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zoom RSS 『ロマンティックラブ+結婚+経済の結合』が規定していた近代人のライフプランはどう変わるのか?:2

<<   作成日時 : 2016/12/01 12:27   >>

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『恋愛と結婚は別物』という面は確かにあるが、それは『恋愛の非日常的なドキドキ感・イベントや感情交流の高揚感・特別な相手との特別な時間』と『結婚の日常的な人間関係(育児)・衣食住の家庭生活・ルーティンな雑務』とは違うという意味である。

特別に異性として好きな相手やドキドキする魅力のある相手でなくても、確かに結婚生活(衣食住・仕事・育児の共同生活)そのものはできるはずだが、『一人で生活できる収入・状況』があれば敢えて『好きでも嫌いでもない相手との共同生活・子作り(育児)』をするハードルは現代ではそれほど低くないだろう。

『ロマンティックラブ+結婚+経済の結合』が規定していた近代人のライフプランはどう変わるのか?:1

『どちらかといえば好きといえるくらいの相手』で『一人や実家で暮らすよりもマシな一定以上の経済状況・生活水準』があれば、契約結婚的なものをしたいという男女は多いとは思うが、どちらかといえば好きと思える相手(一緒にいて良いところが見えてくる相手)とであれば、多少なりとも恋愛感情的・性欲的なものも自然に芽生えるものだろう。

あるいは、異性との恋愛が苦手なだけで、社会経済的にはかなり良い条件を持っている人(今すぐにでも結婚生活や育児をスタートさせられる経済力のある人)であれば、年齢・容姿などで高望みしなければ、従来の婚活やお見合いでも相応の相手を見つけることにそれほど困らないように思う。

恋愛の延長線上に結婚があるという共同幻想が弱まって、恋愛結婚が当たり前の時代が終焉に近づいたとしても、『結婚が通過儀礼として機能している時代(結婚が当たり前で結婚していないと恥ずかしかったり不利益・偏見が大きい時代)』に戻らないと、『恋愛抜きの結婚』が急増するとは考えにくいのではないだろうか。

現代では結婚をしてもしなくても良いという選択の自由があるから、『恋愛が面倒だから(性が嫌いだから)恋愛しないという現状維持の自由』も担保されているのである。

昔のように『絶対にいずれは結婚しなければならない』のであれば、恋愛や性を敬遠して敢えて相手を選ばないということは余計に自分を不利な状況に追い込むだけであり(今の時点で妥協するよりも悪い相手と結婚しなければならなくなるだけであり)、どうせ誰かを絶対に選ばなければならないのであれば、少しでも自分が好きな相手(少しでも条件の良い相手)を消極的であっても選ぶだろう。

ロマンティックラブ・イデオロギーに基づく恋愛結婚が流行していたとされるバブル前後の時代にあってさえも、『遅くても30代までには結婚しなければならない(絶対に結婚相手を見つけておかなければならない)という結婚・出産の通過儀礼としての自明性』があったから、必死に好きな人を作って恋愛しようとしていた部分があるのではないかと思う。

その意味では、ロマンティックラブ・イデオロギーが全盛していた時期でさえも、『心から恋愛を楽しんで没頭していた人』や『本当に妥協なしで無我夢中になるほど異性として惚れ込んだ相手と一緒になった人』というのはかなりの少数派であって、いずれ遠からず絶対に結婚しなければならないから、選べる相手の範囲内で少しでも良い相手を見つけたいと思い(その相手を運命の人と思い込んで引き返せない心理状態に持っていき)、恋愛と結婚に必死になれた面を無視できない。

お見合い結婚が多かった時代も、恋愛結婚が当たり前とされていた時代も、『人はいずれ結婚・出産しなければならないという同調圧力を伴う大前提』があったわけで、結婚・出産に選択の自由が許されてしまった現代とはその前提が大きく違ってしまっている。

恋愛の通過儀礼的で抑圧的な性質は確かに希薄化しつつあるが、それ以上に結婚の通過儀礼的で抑圧的な性質(結婚はみんながするものでいずれはしなければならないものという認識)が希薄化している。

