日本各地で40℃超えの異常な猛暑が続き熱中症患者急増:体調・意識がおかしい時は早めの熱中症対策が必要

今年の夏は日本各地で35℃以上の猛暑日が続きますが、「猛暑日(35℃以上)」の定義を大きく越えた40℃以上の気温になる地域も多くなっていて、熱中症の患者・死亡者も急増しました。特に京都府・岐阜県・埼玉県・大分県・愛知県などで、40度超えの猛暑日の報道が続いていました。

京都や岐阜を典型として周囲を山に囲まれた「盆地」のような地形だと、高気圧が運んできた暑い空気・熱風が山に遮られて、容易には外に抜けていくことができないようです。盆地にひたすら熱気がこもるような状態になると、殺人的とも言える40度以上の気温が暫くは続くことになってしまいます。今年の夏の熱中症による死亡者数はすでに100人を大きく超えていて、熱中症の疑いで救急搬送された人の数も数万人単位に膨れ上がっています。

エアコン(冷房)・扇風機が使用されていない室内で、高齢者夫婦が亡くなられているケースが多く報道されていますが、車内に取り残された赤ちゃんが亡くなったり、校外活動で「疲れた」と言っていた小学生が亡くなったりする悲しい熱中症の事故報道もありました。高齢者や小さなお子さん、体が弱っている人(自律神経が弱っている人)が、一時的でも「エアコンを切った高温多湿の室内」で過ごすことには、「熱中症の発症・悪化のリスク」があります。

「経済的事情・エアコンの節約感覚・体力の過信」などでエアコンを使わなかったり使えなかったりする時間帯もあると思われますが、自宅の室内で過ごす時にも快適な室温を維持して身体に無理をしない必要があります。気分が悪くなっているのに、30~35℃以上の息苦しさのある高温多湿の環境で我慢し過ぎて、意識レベルが下がるような異常を自覚した時には、自分で救急車を要請できないほど(高温の室内から移動したり誰かに連絡したりできないほど)の重症になっているケースも多いようです。

自分自身の気力・体力を過信せずに、熱中症の症状がでないうちに、室温調整と水分補給をはじめとする早めの熱中症対策が非常に重要になっています。熱中症は高温多湿の環境で、「水分・電解質の補給+自律神経系の体温調節機能」が追いつかなくなることで発症する「高温障害」であり、重症度が高い場合には死亡リスクも高くなります。熱中症の症状発生の生理学的メカニズムは、「脱水による体温上昇+自律神経系の機能不全」がトリガーとなって、体温を下げられないために「臓器の血流低下(多臓器不全・生命維持を司る脳幹機能の麻痺)」が起こるというものです。

熱中症の症状・原因・治療

熱中症の主な症状には、「めまい、頭痛、吐き気、失神、強い眠気、疲労感、気分が悪くなる、体温の異常上昇、異常発汗(汗が出なくなると重症度も高い)」などがあり、暑い室内・屋外で急に気分が悪くなったり吐き気がしたり、フラフラしたり疲労感で動きづらくなった時には、熱中症の初期症状が出ている恐れがあります。速やかにエアコンの効いた涼しい環境に移動して安静にしながら、水分・塩分(ミネラル類)の補給をして、体温調節機能や意識・気分の状態を正常に戻してあげないと、高温多湿環境で症状が悪化する危険があるのです。

熱中症の重症度はⅠ度からⅢ度の3段階に分けられていますが、熱中症のⅢ度(熱射病)になると脳機能障害(意識消失)・多臓器不全などで死亡リスクも出てきますので、「早期発見・早期対応(早期治療)」が何より大切です。

熱中症対策・予防で最も有効なのは、やはり「エアコンが適度に効いた涼しい環境で生活すること・体と脳をできるだけ冷やすこと」ですが、涼しい室内と猛暑の屋外の気温差で自律神経機能が異常を起こしやすくなることもあるので、こまめに自分の体調・意識を「セルフモニタリング(自己チェック)」して、気分が悪いのに無理をして高温多湿環境に長くい続けないようにして下さい。水分補給(塩化ナトリウムを含む水分)と栄養バランスの取れた食事も重要であり、喉が渇いてから飲むのではなく、喉が乾いていなくても定期的に適量の水分補給を続けるようにしましょう。

神経・筋肉の情報伝達を正常に保つ電解質を含むスポーツドリンク(ポカリスエットなど)や経口補水液は熱中症対策に有効です。しかし、スポーツドリンクは大量の塩分・糖分を含むため、短時間に1~2リットル以上をゴクゴクと毎日飲み続けると、熱中症以外の急性糖尿病による意識障害などのリスクもありますので、スポーツドリンク一辺倒にならずに、無糖のお茶・水などと合わせて、スポーツドリンクは1日1リットル未満を目安に飲んだ方がいいでしょう。

熱中症症状が自覚された場合の熱中症対策としては、「速やかに涼しい室内に移動する+衣服を緩めてリラックスする+氷・アイスノンなどで頭・股・腋下を冷やす+ゆっくりと水分補給して落ち着く+頭より足を高くして脳への血流を増やす」ということになりますが、とにかく優先すべきことはリラックスできる体勢で体温をできるだけ下げて上げることです。涼しい場所に移動して一定時間休憩しても症状が回復せず、更に気分が悪くなってきて意識がぼんやりしてきた場合には、迷わず救急車を要請した方がいいでしょう。

意識レベルが低下したり嘔吐して筋肉がけいれんしたり、自力でその場から動けなくなったりした時には、エアコンを効かせた自宅で安静して自己治療するだけでは対応が追いつかず熱中症が悪化するリスクがあるので(エアコンがないような環境ならいくら安静にしてても尚更危ないので)、意識・体調が明らかに普段と異なり良くなりそうな感じもない時には、医療機関を受診して身体の冷却・輸液・栄養管理などの医療措置(医師の診察・治療)を受けた方が安心できると思います。


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