テーマ:精神分析

「自意識過剰・ナルシシズム刺激」で人は調子に乗りやすくもなる2:SNSのイイネ文化と自己愛

自意識過剰とも連動している人間の「自己愛」は、非常に増長しやすい(調子に乗りやすい)のですが同時に非常に萎縮しやすい(傷つけられやすい)という特徴も持っています。 客観的な能力や対人魅力がある程度高く、いつもハイテンションでとても自信家に見えた人が、一つか二つの大きな失敗・挫折を契機にして、急に言葉数が少なくなったり非社交的になっ…
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「自意識過剰・自他の比較」によって人は悩みやすくなる1:理想自我・完全主義とのギャップ

森田正馬の森田療法では、「自分の感覚・意識へのとらわれ(自意識過剰)」を改善することに重点を置いて、「神経症(森田神経質)」を治療しようとしました。 思春期・青年期以降に「自分が対人的・社会的にどのような人間であるのか」や「自分は他人と比較して優れているのか劣っているのか」といった自意識・自我が強まってくるのですが、自意識・自我が…
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医療社会学者アーロン・アントノフスキーの『健康生成資源』と運命論に陥りやすいトラウマ仮説

現代の精神医学では精神疾患の発症を『素因ストレスモデル』によって説明していますが、先天的な素因(遺伝・体質気質)に加わる環境条件のストレスによって、人の性格行動パターンは様々な形に変わりやすいところがあります。 現代では有能なビジネスパーソンの過労死やパワハラ・セクハラの被害(ブラック企業による虐待・搾取)を典型として、『本人自身…
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ストレスに対する現代人の“回避・逃避”と“依存・執着”の自己防衛的かつ非適応的な性格行動パターン

退却神経症や新型うつ病では、本業のストレス状況に対して極端に意欲・集中力が低下しやすく、無理して行ってみても何も生産的な仕事・学習ができないという問題を伴いやすいのですが、少しずつストレスを感じる状況や相手に慣れていくという『系統的脱感作の行動療法』が有効な人もいれば、『自分が何とか適応できる仕事・集団・相手を見つける』というニッチな適…
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“回避性パーソナリティー障害・退却神経症”から見る現代人のストレス反応性の広がり

自我が傷つけられたり重い責任・負担を感じさせられたりする場面を避けるという『回避性パーソナリティー障害』は、1990年代までは学校・会社・仕事といった人生の主要な活動から退却するという笠原嘉(かさはらよみし)の『退却神経症』によって説明されることが多くありました。 退却神経症の人が避けてしまうのは、誰かに管理・査定をされていたり何…
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境界性パーソナリティー障害の人とどのように接すれば良いか?:共感・寄り添いの調整と自他の境界線

前記事はメラニー・クラインの精神分析的な理論の話になりましたが、境界性パーソナリティー障害(BPD)の人の激しい感情・衝動に巻き込まれ過ぎず、否定し過ぎずに対処するにはどうすれば良いかを考えてみます。BPDでは一般的に相手との心理的距離感が縮まって、何でも言える親しい関係になってきた時に、『怒り・悲しみ・寂しさ・空虚感(虚しさ)・不安感…
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境界性パーソナリティー障害(BPD)の『理想化・こきおろし』とM.クラインの妄想-分裂ポジション

境界性パーソナリティー障害(BPD)の人に対する家族(周囲にいる人)の接し方は、『相手の激しい感情・気分・行動(自傷行為)に振り回されすぎないようにすること』と『相手のペースに巻き込まれて自分のメンタルヘルスを悪化させたりネガティブな感情を持ったりしないこと』が基本になります。 境界性パーソナリティー障害(BPD)は、カール・ロジ…
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自己愛肥大のメリット・デメリットと自己愛的な現代人の『老い・死』の受け止め方:2