『好きでも嫌いでもないそつのない人ととりあえず結婚したい人』が増えるためには、『結婚の通過儀礼性・自明性(いずれはしなければならない)』か『結婚の経済的・精神的なメリット』がなければならず、前者が弱くなっている現代では端的には異性としてそれほど好きでないのなら、『社会経済的条件が良くて生理的嫌悪を感じず(子供を作るための性行為はできて)、性格も合う人』という、好きな人を探すのとあまり変わらない程度の結構なハードルになってくる。

そうなると、今の延長線上で、『苦労・不幸を共にできるほどに好きな人(今よりも良い暮らしができるほど条件の良い人・本能的に惹かれてその人の子供がほしいとストレートに思える人)がいなければ、別に無理してまで契約結婚をしなくても良いと思う人』のほうが増えてくる可能性も否定できない。現代人には『自宅内の他者の存在・生活音・風呂トイレの共有をストレスに感じて共同生活を嫌がる人』も増えている。

もう一つの可能性としては、一人暮らしや実家暮らしができないほどに社会全体の貧困化(子供を支援する親世代の困窮化)が進んで、1960年代以前のように大勢の男女が『相互扶助の効率的な生活をするため・子供を早くに働かせて家計援助してもらうため・結婚して共働きしないと生き抜くことが困難なため(一人暮らしや実家暮らしが返って一部の人の贅沢なライフスタイルになったため)』に、好きとか嫌いとかに強くこだわらずにまずまずの釣り合う相手と妥協・納得して結婚すること(結婚がロマンティックな恋愛や上昇婚とではなく最低限の生活維持・相互扶助と強く結びつくこと)もあるかもしれない。

『恋愛抜きの結婚』が今までにない新しい動機や形態のものになるかというと微妙だが、ドライな功利主義的な結婚にしても、一人暮らしよりもマシな状態になるという社会契約的なパートナーシップにしても、『今も婚活などにあるより良い社会経済的条件の相手を探す結婚』や『過去にもあった結婚しなければ一人では生き抜くことが難しい時代』と大きくは変わらないようにも感じられる。

誰もがいずれ結婚しなければならないという選択の自由の剥奪(結婚しない人には何か問題があるという同調圧力・偏見の高まり)があれば、恋愛結婚にせよ恋愛なしの契約結婚・パートナーシップにせよ、それぞれがそれぞれの動機や感情、思惑(利害)によってしかるべき年齢で嫌々ながらでも結婚していくので結婚率は高まると思う。

だが現状では、『結婚してもしなくてもどちらでも良いという結婚の世間体・義務性の弱まり』があるがために、『恋愛抜きの結婚』を敢えてしたい人、することに意味やメリットのある人の数は限られることになる。

前述したように『結婚・出産の選択の自由化』が起こった時点で『恋愛の通過儀礼性からの自由』も同時に起こっていたとも解釈できるわけで、結局のところ、いずれみんな誰かと絶対に結婚しなければならないという大前提が崩れれば、『異性や人間として好きな人』か『経済的・人生設計的に役に立つ人(社会経済的条件が良くて真面目な人)』としか結婚しづらくなっていく。結婚に潜む身も蓋もない部分(生きるための必要性・結婚することのメリット)というのは、それを表立って言語化することはないにせよ、昔からあるといえばあるのである。

大企業の正社員や公務員などの安定雇用で条件が良い層の結婚率・子供のいる率は有意に高くなっているが、これは『経済的・人生設計的に役に立つ人(社会経済的条件が良くて真面目な人)』であることが多く、『大企業・役所では周りの大半が30〜40代までには結婚するので自分だけ結婚しないことの取り残され感が起こりやすい』からだろう。

そこには異性として好きだという恋愛的な関係・感情もあるが、視点を変えれば当然ながら功利主義的なメリットも少なからずあるわけで(一方が恋愛優位だが、他方が条件優位もあるわけで)、恋愛結婚と契約結婚は綺麗にすっぱり二分できるものでもなく、昔からある部分では恋愛と条件は区別されるが、ある部分では融合しているものであるようにも思う。


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