を仮定した心理学理論(心理学派)が数多くあり、人間性心理学(ヒューマニスティック心理学)のアブラハム・マズロー(A.H.Maslow, 1908-1970)は、自己実現を最上位の欲求とする『欲求階層説』を提示しました。 ...続きを見る |
2006/10/25 05:30 |
学校環境でのいじめや対人関係で追い詰められた子どものクライシスコール:遺書を作成する行為と心理
前回の記事が長くなりすぎたので記事を分けたが、福岡県筑前町の三輪中学校と北海道滝川市の江部乙小学校のいじめ問題において生徒が遺書を書き残していたという事が気にかかっていたので、いじめを苦にして遺書を書き残す生徒児童の心理について思考のメモを書いておきたい。 ...続きを見る |
2006/10/18 00:05 |
福岡県筑前町と北海道滝川市のいじめ問題2:教師の言動が生徒に与える影響と学校心理臨床の課題
前回、『福岡県筑前町と北海道滝川市のいじめ問題1:教師・生徒・親の信頼関係の再生といじめ対処の見直し』という記事を書いたが、福岡県の三輪中学校のいじめ事例で担任教諭が被害者児童にいじめ行為をしていた問題とその心理的背景について補足的に考察しておきたい。自殺問題にまで発展するか否かは別として、教育者が調子に乗り過ぎてしまい生徒を皆の前で揶揄したりからかったりして悪ふざけするという状況は、十年以上前から割とありふれた学校の風景としてあった。 ...続きを見る |
2006/10/17 17:56 |
福岡県筑前町と北海道滝川市のいじめ問題1:教師・生徒・親の信頼関係の再生といじめ対処の見直し
福岡県筑前町の三輪中学校2年生だった男子生徒(13)が、いじめを受けたという遺書を残して自殺した事件が取りざたされているが、このいじめに学級の担任教師が関与していたことが大きな問題となっているようだ。この福岡県のいじめ事件の前にも、去年の9月に、北海道滝川市で江部乙小学校6年生の女児が、いじめを苦にして教室で首を吊るという事件があり、一年近くに及んで、学校側と遺族側がいじめの存在の有無を巡って意見の食い違いを見せていた。 ...続きを見る |
2006/10/17 14:16 |
理性的抑制と本能的欲望が葛藤する脳の構造:『認識能力』と『行動制御』で構成される責任能力
『泣くから悲しい』のジェイムズ=ランゲ説が発表当時にもたらした衝撃は、『涙腺から涙が出る』という生理学的変化が『悲しみを感じる』という情動反応よりも時間的に先に起こるという事でした。 ...続きを見る |
2006/10/07 22:29 |
“心脳一元論における責任能力の曖昧化”と“刑法39条の責任阻却事由の原理的考察”
『物理的な脳と心理的な意識の並行関係と機械論的生命観の限界』で、人間の脳器官と精神機能の相関関係について考えましたが、精神科医や心理学者、生物学者の中には、『脳の機能(状態)』と『人間の心(精神)』を同一のものと見る唯物論的な精神観を持っている人が少なからずいます。 ...続きを見る |
2006/10/06 01:43 |
物理的な脳と心理的な意識の並行関係と機械論的生命観の限界:『心とは何か?』を定義することの困難
前回の記事で、『主観的世界の再構成』という知覚・認知の機能の本質について書きましたが、自分以外の各個人の精神内界に再現される内容(表象・感覚・情動・思考)を直接的に知る方法はありません。私達が他人の心理内容を間接的に知る方法は、大きく分けて、『内観法に基づく他人の言語報告』と『観察法に基づく他人の行動観察』の二つしかないのです。 ...続きを見る |
2006/09/30 04:13 |
“知のメカニズム”を科学的に解明する認知心理学と“心の体制化”を発見したゲシュタルト心理学
『認知(cognition)』とは、外部の物体や事象に関する情報を『後天的な知識・記憶・学習』の影響を受けて理解する過程のことで、『知覚(perception)』とは、目・耳・鼻・舌・皮膚の五感を司る感覚器官から直接的に情報を摂取する過程のことですが、人間の知的な情報処理過程全般を認知と呼ぶこともあります。 ...続きを見る |
2006/09/28 01:21 |
恋愛ツールとして“ブログ”を活用することの難しさとウェブの情緒的な対人コミュニケーションの特性
アルファブロガーになったからってモテるわけじゃない!『モテる100ワザ ブログ入門』という『絵文録ことのは』の記事を読んで、ブログを恋愛ツールとして使う事の困難とウェブを活用した出会いの特徴について考えたので、少し備忘録的に書き残しておこうと思う。 ...続きを見る |
2006/09/15 07:16 |
『メラビアンの法則』が示す非言語的コミュニケーションの有効性と言語情報との相補性
人間のコミュニケーションは、言葉による“言語的コミュニケーション”と表情・口調・態度・ボディランゲージ・外見による“非言語的コミュニケーション”により構成されます。 ...続きを見る |
2006/09/13 04:45 |
コミュニケーションで満たされる“4つの対人欲求”と対人評価を高める“5つの性格行動特性”
他者と良好な人間関係を維持して、自分の意志や感情を正確に伝達するコミュニケーション・スキルには、対人魅力を高める外観や対人評価を良くする技術が含まれます。他者と意思疎通したり他者に何らかの印象や効果を与えたりするコミュニケーションには、言葉を用いて行われる『言語的コミュニケーション』と表情や態度、ジェスチュア、外見(容姿・ファッション・色彩・視線)、社会的属性(地位・職業・資格・役割・財力)などを用いて行われる『非言語的コミュニケーション』があります。 ...続きを見る |
2006/09/09 09:52 |
対人コミュニケーションのストレスとアサーティブな人間関係:2
人間の自己主張や自己表現の方法には、『攻撃的な自己表現(自分の意見を主張し他者の意見を否定する方法)』『非主張的な自己表現(自分の意見を抑圧し他者の意見を受け容れる方法)』『アサーティブな自己表現(自分の意見を主張し他者の意見も考慮する方法)』があり、この中で最も良い結果を引き出しやすい最善の方法は『アサーティブな自己表現』であると考えられます。 ...続きを見る |
2006/09/04 20:10 |
対人コミュニケーションのストレスとアサーティブな人間関係:1
社会環境や集団生活の中で私たちが感じる精神的ストレスの多くが、対人関係の葛藤やコミュニケーションの問題から生まれますが、対人関係の全てが不快感を伴うストレスにつながるわけではありません。他者とのコミュニケーションが及ぼす心理的作用には様々なものがあり、その相手とのコミュニケーションによって生起する心理状態(感情・気分・印象・評価)には複数の因子が影響を与えていると考えられます。 ...続きを見る |
2006/09/03 21:01 |
ニート(NEET)と発達障害に相関はあるのか?:ニートの定義の曖昧さと発達障害の問題の多様性
『ニートに「発達障害」の疑い、支援に心理専門職も』という新聞報道では、仕事も通学もせず、職業訓練も受けていない15〜34歳の若年層であるNEET(ニート)に発達障害の疑いのある者が少なからず存在していると伝えられている。 前回の記事の最後で書くといっていたニートと発達障害の保有率の問題についての記事を書いてみようと思う。 ...続きを見る |
2006/08/26 17:28 |
創造性と破壊性を併せ持つ内的な異性像としての“アニマ・アニムス”:元型イメージと象徴内容
ユングは、男性の内的な理想的女性像を『アニマ』と呼び、女性の内的な理想的男性像を『アニムス』と呼びました。アニマとアニムスはラテン語で生命の息吹(風)とか魂(soul)とかいう意味ですが、この無意識から立ち上がってくるアニマとアニムスの元型イメージを夢などを介して体験するときに、エナンティオドロミアが起きやすくなるといいます。 ...続きを見る |
2006/08/15 19:16 |
自我(エゴ)中心の精神分析学と自己(セルフ)の相補性を重視する分析心理学:無意識の補償作用
フロイトは、無意識に自然的本能や動物的欲求としてのエスを想定し、エスは『非言語的で無構造なもの』と考えていましたが、ユングは集合的無意識を『言語で翻訳し得る物語性と人類共通の構造を持つもの』と考え、その集合的無意識のパターン化された内容である元型は、イメージとして意識に顕現してくると述べました。 ...続きを見る |
2006/08/11 00:45 |
福島県の児童虐待事件と大阪府のマンション監禁事件から考える地域社会の衰退と日常生活の不安
連日35度前後の猛暑の真夏日が続いているが、秋田県の男児殺害事件以降夏に入っても、陰鬱なというか常軌を逸した児童虐待がエスカレートした殺害事件や猟奇的な監禁事件など暗いニュースが続いている。 ...続きを見る |
2006/08/06 19:58 |
C.G.ユングの集合無意識とドイツロマン主義の思想潮流に投射された『普遍性・永続性への願望』
ユングは何故、宗教的精神性を内在させた『魂の心理学』あるいは『背後世界(イデア・神・元型)を前提とする心理学』のような領域へと思考を発展させていったのだろうか。 前回の記事の内容を踏まえて考える時、彼が影響を受けたと書いている神秘主義的な宗教学者であるマイスター・エックハルトを生んだドイツの文化的風土や18世紀ドイツ・ロマン主義の名残を無視して考えることは出来ないでしょう。 ...続きを見る |
2006/08/04 21:46 |
ユング心理学の元型(archetype)や魂(soul)の概念が持つ神秘的宗教性と臨床的応用性
個人的無意識と性的欲動を重視するフロイトから離別したカール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung, 1875-1961)は、精神内界に自律的に生起するイメージ(表象)を重視する分析心理学(analytical psychology)を構想しました。 ...続きを見る |
2006/08/03 05:28 |
乳幼児の幻想的無意識を構想したメラニー・クラインとエディプス葛藤を重視したアンナ・フロイト
フロイト以後の精神分析には多数の学派があるので、対象関係とは何かという問いについては一義的に回答を返すことは出来ませんが、シグムンド・フロイトからアンナ・フロイトへと継承された自我心理学派では、『プレ・エディパル(pre-oedipal, エディプス・コンプレックス以前)な乳幼児は、自他を区別する“自我”が形成されていないので対象関係を持てない』と考えます。 ...続きを見る |
2006/07/27 19:50 |
リビドー充足と対象関係を欲求する精神分析の普遍的人間観:『ヒステリー研究』に見る時代風潮と基本原則
シグムンド・フロイトが創始した精神分析の治療方略は、『無意識の意識化』による自我の強化にあると言えますが、フロイトが神経症の原因とした無意識の内容とは『過去に抑圧された情動と欲求』であり『幼児期のエディプス・コンプレックスに関連した外傷的記憶』のことです。 ...続きを見る |
2006/07/25 09:27 |
臨床コミュニティ心理学が目指す“共生的な地域社会”とリエゾン精神医学の“協働的な専門家システム”
前回の記事で、有機的な社会システムの一部としての心理臨床活動について触れましたが、心理学以外の専門的な関連領域との協働関係(collaboration)は、クライエントの病態や希望に合わせて多面的かつ総合的であることが望ましいといえます。 ...続きを見る |
2006/07/18 00:19 |
『対人援助・心理教育・コミュニティ支援』を行う社会資源システムの有効活用とシステムズ・アプローチ
