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help RSS Web of the Year 2005:人と人をつなぐmixiと膨大な情報が渦巻く2ちゃんねる

<<   作成日時 : 2005/12/12 12:25   >>

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少し前の話になりますが、SNS最大手のmixiが、例年行われているWeb of the Year 2005年間総合大賞を獲得し、トラフィック量(Alexa調査)で2ちゃんねるを上回ったようです。
コミュニティ部門では、やはり2ちゃんねるが一位となり、mixiはその後塵を拝しました。とはいえ、登録者者が200万人(重複IDはあるでしょうが)を超えて急成長を続けるmixiが、今後どのようなサービスの進展を見せるのか、リアルなビジネスや人間関係へ影響を与えていくようなSNSになれるのか楽しみではあります。

FPN−ニュースコミュニティで、『mixiが2ちゃんねるを名実共に超えた日』という興味深い記事が書かれていたので、今日は、2ちゃんねるとmixiのコミュニティの特徴や社会での認知について考えてみたいと思います。


2ちゃんねるが基本的に書き捨ての名無しさんの集団なのに対して、mixiは実名かどうかは別としても全員一応固有のidを利用。
当然2ちゃんねるでは、書いている人たちのバックグラウンドはほとんど分かりませんが、mixiだと友達のつながりや所属コミュニティ、日記などでその人の背景をかなり想像することができます。

また、2ちゃんねるは、今年も電車男だけじゃなくエイベックスのま猫問題に、最近はVIP STARと話題を振りまいていましたが、その匿名性ゆえにマスメディアには悪の権化的に扱われることが多く、ネットを知らない人にはネットの怖さの象徴みたいな感じになっています。
当然、2ちゃんねるを利用している人たちは、ネットリテラシーが高いと想像されるところです。

その点、mixiが興味深いのがネットとあまり縁がなかった人でも、意外なほどあっさり虜になるところ。


インターネットを日常的に利用しない層の人たちであっても、ネット上の巨大掲示板2ちゃんねるの存在を知っていて何らかのイメージや感情を抱いているように、ネットにおける『巨大な匿名コミュニティの代名詞』として2ちゃんねるは一般社会でも知られています。
実際に2ちゃんねるに書き込みをしたり、最新の事件にまつわる実況を閲覧したり、専門的な議論を楽しみながら情報を収集したりするコアな2ちゃんねるユーザは日本全体では少数派ですが、インターネット内部では圧倒的な存在感を持っています。

ネットの積極的ユーザやIT関連の技術者やウェブ上での高いスキルを持つGeekなどを除いた一般社会における2ちゃんねるの認知度は、日本最大のポータルサイトのYahoo!やeコマース最大手の楽天などには及ばないかもしれませんが、30代くらいまでの年代では圧倒的な知名度を誇っています。
インターネットの世界は余りに広大なので、通常、現実社会の知人と特定サイトの名前やコンテンツをもとにした会話を下準備なしに行うことはほぼ不可能です。しかし、インターネットに多少なりとも興味のある人であれば、2ちゃんねるという掲示板の名称と大まかな内容は知られているといってよく、良い意味でも悪い意味でもネット界での影響力は大きなものがあります。

一方、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のmixiは、知っている人は知っているが、知らない人は全く知らないという傾向があると思います。少なくとも、社会の認知度では、2ちゃんねるよりもかなり低いと考えられます。

SNSは、元々、アメリカで誕生したサービスで、現実社会の知人を介して人と人とのネットワークを広げていき、ビジネスの発展に役立てたり信頼できる相手との人脈づくりをする目的を持っていました。
mixiでもその流れ(リアルな人と人とのネットワーク)をある程度継承しており、安心して他者(知人の知人)と交流することのできる健全で平穏なコミュニティを構築していくネットワーキング・サービスであるという建前を持っています。
SNSであるmixiは、招待制と実名推奨制を採用していて、誰か参加している知人がいて招待してくれないと参加できない仕組みになっています。

