九州北部豪雨で“大雨特別警報”:『防災対策・治水』の重要性の認識を新たにさせられる

観測史上最大の集中豪雨が九州北部を襲い、福岡県朝倉市で539ミリ、大分県日田市で362ミリという24時間雨量を記録した。朝倉市と日田市を中心にして多くの被害者・被災者が出ていて、両市で合計6名の死亡が確認されていますが、地理的に離れた島根県でも豪雨の被害がでていました。

依然として連絡のつかない行方不明者も複数いて、福岡県東峰村や日田市の地域が大雨によって交通が寸断されたり周囲を高い水位の水で囲まれたりして孤立しているようです。親戚や知人で連絡がつかない方は不安で堪らない時間を過ごされていると思いますが、大雨による通信設備損壊の影響で電波がつながらない地域もかなりあるということで、できるだけ早く不明者の方々との連絡がつくことを願うばかりです。

土砂災害や道路損壊、河川氾濫などの被害状況もすべては確認できておらず、九州北部豪雨は事前に思われていた以上の被害規模になる恐れが強まっています。北九州市でも昨夜から早朝にかけて、大雨洪水警報や避難勧告・避難情報が繰り返し『エリアメール』としてスマホに送られてきましたが、昨夜の数時間は非常に雨脚・雨音が強くて激しい集中豪雨になっていました。

かなり激しい雨だったので、一夜明けて各地の雨・河川・地盤・建物の状態がどうなっているか、被害状況が最小限に抑えられているか気がかりです。山間部・河川近くに居住されている方は、既に避難されている方も多いと思いますが、今は大丈夫そうに感じる人でもできるだけ早く平野部の豪雨に耐えられる建物・施設の中に避難したほうが良いでしょうね。

『地震・大雨洪水・豪雪・竜巻』などの自然災害や異常気象は人為では抗いにくい側面を含めて非常に恐ろしいものですが、一つの地域に連続的に起こるものではなく自分・家族・知人が直接的な被害を被らないことも多いので、どうしても喉元すぎれば暑さ忘れるで、災害後のハード・ソフト両面の防災対策が不十分になりやすく、せっかく教育・訓練をしても次の災害までのインターバルが開きすぎてその内容が生かしにくい問題もあります。

今回の九州北部豪雨は深夜に集中豪雨が降り続いてあっという間に周辺水位が上がって、自力で自宅から避難することができなかった単身世帯の高齢者もいらっしゃったようで、農村部の独り住まいの高齢者の方が被災した場合にどのような連絡網・救助体制・避難訓練で対応するかの事前の周知と練習のようなものも必要なように思えました。

福岡県東峰村では消防団のボートで無事救出された高齢の女性が、『夜に大雨が降って独りだから恐ろしかった』という率直な感想を語っていましたが、高齢者は単身でなくても運動能力の低下などもあって逃げ遅れてしまい自然災害の犠牲になりやすいので、避難誘導路や救助要請の手段などをわかりやすく整備してあげるような配慮もあるといいなと思わされました。

政府主導の災害救助活動のトップは安倍首相が外遊で不在であるため、麻生太郎副総理が実質的な政権のトップとして救助活動の指揮に当たっているようですが、自衛隊トップである稲田朋美防衛相は他の業務がありまだ被災地に現地入りできていないということで、国としての意思決定は東京からの遠隔的なトップダウンにならざるを得ないのは残念な状況です。

やはり迅速な政治的リーダーシップや被災地・被災者に寄り添って安心してもらうためにも、政権から重要な関係閣僚の一人は即断即決で派遣して陣頭指揮に当たってもらう姿勢を見せて欲しいと思いますし、大規模な自然災害の発生頻度が『想定外』では済まされないほどに高くなっていて、毎年どこかで必ず大雨洪水の被害が起こっている状況が繰り返されています。

警察・消防・自衛隊の方々は非常にスピーディーに被災地に駆けつけて下さり、懸命な救助活動と避難誘導に当たってくださっていて頭が下がりますが、避難誘導をしてくださっていた43歳の消防団員の方が土砂崩れに襲われて既に殉職されたということで、献身的な働きに感謝すると同時にご冥福をお祈りいたします。危険な被災地で体を張って救助・誘導に当たっている方々も、十分にご自分の安全に気をつけて頂きたいと思います。

温暖化やゲリラ豪雨が当たり前のように毎年襲ってくる以前までは、『治水の重要性』を現代日本人はほとんど忘れかかっていて(既存のダム・堤防で十分に大雨や川の増水に対処できると慢心していて)、空梅雨の水不足(ダムの干上がり)のほうを心配するくらいでしたが、こういった異常気象が頻発する集中豪雨被害の凄まじさを見せ付けられると、古代から近代にかけて河川の氾濫を防いで大雨から田畑・住居を守る『治水工事』こそが政治・為政者の最大の役割の一つであったことを改めて深く考えさせられます。

九州豪雨の被害者がこれ以上でないこと、不明者が無事に帰還されること、孤立地域の交通が回復すること、農地・住宅・山林・道路・橋の被害規模が拡大しないことを願うと共に、大雨被害が落ち着いた後の復興復旧活動や被災者の住宅・農業・生活の再建支援が円滑に進んでほしいと思います。


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