過去にカウンセリングの広範多岐な適応領域に関する記事を書きましたが、『心理学的アプローチによる対人援助(問題解決の支援)』を企図する心理臨床活動(カウンセリング活動)を、社会システムの内部と周縁に分けて考えてみたいと思います。 ...続きを見る |
2006/07/16 07:37 |
『家族システムの機能的な正常化』と『家族間の相補的なコミュニケーション』を志向する家族療法
精神の健全性や情緒の安定性は、家族間の相互的な人間関係や自立・依存を巡る精神力動と密接に関係しているが、健康な心身や幸福な日常を実現する為にどういった家族関係が最適なのかという単一の正答を出すことは難しい。 ...続きを見る |
2006/07/03 20:22 |
『セリグマンの学習性無力感による意欲減退』と『個人の認知的スキーマを形成する中核的信念』
人間の精神的な苦悩や葛藤の多くは、生活状況や対人関係、記憶情報に関する『悲観的な認知(pessimistic cognition)』によって生起し、実際に経験する様々な欲求の挫折や願望の途絶によって『悲観的な認知が正しい』という学習が強化されます。 ...続きを見る |
2006/06/18 06:34 |
心理・生理・家族構成・職場環境の変化と関係した中年期のメンタルヘルスと特徴的な症候群
前回、中年期の『体力の低下・人生の有限性』の意識変化という記事を書きましたが、今回は、発達心理学的観点から中年期の男性・女性のメンタルヘルスの問題点を少し詳しく説明していこうと思います。 中年期のライフサイクルの特徴や心理・生理・社会・家庭での変化と関係した中年期に好発する各種症候群についても触れていきます。 ...続きを見る |
2006/06/08 10:05 |
中年期の『体力の低下・人生の有限性』の意識変化:心身機能の低下を予防する柔軟な認知・適度な運動
生涯発達の前提に立つ中年期の発達課題とアイデンティティ・ステイタスの変化に対する適応では、『中年期の精神的危機』を『生活状況と人間関係の変化によるアイデンティティ拡散の危機』として説明しました。 ...続きを見る |
2006/06/06 23:28 |
生涯発達の前提に立つ中年期の発達課題とアイデンティティ・ステイタスの変化に対する適応
ユングの『人生の正午』概念に内包される『中年期の危機』に記したように、30代半ば頃から現役引退までの中年期は『生活状況が安定しやすい平穏期』であると同時に『青年期に確立したアイデンティティが揺らぎやすい危機期』でもあります。 ...続きを見る |
2006/05/30 07:22 |
ビネー式知能検査に関する補足と臨床診断的に用いられるウェクスラー式知能検査:サイトの更新
心理アセスメントとしての知能検査の歴史とアルフレッド・ビネーが開発したビネー式知能検査については、心理アセスメントで用いる心理検査とインフォームド・コンセント:ビネー式知能検査による一般知能の評価と『集団知能検査の開発を促進した第一次世界大戦:投影法の性格検査と無意識概念』の記事でその内容を概説しました。 ...続きを見る |
2006/05/21 16:12 |
ユングの『人生の正午』概念に内包される『中年期の危機』:中年期におけるアイデンティティ拡散と再体制化
『エリクソンの心理社会的発達理論』に関する記事において、人間の社会的関係性の発達を前提とした8つの発達段階で区切られるライフサイクルで人間の心理発達を考えました。 ...続きを見る |
2006/05/18 14:29 |
心理検査(心理テスト)の前提にある人間観2:個人に固有のパーソナリティの総合的・歴史的理解
行動科学モデルや認知理論モデルといった基礎理論に基づく心理テストの最大の特徴は、『客観的に観察可能な臨床的有効性やカウンセリング効果』を引き出す為の簡略化された質問紙法を採用するということです。 ...続きを見る |
2006/05/15 00:10 |
心理検査(心理テスト)の前提にある人間観1:統計的な信頼性と妥当性を重視する心理測定論
心理検査(心理テスト)作成の根底にある基礎理論には、『精神分析(力動的心理学)・行動科学モデル・認知理論モデル・(統合的)生態システム論』など様々なものがあります。 ...続きを見る |
2006/05/14 23:06 |
集団知能検査の開発を促進した第一次世界大戦:投影法の性格検査と無意識概念
『心理アセスメントで用いる心理検査とインフォームド・コンセント』の記事で、クライエントの利益増進や問題解決につながる心理アセスメントの種類(面接技法・心理検査)と目的について書きました。 ...続きを見る |
2006/05/13 01:21 |
心理アセスメントで用いる心理検査とインフォームド・コンセント:ビネー式知能検査による一般知能の評価
臨床心理学の研究分野を構成する主要分野には、『心理療法の理論と技法・心理アセスメント・異常心理学(精神病理学)』があり、心理検査(心理テスト)を中心とする心理アセスメントでは、クライエントの問題解決や利益増進を目的とした各種テストを行ってその後のカウンセリング計画や治療方針を立てていきます。 ...続きを見る |
2006/05/08 06:59 |
分割脳実験から分かる右脳の認知過程と左脳の言語過程の協働:サイトの更新
スペリーとガザニガの分割脳実験と認知機能 ...続きを見る |
2006/04/18 11:33 |
子ども社会のいじめの心理と大人社会のモラル・ハラスメント:集団内での示威と防衛の葛藤
以前の『いじめの頻度依存性に関する記事』の補足で、傍観者のいじめに対する行動選択の話とは別に、心理的問題に原因を帰属する観点での記事を書きかけていました。 ある程度、内容がまとまったので記事をアップしておきます。 ...続きを見る |
2006/04/18 06:58 |
モデリング理論による新たな適応的行動の学習2:A.バンデューラの社会的学習理論と動機付け過程
A.バンデューラの社会的学習理論で、『自己効力感など認知的制御』や『個人・行動・環境の相互決定論』の前提として重要な位置づけを持つ学習行動が『モデリング(modeling)』です。 ...続きを見る |
2006/04/16 08:19 |
モデリング理論による新たな適応的行動の学習1:恐怖反応の生得性と後天性
前回の記事で、環境刺激の影響や自分の行動の結果を予測して行動を決定する『予期学習』や『モデリング理論』について触れましたが、今回は、A.バンデューラのモデリング理論を中心として人間の学習行動を考えたいと思います。 ...続きを見る |
2006/04/16 08:00 |
『子どもの教育環境の調整による能力開発』が直面するモチベーションと社会的学習の問題
うつ病や全般性不安障害、強迫性障害、適応障害など人間の精神障害を構成する基本要素として、『情緒障害=情緒の制御困難・情緒の過剰亢進と異常抑制』を想定することが出来ます。 ...続きを見る |
2006/04/10 23:44 |
『泣くから悲しい』のジェームズ=ランゲ説:生理的反応と情動体験の認知の関係
人間の情動の形成機序と情動の適応機能について、過去の幾つかの記事で説明してきましたが、その多くは『認知→情動・感情・気分→行動』という時間的順序を前提としたものでした。 ...続きを見る |
2006/04/08 22:59 |
ヘンリー・タジュフェルの『社会的アイデンティティ理論』:集団間に働くインセンティブの行動原理
『心でっかちの日本人』の書評の補足記事として、『タジュフェルの社会的アイデンティティ理論の反証実験』の概略について記事を上げておきます。 ...続きを見る |
2006/04/06 17:44 |
『問題行動の修正と学習』を重視する行動主義と『支持的関係性と心の変容』を重視する心理主義
前回の記事では、『人間の行動の原因』を、個人の心理に求めるのか頻度依存行動のような集団力学(グループダイナミクス)に求めるのかといった話をしました。 ...続きを見る |
2006/04/03 14:25 |
頻度依存行動として発生するいじめ現象:『望ましい行動』を取るコスト・リスクによる葛藤
前回の記事で書いた『心でっかちな日本人―集団主義文化の幻想―』の感想の続きを書きながら、集団の中で起こる個人の相互作用について考えてみます。 ...続きを見る |
2006/03/31 13:03 |
山岸俊男『心でっかちな日本人―集団主義文化という幻想』の書評:行動に結びつき難い人の心
社会心理学の知見をもとにして書かれた山岸俊男氏の『心でっかちな日本人』では、アメリカ人の個人主義と日本人の集団主義のステレオタイプの欺瞞を幾つかの実験を元に反駁し、いじめ現象の心理学的還元に対して『人間は集団内で自分の心(判断)に従った行動を必ずしも取るわけではない』ということを“頻度依存行動と相補均衡”の概念を元にして説得力のある考えが展開されます。 ...続きを見る |
2006/03/30 08:07 |
『弱さを強さに変える触媒』としてのヴァルネラビリティ(脆弱性):知の再編成と自律的ネットワーク化
ヴァルネラビリティ(vulnerability)という概念は、インターネット領域で『セキュリティ上の脆弱性や欠陥』という意味で使われるが、現代思想や社会心理学などでは『他者からの攻撃や搾取などを招きやすい弱点や誘発性』といった意味で柔軟に利用される。 ...続きを見る |
2006/03/27 12:59 |
青年期危機説と青年期平穏説:学校・企業・家庭の環境への適応と社会的自立の問題
心理学者のエリクソン(E.H.Erikson 1902-1994)は、ライフサイクル理論において、青年期の発達段階を『自我アイデンティティの確立』におきました。 ...続きを見る |
2006/03/19 00:01 |
心理学分野の『発達概念』と『社会的価値観』:自我アイデンティティの固有性と社会性
発達心理学など心理学分野でいう発達とは、生物学的な身体の発達過程を研究するものではなく、『個体の身体・心理・行動』と『個体が所属する社会環境』との相互作用によってもたらされる環境適応的な成長を伴う発達のことを指示します。 ...続きを見る |
2006/03/18 15:12 |
『厳格さと寛容さのバランスの取れた親子関係』で家族への信頼感と他者(外部)への欲求を育む
過去に、『青年期のアイデンティティ拡散と非社会性の問題:搾取から保護への子どもの権利獲得の歴史』という記事を書きましたが、子どもの発達段階における青年期の自立と家族関係について少し補足しておきます。 ...続きを見る |
2006/03/14 12:22 |
摂食障害や睡眠障害を誘発する生活習慣と感情生活の乱れ:ストレス解消と摂食行動の条件付けの弊害
不快な心理的ストレスやフラストレーション(欲求不満)による葛藤の影響がダイレクトに反映されやすいのが、睡眠・食欲といった生物学的本能の領域です。 ...続きを見る |
2006/03/10 05:33 |
ソリューション・フォーカスト・セラピーによる解決法の自己構築と潜在的な可能性への注目
心理学的知見に基づく問題解決志向のアプローチは、標準化された心理アセスメントの実施と効果的な心理療法(面接技法)の組み合わせによって計画的に行われてきた。現在でも、エビデンスベースドな臨床心理学を前提とするカウンセリングでは、問題(症状)の実際やクライエントの状態を的確に把握する為のアセスメント(心理査定)を行って、そのクライエントに適した理論や技法を選択するところから始める事が多い。 ...続きを見る |
2006/02/21 22:47 |
『同じ穴の狢コミュニケーション』と『尊厳保持のコミュニケーション』:人の本能と倫理の価値承認を巡って
