前向きなモチベーションを持続させること1:特定の相手からの評価・承認に依存するリスク

人が何かをやろうとする能動的な動機づけは、大きく『外発的モチベーション(外発的動機づけ)』『内発的モチベーション(内発的動機づけ)』に分けられる。

外発的モチベーションとは『金銭・地位・名誉・賞賛(評価)・承認』など自分の外部にあるものや他者からの承認を求めるモチベーションであり、何かのために誰かのためにという分かりやすい目的があって、『やらなければならないこと・報酬の代わりとしての仕事』をするのに向いている。

内発的モチベーションとは『好き嫌い・信念・価値観・理想・好奇心(探究心)・趣味嗜好』など自分の内部にあるものや自分自身の主体的な興味・熱中の掘り下げを求めるモチベーションであり、自分のために世の中(社会)のためにというやや高次の目的があって、『やりたいことを深めていくこと・高めていくこと』に向いているのである。

やる気を生む内的モチベーションと外的インセンティブ1:無償で行動する人・強制されて動く人

外発的モチベーションと内発的モチベーションのどちらが動機づけ(やる気)として優位かは課題内容・状況・心理状態によって変わってくるが、『誰かに評価されて承認されたいという外発的動機づけ』が強くなりすぎると、自分自身が何をやりたいのかの目的意識と達成感が希薄化しやすい危険がある。

『認めてもらいたいと思っていた誰かへの思いの変化(嫌悪・憎悪・不信などへの気持ちの変化)』『誰かに自分が監視(評価)されているという精神的萎縮』があると、誰かに評価されて承認されたいという外発的モチベーションは機能しづらくなってしまうのである。

『誰かに自分が監視(評価)されているという精神的萎縮』は、親からの期待・命令・誘導の影響を受けすぎて、自分の主体的な意志や欲求が圧迫されてしまい、前向きな意欲・認知を持てなくなるというアダルトチルドレン(AC)とも相関する問題である。

子供以上に学業・受験に対して熱心で子供の成績・点数について一喜一憂の反応を示す親、いわゆる教育ママ(教育パパ)と呼ばれる親は、知らず知らずのうちに『自分(親)の理想の人生・価値観』を子供に押し付けすぎてしまうことがある。その結果、親に嫌われたり否定されたくない子供が『親の顔色・気分を伺う生き方』を身につけて、自分の適性・意欲(やる気)・興味を完全に切り捨ててでも『親からの評価(承認)のため』に必死に頑張りすぎてしまうのである。

子供の適性・やる気・興味を考えずに(本人が内発的モチベーションも高めて勉強しているのであれば問題ないが)、とにかく『勉強ができて良い学校に進学できる(良い会社に就職できる)子供でないとダメという価値観』を押し付け過ぎると、『挫折や失敗をした時の意欲減退(燃え尽き感)・目標損失(無意味感)』に陥ったり、『親子関係の変化によるネガティブな感情(自分はやりたくなかったのに親から管理・監視・誘導されていたという被害的・責任転嫁的な感情)』が生まれたりしやすくなる。

子供時代の親子関係だけではなく、会社の上司と部下にしても、恋愛・結婚における自分とパートナーにしても、『その相手からの評価・承認を得るためだけに頑張っているという外発的モチベーション』は、『燃え尽き感・無意味感・被害者意識・責任転嫁(相手への不満・憎悪)』を生みかねないという意味では不健全な要素を併せ持ちやすいということでもある。


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