森博嗣『彼女は一人で歩くのか?』の書評:超長寿化・生命創造による人口減少世界

科学技術の驚異的な進歩によって、人間の寿命が数百歳以上にまで延びた代わりに子供が産まれなくなった近未来を舞台に展開されるSF小説で、人間の死生観とテクノロジーについて考えさせられる。近未来社会に生きる人類のシミュレーションのような物語の流れが面白いだけでなく、現在進行形の高齢化社会や少子化問題にも関わってくるテーマ性もある。 ハギ…
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前向きなモチベーションを持続させること2:責任転嫁・被害意識から問題解決への転換

『その相手からの評価・承認を得るためだけ』に頑張っているという外発的モチベーションは、その相手がいなければ別にそんなことはしたくないし興味もないという意味で、内発的モチベーションがかなり低いことが多い。そして『相手との相互依存的な関係性』だけを頼るべき生きがいにしていると、『挫折・失敗・裏切り(依存できる関係の破綻)』に対して極端に脆弱…
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前向きなモチベーションを持続させること1:特定の相手からの評価・承認に依存するリスク

人が何かをやろうとする能動的な動機づけは、大きく『外発的モチベーション(外発的動機づけ)』と『内発的モチベーション(内発的動機づけ)』に分けられる。 外発的モチベーションとは『金銭・地位・名誉・賞賛(評価)・承認』など自分の外部にあるものや他者からの承認を求めるモチベーションであり、何かのために誰かのためにという分かりやすい目的が…
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『精神的ストレス(疲労感)』を感じやすい人の神経過敏・精神的萎縮・ACの要因

精神的ストレスを感じやすい人と感じにくい人の個人差は大きいが、その主観的なストレス感受性は人生のさまざまな側面(仕事・恋愛・結婚・家族・学校生活・人間関係)の幸不幸の実感にかなり大きな影響を与えている。 精神的ストレスを感じにくい人にも『対人スキルや環境適応力が高い人・自己肯定的で楽観的な認知が自然にできる人・問題解決的な行動力が…
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仕事・職場で極端に疲れきってしまう人の心理:場に適応できない疲労と緊張・嫌々ながらのストレス

意欲(やる気)やモチベーション(動機づけ)、疲労感は、『状況(場)への適応感』や『精神的ストレスの強度』と関係している。ブラック企業の長時間労働や過労自殺が問題になることは多いが、極端な連日の長時間労働やストレスの強い人間関係(暴言や罵声・監視的状況・ノルマ強制など)がなければ、多くの人は『仕事の時間の長さだけ』によって耐えられない疲労…
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千葉県の小学3年生女児殺害事件と盲点となった容疑者の『普通』に見られやすい属性

千葉県我孫子市で3月にベトナム国籍で小学3年生のレェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害されて遺体が見つかった事件で、県警捜査本部が14日午前にリンさんの自宅近くに住む渋谷恭正(やすまさ)容疑者(46)を死体遺棄容疑で逮捕したという。 長く殺人事件(死体遺棄事件)の容疑者につながる報道が出てこなかったことで、近隣住民の不安や…
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『人生の意味・価値』についてどう考えるとやる気がでるか2:自分の心身を使って日常を生きる

極論すれば、大多数の人には日常生活を真剣に生きて苦楽に喘ぎながらも、『自分にとっての価値ある体験』や『自分にとって大事な意味ある人間関係』を積み重ねていく以上の人生の意味はないわけだが、逆に誰もが受け入れられる究極的な意味・価値などなくても人間は食べなければ腹が減るし、孤独が続けば人恋しくもなるし、情報やCMに接すれば何かが欲しくもなる…
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『人生の意味・価値』についてどう考えるとやる気がでるか1:最終的な帰結は問題ではない