『九尾のネコ鞭』の「体育会系ジョークとオタクジョーク、その間にある深い溝」という記事を興味深く拝読させて頂きました。 ...続きを見る |
2006/02/19 10:17 |
クレペリンの早発性痴呆、ブロイラーの精神分裂病から現代の統合失調症へ至る歴史的変遷
前回の記事で、古典的な精神分析の精神病への適応の難しさについて述べましたが、現在の精神医療では、統合失調症患者に対しては、メジャー・トランキライザー(強力な向精神薬)による薬物療法が第一選択になっています。 抗精神病薬のクロルプロマジン(商品名コントミン,ウインタミン)の誕生(1952年)が、精神医療にもたらした恩恵は非常に大きなものがあります。 ...続きを見る |
2006/02/17 10:22 |
『問題解決志向』の認知療法と『自己探求志向』の精神分析:心理面接の枠組みの重要性
幻覚妄想などにより現実検討能力を喪失した重度の統合失調症者とは、相互的な言語的コミュニケーションが不可能であり、心理療法は奏効しないというのが精神医学的な一般論でした。 ...続きを見る |
2006/02/15 06:42 |
生態(人間の心)と環境(外部の事象)をつなぐアフォーダンス:情動機能の肯定的な側面について
生物学的な個体としての人間は、絶えず外部環境と相互作用し、外部で生起する事物や現象から意味や使用方法をアフォード(提供・付与)されます。 ギブソンの知覚理論が提起したアフォーダンス(affordance)概念では、環境世界に普遍的な意味や価値がちらばっていて、人間の知覚機能はその意味や価値を自動的にピックアップすることが出来るのです。 ...続きを見る |
2006/02/12 05:33 |
カウンセリングにおける情動の制御困難と過剰抑圧の問題:感情の受容とコントロール
カウンセリングにおいてクライエントの問題として持ち上がってきやすいのが、情動の制御困難と過剰な抑圧の問題です。 ...続きを見る |
2006/02/12 05:25 |
『言語的アプローチによる心への影響』と『物理的アプローチによる脳への作用』:情動の表現・特定・制御
標準化された心理アセスメントや神経心理学的な精神活動の機序など科学的根拠を持つカウンセリング(心理療法)の研究は、最終的には、効果測定による有意性が確認された認知行動療法的な技法に帰結する可能性が高いように思われる。 ...続きを見る |
2006/02/01 13:28 |
『心の世界の魅力的な物語性』と『心の世界の客観的な解明』:心理学の科学性の社会的認知
前回の記事に書いた心理学的アプローチの効果測定に関する技術的な問題とは別に、臨床心理学のEBM化と逆行する『心(魂)の領域を特別視する人間心理』も、実証科学を目指す心理学の流れに対する防波堤となっている面があります。 ...続きを見る |
2006/01/30 06:20 |
科学的実証主義を前提とするEvidence-Basedな臨床心理学と統計学的な根拠に関する話
認知行動療法は、認知的介入と行動的介入を折衷したプラグマティック(実利的)な技法であり、evidence-based(客観的根拠に基づく)な心理療法であると言われます。 エビデンスに基づく心理療法(カウンセリング)というのは、EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づく医療)という科学的医学モデルを心理学的アプローチに導入しようとしたものです。 ...続きを見る |
2006/01/24 10:48 |
『人格障害の分類と定義』が持つ臨床的意義と倫理的問題:多角的で相対的な人格評価の重要性
前回の記事では、クラスターB(強い衝動性や自己愛を持ち、対人関係の困難や反社会的行為を伴いやすい群)に分類される境界性人格障害の症状と自傷癖の問題を概述しました。 ...続きを見る |
2006/01/21 02:04 |
『自己否定的な衝動性の行動化である自傷行為』とそれが持つ心理学的意味
前回の記事の続きで、境界性人格障害(BPD)などで起きやすい自傷行為についてもう少し深く掘り下げ、自傷行為が暗黙裡に突きつけてくる『心理学的な意味』について分析してみたいと思います。 ...続きを見る |
2006/01/21 01:32 |
境界性人格障害(BPD)という自他の関係性の障害:トラウマによる自己否定的な認知と自傷行為の嗜癖性
境界性人格障害の全ての事例が、過去の幼少期における外傷体験や喪失体験に原因を持っているわけではありませんが、『対人関係にまつわる情緒不安定性(感情易変性)』と『衝動性の制御困難』という症状が神経症水準を明らかに超えている場合には、心的外傷(トラウマ)や生物学的な内因が考えられます。 ...続きを見る |
2006/01/17 18:59 |
自立心と依存心の葛藤によって表出する思春期〜青年期の『家庭内暴力・怒りの感情』の問題
前回、『個別的な多様性を見せるトラウマの影響』という記事を書き、トラウマとなる外傷体験の個別的な心身への悪影響と、性的逸脱など自傷的な意味合いを持つ行動の心因について考えて見ました。 ...続きを見る |
2006/01/12 19:48 |
『社会的認知のある属性による人物評価』と『個別的な人間関係による人物評価』
前回書いた記事『客観的分析を志向したキャッテルの特性因子論』ですが、私は冒頭で人格を『特性(属性)の束』として解釈する理論的立場について触れました。 キャッテルの特性因子論に関する記事を書く前に『Zopeジャンキー日記』 の『私は属性を信じない 私が信じるのは固有名詞だ』という記事を読んでいたのですが、『性格心理学における特性の束』とは別の次元で固有名詞と属性について考えてみようと思います。 ...続きを見る |
2006/01/07 15:06 |
客観的分析を志向したキャッテルの特性因子論:量的な性格理解の有効性とその限界
心理学では、人格(personality)を『特性(属性)の束』として解釈する特性因子論のような立場があるが、その一方で人格を複数の有限の因子に還元し切ってしまうことの危険性を示唆するソフィスティケイトな存在の固有性を重視する立場もある。 ...続きを見る |
2006/01/04 07:04 |
青年期のアイデンティティ拡散と非社会性の問題:搾取から保護への子どもの権利獲得の歴史
現代社会では、身体的・精神的な児童虐待によって傷つけられる子どもの存在がある一方で、大多数の子どもは親から愛情を受けて幸福に健康になるようにと大切に育てられます。 日々のニュースの中では、子どもを虐待して殺害してしまった親やパチンコや異性関係などの遊興に耽溺して育児を放棄する親が取り上げられたりする機会が多くありますが、それでもやはり大部分の親は子どもが元気に幸せに成長してくれることを願って自分の子どもの生命や権利を大切にしています。 ...続きを見る |
2005/12/28 10:41 |
『採用面接で語られる苦労体験』と『一般社会で求められる共感体験』:企業コミュニティへの適応性
朝日新聞で「「苦労」語れなくて、若者のノンプア・コンプレックスの壁」という特集記事を読み、現代社会における青年期の生活経験や心理学的な発達段階について考えさせられた。 この記事では、企業の採用担当者が就職希望者に「今までの人生における苦労体験」を聞くことで、新卒学生の人生経験の多様さや困難を乗り越える向上心、職場での不快なストレスに対する耐性を探ろうとする話が紹介されている。 ...続きを見る |
2005/12/25 01:08 |
ネットの依存性とテクノストレス症候群:QOLを向上させるITライフの重要性
心理臨床や精神医学の分野でも、正式なテクニカル・タームではないもののパソコンやIT機器を長時間利用することによる“テクノストレス(テクノストレス症候群)”の問題が指摘されることがあります。 テクノストレスという用語そのものは、アメリカの臨床心理学者クレイグ・ブロード(Craig Brod)が1984年に提唱したものです。ITとインターネットが世界で最も早く発達したアメリカで確認されて以降、パソコンの普及が進みインターネット利用者が増加した国や地域で見られるようになり、特に、『非社会的な行動パタ... ...続きを見る |
2005/12/21 18:26 |
個別的な多様性を見せるトラウマの影響:セクシャリティの外傷や家族間の虐待の再現性の問題
過去の記事で、トラウマとは具体的にどのような状況下や体験で起こるのかについて概略を述べたり、自我の統合性を障害する解離性障害とトラウマの関係を考えたりしてきました。 また、トラウマが生み出す精神症状の特性として『反復性・強迫性・侵入性』を挙げて、これらの悪影響を低減させることがカウンセリングの果たす役割であり効果であることを述べ、古典的な神経科医シャルコーのトラウマ理論を振り返ったりしました。 それらのトラウマに関係する関連URLは、この記事の最後に提示していますので興味のある方は読んでみて... ...続きを見る |
2005/12/11 07:06 |
トラウマの形成維持と心的防衛機制の関係:シャルコーのトラウマ認識の視座
神経症や神経疾患、原因不明の慢性疾患などを専門に研究していたパリの19世紀の医師シャルコー(Jean Martin Charcot 1825〜93)は、フロイトの指導医としても有名ですが、精神疾患の病因としてのトラウマの研究もしていました。 老人性疾患を含む神経医学領域の当時の権威であったシャルコーと精神分析学の創始以前にシャルコーから多くの影響を受けたフロイトについては、過去の記事でも扱っているので興味のある方は読んでみてください。 ...続きを見る |
2005/12/04 21:15 |
トラウマを原因とする精神症状の特徴としての『反復性・強迫性・侵入性』:自我の統合性の観点から
過去のトラウマに関する記事で、トラウマとは『自己の生命の維持や精神の統合性を脅かす体験』であるという話をしましたが、自己の統合性は、『過去から現在に至るまで、私の存在は一貫していて連続している』というアイデンティティの意識に支えられています。 ...続きを見る |
2005/11/28 13:41 |
人生の幸福や物事の喜びを奪う『不合理な信念と不適応な仮定』について
前回の記事で、『価値判断のスキーマの複層化』の意義を提示するために以下のような比喩を用いた文章を書きました。 ...続きを見る |
2005/11/26 13:15 |
ユングの『外向性・内向性』の区分と精神的危機へ対処しやすい性格類型
ユングの性格理論は、前の記事で説明してきたような古代ギリシアからの医学や伝統的な哲学、中世的な錬金術の仮説理論に頻繁に見られる類型論の歴史的流れを汲んでいます。 『内向性・外向性』の基本的なリビドーの志向性に『思考・感情・感覚・直観』の主要な精神機能を組み合わせて、人間の性格傾向を8つのタイプ(類型)としてまとめた仮説がユングの性格理論となっています。 このリビドーの志向性に基づく二元論的分類は、完全にどちらかに当て嵌まるというものではなく、どちらかといえば外向性(内向性)の傾向を持つ性格に... ...続きを見る |
2005/11/18 08:59 |
『ユングの類型的な性格理論』の思考形態と『価値判断のスキーマの複層化』の心理的効果
うつ病など精神運動の抑制を伴う気分障害、不安・恐怖・強迫観念など情緒の制御不能を生じる情緒障害、これらを未然に予防するような認知的技法として、私は『価値判断のスキーマの複層化』を考えています。 『価値判断のスキーマの複層化』というと少し難しい感じがしますが、簡潔な表現に直せば『生きる意欲の根源を一つではなく複数持つこと』ということが出来ます。 ...続きを見る |