知人からの招待制といっても、現実世界で直接の交流がある必要はなく、ネット内で何度か会話したことがあるといった程度の知り合いであっても招待メールを送信すれば参加できますので厳密なものではありませんが、とりあえず、そういった招待制SNSの建前をとっています。
実名推奨制については事実上機能していませんが、ネットに普段あまり関心のない人たち、個人情報のセキュリティに頓着しない層やビジネスで自分から宣伝したい人たちが実名で登録しているようです。

リアルな社会での知り合い同士で登録している人も多数いますが、その場合には匿名であっても本人同士は実際の名前や属性を知っているので、敢えて実名を登録する必要がないといえます。
mixiは招待制なので、周囲の環境である程度mixiが話題になっていたり、実際に利用している人がいないとmixiを知ったり参加することが出来ないかもしれません。

周囲にmixiに参加している人や知っている人がいなくても、インターネットに興味があって日常的にブログやIT関連ニュースなどで情報収集している人であれば、mixiやSNSについて知る可能性は高いですが、検索で簡単な調べものをしたりお気に入りのサイトを閲覧する程度にしかネットを利用していない人であればmixiを知る機会は乏しいといえます。
おそらく、10代〜30代の世代でもmixiを知っている人よりも知らない人のほうが多数派でしょうし、40代以上の世代になると誰かから招待されない限りほとんどの人が知らないのではないでしょうか。

SNSは招待されることが前提のサービスであり、その存在自体を知らなければ自分から積極的に探す種類のサービスではないため社会的認知が広まるのに時間がかかるのではないかと思います。
あるいは、ネオ麦茶と名乗る少年による佐賀県のバスジャック事件の犯罪予告や猫殺害の残酷な実況中継で、2ちゃんねるという掲示板の存在が社会に知れ渡ったように、mixi内部で犯罪予告や大掛かりな訴訟などの事件が起こればmixiの知名度も急速に上がるのかもしれません……何らかの事件や問題が発生してマイナスのイメージで報道される場合に、飛躍的に認知度が高まりやすいというネットの特徴は余りにアイロニカルですが、テレビやオフラインの新聞などで読み応えのある有益なネットコンテンツが紹介されることは非常に稀であるというのも現状ですね。

一方向的な客観的事実の報道という建前のジャーナリズムを担うマスメディアにとって不都合な言説や既存のメディア業界に対する批判的な見解が多いことも、有益なネットコンテンツがあまり紹介されない原因かもしれません。
それと合わせて、広大無辺なネット世界のコンテンツは分量的に膨大すぎるだけでなく、日々、情報が更新され生成変化していくために良質でタイムリーなものだけを篩にかけるのが難しく、最新のネットの動静を追いきれない面もあるでしょうね。

2ちゃんねるという巨大掲示板は、各スレッドで、玉石混交のテキストと多種多様なAA(アスキー・アート)が乱舞し、膨大なトピックと情報が渦巻くカオスな空間になっています。
面白い話題や有益な専門的議論、適切なマスメディア批判、2ちゃんねるでしか取得できないレアな興味深い情報がある一方で、様々な誹謗中傷や暴力的発言、犯罪予告などが行われることもあります。
2ちゃんは時に鋭い社会批評やメディア批判を展開することもありますが、そういった現実社会の法規範に違背したり、種々の権利を侵害したりする部分が目立ってくると、逆に、既存のマスメディアから批判され、『匿名性による暴走の危険』や『無責任な書き捨ての言説』を理由に叩かれることがあります。

私自身は、現在、2ちゃんねるを利用する事は殆どありませんが、稀にブログで取り上げられているスレッドの内容を見るとエンターテイメント性が高く、誰が読んでもそれなりに面白い話題や絶妙な言葉のやり取りが多いですね。
完全に内輪ネタのトピックや新奇な2ちゃんねる用語が飛び交うものになると理解が困難なものもありますが、定期的に2ちゃんねるを利用する人であればかなり面白い笑えるネタなんだろうなというのは推察できます。

