テーマ:ジェンダー

男性と女性のどちらが生きづらいのか?2:男と女で何が得(損)かが変わる非対称性の問題

その人が外見をどれくらい重視しているかというのは、表面的な意見からだけでは分からないことが多く、『社会的望ましさ』の影響も受けるので大半の人は『外見よりも中身のほうが大切』と回答するのですが、実際には『自分が選択可能な範囲の中でできるだけ好みに合致していて性格も自分と合う美しい人・格好いい人』を選ぼうとする人が多いわけです。 厳密…
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男性と女性のどちらが生きづらいのか?1:男は力・女は美のプロトタイプの変化とジェンダー

社会的に規定されるジェンダーと相関する代表的なプロトタイプとして『男は力(金)・女は美(愛嬌)』というものがありますが、近年ではこのプロトタイプが成り立ちにくい社会潮流・男女関係も生まれてきてはいます。 例えば、1990年代以前には、男性で『美(顔・容姿・ムダ毛など)のコンプレックス』に真剣に悩む人は相当な少数派でしたが、2000…
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男性と女性の恋愛行動(性行動)パターンの違いと社会的性差のジェンダー論

性徴・身体による生物学的性差を“セックス(sex)”、社会構造(慣習・役割規範)による社会的性差を“ジェンダー(jender)”といいますが、フェミニズムやジェンダーフリーの立場では男女差別を生み出す恐れのあるジェンダー(男らしさ・女らしさ)をできるだけフラット(平等)にしていこうとする傾向が見られます。 身体構造による生物学的性…
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男性保育士に女児の着替えをさせないは男性差別か?:千葉市長の問題提起

千葉市の熊谷俊人市長が『男性保育士活躍プラン』を打ち出し、『男性保育士に女児の着替えをさせないでほしい』という保護者の声に代表される『男性保育士に対する偏見の問題』をツイートして話題になっていた。熊谷市長は育児の中で男性だから担える重要な役割があるとして、男性保育士に対する社会の理解を進め、今以上に男性保育士の割合を高めることを目指すよ…
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S.フロイトの精神分析理論における父性原理(男性原理)の影響:切断する父性と包容する母性

ジークムント・フロイトの精神分析が理論的な説得力としての有効性を弱めた理由の一つとして、『女性原理(母性原理)優位の時代性』がある。 フロイトは自分自身の性格傾向も弟子に対して『権威的・父性的』であったとされるが、精神分析の理論も幼児期のファルス(男根)中心の性自認や女性の男根羨望のような『男性原理(父性原理)』を基調としており、…
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『ロマンティックラブ+結婚+経済の結合』が規定していた近代人のライフプランはどう変わるのか?:2

『恋愛と結婚は別物』という面は確かにあるが、それは『恋愛の非日常的なドキドキ感・イベントや感情交流の高揚感・特別な相手との特別な時間』と『結婚の日常的な人間関係(育児)・衣食住の家庭生活・ルーティンな雑務』とは違うという意味である。 特別に異性として好きな相手やドキドキする魅力のある相手でなくても、確かに結婚生活(衣食住・仕事・育…
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『ロマンティックラブ+結婚+経済の結合』が規定していた近代人のライフプランはどう変わるのか?:1

好きな人と恋愛を経験して夫婦として結びつく『恋愛結婚』が当たり前だった時代が終わり、万人が経験すべき近代の通過儀礼(イニシエーション)のように捉えられていた『恋愛』がしてもしなくても良いものに変わってきているというBLOGOSのシロクマさんの記事を読んだ。 「恋愛結婚が当たり前」だった時代の終焉とこれから 恋愛やセックスは面…
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マンスプレイニングはどうして男性に多いのか?:男性社会の変化と中高年男性の若い女性との関わり

男性が女性に対して“上から目線”で説明・説教するという『マンスプレイニング(Mansplaining)』が、BLOGOSの記事で取り上げられていました。 相手が女とみると上から目線で説明してくる「マンスプレイニング」――「この概念には名前があったんだ!」と注目集める マンスプレイニングというのは男を意味する『man(マン)』…
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なぜ人(女性)は化粧をするのか?2:鏡像・化粧・共感とミラーニューロン

男らしくない男が増えたとか、女らしくない女が増えたとかいう意見も多いが、現代の都市文明はジェンダーフリーが進展すると同時に、『化粧・髪型・ファッション・エステ・美容整形』などをはじめとして他人から自己像を良く見られたいという『ビジュアリティーの時代』としての様相を強めてきているように感じられる。 かつては男性ジェンダーでは特に『外…
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なぜ人(女性)は化粧をするのか?1:“見られる性”としての男女のジェンダーの差異の縮小

『なぜ人は化粧をするのか?』という問いは、基本的には女性に向けられる問いとして解釈される。現代でこそ若い男性の一部に、肌を綺麗に見せる薄化粧(スキンケアの延長的なレベルの化粧)をする人が出てきたとはいえ、マスカラ・口紅・頬紅など『顔全体の印象』を大きく変えるほどの化粧をする人は男性ではまだほとんどいないからである。 化粧をする理由…
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東京都渋谷区で同性婚を認めるパートナーシップ条例成立2:リベラルな多様性・寛容性と保守的な秩序感覚