2005/11/17 02:25 |
恋愛(結婚)関係を破綻させない適切な距離感と情的コミュニケーションの必要性
今回は、前に書いた『恋愛関係の維持の話題』に関係した補足記事を少し書いてみようかと思います。 ...続きを見る |
2005/11/14 11:09 |
『認知・気分・行動・環境・生理』の相互作用を前提とする認知療法
過去の記事で、『スキーマの主体的な変容の可能性』をジャン・ピアジェの構造主義や思考の発達論を元に書いたので、今回は認知療法の基礎と具体的な進行過程について書いてみようと思います。 ...続きを見る |
2005/11/12 05:43 |
ジャン・ピアジェの発生的構造主義と思考機能の発達仮説
前回、認知療法と他の技法の異同と特性についての記事を書きましたが、認知療法の実際的な構造化面接についても少しずつ説明していこうと思います。 今回は、認知療法の具体的な内容に入る前のピアジェの理論や世界観の説明が長くなってしまったので、ジャン・ピアジェの発達段階説や構造主義の概観を示すことで、『スキーマの主体的な変容の可能性』について考えてみます。 ...続きを見る |
2005/11/10 22:07 |
『恋愛(結婚)の対象を獲得するまでの問題』と『恋愛(結婚)の関係を維持することの困難』
異性の愛情や興味を惹きつける対人魅力の詳細については過去の記事で書きましたが、性愛の絡む恋愛関係で生じる問題には、大きく分けて『恋愛の対象を獲得できない問題』と『恋愛の関係を維持できない問題』とがあります。 ...続きを見る |
2005/11/06 22:52 |
日常生活におけるうつ病の徴候の発見:義務(仕事)と欲求(趣味)を切り分けるストレス対処
■日常生活におけるうつ病の徴候 周囲にいて日常生活を共にしている家族や友人などが気付き易いうつ病(気分障害・感情障害)の徴候としては、以下の行動や態度の特徴を挙げることができます。 DSM−Wなどの専門的な精神医学的診断ではありませんが、以下の『行動面・情緒面・思考面での特徴』が顕著な場合には、何らかの気分障害(気分や感情の不安定や落ち込みを特徴とする精神疾患)の可能性が考えられるので、適切なストレス・コーピングや肯定的な認知への転換、リラクゼーション、生活環境の見直しなどの対策が必要になっ... ...続きを見る |
2005/11/05 17:05 |
認知療法・精神分析・クライアント中心療法の異同と特性
アーロン・ベックやティーズデイル、サルコフスキスなどの認知理論を基盤とする認知療法は、心理療法の中で唯一、薬物療法と同等の効果が実証的に認められている技法です。 エビデンス・ベースド(実証的根拠のある)な技法である認知療法の特色を簡潔に言い表すと、『科学的な実証性(evidence)』『臨床的な有効性(effect)』『実践的な適用性(apply on a wide case)』『学習と実行の容易性(easy)』のバランスが非常に良いということになるでしょう。 ...続きを見る |
2005/10/30 08:29 |
女性のメンタルヘルス3:女性の生理学と妊娠に関する基礎知識、生命倫理
過去に妊娠期の薬物療法に関する注意点を述べたついでというわけではありませんが、正しい女性の生理学的知識として最低限知っておいたほうが良いことをまとめておきます。 ウェブサイトの場合、不特定多数が閲覧できるという特性から対象年齢層を限定できませんが、取りあえず、妊娠可能な第二次性徴期以降の女性、あるいは、女性と性的交渉を含む交際をしている男性に向けた一般的テキストとして書きます。 ...続きを見る |
2005/10/26 12:20 |
カウンセラーという職業の多様な活動領域とカウンセリングが要請される時代背景
カウンセリングという職業、あるいは、心理臨床や心理相談の活動に含まれる仕事というのは実に広範多岐な領域にまたがっています。 簡単に思いつく活動領域を挙げてみても、医療臨床分野、学校教育分野(スクールカウンセリング)、司法矯正分野、公共機関相談分野、産業(企業)支援分野、児童保護分野、障害者福祉分野、社会学的な統計調査分野、コーチングやメンタルトレーニングなど職業能力開発分野、独立開業の心理相談分野など実に多種多様な領域があります。 ...続きを見る |
2005/10/23 00:02 |
女性のメンタルヘルス2:月経前不快気分障害と妊娠期の薬物療法の問題
月経前症候群の症状が重くなり、日常生活や対人関係に及ぶ障害が大きくなると、月経前不快気分障害(PMDD)という精神障害となります。PMDDは、その症候群の特徴から大きく3つの類型に分類することができます。抑うつ症候群は、うつ病(気分障害)の活動抑制的な精神症状とほぼ同一の症候群です。 ...続きを見る |
2005/10/18 10:23 |
女性のメンタルヘルス:女性ホルモンと精神機能の相関関係
前回の記事で、女性のうつ病発症率の高さについて言及しましたが、その原因は単一の原因ではなく、ホルモン分泌など生物学的要因、社会的経済的要因、対人関係や喪失体験など精神的要因が相互に複雑に絡み合ったものです。 また、あるストレス事態や不快な対人関係に対処する場合に、消極的に思い悩み続ける内向的な性格類型の女性やひとつの事柄に過度に執着して不快な過去ばかり振り返り続ける傾向の人、怒りや悲しみの感情を生じやすく情動のコントロールが苦手な人などはうつ病発症のリスクが増大します。 ...続きを見る |
2005/10/10 01:02 |
女性のうつ病発症率について:ライフスタイルの多様化と少子化問題
一般的に、女性は、生理学的なホルモン分泌の不安定さや社会的性差(ジェンダー)による影響、ライフイベントのストレスなどによってうつ病に罹患しやすいと言われます。疫学的調査の統計によると、うつ病(気分変調障害)の生涯有病率は男性の約2倍であり、うつ病以外の精神疾患に罹患する確率も女性のほうが男性よりも高くなっています。 ...続きを見る |
2005/10/08 00:10 |
不安な心理と身体の不調の簡易なチェックシート
前回の記事で、『“正常圏内の不安”と“病理水準の不安”』について概略を述べましたが、『不安の性質・強度・持続性』の観点から不安の病理水準を測定する心理アセスメント(不安評価尺度)には以下のようなものがあります。 ...続きを見る |
2005/10/06 07:36 |
器質的な身体疾患から派生する症状精神病:心身一如の存在としての人
うつ病の精神症状として出てくる『抑うつ感・憂鬱感・不安感・焦燥感・不穏・イライラ・疲労倦怠感』や躁鬱病(双極性障害)に見られる過剰に精神活動が活発化した躁状態、観念奔逸などは、器質的な身体疾患によっても発症することがあります。 ...続きを見る |
2005/10/02 01:12 |
“正常圏内の不安”と“病理水準の不安”
フロイトが創始した精神分析療法の主要な適応症とされた神経症(neurosis)は、心因性の精神症状と身体症状を発症する疾患です。 最新の精神病理学のテキストに神経症の表記がなくなり、国際標準の精神障害の診断・統計マニュアルであるDSM−W(1980年制定のDSM-Vから消滅)からも神経症の分類が消滅しているように、現在では神経症は古典的な名称となってしまった観があります。 ...続きを見る |
2005/09/29 08:12 |
脳の構成要素である“ニューロンの創発性”と行動の発現:ニューロンの分類
過去に『脳の解剖学的構造と生理学的機能』という記事で、人間の脳の大雑把な構造と機能の相関について書きました。人間の多様性のある行動がどのようにして生まれるのかという行動原理・行動原則について、心理学は長い時間をかけて研究を進めてきました。 そして、ロジャー・ペンローズらによる脳の機能局在説が注目を集めだした20世紀あたりから、心のメカニズムと行動の形成過程を研究する分野は、脳科学や認知科学といった(生理学・解剖学の成果を基盤におく)自然科学的な分野と切り離すことが難しくなってきました。 ...続きを見る |
2005/09/27 00:19 |
ストレスを溜め込みやすい行動パターンとストレス・コーピング(ストレス対処法)
精神的ストレッサーは、家庭・学校・職場などの生活環境への不適応や不満、対人関係の悪化やトラブル、感情や気持ちを伴うコミュニケーションの擦れ違いなどによって起こってくるストレッサーですが、それらは『その出来事や状況をどのように理解して解釈するのか』という認知に大きく依拠するストレッサーでもあります。 ...続きを見る |
2005/09/25 06:42 |
幸福論2:強者と弱者の狭間で揺れる人間
市場経済が十分に普及した文明社会に生きる『社会的存在としての人間』は、『他者との差異』から認知する優越コンプレックスや劣等コンプレックスによって様々な行動や発言へと突き動かされる。 こう考えると、人間の本能は基本的に利己的で支配欲求が強いものだから、なかなか他人の支配的影響力を受け容れないものだと思うかもしれない。 しかし、これはある一面で正しく、別の一面では間違っている。 ...続きを見る |
2005/09/19 07:49 |
精神の正常性の診断と集団組織の利害:ジョーンズとバリントの往復書簡
前回の記事で、フロイトの弟子達との離反について語った。 そこで、少し長くなるが、精神分析協会内部の激しい権力闘争や派閥の対立を窺い知る事の出来る資料としてフェレンツィの優秀な弟子ミカエル・バリントとフロイトの元から離反したフェレンツィを精神病者と診断したアーネスト・ジョーンズの手紙のやり取りを引用する。 ...続きを見る |
2005/09/11 00:51 |
トラウマ(心的外傷)を生む危機的状況:トラウマの間主観的な受容の重要性
トラウマの原因となるショック体験には、生命の危機を感じるような事件・事故・犯罪への遭遇、圧倒的な破壊力を持つ自然災害(地震・津波・土砂崩れ・火災など)の体験、死の恐怖をリアルに感じる戦争体験などがあります。また、直接、脅威的な事態や危機的な状況に遭遇しなくても、自我の発達が未熟な子どもなどの場合には、自分自身が対処不能な恐ろしい事件や事態を目撃するだけでもトラウマになることがあります。 ...続きを見る |
2005/09/09 00:21 |
“フロイトの権威主義と父性原理が精神分析に与えた影響”と“弟子達との訣別”
フロイトは現代的な科学の文脈から大きく外れた心理学者であり臨床家であるが、彼が理想としたのは、自然科学的な精神分析であった。 フロイトは、自らのリビドー(性的欲動)を心的活動のエネルギーとする精神分析理論の正当性を固く信じ、絶えず他者に優越していたいという権威主義の持ち主であったためにユングやアドラーを初めとして多くの弟子や同僚と訣別することとなった。 フロイトの自負心の強さを示す一つのエピソードとして、自分が構築した無意識の決定論を中核に据えた精神分析体系を、コペルニクス、ガリレオ・ガリレ... ...続きを見る |
2005/09/06 00:46 |
心理学の歴史概論2:心理学に影響を与えた医学と進化論
■医学から心理学への影響 ...続きを見る |
2005/09/05 00:32 |
心理学の歴史概論1:大陸合理主義とイギリス経験主義の影響
日本の心理学は、欧米の心理学を輸入する形で始まりましたが、心理学そのものの始まりは非科学的なものであれば古代ギリシアのプラトンやアリストテレスの魂(プシュケ)を巡る学問などが心理学としてありました。 ...続きを見る |
2005/09/03 23:05 |
権威と社会3:何故、北朝鮮国内の独裁体制は維持され続けているのか?