物事を実際にやってみる前から『無意味・無価値』であると決め付ける冷笑的なニヒリズム(虚無主義)は、『やる気・行動力・生き甲斐』を失わせてしまう。 やる気・行動力を高める考え方とニヒリズムのリスク1:面白くない・つまらないの決めつけを捨てる すべてに意味がないとするニヒリズムの究極的な根拠は『人間はいずれ必ず死んでしまう』や『…
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村上春樹『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』の感想:3

免色渉の肖像画を描きあげていくプロセスで、私と免色は次第に個人的にも親しみを感じ合うようになり、それぞれの人生・感性・考え方についての知的なコミュニケーションを繰り返していくのだが、その会話の言葉一つ一つもなかなか示唆的で含蓄がある。 免色渉の肖像画の作成において、私はいつもの調子で淡々と普通の写実的な肖像画を描くことができず、最…
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村上春樹『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』の感想:2

約6年のユズとの結婚生活が終わろうとしていた私は、精神的に非常に不安定な部分があり、端的には『この先どのように生きていけば良いのか・何を目指して生きていけば良いのか』という方向感覚を喪失していて、そのつらさを意識化しないために世俗から離れた山奥の家に暮らして、宛てのない『車の一人旅・自由な芸術創作・刹那の性的関係』にのめり込んだ所がある…
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村上春樹『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』の感想:1

現代人の孤独と自由、特にセンシティブな中年男性の孤独を感じさせる作品だ。未読なのだが村上春樹の作品に『女のいない男たち』があるが、この『騎士団長殺し』もまた『女のいない男たちの物語』として読める。基本的に男性の目線から見た『社会にスムーズに適応できないこだわりのある人生の型』であり、『結婚・夫婦の枠組みに収まれない男の孤独・奔放な性・潜…
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自律神経失調症の『生活習慣病(現代病)・心気症』の側面と治療・自己改善:2

固定した猫背気味の前傾姿勢、速くて浅い呼吸、マウスを持ったりスマホを持ち上げるような『腕を上げて固定した姿勢』、更に夜更かしのライフスタイルというのは、『頸性神経筋症候群・スマホ症候群』のような形で息苦しさ、意識変性のパニック感、胃の圧迫感(胃もたれ・胃痛)が出る自律神経失調症の原因になる可能性があるわけです。 こういった生活習慣…
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自律神経失調症の『生活習慣病(現代病)・心気症』の側面と治療・自己改善:1

自律神経失調症は『医学的な病気』ではないが『主観的なひどい不調』があるという状態(自律神経・筋肉のアンバランスが生む東洋医学の未病に近い状態)になりますが、要素還元的な西洋医学は一般的に『全体的な漠然とした心身の不調・慢性的な気分や体調の悪さ』の治療はあまり得意ではないところがあります。 自律神経失調症のつらい身体症状と原因の分か…
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自律神経失調症のつらい身体症状と原因の分かりにくさ:医学検査で異常はでないが症状が続く

自律神経系のバランスが崩れて発症する自律神経失調症は、精神疾患の一種のように捉えられることも多いですが、大元に何らかの精神的原因(大きな精神的ストレス)があって身体症状が出てくる『心身症(胃潰瘍・高血圧・頭痛など)』や『神経症(身体表現性障害・転換性障害など)』と比べて、より原因が何であるか分かりにくい特徴があります。 一般的な自…
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オーガニック検索(Google検索)からのアクセス減少トレンド:スマホ時代のユーザー行動の変化

2005年前後にブログブームが沸き起こり、梅田望夫さんの『ウェブ進化論』でウェブ2.0や一億総表現社会のキーワードが広まったりしたが、個人の表現媒体としてのブログの利用者数やアクセス数のピークは2010年前後で終わりを迎えたようにも思う。 ブーム当初はトラックバックやコメント欄を使った『ブログ間の意見交換・相互紹介』が活発に行われ…
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福田定一(司馬遼太郎)『ビジネスエリートの新論語』の書評4:サラリーマンと芸術家と家庭の価値

