『受動的・依存的な生き方』の克服と自己肯定感を高める1:小さな興味・成功体験の実感

自己アイデンティティーを確立できていないと、自分が何者で何をしたらいいかが分からないという意味で『受動的・依存的な生き方』に陥りやすいですが、『能動的・自立的な生き方』にシフトするためには、自己肯定感・自信(自尊心)を高めていく必要があります。

幼少期から『自分の考え・興味・行動』を親・友人など周囲の人に馬鹿にされたり否定されたりしてきた人は、どうしても自分自身は他人よりも劣っていて何をやっても上手くいかない(何も興味を持たずやらないほうがマシ)という『自己肯定感の低下』が起こりやすくなります。

自分で自分の存在価値を認められないという自己肯定感の低下は、自分から何かに興味・目標を持つことができずチャレンジすることがないという『受動的な生き方』につながります。あるいは、精神的に自立できず誰かに従ったりついていったりして正しい方向に導いてほしい(他者に反対・自己主張することができずに自分を押し殺してしまう)という『依存的な生き方』の原因にもなりやすくなります。

自己肯定感を高めて自信を持つためのもっとも効果的な方法は、『今の自分にとって少し難しい課題で成功体験をすること』ですが、十分な準備・心持ちができていない状態で、いきなり難しめの課題に挑戦することには『失敗・挫折による自己否定感・自信喪失のリスク』もつきまといます。

自己肯定感を回復させるための失敗しにくい初歩的な課題としては、幼少期から禁止・否定されてきた(自分から何をしても無駄だと思ってしまった)『自分の能動的な興味・関心』を見つめ直したり改めて探したりして、自分自身が楽しむため頑張るための『興味・関心を持つことを許可すること』です。

『興味・関心の対象』はできるかできないか分からない難かしめの課題ではなくて、過去に興味を持っていたけどやらないままに終わってしまっていたこととか、昔に少し取り組んでみてやりがいや面白さを感じたこととかで良いのです。

自分自身で何かに対して能動的・積極的に興味関心を持てるようになって、上手くできてもできなくてもとりあえずやってみること、実際にやってみて少しでも楽しい部分ややりがいのある部分、もっと上達したい内容などに気づけることが自己肯定感の基盤として大切になります。

メンタルヘルス改善のために自己肯定感を高めるとっかかりとしての『興味・関心の対象』を選ぶ際には、『政治経済・社会問題・思想哲学のような自分と直接の関わりが薄い複雑で大きなテーマ』よりも『自分自身の日常生活に関わりのある趣味・仕事・関係・活動のようなシンプルで小さなテーマ』のほうが良いでしょう。

それは自己肯定感の上昇には『小さな成功体験・楽しい感覚的(身体的)な実感』のほうが効果的だからで、『政治経済・社会問題・思想哲学のような自分と直接の関わりが薄い複雑で大きなテーマ』だと、頭(概念・理屈)で考えるばかりになりやすく、現実的に自分にできることはかなり限られてしまうからです。

複雑な内容の読書や勉強を教養・知性を深めるための趣味として楽しめる性格であれば、そういった大きなテーマを自分なりの考えて咀嚼して応用するような方法もありますが、一般的には『小さな成功体験・楽しい感覚的(身体的)な実感』を得やすい身近なテーマ(活動・目標)のほうが適していることが多いのです。

仕事で実現しやすい目標を立てるというような実際的なテーマもありますが、仕事返りに気分転換におしゃれなカフェで美味しいコーヒーを一杯飲んで帰ろうとか、趣味の語学の勉強も兼ねて英会話教室に通ってみようとか、朝か夕に30分くらいウォーキングして健康維持をしようとか、過去にやっていた登山や歴史散策の旅でもまたやってみたいなとかでもいいわけです。

何事に対しても受動的になってしまう、勢いのある人(口の上手い人)に合わせて自分の意見(賛否)を押し殺してしまって後でもやもやとした不満が残るという人も多いですが、そういった人は『自発的な興味・関心(テーマ設定)を持つこと』と合わせて『小さなことからの自己開示・自己主張(アサーション)』をしてみるのもいいかもしれません。

『小さなことからの自己開示・自己主張(アサーション)』の基本は、自分がどのような気質・性格の人間であるか、どんな意見・価値観・ライフスタイルを持っているかを段階的に少しずつ相手に知らせていくことです。

相手に嫌われたくないと思って『自分をほとんど捨てて相手の意見に完全に合わせること』も、相手に支配・命令されたくないと思って『相手の意見や誘いを何でもかんでも強く否定・非難すること』もどちらも極端であり、非適応的な心理状態や対人関係に陥ってしまいます。

望ましいコミュニケーションや対人関係のあり方は、自分がどのような人間であるかを少しずつ開示して相手にも知ってもらう自己開示を進めていき、『合わせるべきところは合わせて断るべきところは断る(相手に全面的に依存・従属せずに臨機応変なやり取りができるようになる)』といったバランス感覚のある自己主張ができるようになることにあります。


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