例えば、人権保護や経済情勢悪化、核兵器開発など数多くの問題を抱えた独裁国家として注目されることの多い北朝鮮を題材にして考えてみても、北朝鮮は金正日という独裁者一人によって完全支配されている国家ではありません。 どのように強力な権力者であっても、彼(彼女)一人で全国民を完全に掌握し支配することは不可能であり、必ず彼の命令を忠実に伝達して実行する直属の部下(重臣)がいて、その重臣の命令を機械的に実行する官僚組織や軍事機構が存在しています。 ...続きを見る |
2005/09/02 08:51 |
“コンテンツ重視のサイト制作者”と“人間関係重視のサイト管理者”
趣味のWebデザインの『歴史を書かない女性たち』という記事を興味深く読ませて貰い、『ウェブサイトの歴史を残す行為と男女の性差』について色々なことを考えさせられました。 ...続きを見る |
2005/08/29 00:30 |
権威と社会2:宗教的権威と禁欲的道徳の密接な関係
『政治判断による権利の制限』について前述しましたが、ここからは『人間社会に見られる権威現象とその心理』についての考察を推し進めていきたいと思います。 人間の権威の起源は、家庭内における親と子の非対称な関係性にあり、知識・経験・社会的能力に勝る親が子に対して『親の言うことは素直に聞きなさい。私の言う事にごちゃごちゃ口答えせずに黙って聞きなさい』という躾目的の教育的権威がその原型となっています。 従来の家父長制社会では父親が絶対的な権威として子どもの精神世界に内在化させられ、社会的権威の前段階の... ...続きを見る |
2005/08/27 07:00 |
権威と社会1:間接民主制と政治的意思決定に関する論考
『でたらめな仕組みで動く社会』の考察を過去記事で行いましたが、その最後に『規範を守らせる権威について。どういった態度や認知を取るのかの問題』について言及しました。 社会内の法・慣習にせよ、学校内の校則・指導にせよ、その論理的な根拠や合理的な理由を万人に納得させられるものばかりでないことを私たちは経験的に知っていますが、それらのルールの正当性や強制についてさほど疑問に思うことはありません。 ...続きを見る |
2005/08/24 22:07 |
人は何故、神(超越者)になれないのか?高貴なる精神の限界と実存主義
現代社会は、中心的価値観が不在の時代と言われたり、普遍的規範が相対化された時代だと言われたりします。 現代社会に生きる私たちの不安や憂鬱、その対極にある自由と幸福は、この相対的な価値観と流動的な規範性によって生み出されています。 絶対的な価値基準や倫理規範がないために自由な行動を選択できるが、自明な絶対的価値観がないためにある行動や思考の選択が正しいかどうかを確実に保証できる権威がありません。 ...続きを見る |
2005/08/22 09:00 |
赤ちゃんの精神発達と『母親からの分離・個体化期』の重要性
人生全体のライフ・サイクル(生活周期)の発達段階をエリクソンの理論を通して大まかに眺めてきましたが、人間の発達早期(乳幼児期)の母子関係を中心に子どもの発達を研究した精神科医にM・マーラーがいます。 M・マーラーは、実際に多くの小児を観察して発達理論を考案したわけではないシグムンド・フロイトやエリクソンとは異なり、実際の小児精神科臨床の経験を通して、『分離・個体化』の母子関係の変遷概念を中核とする“乳幼児の発達理論”を構築しました。 ...続きを見る |
2005/08/14 01:05 |
エリクソンの“心理社会的発達理論”と過去に束縛される“アダルト・チルドレンの苦悩”
過去の記事において、『自己愛と対象愛の発達』と『正常な自己肯定感としての自己愛』について説明しましたが、人間の精神発達理論の古典として最も著名で簡潔にまとめられたものに、精神分析学者エリク・エリクソンのライフ・サイクル理論というものがあります。 ...続きを見る |
2005/08/09 00:09 |
芸能人(アイドル)の人気とガキのような無邪気さは、なぜ矛盾しないのか?
この記事は、『子どもを持って親になることによる心理的な成長と人格上の成熟』と比較して読むと、ハレ(非日常)とケ(日常)の人格性に対する認知の違いがよく分かるのではないでしょうか。 ...続きを見る |
2005/08/06 14:32 |
子どもを持って親になることによる『心理的な成長と人格上の成熟』について
子どもを持ち親になることによって、人間は心理的に成熟するとか人間的に成長するとよく世間一般では言われます。 あるいは、結婚と出産を組み合わせてみるような保守的な価値観の持ち主である場合には、結婚して子どもを育ててこそ一人前の大人であるといった発言が為されることがあります。 ...続きを見る |
2005/08/03 22:46 |
“包み込む母性原理”と“切断する父性原理”:エディプス・コンプレックスと阿闍世コンプレックス
人間の“パーソナリティ(personality)”は、その人を他者とは異なるものとして規定する“人格構造”であり、その人独自の環境適応パターンを示すと同時に精神の全体的な傾向や特性を意味するものである。 パーソナリティ(personality:人格)は、キャラクター(character:性格)と類似した概念であるが、人格は性格よりも高次の総合的な“精神と身体の相互関連システム”で、性格は人格と比較して他者への感情表現や物事を選択・判断する意志、反復される人間関係のパターンなどに重点が置かれてい... ...続きを見る |
2005/08/01 00:10 |
『大人の体罰による躾の問題』と『子どもの暴力・衝動性の問題』
『少子化社会の不確定なジェンダーと核家族の子育て』と銘打った一連の記事では、母性と父性が衰微する現代での子育て方法と親として生きる大人たちの不安定なジェンダーについて書いてきました。 ...続きを見る |
2005/07/31 00:20 |
少子化社会の不確定なジェンダーと核家族の子育て:3
7.子どもに対して嫌味や皮肉を用いた遠まわしの批判をしない ...続きを見る |
2005/07/30 00:15 |
インナーチャイルド・ワークの催眠状況における擬似的な親子関係の再演
過去に、『催眠の応用としての前世療法とインナーチャイルド・ワーク』という催眠に関する記事を書いたが、子ども時代の親子関係にまつわる情動や記憶を再体験することで治療的効果を得るインナーチャイルド・ワークに典型的に見られるのは『子どもとしての役割を心理的に引き受ける』ことである。 ...続きを見る |
2005/07/29 00:10 |
私たちの健康に悪影響を与えるストレスの種類と強度について
ストレッサーとは、人間の身体や精神に影響を与える外部環境からの刺激であり、大切な相手の喪失や生活環境の急変、人間関係の対立などストレスの原因を意味します。 代表的なストレッサーの種類には、温熱、寒冷、痛覚、圧力、光、騒音といった“物理的ストレス”、薬剤、有害化学物質、環境ホルモン、化学合成物といった“化学的ストレッサー”、細菌、ウイルス、カビなどの“生物学的ストレッサー”、人間関係の葛藤や社会的行動に伴う責任や重圧、将来に対する不安、大切な人の喪失体験、経済的困窮などの“精神的ストレッサー”が... ...続きを見る |
2005/07/28 00:15 |
少子化社会の不確定なジェンダーと核家族の子育て:2
ここで、育児や心身発達に関する全般的な説明や助言をすることなどは出来ませんが、子どもの心身の成長に関する発達心理学的なポイントと、神経心理学的・生物学的な原因から生じる問題への対処も含めて幾つか実践的な育児方法について私見を述べてみます。 ...続きを見る |
2005/07/27 00:35 |
少子化社会の不確定なジェンダーと核家族の子育て:1
現代社会でよく聞かれる悩みの一つに『育児の困難(育児方法の混乱・育児内容の誤り・育児意欲の低下・教育方針を巡る葛藤)』があります。 その原因として考えられるのは、急速な社会的価値観と家族構造の変化であり、ジェンダー(社会的性差)の認識の違いによる家族観と育児方針の多様化です。 ...続きを見る |
2005/07/25 00:23 |
フロイトのエディプス・コンプレックスとコフートの自己対象との共感的関係
伝統的な精神分析と自己心理学派の赤ちゃんの精神構造のモデルも全く異なるもので、フロイトは赤ちゃんを、自他未分離で本能的欲求である“エスの人格構造”に支配された存在と見ていました。 エスとは、動物的本能や原始的欲求が混沌として渦巻く善悪の分別がない領域であり、破壊衝動や攻撃欲求の原資となるリビドーの源泉でもあります。しかし、エスで生み出されるリビドーは、破壊欲求のエネルギーとして利用されるだけではなく、成長過程で社会性や道徳観を学習していくにつれて、創造的な行動や建設的な欲求のエネルギーとしても... ...続きを見る |
2005/07/22 00:36 |
精神分析の非日常的コミュニケーションにおける解釈・洞察の効果と限界
人間の心理領域の治療方略としての精神分析は、現代のエビデンス・ベースド(evidence-based)な心理療法に先駆ける臨床理論であると同時に実践技法であった。 人類はその太古から心理的な悩みや実存的な存在の不安を抱えていたが、心理療法や文明生活の消費の快楽が誕生する以前には、その悩みや不安を解消する為の役割は、宗教の告解や儀式、共同体の人間関係によって担われていた。 ...続きを見る |
2005/07/20 18:30 |
大勢の人の前で緊張せずに話をする方法
普段から、対人緊張、吃音(どもり)、対人恐怖を感じている人でなくても、大勢の人の前で講演したり演説したりすることには一定の緊張と苦手意識を感じるものです。 しかし、人前で流暢に話す技術、特に大勢の聴衆の前で緊張せずに話せる心を持つことの重要性と必要性を多くの人が感じています。 ...続きを見る |
2005/07/13 07:54 |
現代社会のストレス過剰の主要原因とストレス・トレランスのチェックシート
現代社会が、精神的ストレスが過剰な社会だといわれて久しいですが、その主要な原因を考えてみると大きく分けて以下のようになるでしょう。 総合的に考えれば、現代社会特有の精神的ストレスは『他者の承認・評価・愛情・尊敬・注目』を集めたいという承認欲求と、『私は社会においてどのような存在であるのか』という自己アイデンティティの乖離によって発生するストレスということができ、情報化の進展と欲望の肥大によってそれらのストレスは更に強くなっていく可能性があります。 ...続きを見る |
2005/07/10 16:41 |
ストレスによる生体への悪影響:ハンス・セリエの汎適応症候群(GAS)
あらゆる心理的な問題や精神障害(精神疾患)、対人関係の確執には、精神的ストレスが何らかの形で作用しています。 まず、身体の遺伝要因・体質気質類型・生理学的障害などの生物学的基盤があり、その基盤に精神的ストレスが過度にかかることによって全ての精神障害や心理的問題(深い苦悩・悲哀・抑うつ・怒り)が発生してくるというのが『素因・ストレスモデル』と呼ばれるものです。 素因ストレスモデルは、“人間の先天的な生物学的素因”に“後天的な環境的要因(心理社会的因子)”が相互作用することによって、精神の病気や... ...続きを見る |
2005/07/08 00:12 |
明徳義塾の生徒刺傷事件2:傷つきやすい青年期の自己愛とその回復の方略
誰でも、他人と喧嘩になって、いらだちが数日の間おさまらなかったり、他人と口論して、不機嫌なイライラした心理状態が一定期間継続するといった経験をしたことはあると思うが、通常、その攻撃欲求が物理的な殺意として行動化されることはまずない。 彼が何故、実際に相手を刺してしまったのかという本当の心理的な変化の過程は明らかにする術はないが、精神病理による錯乱や興奮といった問題を除けば、『心の内を忌憚なく話せる友人・家族・恋人といった他者』がいなかったことが攻撃欲求を自然に緩和し消滅させられなかった一つの原... ...続きを見る |
2005/07/06 00:04 |
明徳義塾の生徒刺傷事件:復讐・報復としての殺人の原理的な無意味性
高校野球の名門として知られる明徳義塾高校において、3年生の男子生徒が同級生を刃物で刺傷するという傷害事件が発生し、連日、ニュース報道が為された。 少し前には、山口県の光高校で、3年生の男子生徒が教室に爆発物を投げ込み、大勢の同級生を負傷させるという爆発事件が起きて、インターネットにおける危険な有害情報の流通などの問題と共に社会を騒然とさせた。 ...続きを見る |
2005/07/04 00:16 |
傷ついた自己愛の防衛と補償のメカニズムと母子一体感からの脱却
自己愛と対象愛の相補性や自己顕示的な自己愛と社会的行動の発生について、前の記事で述べましたが、今回は、“病的な自己愛”と“健全な自己愛”の差異についてハインツ・コフートの自己心理学を元にして書いてみたいと思います。 ...続きを見る |
2005/07/03 18:53 |
社会における職業選択と自己アイデンティティの確立の問題
徳保隆生さんの『梅田望夫さんが見ている、どこか遠い世界』と『勉強のできない人から職を奪う生き方の提案』という記事を読んで、勉強能力と学習能力の現代における意義や対人スキルの必要性を考え、職業生活と自己アイデンティティの確立の相関について思いを巡らせました。 ...続きを見る ブログ気持玉 0 / トラックバック 10 / コメント 0 |
2005/06/29 17:53 |
『キャノン・スペシャル ジュラシック・コード』の雑感と精神分析理論とのアナロジー
6月25日に、『キャノン・スペシャル ジュラシックコード〜人類700万年・封印された脳内恐竜の謎』というテレビ番組が放映されていましたが、偶然、私が過去に書いた『ポール・マクリーンの脳の三層構造仮説』と内容が重複する番組でした。 ...続きを見る |
2005/06/28 02:16 |
自己愛と対象愛によって満たされる私:健全な自己愛と病的な自己愛
フロイトは、自己愛(self-love)を自他未分離な状態の未熟な感情であるとし、自己愛の過剰による誇大自己や自我肥大による万能感を幼児的なものとして否定的に認識していた。 精神的に成熟した大人の自我は、自己愛に執着する事なく、自分の外部にある他者や対象を愛することが出来るようになる。 つまり、健全な成熟した自我を形成した人は、現実原則に従ってリビドーを満たす際に、ナルシシズムのような自己陶酔や他者の存在を無視した自己愛のみに没頭して満たすのではなく、好意を抱く他者との関係性や外部の対象への... ...続きを見る |
2005/06/27 10:17 |
心身症的な仮面うつ病とうつ病に罹りやすい性格傾向