司馬遼太郎は『よい結婚はあるけれど、楽しい結婚はめったにあるものではない(ラ・ロシュフコー)』『できるだけ早く結婚することは女のビジネスであり、できるだけ結婚しないでいることが男のビジネスである(バーナード・ショー)』『一度結婚してしまうと、善良であること以外には何事も、自殺でさえも、残されていない(スティーブンソン)』などの結婚に対し…
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福田定一(司馬遼太郎)『ビジネスエリートの新論語』の書評3:男・女とサラリーマン

戦後日本、特に高度成長期にはサラリーマンの人生の目標を『立身出世』に置く企業戦士のような人も多かったが、現在では『ワークライフ・バランス』というように仕事以外の私生活・プライベートの充実にかなりの比重を置く人も増えている。 司馬遼太郎も会社人間・企業戦士になることは勧めておらず、サラリーマン作家中村武志氏を例に出して、サラリーマン…
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福田定一(司馬遼太郎)『ビジネスエリートの新論語』の書評2:恒産なければ恒心なしの解釈

サラリーマン哲学の原型を徳川家康家訓の『人の一生は重荷を負ふて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。不自由を常と思へば不足なく、心に望みおこらば困窮したる時を思ひ出すべし。堪忍は無事長久の基。怒りは敵と思へ。勝つ事ばかりを知つて負くる事を知らざれば、害その身に至る。おのれを責めて人を責むるな。及ばざるは、過ぎたるより優れり』で示しているのは…
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福田定一(司馬遼太郎)『ビジネスエリートの新論語』の書評1:サラリーマン的生き方の原点

司馬遼太郎が本名の福田定一(ふくだていいち)で昭和30年(1955年)に出版した本で、戦後混乱期にある当時のサラリーマンの処世術や時代・価値観の変化について、古今の偉人の名言を散りばめながら記したエッセイ集である。 元本は『名言随筆サラリーマン ユーモア新論語』で、人口に膾炙した歴史小説家の司馬遼太郎とは異なる文章と感性、経験談を…
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森友学園の国有地売却問題での籠池理事長の証人喚問:政治家・安倍昭恵氏と財務官僚の忖度疑惑

森友学園の国有地売却問題で、籠池泰典理事長が国家に証人喚問されたが、国有地を評価額よりも異常に安い価格で購入できた背景に、『政治家・財務官僚の関与』があるかどうかは確認できなかった。 少なくとも籠池理事長が国会・府議会の特定の政治家に対して必死に陳情して金品を贈った見返りとして、国有地を安く譲ってもらったり小学校設立の認可(認可適…
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物事はなぜ計画通りに進まないのかの心理学2:統計の外部情報と他人の意図・能力の無視

極端にリスクや浪費を恐れて未来を悲観する人、今までの成功経験や周囲の支持・賞賛がない自分に自信がない人は、最高責任者や意思決定者にまずなりにくいというのが『楽観バイアスによる計画の錯誤(予算の肥大)』の要因になっているのである。 物事はなぜ計画通りに進まないのかの心理学1:計画の錯誤を生む楽観バイアスと専門家の直感 豊洲市場…
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物事はなぜ計画通りに進まないのかの心理学1:計画の錯誤を生む楽観バイアスと専門家の直感

未来を予測することや物事を計画通り(予算通り)に進めることはかなり困難である。教育と訓練を受けていて当該分野に精通しているはずの専門家でさえ、往々にして統計的傾向や確率を軽視して間違ってしまう。 今、東京都では築地市場から豊洲市場への移転計画が『土壌・地下水の汚染問題』で難航していて、元東京都知事の石原慎太郎氏が小池百合子現都知事…
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やる気・行動力を高める考え方とニヒリズムのリスク2:自分から他者・世界を拒絶せずにやってみる