それぞれの個人の自己愛の幻想が維持されていれば、『社会・他者に対する不平不満や強い干渉』は表に現れにくい。だが、自己愛の幻想が衰弱したり破綻したりすると(あるいは自分自身の経済生活や人間関係そのものが成り立たなくなると)、格差のある他者や不公平な社会に対する『羨望・怨恨』が強まって、『不満のある社会・他者を変えようとする干渉や活動の動き…
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自己愛の時代を生んだ『豊かさ・個人主義・消費社会の要因』と格差・貧困の影響:1

現代は『自己愛の時代』と言われるが、現代人の自己愛が肥大したり歪曲したりしやすい背景には『個人主義・消費社会(消費主義文明)・ルッキズム(外見重視主義)』がある。 しかしここ20年続いた経済不況や格差拡大、貧困増加によって個人単位の自己愛を満たしづらい人も増え、『個人・所有の自己愛の時代』から『共生・共有の共同体(関係性)の時代』…
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カウンセリングマインドで結果としてやる気を引き出す:なぜ人の話を上手く聴けないのか?

スパルタ教育から話を戻すと、カウンセリングマインドの『人の話を聴くこと』というのは『人の話を聴いて自分の意見を返すことで、相手を変えようとすること』ではなく、『人の話をその人の欲求・意図に従って共感的に聴くことで、相手を受け容れること』です。 カウンセリングマインドとリーダーシップには、『人は自分の存在・能力を評価してくれて受け容…
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回避性パーソナリティーの病理的特性の考察とシゾイドの要素:他者への興味・欲求・喜びの強度

回避性パーソナリティー障害の特徴である『失敗して恥をかきたくない』『挫折や拒絶によって傷つけられたくない』『人付き合いや社会的活動を面倒・億劫に感じる(今以上の責任・義務・仕事の負担を負いたくない)』というものは、一般的な人格・性格と照らし合わせてもそれほど珍しいものではなく、自分にも当てはまる項目や当てはまっていた時期があると思う人は…
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パーソナリティー障害の『自己機能』と『対人関係機能』の分類:他者・社会状況を回避する心理

回避性パーソナリティーの認知傾向の特徴は、『マイナス要因の過大評価+プラス要因の過小評価』である。自己愛性パーソナリティーでは『実際以上に自分を自己中心的(わがまま)に高く評価する認知傾向』が見られるが、回避性パーソナリティーでは『実際以上に自分を悲観的(卑屈)に低く評価する認知傾向』が見られる。 そのため、自分は大したことができ…
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回避性パーソナリティー障害の診断基準と自己評価を低下させる認知の歪み

回避性パーソナリティー障害(Avoidant Personality Disorder:APD)における『回避』とは、人間関係や仕事・学業などの社会的活動を避けるということであるが、回避の原因となっている心理は大きく『拒絶されて傷つきたくない心理』と『面倒・億劫で煩わしい心理』に分けられる。 DSM-Ⅳまでの回避性パーソナリティー…
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回避性パーソナリティー障害の傾向を強める現代人のライフスタイルと消費文明・ネット社会

回避性パーソナリティー障害の傾向性がある人が増えている大きな原因として、利便性や効率性が高まり拝金主義で勤勉道徳がかつてより衰え、ネット(スマホ)が普及して画面を通した間接的コミュニケーションが一般化した『現代的なライフスタイル』もあるだろう。 回避性パーソナリティー障害の人はなぜ『対人関係の苦手意識・面倒くささ』が強まるのか? …
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回避性パーソナリティー障害の人はなぜ『対人関係の苦手意識・面倒くささ』が強まるのか?

