Youtuberの「文字だけ動画」の広告配信停止:プラットフォーマーの都合・単価と競争激化

人気Youtuberの動画の広告配信が規約違反で停止されて、動画をいくら閲覧されてもマネタイズ(収益化)できなくなっているというニュースが報じられていました。Youtubeでもブログでも広告閲覧回数に応じて収益化するプラットフォームはGoogleが寡占していて、特に動画コンテンツは実質的にYoutube以外では収入を得る手段がほとんどないので、チャンネルの登録数が多いYoutuberにとって広告配信停止は死活問題でしょう。

人気YouTuberに突然「収益化無効」 “文字だけ動画”が対象に?

現在のインターネットは、米国の「FAANG(Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Google)」と呼ばれる大手IT企業の影響力が非常に強くなっていますが、特に個人のコンテンツをマネタイズできるシステムは、Google以外にはほとんど持っていないのが現状です。AppleではiPhoneやiMacを購入することはできますが、AppStoreでよほど売れる有料アプリ(課金できる人気ゲーム)でも開発する能力がなければ、Appleから何らかの収入を個人が得ることは通常できず、FacebookやNetflixなどにしても事情は同じです。

登録者2万人以上の人気YouTuber「コタツ研究所」が広告配信停止されたことが話題になっていますが、「動きがなくスライドショーとみなされる動画」や「繰り返しの多いコンテンツ・再利用コンテンツ」は動画を見て学習できたり面白かったりする内容があっても、規約違反になってしまうようです。

なぜ視聴者が見るべき価値のある動画でも、動きがなければ規約違反なのかの理由は、おそらく「動画でなくても同じ内容をウェブサイトなどで再現できる可能性が高いため」なのでしょう。動画コンテンツは人物やキャラの動きが少なくても、「音声による解説・説明の分かりやすさ」や「(静的なスライドショーであっても)イラスト・図表の分かりやすさ」があるので、サイトやブログのテキストコンテンツとはまた違うとは思うのですが。

しかし、10年以上前からAdsenseのアカウントが規約違反で停止されて収益がゼロになったりするケース(昔はAdsense狩りとも呼ばれたケース)は少なからずあり、収益化(マネタイズ)のシステムを巨大プラットフォーマーだけに依拠することのリスクはあります。

最悪、GoogleやYoutubeのAdsenseアカウントを停止されれば、どんなにアクセス数を集めても収益化できなくなります。「アクセス数・広告のクリック回数」のみに依拠した広告ビジネスだと、どうしてもGoogleなどのプラットフォーマーに力が弱い立場で依存してしまいやすく、最大のリスクヘッジは「自分自身の商品・サービスを売って稼ぐ仕組み」を別に持つことになります。

しかし、その自分自身の売れるものを持つというリスクヘッジは、Youtuberやブロガーとして成功するのとはまた異なる能力やノウハウが必要になり、一朝一夕にプラットフォーマーの「規約違反・広告収益・広告単価下落」などに左右されない独自ビジネスの収益源を確保することは簡単ではありません。

近年はテキストコンテンツでもYouTuberでも市場の競争環境が激化して飽和状態にありますので、その競争から一歩抜きん出てYoutuberとして一定以上の収益を得られていた人にとっては、突然の広告配信停止はかなりの痛手だとは思います。単純に、人気と需要があるなら他のプラットフォームに乗り換えれば良いという話でもなく、現状Youtubeよりも単純な閲覧回数だけで収益化しやすいサイトは存在しないからです。

例外として、ファンと直接的にコミュニケーションするスマホアプリ「17」「ショールーム」などのライバーのリアルタイム動画配信(投げ銭的収入)などがありますが、これはYoutubeのようなコンテンツとしての動画作成とは異なる人物本位の人気競争になってきます。

ブログや動画の閲覧回数そのものを収益化する方法は、人気コンテンツを多数抱えていて、順調にアクセス数が伸びている時には容易に稼ぎやすいと感じるかもしれませんが、一番安定していて手堅い(ローリスク)のは「ブログ・動画を広告宣伝の手段」として使って、個別の顧客から売上を上げられるビジネスを別に持っていることでしょう。

ウェブとつながるビジネスでは、巨大プラットフォーマーの都合・ルールにまったく影響されないことは難しいでしょう。しかし、「サイトや動画の閲覧回数・広告収入」だけではなく、自分自身が何か売ることができる物・サービスをサイトに準備することで、今回のYoutuberの広告配信停止のようなケースでも、別の収益回路があるために周章狼狽しづらくなります。


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