中学生・高校生の自殺問題2:“学校・家庭の世界”における視野狭窄・居場所喪失への支援対応

中学生・高校生の自殺問題の原因の多くは『学校の問題』であるが、具体的には『学業不振・進路(入試)の悩み・いじめを含む友人関係の悩み』に分類される。『学校の問題』に『家庭の問題』が加わると更に自殺リスクは高くなってしまうが、家族の問題というのは具体的には『親からの叱責や虐待・納得できない家庭環境や親子関係・家に居場所がないと感じる・親と何でも話せるような関係性がない』などになる。

中学生・高校生の自殺問題1:日本の統計的な自殺の推移・自殺企図の危機的な精神状態

中学生・高校生の居場所は『学校・家庭』に絞り込まれるから、いじめられたり学業に躓いたり(授業についていけず試験の結果がでなかったりで進路に迷う)、親から虐待や存在の否定を受けていたりして『学校にも家庭にも居場所がないという悲観的な認知・感情』が強まりすぎると、心理的にかなり不安定になり落ち込みやすくなる、これからどうすれば良いか(自分がどこにいたら良いか)分からなくなるのである。

中学生・高校生の自殺リスクは『学校・家庭だけが人生のすべてと感じる視野狭窄』『今のつらくて救いのない状況が今後もずっと続くという近視眼的な悲観主義』と相関している。

そして、『精神的・身体的な苦痛が耐えがたいほどに非常に強まっている状況や関係』があって『学校にも家庭にも居場所がない(誰も自分を助けてくれず自分のつらさに関心を持ってくれない)という悲観的な認知・感情』が強まった時には、『つらくて苦しい状況で自分が何をすればいいのか・どうすれば今の苦痛や絶望を和らげられるのか・自分の居場所(いてもいい場所)がどこにあるのか』に答えが出せなくなって混乱してしまい自殺リスクが急速に高まる。

いじめや虐待、仲間外れ(集団からの疎外)、親や周囲の無理解、叱責や否定、学業不振(将来不安)などが自殺の原因になりやすい。

『精神的・身体的な苦痛の大きさ』があって『学校と家庭における自分の居場所のなさ(孤独感・自己価値の喪失・焦燥感)』『親や周囲の無理解(何でも話せる関係性が築けていない・泣いたり逃げたりすると逆に叱責される・人生や学歴とはこうあるべきというような理想の型に親が固執していて逃避や挫折が許されそうにないなど)』が重なってくる時に、精神的に追い詰められて自殺企図に至ってしまうケースが多い。

中学生・高校生の自殺問題を回避するための正攻法の方策は、『精神的・身体的な苦痛の大きさそのものを減らすこと』『学校と家庭にストレスの小さな居場所(その人の存在価値が認められる場)を作ること』であるが、実際にはいじめ・虐待・疎外感・劣等感・人間関係の不和を直接的に解決することはなかなか難しい。

子供の自殺問題に対処する基本的姿勢として大切なのは、『今のままのあなたでも価値があることを伝えること(自己否定・将来悲観の思い込みを和らげること)』と『どうしても学校や友達関係(いじめ)がつらくて耐えられないのであれば学校に行かないという選択肢も認めてあげること』であるが、親との話し合いが難しかったり親から子供の価値が否定されていたりする(良い成績を取らないとダメだとか良い学校に行けないと人生が上手くいかないなどの価値観を刷り込みすぎていて子供の劣等感・自己不全を煽っている)『家庭の問題』があると、解決・援助は更に困難にはなってくる。

中学生・高校生の自殺問題で最悪の結果を回避するためのキーポイントは、『話し相手になる(相手の悩みやつらさに関心を持ち話を聴く)・居場所を作る・逃げ道を認めてあげる』であるが、本気で自殺を企図するほどの精神状態に追い込まれている人は『人間関係・親子関係からの疎外感(話しても自分の悩みや苦しみを理解してもらえない、プライドや自己イメージのために話したくない等)』にはまり込んでいることが多いので、親・教師・友人などの側から『本人の普段と異なる様子』に気づいて支持的に関わっていかないと難しいところがある。

大人の自殺問題まで含めると『容易には逃げ切れない追い詰められ方(人生や仕事そのものが究極的には逃げるだけでは対応しづらい)』や『意欲減退のままでは許してもらえない状況・世間(やる気・前向きさがなくて援助を求めると強い批判を受けやすい)』なども出てくるので、子供の自殺問題よりも難しくなる。

しかし、未成年者の自殺リスクのある精神的危機に対しては『当面の逃げる選択肢・新たな居場所・深く話せる相手のいる状況』を作ってあげて、『今いる視野狭窄の世界(学校・家庭・友達だけに囚われた世界)』から視野を広げてあげてリラックスさせてあげることが有効だろう。

もちろん、本人の性格特性や友人関係の内容、学校適応の良さ、ストレス状況などによっては、『悩み・苦しみの原因となっているいじめ・友人関係・家庭問題』そのものに直接的にアプローチして改善を図っていく正攻法で上手くいくケースもあると思うが、それでも『思春期・青年期に多い視野狭窄と近視眼・抑えきれない衝動性(反射的な飛び込み等)・絶望を深める疎外感』などには十分な注意が必要になってくる。

中高生の未成年だけではなく大人でも『精神的・身体的な痛みのつらさ+どこにも居場所や承認の関係がない孤立感』がセットになると、耐えがたいほどのつらさを実感させられるものであるが、『自殺以外の苦しみを逃れる選択肢を考える判断力・周囲の人たちの悩みへの関心と相談支援(話せる相手がいると実感させること)・今いる場所以外の居場所や人間関係を探せる視野の広さ・こうでなければならない(これがダメだと生きていられない)という硬直的な義務感を捨てた柔軟さ』があれば、結果は随分と良くなってくる可能性があるように思う。


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