『前向きな意欲(やる気)の低下』は極端に強くなれば精神医学的なうつ病(気分障害)に当てはまることになるが、『対人関係の苦手意識』とも密接な関わりを持つものである。 『対人関係の苦手意識』といってすぐに想起されるのは、人と会ったり話したりすること、人前で何かを発表したり動作をしたりすることに強い緊張感・不安感を感じて動悸・発汗・赤面…
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回避性パーソナリティーの『面倒くささ・億劫さ』と社会適応の妨げとなる『前向きな意欲(やる気)の低下』

社会適応がスムーズにいかなくて悩み込む原因の多くは、『前向きな意欲(やる気)の低下』『対人関係の苦手意識』『自己評価(自己イメージ)の低下』と関わっている。 『前向きな意欲(やる気)の低下』は、失敗・挫折・恥によって傷ついて意欲(やる気)が無くなるというのもあるが、生きるため(社会に適応するため)に必死に努力する意味を感じられなく…
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グリム童話『つぐみの髯の王さま』と女性の持つアニムスの働き2:アニムスと自立・孤独を巡る葛藤

女性の持つアニムス(内的な男性像・男らしさ)の強度には非常に大きな個人差があるとされるが、アニムスが強い女性というのは男性主義から自立を成し遂げて大きな成功・活躍(中には歴史的功績の達成)をすることがある一方で、あまりに女性の内面にあるアニムスの影響力が強すぎると『他者を切断して自立するための孤独・能力』や『他者(男性)に寄り掛からない…
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グリム童話『つぐみの髯の王さま』と女性の持つアニムスの働き1:美貌と自我と男性原理の切断

グリム童話の『つぐみの髯の王さま』ではお姫様のアニムスとして『父親である国王』が機能しているのだが、ユングが自己主張・意思決定としてアニムスの影響が現れるというように『男性の選り好み(あるいはかぐや姫による無理難題のふっかけによる拒絶)』というのも視点を変えればアニムスの働きとして解釈することが可能だろう。 美貌というかこのお姫様…
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ユングのアニマとアニムスの二元論:物語に見る親子関係(父娘)のコンプレックス

カール・グスタフ・ユングは男女の性差に関する分析心理学の元型(アーキタイプ)として『アニマ』と『アニムス』を提唱した。 アニマは男性の心の中にある女性像であり、アニムスは女性の心の中にある男性像であるが、これらは外部の他者に投影される『理想の異性像』として機能することもあれば、『自分の性別とは逆の性別の特徴(男なら女・女なら男の特…
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カール・グスタフ・ユングの外向性・内向性のタイプ論とライフスタイル:元型に見る二元論の思考法

分析心理学のカール・グスタフ・ユングは『タイプ論(性格理論)』で人間の性格傾向を大きく、自分の外部にある世界(人・モノ)にリビドーを向ける『外向性(extroversion)』と自分の内面の世界(思考・イメージ)にリビドーを向ける『内向性(introversion)』に分類した。 『外向性』と『内向性』の差は、リビドー(心的エネル…
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ユング心理学の自己(セルフ)の元型とグリム童話『黄金の鳥』2:父性・イニシエーションの衰退

グリム童話『黄金の鳥』では、三人の王子の人生・行動の選択や分岐点もテーマになっており、三男の王子は長男・次男よりも『結果として適切な選択だが、一般的に非常識(間違っている感じ)な選択』をすることによって黄金の鳥を手に入れる成功の道を進んでいく。 動物(狐)のしゃべることなど信用できない、何らかの物の怪のしわざかもしれないとする無難…
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ユング心理学のトリックスターの元型とグリム童話『黄金の鳥』1:最低と最高の交代可能性

昔話や物語では『親による子殺し(子による親殺し)のテーマ』として、例外を許さない厳しい契約履行(約束遵守)が表現されることもある。昔話や物語(童話)における『王』は『規範・秩序の体現者』であり、王が悩んだり苦しんだりしている状況を『王子・若者・勇者』などが解決することによって、『規範・秩序の回復』や『旧体制の崩壊による新体制の構築』が展…
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S.フロイトの精神分析理論における父性原理(男性原理)の影響:切断する父性と包容する母性