現代の代表的な精神障害であるうつ病は、抑うつ感、無気力、不安感、集中困難といった精神面の症状だけでなく、頭痛や胃部不快感、関節痛、肩凝り、激しい動悸といった身体面の症状を伴うケースが多く見られます。 ...続きを見る |
2005/06/25 01:55 |
人間の豊かな心理世界を悠然と浮遊するイメージ療法の実際
過去の記事で、意識水準の低下と言語的暗示による催眠療法の概略について説明しましたので、今回は自発的にイメージを浮かべて主体性を失わずに実践するイメージ療法の概観について述べてみたいと思います。 イメージとは、心の内面に浮かび上がってくる視覚化された映像・光景・現象・事物のことですが、イメージを浮かべるのに慣れていない時には、なかなかイメージを視覚化できず、感覚で感じることが難しかったりします。 ...続きを見る |
2005/06/24 00:30 |
催眠の応用としての前世療法やインナーチャイルド・ワークとリアリティの問題
催眠のトリックを暴けば、暗示的な言葉を素直に受け容れ易くなっている状態を、治療目的で意図的に作り上げることなのですから、『暗示的な言葉に従いたくないという抵抗』を打ち崩して催眠の効果を発揮することは出来ないのです。 故に、臨床心理学や心理療法の観点から見た催眠には、相手の意志や考えに反する行動を無理矢理取らせる力はありません。 ...続きを見る |
2005/06/23 06:27 |
意識水準の低下と暗示性亢進を利用する“催眠療法”について。
イメージとは、精神世界に浮かび上がる表象であり、内面で視覚的に映像化される心像ですが、イメージは緊張して覚醒した意識状態よりも弛緩して低下した意識状態において発生しやすくなります。睡眠時に見る夢の内容や光景も一種のイメージですが、夢のイメージは、眠っている間に自律的で自動的に発生するものなので、リラクセーションや自己催眠によるイメージよりも無意識に接近したイメージであると解釈することが出来ます。 ...続きを見る |
2005/06/21 00:12 |
“アレキシシミア(Alexithymia)”と感情生活の豊かさを求める“イメージ療法”
自分の感情を洞察したり、自分の気持ちを言葉で表現することが苦手な“アレキシシミア(Alexithymia:失感情症)”や自分の身体感覚に気付くことの出来ない“アレキソミア(Alexisomia:失体感症)”の状態にある人は、職場や家庭での対人関係で過剰適応を起こしやすく、“胃・十二指腸潰瘍、本態性高血圧、狭心症、気管支喘息、頭痛、過敏性腸症候群、過呼吸症候群などの心身症”を発症するリスクが高くなります。 ...続きを見る |
2005/06/17 21:14 |
パニック障害に対するカウンセリングと薬物療法について
脳内の視床下部青斑核のノルアドレナリン系神経細胞(ニューロン)の異常興奮、ニューロン間のシナプス間隙におけるセロトニン(5-HT)の不足やセロトニン受容体の感受性亢進などの神経生理学的原因を仮定して、その生理学的障害を改善する事を治療方略とするならば、その治療法の主体は医学的な薬物療法となります。 精神科や心療内科で行われるようなパニック障害の薬物療法で主に使われるのは、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬(マイナー・トランキライザー)ですが、その他にも、抗うつ効果と精神安定作用のあるMAO阻害剤(モ... ...続きを見る |
2005/06/15 00:19 |
予期せぬパニック発作の恐怖と混乱に襲われる“パニック障害”について:2
パニック障害がどのようなメカニズムを経て発症するのかという症状形成過程については、神経生理学や薬理生理学の知見から大部分が解明されてきています。 パニック発作は、乳酸の静脈注射を行ったり、吸入する空気の二酸化炭素濃度(5%の二酸化炭素を約10分吸入)を上げることで、人為的に誘発することが出来ることが知られていますが、パニック障害に罹患していない健常者群では二酸化炭素濃度が多少上がってもパニック発作が起きない事が多いのです。 この事から、パニック障害患者は、二酸化炭素によってニューロンの電気活... ...続きを見る |
2005/06/14 14:42 |
予期せぬパニック発作の恐怖と混乱に襲われる“パニック障害”について:1
日常生活を通常通り営むことを困難にする“不安感の情動障害”と関連した精神障害に、パニック障害(panic disorder)があります。 パニック障害は不安障害の下位分類ですが、別名・恐慌性障害とも言われるように、突発的なパニック発作(不安発作)によって慌てふためき混乱する症状を中心に、心悸亢進や大量発汗、胸痛など幾つかの生理学的症状を呈す精神疾患です。 ...続きを見る |
2005/06/13 06:38 |
多彩な症状を呈する神経症(neurosis)とは何なのか?
フロイトを始祖とする精神分析の主要な適応症とされた古典的な精神疾患として神経症(neurosis)があるが、神経症とは単一の病態や特定可能な症候群を指示する病名ではなく、多種多様な複数の心因性疾患が寄せ集められた“総合的な病的状態”を意味する用語である。 同じ神経症患者であっても、ある人は立ち上がれなくなり、ある人は声を発する事ができなくなる。また、ある神経症患者は、異常な興奮を示して神経過敏になり攻撃的な性格を示し、ある人は自己顕示的で虚言癖や操作的な振る舞いを特徴とする演技的な人格を示す、... ...続きを見る |
2005/06/11 00:26 |
精神の正常と異常を区別する心理学的な相対的基準(適応・価値観・平均・病理の視点)
精神医学の精神病理学は『健康な人間・病気の人間』の二項対立図式を前提としていますが、臨床心理学の異常心理学(abnormal psychology)はその名前からも推察されるように『正常な心理・異常な心理』の二項対立図式を前提としています。 ...続きを見る |
2005/06/10 00:04 |
カウンセリング理論(心理療法理論)の実践と異常心理学(精神病理学)の発展の相補性
精神医学には、精神病理の病態を研究対象として、診断基準や治療法を考える“精神病理学”がありますが、臨床心理学の領域で、精神病理学に相当するものとして“異常心理学”があります。 ここでは、過去の記事で何度か書いた『正常と異常の区別の倫理的問題』『近代社会の差別構造』などには触れずに、精神の病理や心理の問題を研究する事の意義や目的について述べ、異常心理学と心理アセスメントとの関係などについて考えていきたいと思います。 ...続きを見る |
2005/06/09 22:10 |
精神障害の診断・統計マニュアルDSM-Wと実践的カウンセリングの関係
精神医学領域における精神障害の定義分類・診断基準として主流になってきているのは、アメリカ精神医学会(APA:American Psychiatric Association)が作成編集したDSM-W(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th edition)である。 精神疾患のみならず身体疾患も含む総合的な医学的病理診断基準として国際的な信頼を得ているものとしては、WHO(World Health Organizatio... ...続きを見る |
2005/06/08 00:29 |
ポール・マクリーンの脳の三層構造仮説:本能〜情動〜知性の相補的な機能
アメリカのポール・マクリーン(Paul MacLean, 1913-)は、人間の脳の構造と行動様式を、“生物の進化の過程”と“動物の原始的な本能”から説明することを試みて、“脳の三層構造説”の仮説を提示しました。 ポール・マクリーンによれば、人間の脳は『爬虫類脳→旧哺乳類脳→新哺乳類』の順番で進化し、機能を複雑化させ高度化させてきたことになります。 マクリーンの理論に触れる場合に、犯しやすい誤謬に“脳の構造の複雑化”を“種の優越性の証明”とする進歩主義の誤謬がありますが、進化生物学という自然... ...続きを見る |
2005/06/06 08:22 |
孤独なる独我論的世界からの解放と社会的な責任意識の萌芽:自己愛を超えて対象愛へ
シグムンド・フロイトは、恋愛関係に伴う複雑な心理過程や異性に対する特異な感情を、生物学的な本能であるリビドー(性衝動)に還元し、『恋愛とは延長された性衝動の充足であり、恋愛による精神的な興奮と苦悩はリビドーが抑圧された葛藤状況を意味している』と考えた。 しかし、多様性と個別性に満ちた人間のプラトニックなエロスの関係を、『性的衝動の充足が延期された葛藤状況』と解釈し、全てを生殖の成功と遺伝子の複製という生物学的目的で説明してしまうのは、恋愛の現象学的記述として正しくても、心理学的考察や文学的堪能... ...続きを見る |
2005/06/04 00:01 |
眼差しと微笑みと言葉による求愛行為:様々な経路で伝わってしまう気持ちと印象
誘うような魅惑的な瞳、透き通るように綺麗な瞳、情熱的で力強い瞳、攻撃的で恐ろしい瞳、冷淡で感情の感じられない瞳……『目は口ほどにモノを言う』という古来からの諺は、人間をはじめとする高等哺乳類にとって生物学的にも正しい言説である。 “尊敬、親愛、好意、信頼、友情、崇拝、誘惑”といった友好的な好ましい感情を込めた眼差しがある一方で、“敵意、憎悪、悪意、猜疑、侮蔑、揶揄、非難”といった批判的な好ましくない感情を込めた眼差しがあることを私たちは経験的に知っている。 視線の置き場所・相手を見つめる頻度... ...続きを見る |
2005/06/03 00:05 |
生殖本能・快楽意志・承認欲求が交差する人間のセクシュアリティ:少子高齢化の困難と社会規範の変遷
個体(生物)は遺伝子の乗り物に過ぎないと考えるリチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子(The Selfish Gene)』のような遺伝子決定論のメタファーに依拠すれば、恋愛や結婚を含む人間のあらゆる行為は、自己の遺伝子を存続させ継承するという遺伝的利益(自己保存・種の保存)に還元されることになります。 ...続きを見る |
2005/06/02 00:27 |
うつ病の意欲の減退と動機付けの低下を促す“学習性無力感”の関係:2
意欲や気力、興味関心、爽快感、リラックス感といった好ましい気分と密接な関係にある神経伝達物質として知られているものには、セロトニン(5−HT)やγアミノ酪酸(GABA)、ドーパミン、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)などがあるが、これらの物質が精神状態と関係しているとする仮説を“脳内モノアミン仮説”といい、向精神薬の薬理作用機序や症状の変化などの経験的事実から帰納推測された仮説である。 その為、脳内モノアミン仮説が客観的な正当性を間違いなく備えたものであるか否かを断定することは出来ないが、薬... ...続きを見る |
2005/05/24 18:49 |
うつ病の意欲の減退と動機付けの低下を促す“学習性無力感”の関係:1
“心の風邪”とも呼ばれる精神疾患であるうつ病(気分障害)は、確かにその生涯有病率が先進国で概ね10%前後であり、風邪のように比較的ありふれた病気、言い換えれば、誰がいつ罹ってもおかしくない発症頻度の高い精神疾患である。 しかし、精神の風邪の症状の苦痛と疲弊は、身体の風邪の症状の苦痛を遥かに凌駕し、時に、重症化すれば人間の生きる意志そのものを希死念慮の暴威によって根こそぎ奪い取ろうとすることさえある。 ...続きを見る |
2005/05/22 08:16 |
カウンセリングの有効性に関する効果研究について
科学的な実証性や客観性を重視する心理カウンセラーや臨床心理士であれば、自らの心理療法や理論に関する知識、助言や励ましの効果の多くの部分が自分の行動や実力以外の要素にあることを知っているので、過度な救世主コンプレックスや自己否定感に基づく無力感に悩まされることはないだろう。 心理臨床家は、自信ある態度と寛容な雰囲気を持っていなければならないが、必要以上の誇大妄想的な全能感に捉われてはならないし、権威的な態度と操作的な技法の濫用によって自己満足的なカウンセリングを行うことを回避しなければならない。... ...続きを見る |
2005/05/20 09:34 |
精神疾患と精神障害の概念の移行と精神保健福祉行政:DSM-Wの功罪
医学には、身体の疾患と異常を対象とする“身体医学”、精神の疾患と異常を対象とする“精神医学”があり、その両者を架橋する医療分野として“心身医学”があります。 精神医学では、伝統的に“心の病”の事を総称して“精神疾患(mental disease)”と呼んできましたが、精神疾患の標準的な診断基準マニュアルとして認知されてきているDSM−Wで“精神障害(mental disorder)”の呼称が用いられたこともあって、現在では精神疾患という呼称よりも精神障害という言い方が一般的になってきています。... ...続きを見る |
2005/05/18 01:03 |
唯一の客観的真理を前提とする“論理実証主義”と現実の多様性の生成を前提とする“社会構成主義”
『臨床心理学の統合的な発展』という記事で、臨床心理学の基本的な3つの研究方法である実験法、調査法、臨床法を挙げて、それぞれの研究法の概説を施した。 理想的な心理カウンセラーやサイコセラピストは、クライアントの心理的な苦悩や症状を緩和し援助する実践家であると同時に、基礎理論を検証する科学者であることが望まれるわけだが、日本では科学的な理論仮説の提示と検証があまり精力的には行われてこなかったという経緯がある。 また、実証的な自然科学を模範とする基礎心理学と実践的な有効性の発揮を目的とする臨床心理... ...続きを見る |
2005/05/16 00:40 |
臨床心理学の統合的な発展:科学的実証性と臨床的実践性のバランス
欧米の臨床心理学の教育プログラムである『科学者―実践家モデル(scientist-practitioner model)』の流れに影響されて、日本の臨床心理学を『生物―心理―社会(bio-psycho-social)』領域を幅広く網羅する総合的な体系を持つ科学的学問として再構築したいという流れが急速に高まっている。 日本の臨床心理学の発展の歴史を振り返ると、科学的な研究による実証主義の学問というよりは、各学派学閥の理論を臨床活動に応用する心理療法の学問として発展してきたといえる。 ...続きを見る |
2005/05/15 01:16 |
『男らしさと女らしさ』を巡る論争…ジェンダー問題は何故アポリア(困難)に陥るのか?