2ちゃんねるは“インターネットの匿名コミュニティ(匿名掲示板)の代表”として、雑駁としたノイズとノイズの中の価値ある言説を量産し、匿名者と匿名者の相互作用でシニカルに社会を批評するコンテキスト(文脈)を生み出していきます。
無数の匿名者による無尽蔵な発言と応答のコンテキストの中で、ランダムにネットの世界に興味深い話題や『電車男』に代表される経験的な感動話を提供します。

それと同時に、驚嘆すべき出来事や事件性のある発言など負のエネルギーも内在しており、“問題発言の板への晒し・サイバーカスケード的な炎上”など2ちゃんねる外部への集団的な言論活動が生み出されることもあります。
2ちゃんねるは、『インターネットの情報の集積場やトピックメーカーとしての役割を果たす正の部分』『インターネットでのセンセーショナルな事件性や匿名に基づく誹謗中傷の問題を生み出す負の部分』を象徴しているといったイメージがあります。

確かに2ちゃんねるには上記したような社会的に好ましくない負の部分もありますが、反社会的な負の部分や潜在的な危険性のみを強調し過ぎるのも妥当ではないと思います。
ただ、2ちゃんねるが、多種多様な性格特性や人生観を持った人間が匿名で集まる『複雑性(エントロピー)の高い場』であることに違いはなく、その複雑な感情と主張のうねりの混沌の中から確率論的に様々な価値を持つモノや問題のあるモノが生み出されていきます。
反社会的な行動や予告をする人間が確率論的に現れる可能性は、2ちゃんねるに限らず、参加者が増えたmixiでもあるでしょうが、匿名性と知名度の高さ、社会に与えるインパクトの大きさなどから2ちゃんねるが問題発言の場として選ばれやすい傾向はあるかもしれませんね。

また、反社会的な犯罪予告や名誉毀損に該当する発言を行う人は、2ちゃんねるがなければなかったで、違うアクセス数の大きな匿名掲示板(匿名が保障された場)で何らかの問題ある発言を行うのではないかと考えられます。
インターネットの匿名性そのものが問題であるという主張もありますが、私は現段階では、インターネットが匿名で利用できることのリスクよりも実名を強制されることのデメリットのほうが大きいのではないかと思います。

実名で参加する事を前提とする議論やコミュニティはあっても良いと思いますし、それはそれで情報の信憑性や発言に対する責任の自覚を高めるでしょうね。SNSも元々はそういった発想の下で作られたサービスですし、そういったリアルの責任意識や人間関係をネットに移してしまおうとする考えは分からないではありません。
しかし、インターネット全体を実名制にしてしまうと、情報の発信者が著しく減るだけでなく、慎重に構えすぎてしまって有益な情報量の減少や刺激的で面白い話題の消滅をもたらす恐れが高くなるのではないでしょうか。

2ちゃんねるの匿名コミュニティに関する雑感を長々と述べてしまいましたが、mixiをはじめとするSNSの話に少し戻ります。
SNSに限らずコミュニティ形成サービスにはその他にも様々なものがありますが、私も、GREEやきぬがさなど有名なもの以外はほとんど知りません。

SNSではありませんが、商用のコミュニティサイトでは、ジェンカやカフェスタ(これはかなり老舗で参加者も多いみたいですが)などがあり、ネット内部では島宇宙的に分割された様々な特色を持つコミュニティが増え続けているという印象があります。
現実社会でも、個人主義の浸透からくる生活行動圏の細分化や絶対的真理が不在となったポストモダンにおける価値観の多様化によって、分節された小規模なコミュニティが数多く存在するわけです。

ネット世界の場合には、言語によって好き嫌いや趣味、関心の対象が明示され、個性的なウェブデザインによって帰属するアイデンティティを暗示的に示せるので余計にコミュニティが細分化されるのかもしれません。
時間のある時に、もう少し従来の2ちゃん的な掲示板とmixiのコミュニティ性の特徴やインターネット全体の動向としてのWEB2.0の影響なんかも考えてみたいなと思います。

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