ジークムント・フロイトの精神分析が理論的な説得力としての有効性を弱めた理由の一つとして、『女性原理(母性原理)優位の時代性』がある。 フロイトは自分自身の性格傾向も弟子に対して『権威的・父性的』であったとされるが、精神分析の理論も幼児期のファルス(男根)中心の性自認や女性の男根羨望のような『男性原理(父性原理)』を基調としており、…
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グリム童話『忠臣ヨハネス』と破壊・創造を担うトリックスター(道化+英雄):2

C.G.ユングは普遍的無意識(集合無意識)の内容である元型(アーキタイプ)を直接に知覚・認識することはできないとしたから、アニマ(アニムス)という元型も直接の認識はできない。 だがアニマ(アニムス)の元型のイメージは、『社会的・文化的・時代的・物語的な共通のヒロイン(ヒーロー)のイメージ』として触れることができたり、『実際に激しく…
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グリム童話『忠臣ヨハネス』と理想的・陶酔的な異性像を示すアニマの元型:1

グリム童話の『忠臣ヨハネス』では、死を目前にした老王が家臣のヨハネスに、『お前が父親代わりになって王子の後見をしてくれれば、安らかな眠りにつくことができる』と語り、ヨハネスを国家の秩序・規範の暫時の継承者に指名するのだが、王はヨハネスに『王子に長廊下の行き止まりにある部屋の中だけは見せてはならない』と遺言した。 だが禁止・禁忌はい…
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C.G.ユングのアニマの元型(アーキタイプ)とジェームズ・フレイザーの『金枝篇』の王殺し

分析心理学を創始したカール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung,1875-1961)は、人類に共通する普遍的無意識(集合無意識)の内容を示すイメージとして『元型(アーキタイプ)』を考えた。 元型にはグレートマザー(太母)やオールドワイズマン(老賢者)、シャドウ(影)をはじめとして色々な種類があるが、人間の人生の生き…
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昔話『三年寝太郎』はなぜ怠け者がハッピーエンドになるのか?:勤勉(意識)と怠惰(無意識)の相互作用

常識的な仕事の訓話として書かれるのであれば、勤勉な働き者がハッピーエンドを迎えるべきである。イソップ童話の『アリとキリギリス』のキリギリスのように、享楽的な怠け者は然るべき罰を受けてひどく困るというバッドエンドが待ち構えているべきでもあろう。 だがグリム童話や日本の昔話をはじめとして、むしろ怠惰な怠け者のほうに、棚ボタ方式で幸運や…
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グリム童話『ものぐさ三人息子』『糸繰り三人おんな』で肯定される怠惰と近代の勤勉道徳

近代産業社会は勤労の義務や労働規範の強い社会であり、『働き者=善・怠け者=悪』『生産性+消費力の高さ=善・生産性+消費力の低さ=悪』とする二元論の影響が強い。 現代では資本主義の強欲さ(結果としての勝ち負け)や拝金主義の即効性(お金の有無)が強調される場面が時にあるとはいえ、それでも基本的には『勤勉道徳(働き者が善とする道徳規範)…
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自己愛性パーソナリティーの『自己特別視・モラトリアム遷延』と人間関係をこじらせる問題点

誇大自己を強化する自己愛のファンタジー(幻想)やイリュージョン(錯覚)、それを認めてくれる小さな世界がないと前向きに生きていけない人は多い。現代人は我慢・忍耐・屈辱に耐え忍んでなんとか生きていくというような生き方に容易に適応できないくらいには自意識・自己愛が肥大していて、その背景には格差のある豊かな物質社会における豊かさの氾濫があるから…
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自己愛パーソナリティーにおける夢・理想の追求と挫折:『なりたい自分』をどこまで目指すか

自己愛性パーソナリティーの特徴は『自己愛の傷つきに対する脆弱さ』と『誇大な自己像を実現して自己愛を満たすための努力』である。自己愛の傷つきに対する脆弱さでは、周囲の小さな世界で認められていた自己愛が深く傷つけられると思春期挫折症候群にも似た絶望感や劣等感、虚無感、無気力に陥ってなかなか立ち直れなくなる(実際の自分に見合った自己イメージや…
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