同性婚に反対する保守派や道徳主義者の中には、『同性婚を認めれば男女が夫婦として結びつく伝統的な結婚制度(家族制度)が衰退する恐れ・法的に認められた同性愛者(子供を産まないカップル)が増加する可能性がある』といった反対の理由を語る人たちもいる。 東京都渋谷区で同性婚を認めるパートナーシップ条例成立1:“女性・若年・都市”の賛成傾向 …
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東京都渋谷区で同性婚を認めるパートナーシップ条例成立1:“女性・若年・都市”の賛成傾向

東京都渋谷区の区議会は3月31日に、同性カップルを『結婚・家族に相当する関係(パートナーシップ)』と認める証明書を発行する条例案を賛成多数で可決した。法的強制力を持たない条例とは言え、日本で同性カップルの結婚同等の関係を公的に認める制度が成立したのは初めてである。 性的マイノリティであることによって不利益を受けている当事者からの強…
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都議会で塩村文夏都議に浴びせられた下品な野次:女性の私生活の自己決定・個人的事情に対するハラスメント

18日の東京都議会でみんなの党会派の塩村文夏(しおむらあやか)都議(35)が、女性の妊娠・出産(不妊治療)・育児に対する支援策などの一般質問をしている最中に、自民党会派の方向にいる男性都議からセクシャルハラスメントや女性蔑視(女性のライフプランや性別役割の強制に基づく揶揄)と受け取られるような野次を浴びせられた。 塩村文夏都議が、…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評7:男性のひきこもり・女性の摂食障害とジェンダーの規範性

『第五章 「おたく」のジェンダー格差』では、虚構のキャラクターに性的に興奮できるおたくのファンタジーが分析されているが、男性のおたくだけではなく女性の腐女子も考察の対象にされているのが興味深い。そしてそのおたく論に関する性的な興奮形式の分析でも、斎藤環氏は男性おたくの欲望は『所有』に向かい、腐女子(女性おたく)の欲望は『関係』に向かうと…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評6:結婚生活に対する男性の欲望と女性の欲望の違い

結婚生活における男女の根本的なすれ違いの原因として、斎藤環は『男性の所有原理』と『女性の関係原理』の違いを上げるが、これは男女の意識の上で男性にとっては結婚が“ゴール”になりやすく、女性にとっては結婚が“スタート”になりやすい事を意味する。男性の所有原理では、好きな女性を自分の独占的なパートナー(恋人・配偶者)として手に入れるまでが目的…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評5:恋愛・結婚の偶有性と男女のカップリングの仕組み

インターネットでは『悲観的な結果を予測する結婚の格言(偉人・作家の名言)』が出回っていたりもするが、斎藤環もそういった結婚の格言を幾つか紹介したり自身の離婚経験を語ったりしながら、既婚者であればこういった格言に納得したり共感したりする部分は少なからずあると述べている。 しかし、人間は幾ら結婚の失敗事例や離婚のトラブルの事例を目の当…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評4:なぜ現代の若者は結婚しなくなったのか?結婚の選択性

本書『関係する女 所有する男』の本題である、“男性の所有原理”と“女性の関係原理”から生み出される心理や行動、考え方の違いについては、『第三章 すべての結婚はなぜ不幸なのか』『第四章 食べ過ぎる女 ひきこもる男』から本格的に語られていき、読み物としても第三章以降のほうが面白くなる。 第一章の“ジェンダー・センシティブ”や第二章の“…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評3:“男女の性差・性別役割”を科学的事実で語る誤謬

第二章『男女格差本はなぜトンデモ化するのか』では、アラン・ピーズとバーバラ・ピーズのベストセラー『話を聞かない男、地図が読めない女』などを例に挙げながら、『自然主義的な誤謬』と『疑似科学的な男女の性格行動の違いの説明』を問題として取り上げている。自然主義的な誤謬というのは、『事実命題と倫理命題が異なるという事』の指摘であるが、簡単に言え…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評2:“性別に関する知識・社会的な共有認識”としてのジェンダー

斎藤環が前書きで書いているように、『ジェンダー否定・男女平等主義の機械的な極論』というのは、自分が自分の持つ自然な欲望に傷つけられないようにしようとするシニシズム(冷笑主義)の態度に根ざしており、何とか異性を無価値化しようとする認知的不協和による虚しい努力に近いものである。しかし、シニシズムの対極にある男性と女性がとにかく性的に結びつけ…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評1:ジェンダー・フリーとジェンダー・センシティブ

人間の男と女の違いが何に由来するのかという説いは、歴史的にも意識的にも常に普遍的な問いである。近代社会は『男女同権社会』を志向するプロセスの中にあるが、それでも『ヘテロセクシャル(異性愛)』によって多くの男女の行動が規定される限り、男と女の考え方や価値基準が全くフラットな同じようなものになるとは考えられない。『法律的な権利・自由』の上で…
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“男女の嫉妬感情の違い・男女の性愛のダブルスタンダード(性的な二重基準)”は何から生まれるか?