“人間の社会的性差(gender)”に基づく精神機能や性格傾向の差異について語る場合には、喧々囂々の議論は沸き起こり難いが、“生物学的性差(sex)”に基づく精神機能や性格傾向の差異について語る場合にはラディカル・フェミニストやジェンダーフリー論者から強い反発や抵抗を受ける恐れがある。 ...続きを見る |
2005/05/10 07:01 |
『溢れる余剰としてのエロス』を消尽する生の歓喜と充溢:純粋な快楽と贈与の祝祭
エロスとしての愛とは、主体である私が対象であるあなたを求める事であり、愛の充足として対象であるあなたと融合し、愛の関係として対象であるあなたと愛着や興奮を伴う時間を共有する事です。 エロス(異性への愛と憧憬)は、一般に利己的な欲求の充足を含むものですが、真のエロスは、ジョルジュ・バタイユが語る非経済的な享楽的消費の概念“消尽(consumation)”によって特徴付けられます。 ...続きを見る |
2005/05/09 00:15 |
西洋文明圏の“愛”と東洋文明圏の“慈悲・仁”の差異と統合
過去に、『6種類に分類される恋愛の形態と実質』という記事を書きましたが、人間は文化の変遷や文明の発達に合わせて多種多様な愛の形態を作り上げてきました。 心理学的な分類として典型的なものの原型は、既に古代ギリシア世界において形成されていました。 ...続きを見る |
2005/05/08 00:28 |
愛情の代理表象としての食物(ミルク)の快楽:魔術的思考や幼児的全能感を超えて現実へ
母親や養育者から与えられる“ミルク(母乳)”は単純に食欲を満たす食物ではなく、ミルクは愛情や保護といった精神的肯定感を象徴するものとして赤ちゃんに受け取られます。 人間の新生児は、他の動物の赤ちゃんと比較しても非常に無力で脆弱な存在であり、養育者の手厚い保護や世話がなければこの世界で生きていくことが不可能な状態にあります。 その為、赤ちゃんにとっての養育者や養育環境は、この世界そのものを代表的に象徴するものであり、この時期に十分なスキンシップや授乳を行い、温かい微笑みや優しい言葉をかけてやる... ...続きを見る |
2005/05/07 06:19 |
脳の解剖学的構造と生理学的機能:脳と心の相関関係
人間の神経系は、“中枢神経系(脳・脊髄)”と“末梢神経系(自律神経系・体性神経系)”の二つの系によって成り立っていて、脳・脊髄と身体各部は相互的に化学的・電気的な情報伝達をしています。 人間の複雑な精神機能と精妙な生命維持を司る脳器官は、大きく分類して以下の3つの部分から構成されています。 ...続きを見る |
2005/05/06 01:01 |
リビドー発達論と自己アイデンティティを確立する性格形成の過程
前述した、精神分析のリビドー発達論(性的心理的発達論)の詳細について下に記しておきます。 ...続きを見る |
2005/05/05 10:39 |
愛する者を獲得する事と愛する者を喪失する事:生理心理学的恋愛論序説
異性に対するロマンティックで情熱的な“エロス”や他者に対する無償の博愛主義に根ざした“アガペー”は、過去の記事で略述したように、『生きる意味と等価にも成り得る無上の幸福や歓喜』を人間にもたらすものとして伝説や詩文、小説で讃美されてきました。 ...続きを見る |
2005/05/03 06:30 |
リビドーの発達論と性格論:他者との相互的な受容と承認を求める心
精神分析の精神発達理論は、心のエネルギーの仮想的概念である“リビドー”の発達を用いた発達理論であると同時に、リビドーの固着と退行によって性格類型を説明する理論でもあります。 精神分析に限らず心理療法理論を提起する目的は、クライアントの人格や行動をより適切に理解して、心理的問題や精神障害の解決を支援することにあります。 ...続きを見る |
2005/05/01 04:58 |
『苦悩と安楽・悲観と楽観・肯定と否定』が複雑に絡み合う人生の過程をどう考えるか?
心理学、殊に、人間の人格特性や性格類型、精神の病理性、社会的な精神発達過程などを必然的に取り扱わなければならない臨床心理学や心理療法は、人間観や世界観といった主観的な価値判断の影響をある程度受けざるを得ない。 心理学の中で最も客観性と検証性の高い科学的な分野は、実験心理学や認知科学の分派である認知心理学であろうが、それらは人間の精神障害や心理的問題の解決や回復に直接的に貢献することは出来ない。 ...続きを見る |
2005/04/30 00:09 |
暗示的催眠を用いたフロイトが自由連想法に至るまで:19世紀の神経症と神経疾患の歴史
行動療法と催眠療法の関係性について以前述べたが、精神分析の創始者フロイトも個人開業医を始めた当初は、パリのシャルコー(Jean Martin Charcot 1825〜93)に催眠療法を学んで神経症治療に頻繁に利用していました。 シャルコーは、神経症や神経疾患、老人性疾患、慢性疾患などを精力的に研究して、37歳でパリのサルペトリエール病院の医長の座に就任した俊英であり、フロイトの前時代の神経症医療の権威でした。 シャルコーは、研究活動と臨床活動の双方において活躍し、その後もフランス医学会の出... ...続きを見る |
2005/04/29 00:19 |
行動療法と催眠療法の意外な関係性
行動主義(行動科学)の前提には、学習心理学(学習理論)があり、人間の人格・行動の全ては後天的な学習活動が集積した習慣・態度・知識によって形成されていくという人間観を持っています。 行動科学の人間観に依拠すれば、恐怖症・全般性不安障害・社会性不安障害(対人恐怖症)・強迫性障害・うつ病などの精神障害も間違った学習活動の結果や不適切な学習による環境にふさわしくないパターンの形成として認識されます。 行動科学(学習心理学)の成果を臨床応用した『行動療法(behavior therapy)』では、客観... ...続きを見る |
2005/04/28 00:15 |
人間の喜怒哀楽を豊かな言語表現で語り合い感じ合う事の大切さ:アレキシシミアと心身症
人間の喜怒哀楽、憂鬱と発揚、興奮と鎮静、絶望と希望などの『能動的な感情表現』と『受動的な感情表出』は、実に多種多様なものである。 人間の生きる意味や価値は、理性的・論理的な思考に基づく知的把握のみでは十全に味わいつくす事は出来ない。 ...続きを見る |
2005/04/27 00:49 |
人間の行動を統御するメカニズムとしての快楽原則と学習理論
『古典的条件付け理論(レスポンデント条件付け)』を生理学的実験によって証明したロシアのパヴロフ、パヴロフの生理的な条件刺激に対する条件反射を人間の行動一般に応用して『S−R理論(S:stimulus,R:response)』を提示した行動主義のワトソンが、行動科学(行動主義心理学)の黎明期を築きました。 ...続きを見る |
2005/04/26 11:58 |
“過去・現在・未来の認知フレーム”で捉えられる時間的構造と心理療法理論の対応
カウンセリングを行う際の前提的知識となってくる人間の心理メカニズムや人生の過程と問題をより良く理解する為には、『人生の時間的構造』と『環境の心理的影響』について知る必要があります。 人間は、基本的に自らの生きる人生を『過去・現在・未来』の時間軸で捉え、現在という時間を生きながらも、過去の記憶や未来への想像に大きく影響され、明るい希望に胸を弾ませて快活な気分になったかと思えば、悲観的になって抑うつ的な気分に落ち込んだりもします。 ...続きを見る |
2005/04/24 23:57 |
ライフサイクル理論と社会変動のリアリティを強めて“たまごっちブーム再燃”:現実と仮想の交錯する現代
たまごっち:通信機能付き新登場 8年ぶりにブーム再燃 ...続きを見る |
2005/04/23 18:52 |
精神分析と認知行動療法の理論的対立を乗り越えた相補的な統合的活用へ
精神分析の歴史を振り返ると、フロイトが神経生理学的な科学研究の経験を積んだ医師であり、精神疾患としての神経症を主要な治療対象とした経緯から、長らく精神分析は医学領域の技法として医師に占有されてきました。 かつて、アメリカの伝統的な精神分析研究所には、非医師の加入が認められておらず、非医師がどれだけ精神分析理論に精通して技法に熟達しても、精神分析医よりも低いレベルのレイ・アナリスト(素人分析家)と蔑称されていました。 ...続きを見る |
2005/04/23 00:21 |
フーコーの系譜学的研究『狂気の誕生』:精神の正常と異常の価値序列の相対性
あらゆるカウンセリングの基本的前提として、相互的な信頼と尊重に根拠付けられる人間関係があり、この肯定的で建設的な人間関係を“ラポール(ラポート)”と言います。 面接場面で繰り返される心理的問題や症状に関する対話と率直な感情交流を繰り返す過程において、ラポールは段階的に構築されていきますが、その際に重要になってくるのがカウンセラー側の真摯な傾聴に基づく共感的理解と無条件の肯定的受容と尊重です。 ...続きを見る |
2005/04/22 05:29 |
人間の喜怒哀楽の感情生活の起源としての元型(アーキタイプ):イメージと表象の世界
ユングが人類共通の集合無意識・普遍的無意識の内容であり人間の感情生活の源泉として考えた元型には、以下のようなものがある。 ...続きを見る |
2005/04/19 22:24 |
ユングの集合無意識(collective unconscious)と元型(archetype)
ユングの分析心理学を理解し、ユングの広大無辺な宇宙と合一する精神観に接近する為には、人類共通の無意識である“集合無意識・普遍的無意識(collective unconscious)”の概念と内容について知らなければならないだろう。 集合無意識(普遍的無意識)は、個人の後天的な経験や記憶によって形成される個人的無意識の領域よりも更に奥深い領域にあり、人間の知的・情的な精神活動と喜怒哀楽の感情の源泉として人類に普遍的に存在する壮大無辺の領域である。 ...続きを見る |
2005/04/17 23:41 |
精神世界の科学的認識を目指したフロイトと精神世界の内省的把握を目指したユング
C.G.ユング(1875-1961)が、数多くの精神病者の臨床経験と神話伝承の研究、自己内面の洞察や瞑想を踏まえて提示した無意識の概念は、個人と人類という“階層構造”を持っている。 S.フロイト(1856-1939)が、神経症者の臨床経験と夢判断の研究、自己の生育歴の回想と洞察を踏まえて提起した無意識の概念は、表層の意識領域と深層の無意識領域という階層構造を持っているが、無意識の内部には階層構造を持っていない。 ...続きを見る |
