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zoom RSS ドナルド・トランプ大統領誕生についての雑感2:米国第一の過激政策と外交・安保政策の転換

<<   作成日時 : 2016/11/14 17:08   >>

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今回の大統領選はトランプ氏もクリントン氏も両方共に人気がなくお互いを罵倒し合う『史上最も醜い選挙戦』とも揶揄されたが、消極的に選択した有権者が多かったとしても、アメリカ国民は民主主義的な選挙制度の手続きにのっとってドナルド・トランプ大統領を選出したのである。

確かに今回の大統領選の候補者は、特に共和党において政治キャリア豊富な候補者に魅力・理念が乏しいという人材難の様相を呈して、トランプ氏が代表候補になれる下地ともなった。

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だがアメリカに限らずフィリピンのドゥテルテ大統領やトルコのエルドアン大統領、フランスの極右のルペン議員、ボリビアのモラレス大統領など『過激政策・人権軽視を掲げる極端な改革をする政治家』が、ポピュリズムで仮想敵を激しく叩いて大衆の人気を集めやすくなっている不安定な国際情勢(過激な政治家の暴論容認の各国情勢)がある。

トランプ勝利には現在のアメリカの階層分断と格差拡大、競争力低下の混乱状況があり、その根底には既存の政治体制や政策理念では救済されないと憤る大衆の激しい怒りと焦りがある。そして、その米国民の怒りと焦り、不満の一部がドナルド・トランプが痛烈に叩いてくれた『敵対する外国・移民・ムスリム・同盟国(米国の軍事力へのフリーライド)・LGBT』に向けられていたのだろう。
アメリカの共和党のトラディショナルな政治理念は、『アメリカ人の利益の仮想敵となる国・勢力を激しく叩くこと』であり、民主党の包摂・寛容のリベラルな政治理念を非現実的で甘い考え方として否定することである。

ドナルド・トランプ氏もその共和党の伝統的な政治戦略(敵と味方を明確に区別する・旗幟を鮮明にする)の例に漏れず、メキシコの不法移民やムスリム、対価を十分に出さない同盟国といった『アメリカ人の利益を侵害する仮想敵』を多く設定して、それらを強い口調で叩いて倒すと確約することで人気を集めた面がある。

トランプ氏の『偉大なアメリカの再生』を目指す政権公約の中心にあるのは『敵と味方のロジック』と『米国のリソースを米国民のためだけに使う(世界秩序へのアメリカの財政的な手出しの排除)』ということである。

国内で敵と味方を分けて敵に容赦しない姿勢を見せる政治戦略は、国民の不平不満を焚きつけるポピュリズムに効果的なことが多い。だが『分断と対立』を煽って米国民の敵だとする集団・勢力・層に制裁を加えたとしても、『国民国家の宥和・連帯・再結合』をどのように推し進められるかという『破壊の後の再生』に大きな課題を残すように思う。

トランプ氏はアメリカの負担が重くて片務的だとして『日米安保条約』を批判し、日本にもっと米軍の軍事支援に見合うだけの応分の人的・経済的な負担をせよと要求している。更に日米同盟に留まらず、米韓同盟においてもNATO(北大西洋条約機構)においても、米軍だけが一方的な負担と犠牲を強いられていて不公平だとし、同盟国に現在以上の経費負担を求めており、聞き入れられなければ駐留米軍撤退も検討すると脅しをかけている。

トランプ氏は『アメリカは世界の警察官ではない』として、従来のアメリカ主導の国際秩序維持の責任を半ば放棄するような発言をしているのは気がかりであり、米国は外交・安保政策において孤立・内向きのユニラテラリズム(単独外交主義)にシフトする恐れがあるのかもしれない。

トランプ氏はアメリカさえ良ければいい、アメリカ人の利益にさえなればいいといった『米国第一』を掲げており、自由・平等・人権などの普遍的理念に依拠した国際貢献や世界秩序の維持(米軍の世界的な配置)にはほとんど関心と意欲がないように見える。

米国民の利益に直結しないリベラルな世界秩序・人権保護・同盟国との連帯の理想主義に対しては背を向け、『孤立主義・保護主義(米国第一で国際社会での負担や義務はできるだけ回避)』でアメリカが内向きになっていけば、中露の軍事的台頭(大国の力による現状変更)やイスラム圏におけるIS・テロ勢力の跋扈、世界各地の紛争事態に対する十分な抑止力も維持できなくなる。

トランプ氏は米国の『核の傘』を用いた同盟国の間接的防衛(集団的自衛の核抑止力)の提供についても否定しており、同盟国は自前で核武装すべきだという過激な核武装の容認発言もしていた。

トランプ氏が示唆した『日米同盟における米軍の撤退や規模縮小・同盟国の核武装容認』などは、日本に対しても改憲・自主防衛論・自衛隊再編(自衛隊の増員・防衛費の増額)などの保守派の政策と世論に少なからぬ影響を与える可能性があるが、憲法9条の平和主義・戦争放棄・軍隊の不保持(専守防衛の自衛隊)が日米同盟が規模縮小しても保てるかなど多くの難問が降り注ぎそうである。


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