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<<   作成日時 : 2006/09/03 21:01   >>

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社会環境や集団生活の中で私たちが感じる精神的ストレスの多くが、対人関係の葛藤やコミュニケーションの問題から生まれますが、対人関係の全てが不快感を伴うストレスにつながるわけではありません。他者とのコミュニケーションが及ぼす心理的作用には様々なものがあり、その相手とのコミュニケーションによって生起する心理状態(感情・気分・印象・評価)には複数の因子が影響を与えていると考えられます。

同じ相手とのコミュニケーションであっても、『自分(相手)の身体状態』『自分(相手)の時間的余裕』『自分(相手)の感情・気分の状態』『置かれている社会的文脈』『自分(相手)の生活経済状況』によって、相手に対する印象や感想、コミュニケーションの質は大きく変わってきます。

以前は性格や考えが合って楽しいコミュニケーションが出来たのに、今日は余り面白い会話ができず何となく居心地が悪かったというような経験は誰しもあるものですが、その時には自分(相手)の体調や気分が優れなかったり、相手との関係以外の悩み事で精神的な余裕を失っていたりといった原因が考えられます。その為、良質な意思疎通ができるコミュニケーションを長期間にわたって継続していく為には、その場その場の発言や行動とは無関係に相手を受容的に評価できる『肯定的な対象恒常性』が形成されている必要があります。

特定の相手に対する持続的な信頼感や肯定感につながる対象恒常性は、短期間の表層的な人間関係で作り上げることは難しく、ある程度長い期間を掛けて相手と関わっていくことで段階的に形成されていくものです。家族や配偶者、恋人、親友との間では長期的な人間関係を通して『愛着・信頼・共感を伴う対象恒常性』が形成されやすいので、その場その場の行動や発言で極端に対人評価が変化することが少なく、相手の本音と建前、気分や体調を考慮して相手を理解しようとする傾向が見られます。

あなたが一緒に居て違和感を感じず、自然な安心感や幸福感を感じられる相手がいるとしたら、それはその相手との間に『愛着・信頼・共感を伴う対象恒常性』が既に形成されているからと考えることが出来ます。この相手を肯定する対象恒常性が強固に形成されれば『相手から嫌われるのではないかという不安』が低下するので、相手の対人評価や好意を高めようとする努力を怠りがちになります。

恋人として付き合っている恋愛期間は、流行に合わせた洋服を着てお洒落なファッションを心がけていた夫が、結婚して数週間経つとファッションへの関心を全く失ってしまい、家の中では、寝癖も直さずにジャージで過ごすというようなケースは非常に多いです。これも、『肯定的な対象恒常性』と『今まで培ってきた信頼関係・結婚制度による社会的規定』によって相手から突然嫌われる可能性はないだろうという予期が影響しているからです。こういった身内に対して油断や甘えを見せる心理はおよそ普遍的なもので、身内に対して受容的で外部に対して排他的であるという『内と外の論理』にも関係しています。

私たちはそれほど強固な信頼感のない相手、まだ付き合いの浅い相手に対しては、『相手から嫌われるのではないかという不安』『相手から低く評価されるのではないかという懸念』『相手を怒らせるのではないかという心配』『相手から攻撃されるのではないかという恐怖』をある程度感じながらコミュニケーションしなければなりませんが、そういった不安や懸念は精神的ストレスの原因となる一方で、対人関係に程よい緊張感をもたらし、向上心や競争心を刺激するという効用も持っています。

機能的な生産力のある社会組織や相互的な成長を促す人間関係を維持していく為には、『他者の評価を意識しない内向的な向上心』だけでなく『他者からの対人評価を高めたいという外向的な向上心』も必要なのです。

『他者からどのように見られ、どのように評価されているのか?』という視点を完全に喪失してしまうと、社会生活に緊張感がなくなり、他者と切磋琢磨する向上心や他者の気持ちに配慮した倫理観も弱まってしまいます。意欲的な精神状態や機能的な社会システムを維持するためには、適度に対人評価や他者の気持ちを意識しながら生活することが必要だと思います。

自分の内面や体調へ配慮してくれる対象恒常性が成立した相手との間では、コミュニケーションによる精神的ストレスは最小化され、アサーティブ(自己開示的)な意思疎通を行いやすい関係が維持されています。

しかし、他者と関係を持つ社会的場面の多くでは、社会的役割や職業的義務に基づくコミュニケーション持続的な対人評価が成立していない相手とのコミュニケーションが多いので、対人評価を高める為のコミュニケーション・スキル(対人スキル)や対人関係のストレスを緩和するストレス・コーピング(ストレス対処)が重要になってきます。

対人関係にまつわるストレス・コーピングの基本は、“否定的な認知”“肯定的な認知”へと変容させて自尊心や自己効力感を高め、物事を良い方向へと楽観的に考えることです。
それと同時に、対人関係をシンプルに整理して負担や義務を減らすこと、対人関係の距離感を調整してリラックスできる自分の時間や趣味を確保することも重要なことですが、これらは『対人関係から遠ざかる消極的な対処』ということになります。

もう一つ対人関係のストレスを緩和するストレス・コーピングとして、『対人関係をコミュニケーションで改善する積極的な対処』があり、これは苦手な相手や苦痛な状況から遠ざかるのではなく、自ら近づいて問題解決的なアプローチを取ろうとする対処法です。

苦手な相手との間にある誤解や対立を解消する為の率直な話し合いの機会を設けたり、苦痛な状況を構成している要素を分析してその問題状況を改善したりしようとする積極的なアプローチを有効にする為には、自他肯定的なアサーション(自己表現)の技術アサーティブ(自己開示的)な態度を身につけると良いかもしれません。

アサーションのコミュニケーションやアサーティブな自己主張の詳細については次の記事に書いてみようと思います。


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コミュニケーションと対人関係のTips!

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よりよい人間関係とコミュニケーションスキル―TA+NLP




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