2005/04/16 21:32 |
フロイトの無意識とユングの集合無意識(普遍的無意識)
シグムンド・フロイトの精神分析学(Psychoanalysis)の無意識の概念とフロイトの学派から離脱したカール・グスタフ・ユングの分析心理学(Analytical Psychology)の無意識の概念とは、言葉は同じでもその意味する内容は全く異なるものである。 ...続きを見る |
2005/04/12 05:44 |
人間が用いる概念とは何か?:精神分析と無意識の概念
心理学や精神分析学、精神医学、哲学といった学問分野には、実に多種多様な専門用語があり、その専門用語は概念によって表記されます。 “概念”とは何であるのかを厳密に定義する事は困難ですが、一般的に理解されている概念とは、『言語によって指示される事象の概略的な意味内容』という事になります。 ...続きを見る |
2005/04/11 22:46 |
『死の概念の混乱と死の現実の錯誤』を生み出す無痛化の快楽主義を内在した現代文明社会
子ども達の中に、『死んだ人間は生き返る事がある』という『死の概念について誤った認知』を持っている子がいるという事実に、多くの大人は驚愕し、『死者は蘇生しない』という共通認識が成り立たない一部の子どもに対する根源的な不安を覚えました。 報道される凶悪な少年犯罪と死の概念の錯誤を結びつける言説が出てきたり、幼少期からゲームをやり過ぎると前頭葉の発達が疎外されるという怪しげな“ゲーム脳理論”が世間に吹聴されたりしました。 ...続きを見る |
2005/04/04 05:27 |
6種類に分類される恋愛の形態と実質:エロスとアガペーの狭間で揺れる情愛と感情
私達は、様々な相手の特性・行動・状況に魅力を感じて異性(同性)を好きになり、人間に特有な恋愛感情を相手に抱き、無上の喜びや幸福と苛酷な悲しみや葛藤を生み出す恋愛という関係を相手と取り結びます。 恋愛は、相手に対する感情や欲求のあり方、お互いが相手に望み期待する事柄、継続的な恋愛関係なのか刹那的な恋愛関係なのかなど複数の視点によって幾つかのタイプに分類することが出来ます。 ...続きを見る |
2005/04/02 23:56 |
『私が私であるという理由のみによって愛され承認される快楽』と『現代社会の構造的な悲哀と孤独』
カール・ロジャーズは、ありのままの自己を肯定的に受容される事によって、人間は精神的な成長が加速促進され、不登校や就職拒否、家庭内暴力(DV)など環境への不適応の問題は改善し、精神疾患の症状の苦痛も緩和すると考えましたが、ロジャーズに欠けていた視点を批判的に指摘することも出来ます。 まず、ロジャーズの理想的な実現傾向を有する人間像の概略を彼の言葉で見てみましょう。 ...続きを見る |
2005/03/30 05:41 |
利己的な遺伝子の支配に抵抗する人間の人生と恋愛:“結果の論理を超える過程の価値”
生物全般に共通する目的は、『自己保存・個体の生存維持』と『種の保存・遺伝子の継承』であり、それらは、自己の生存を維持する“自己保存欲求”や子孫を存続させていく“遺伝子保存欲求”によって支えられています。 ヒト以外の生物は、基本的にこの遺伝子によって規定される目的から逸脱して、子孫を残さない生涯や自分の生命を断つ自殺といった主体的な選択をすることが出来ません。 子孫を残さない人生や自分で自分の生命を奪って自殺してしまう人生が、倫理的に正しいわけではありませんが、遺伝子保存の放棄や自殺といった生... ...続きを見る |
2005/03/29 17:02 |
恋愛感情に特有な『排他性・両価性・観念性・新奇性』と恋愛・結婚の対象選択の要因
人間は、急激な心身の変化によって生殖能力(精通・初潮による排卵)を獲得する“第二次性徴期”を迎えると、異性に対する関心や欲求が高まり、“男性・女性”という性差に対する自意識である“性同一性”が確立されてきます。 人間にとって異性への欲求に基づく人間関係は、性的成熟と生殖可能性に結びつくだけではなく、“恋愛や結婚といった特別な価値を持つ関係性”に発展する可能性のあるとても重要なものです。 特定の異性に対する恋愛感情は、好意・好感に基づく友愛感情や敬愛感情とは似て非なる特異的な感情です。 ...続きを見る |
2005/03/28 16:09 |
自分自身の気持ちや感情について素直に率直に話せる相手がいますか?:社会的浸透理論と人間の好意・愛情
私達は、毎日の生活の中で、同性や異性の相手と色々な事を話し合ったり、時に議論し合ったりします。そういった意見や主張をお互いに伝え合う過程で、相手に対する“肯定的な感情(好意・愛情・敬意・信頼)”が生まれたり、相手に対する“否定的な感情(嫌悪・抵抗・不快・不安)”が芽生えたりします。 ...続きを見る |
2005/03/27 23:43 |
“こころ”と“行動”を対象とする学問としての心理学:パヴロフの犬の実験と古典的条件付け
一般的に心理学というと、喜怒哀楽などの感情や継続する情緒としての気分の発生メカニズムを研究したり、社会環境の様々な状況で結ばれる人間関係の変化と発展について調査したりする学問分野であるといったイメージが持たれています。 しかし、現在では、自分自身の心の内面を観察する“内観法”は、科学的な心理学が誕生する以前の古典的な方法という趣きが強くなっています。 ...続きを見る |
2005/03/26 07:09 |
人間の心身発達についての概説:発達心理学と行動主義心理学の観点から
発達(development)とは、精子と卵子の受精から死に至るまでの一生涯の『質的・量的な変化の過程』と定義する事が出来ます。 人間は、一生の間、絶える事なく変化をし続けるという前提に立ち、その継続的な変化の仕組みと実際の状態について調査・研究するのが発達心理学と呼ばれる分野になります。 ...続きを見る |
2005/03/26 04:48 |
何故、美しく綺麗な容姿に対人魅力を感じるのか?:表層的関係から本質的関係への深化
相手の愛情や好意を惹きつける対人魅力には、顔・スタイル・服装・話術などの外見的要素も深く関与しています。 特に、初対面での第一印象や短時間の接触や短期間の交流では、外見的要素が大きな対人魅力となり、相手の評価や感情を左右することがあります。 “長期間にわたる人間関係における総合的な人間評価”では、外見的要素が占める割合は相対的に低くなり、性格・人柄や知的能力などの内面的要素や社会的地位や実務能力・専門的技能などの社会的要素が占める割合が大きくなっていきます。 美しさ・可愛さ・かっこよ... ...続きを見る |
2005/03/25 01:06 |
相手の愛情や好意を惹きつける“対人魅力”と遠距離恋愛を困難にする“単純接触機会”の増加
私達は、社会生活を営む中で、大勢の他者と出会い、様々な形態の関係を結んでいきますが、相手を好きになれば関係が親密になり、相手を嫌いになれば関係が疎遠になっていきます。 人間関係の中で、相手の注意や好意を惹き付ける魅力のことを『対人魅力』と言います。 ...続きを見る |
2005/03/24 20:07 |
行動の原因がどこにあるのかの判断によって変わる人の対応態度と援助行動
ある行動の原因が、“内的原因(意図・動機・性格)”にあるのか“外的原因(外部環境・社会状況・外部からの刺激)”にあるのかを、客観的に検証可能な形で判断することは出来ません。 しかし、私達は、自分自身でも意識することなく、ある行動や出来事が内的原因に基づくものなのか、外的原因に基づくものなのかを恣意的かつ主観的な形ではありますが判断しています。 ...続きを見る |
2005/03/22 21:23 |
あなたは行動や物事の原因をどこに求めますか?:ケリーの帰属理論
家庭・学校・職場・社会などの社会的環境で、私達は多くの人の多種多様な行動・発言・態度・振る舞いを目にして、その人がどのような人間であるかを推測する手がかりを得ます。 それは、外部から観察可能な相手の“行動・発言・態度・振る舞い”の原因が、相手の内面的特徴である“性格・動機・意図・価値観”にあると考える傾向が私達にはあるからです。 ...続きを見る |
2005/03/22 13:06 |
相手にどのような印象を与えていますか?:人格理解と対人評価
“内包的特性理論”に基づく対人評価では、『優しい・美しい・面白い・楽しい・頭が良い・論理的だ・礼儀正しい・攻撃的・暴力的』といった言語的に理解される第一印象の人格的特徴(性格特徴・知的特徴・精力的特徴)がとても重要なものとなってきます。 ...続きを見る |
2005/03/22 09:59 |
“内包的特性理論”によって強められていく“第一印象の影響”
人間が他者に対して抱く第一印象は、その後の人間関係や対人評価に無視できないほどに大きな影響を与える事になります。 第一印象から種々の人格的特徴を判断し、相手が実際にどのような特徴をもっている人間かを推測するわけですが、その推測された『性格特徴・知的特徴・精力的特徴』は、言語的な特性として通常理解されることとなります。 私達の音素と意味を持つ言語の世界には、語彙や文法・論理などの一般規則があり、類義語や対義語といった意味の相似性や対立性によって区分される集合性があります。 ...続きを見る |
2005/03/20 23:23 |
“社会的な動物”である人間の行動原理を研究する興味深い社会心理学
人間は、アリストテレスが述べたように、他者とお互いに協力したり競争したりしながら生きる“社会的な動物”ですから、人間の行動メカニズムを解明する為には社会的環境における他者との関係性と相互作用を考えていかなければなりません。 ...続きを見る |
2005/03/20 21:23 |
ヒューマニスティック心理学が前提とする明るく前向きな人間観と自己実現欲求
1960年代に発展してきた人間性心理学(humanistic psychology)を、心理学の第三勢力と提唱したのは、アブラハム・マズロー(A.H.Maslow, 1908-1970)です。 カウンセリングの創始者であるカール・ロジャーズも心理学派の分類では、人間性心理学に分類されます。 ...続きを見る |
2005/03/20 10:04 |