何をやっても意味がないとか、どうせ頑張っても無駄だとかいうニヒリズムは『自分と他者(外界)との切り離し』を行う作用を持つので、必然的に『何事に対しても誰に対しても興味関心をモテない無気力な態度・やる気のない姿勢』につながるのです。 世界・他者に対する態度が『(自分とは関係がないという)切り離し・軽視無視』になると、『ここは本来私が…
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やる気・行動力を高める考え方とニヒリズムのリスク1:面白くない・つまらないの決めつけを捨てる

やる気(意欲)がでないや行動力がでなくなるというのはうつ病(気分障害)の中心的な症状ですが、うつ病のような精神疾患の水準の意欲低下・行動力低下でなくても、一般的な悩みとしてやる気がでなくて行動力がないというのは多いものです。 うつ病などの病的な意欲低下・行動力低下の背景には『興味・喜びの喪失+強い気分の落ち込み』や『身体症状(心身…
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グリム童話『つぐみの髯の王さま』と女性の持つアニムスの働き2:アニムスと自立・孤独を巡る葛藤

女性の持つアニムス(内的な男性像・男らしさ)の強度には非常に大きな個人差があるとされるが、アニムスが強い女性というのは男性主義から自立を成し遂げて大きな成功・活躍(中には歴史的功績の達成)をすることがある一方で、あまりに女性の内面にあるアニムスの影響力が強すぎると『他者を切断して自立するための孤独・能力』や『他者(男性)に寄り掛からない…
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グリム童話『つぐみの髯の王さま』と女性の持つアニムスの働き1:美貌と自我と男性原理の切断

グリム童話の『つぐみの髯の王さま』ではお姫様のアニムスとして『父親である国王』が機能しているのだが、ユングが自己主張・意思決定としてアニムスの影響が現れるというように『男性の選り好み(あるいはかぐや姫による無理難題のふっかけによる拒絶)』というのも視点を変えればアニムスの働きとして解釈することが可能だろう。 美貌というかこのお姫様…
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ユングのアニマとアニムスの二元論:物語に見る親子関係(父娘)のコンプレックス

カール・グスタフ・ユングは男女の性差に関する分析心理学の元型(アーキタイプ)として『アニマ』と『アニムス』を提唱した。 アニマは男性の心の中にある女性像であり、アニムスは女性の心の中にある男性像であるが、これらは外部の他者に投影される『理想の異性像』として機能することもあれば、『自分の性別とは逆の性別の特徴(男なら女・女なら男の特…
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森友学園の国有地払い下げや政治的な愛国教育の問題点整理, マレーシアでのVXガスによる金正男暗殺事件

先週のニュースは、マレーシアにおける金正男(キムジョンナム)の嘱託型の暗殺事件と森友学園の国有地払い下げ、洗脳的な愛国教育の問題が大きく取り上げられていた。金正男の暗殺事件ではオウム真理教事件で広く知られることになった『VXガス』が用いられたとされているが、実行犯とされるインドネシアとベトナムの若い女性は騙されて『殺人行為につながるVX…
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カール・グスタフ・ユングの外向性・内向性のタイプ論とライフスタイル:元型に見る二元論の思考法

分析心理学のカール・グスタフ・ユングは『タイプ論(性格理論)』で人間の性格傾向を大きく、自分の外部にある世界(人・モノ)にリビドーを向ける『外向性(extroversion)』と自分の内面の世界(思考・イメージ)にリビドーを向ける『内向性(introversion)』に分類した。 『外向性』と『内向性』の差は、リビドー(心的エネル…
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小金井ストーカー刺傷事件とストーカーの心理:被害者保護の再犯予防策・矯正教育の検討

音楽活動をしていた女子大生の冨田真由さん(21)が2016年5月21日に、東京都小金井市で、ファンとされる無職・岩埼宏被告(28)に折りたたみ式ナイフで首など34箇所を刺され重傷を負った事件は、奇跡的に一命は取り留められたもののストーカーによる事件の中でも極めて執拗かつ残酷な事件として印象に残っている。 地域のイベントなどを行って…
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