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zoom RSS 神奈川県座間市で9遺体が発見された猟奇殺人事件について1:一見普通な青年の異常な犯罪

<<   作成日時 : 2017/11/05 07:47   >>

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神奈川県座間市の格安ワンルームの一室で、切断された9遺体(女性8人・男性1人)が発見されたという前代未聞の猟奇事件で、無職・白石隆浩容疑者(27)が逮捕されました。

わずか2ヶ月の期間に9人もの人間を次々に殺害して死体を損壊するという日本では類例のない猟奇的な凶悪事件ですが(単独犯だと確実に決まったわけではないですが)、逮捕された白石容疑者の写真を見ると、どこにでもいそうな平凡・柔和な感じを受けるあまり癖のない青年(少なくとも短気で攻撃的な印象・コワモテではなく)であり、このような凶悪犯罪を起こす兆候を外見から他人が推察することはおよそ不可能でしょう。

パチンコ店や風俗店のスカウト業などキャリアにならない不本意なバイトを転々として現在は無職というのは、『社会適応の悪さ・経済的な困窮・自己アイデンティティーの拡散』を示唆するかもしれませんが、現代の若者で安定した職業や正規雇用の仕事を持っていない人はいくらでもいるでしょうから、その場しのぎに近いバイトで食いつなぐ生き方が猟奇性のある凶悪犯罪の一因であるとも言えません。

白石容疑者の子供時代に関する同級生などの証言も、基本的に目立った個性や特徴、過去のトラブルを指摘するものはなく、『あまり目立たない自己主張の弱い少年・大人しくて聞き役に回ることの多かった子供』といった感じで、どちらかというと影の薄い、集団の中に自然に埋もれるタイプの平凡・普通な子供のイメージで語られています。

白石容疑者のパーソナリティーや生命に対する価値観が異常を来たすことになった発達史上の転機は、現在でてきている報道の情報からだけではほとんど分からず、猟奇犯罪・快楽殺人の加害者に多い『幼少期の親からの激しい虐待体験・性的虐待』や『猫・小鳥などの小動物を虐待したり殺したりしていた情性欠如の行為障害の履歴』なども無いようです。

ただ家庭環境や親子関係が良好なものだったかは分からず、『母親・妹が数年前に出て行って連絡を取っていない状況』にあるようなので、父親か白石容疑者かのいずれかと、母・妹が二度と顔も合わせたくないような深刻な対立やトラブルを抱えていた可能性もあり、家族の分裂による情緒的な変化や孤独感・疎外感が一定の影響を及ぼした部分も多少はあるかもしれません。

『母親からの見捨てられ体験・家族からの疎外感』は、安定した家族関係を失って自己価値を毀損するトラウマの一因にはなりますが、子供時代であればともかく成人以後であれば犯罪の決定的な要因にはなりにくいでしょう。

就職(仕事への定着)が上手くいかず、社会適応や経済生活に長く困窮して不満を抱いたり生きる意味を失いかけていた可能性はありますが、特に風俗のスカウト業をしていて、『組織犯罪処罰法違反(違法収益)・職業安定法違反(売春斡旋)』で逮捕されたことが人生や心理状態の転機になったのかもしれません。

『職業適応・人生設計・生活規範』が大きく崩れて自暴自棄になる人や精神状態を悪化させる人はいますが、同じカネ目当てや性的暴行目当ての犯罪であっても、こんな猟奇事件を起こす犯罪者はまずいないわけで、白石容疑者のパーソナリティー構造や精神状態は『一般的な目的遂行のための犯罪心理』とはやはり異なるものだと考えるべきでしょう。

単純にお金がほしいだけの犯罪者なら窃盗・強盗をして、暴行が目的であれば強姦・強制わいせつをするはずで、普通は殺人とそれらをセットにして『死刑判決』も覚悟で強盗殺人・強姦殺人・遺体解体を計画する犯罪者はほとんどいません。それは量刑が重いからというだけではなく、犯罪者であっても大半は『人を無意味に傷つけたり殺したり遺体を処理したりすることに対する生理的嫌悪感が強いから』に他なりません。

同じ犯罪でも、人を殺さずにお金を手に入れたり暴行できたりする選択肢がいくらでもあるのに、敢えてそれを選ばずに殺す前提で複数の人間を誘い出すというのは『殺人自体の目的性』があると推測されます。

白石容疑者は『お金・性の目的』もあったかもしれませんが、首吊り士というアカウントを作ってまで『自殺志願者』を検索して探し、初めから『殺人(自殺幇助の大義名分を勝手に作り上げた卑劣な殺人)』をするつもりで呼び出していますから、『殺人なしのお金の奪取・性欲の充足』を求めていたとは考えにくいでしょう。


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神奈川県座間市で9遺体が発見された猟奇殺人事件について2:未熟な若者の自殺願望を煽る卑劣な殺人
白石容疑者は、悪徳な風俗スカウトをしていた時からTwitter(SNS)を駆使してターゲットを探していたと報じられていますから、『SNS経由の被害者(誘い出しやすそうなメンタルの弱った女性)の物色』に慣れていたということもありますが、ハッシュタグの検索や設定が『自殺・死にたい・自殺願望・首吊り』などであることからも、副次的にお金や性犯罪の目的があったとしても、それ以上に死にたがっている人(周囲の家族や知人とも関係が薄くて捜索されにくそうな人)を見つけて殺すという殺人願望の方が強かったのでは... ...続きを見る
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2017/11/05 07:53

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