男性が女性の身体(セックス)に対する強い独占欲と嫉妬心を持つ生物学的理由は、女性が自分以外の相手ともセックスをすると『自分の子であるという確信』が持てなくなるという事が上げられますが、これは飽くまで生物学的な嫉妬感情の起源であって、実際には『相手から見捨てられる・自分が恋人や浮気相手からバカにされている・裏切られて孤独になってしまい不安…
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“男らしさ・女らしさ”のジェンダーは環境・教育で決まるのか2:性差を巡る生物学と社会科学

平均的に見る限り、女性は男性のように『身体的な闘争』に適した頑健な身体構造を持っておらず(それが近代の法治主義国家ではそれほど役に立たない強さだとしても)、やはり腕力・体力では男性のほうが優位にあって、『戦争・暴力・競争』においては女性よりも攻撃的になりやすい傾向は顕著なものがあります。男性とは何々である、女性とは何々であるという『一般…
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“男らしさ・女らしさ”のジェンダーは環境・教育で決まるのか1:自然の摂理の模範化と人の幸せ

人間社会も中世・近世までは現在と比べれば、より『自然界の摂理』に近い冷徹な仕組みや上下関係の秩序を持っており、弱者(身分的・経済的・健康的な劣位者)であることの不利益や被害は相当に大きなものでしたが、前述したように近代化の進展や倫理感覚(共感性)の向上は『自然選択の淘汰圧・優位者による劣位者の搾取や虐待』をかなり緩めることに成功しました…
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水無田気流『無頼化する女たち』の書評2:中間層解体と無頼化する女性のサバイバル戦略・安心欲求

前回の記事の後半は、『第五章 「おひとりさまの老後」革命』のテーマにもつながってくる“職業キャリア・資産”のある女性の孤独感をどう受け止めるのかの問題でもある。『結婚・家庭・出産』というのは、どれだけ所得の多い社会的地位のある女性にとっても、決して無視できない要素として残っているように思えるが、そこには『他者の欲望を欲望する(多数者が価…
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水無田気流『無頼化する女たち』の書評1:ニッポン女子のハッピーリスクと努力の方向性

水無田気流の『無頼化する女たち』では、従来、『社会経済システム(企業・雇用のシステム)』によって十分に保護されてこなかった女性は、『家族システム(結婚・配偶者の所得)』に頼るしかなく、1980年代までは多くの女性は実質的に結婚して家庭に入るという選択肢しかなかったという。しかし、女性の雇用と社会進出が増えて、女性にも一定の経済的自立が求…
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男女平等社会における男女関係・結婚生活の幸福観と水無田気流『無頼化する女たち』の雑感

この記事は、現代日本における“女性のアイデンティティの錯綜”と“仕事・結婚・消費の価値認識”:1からの内容を踏まえたものとなります。1980年代は女性のアイデンティティが多様化して、規範的なジェンダーが拡散した時期であり、メディアが“キャリアウーマン的な生き方”を“専業主婦的な生き方”よりもカッコ良いと賞賛することで、女性が社会的生産に…
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現代日本における“女性のアイデンティティの錯綜”と“結婚の個人化・自己責任化”:2

前回の記事の続きになるが、1970年代以前には30代の結婚率が90%を超えていた。そのこともあって、『結婚』はしたければするというような個人の選択の問題ではなくて、基本的にはしなければならない社会的義務(することが当たり前の常識)に近いものであったと言える。健康な男女が30代になって結婚していないと、偏見の目で見られたり会社の出世に差し…
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現代日本における“女性のアイデンティティの錯綜”と“仕事・結婚・消費の価値認識”:1

現代日本では『肉食女子・草食男子』などのキーワードで、女性のバイタリティの高さと比較した男性の元気の無さが強調されたりするが、戦争のない平和で安定した時代には女性原理が優位になりやすい。自由で民主的な近代社会が成熟してくると、高等教育を受けた大多数の人がサラリーマンとして企業・組織に雇用されるようになり、市場に供給される商品やサービスが…
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仙台市泉区の高校教諭殺害について:夫婦関係(家庭生活)の悪化のプロセスと相互の感情・役割の変化

宮城県仙台市泉区で56歳の私立高校教諭が、44歳の妻と共謀した男性二人(会社役員・寿司職人)に殺害された事件が報道されている。38歳の会社役員の男性と27歳の寿司職人の男性は、以前から高校教諭の家族と親しく交際しており、夫と会社役員の容疑者が勤めていたことのある『学習塾・家庭教師業』を通して家族との人間関係が深められていったようだ。 …
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男女共同参画社会の構想とジェンダーフリー・性別役割の論点2:ジェンダーによる規範性と適応行動

前回の記事の続きになるが、ジェンダーフリー思想については、男女の『社会的・文化的・心理的性差』を完全に中性化する思想という風に考えるならば、その理念としての正しさはともかく、現実的な運用可能性としてはその運用は極めて困難だろう。ジェンダーフリーをどこまで原理主義的に捉えるかによってもその思想の現実的有効性は変わってくるが、『男らしさ・女…
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