北海道七飯町の小学2年生の置き去り・行方不明事件(無事保護):推測的なストーリーと真相

北海道七飯町・駒ケ岳山麓に広がる森林の林道で、父親から車から下ろされて置き去りにされた小学校2年生の男児(7歳)が行方不明になっている。5月28日に、家族4人(父・母・長女・長男)で公園に遊びに行った際、行方不明になっている長男(7歳)が車や人に向かって石を投げる悪戯をしたという。それを見ていた父親が(以前にもそういった悪戯・聞き分けのなさなどがあったともいうが)、『しつけ(おしおき)』のために駒ケ岳山麓の森林の林道に置き去りにしたことが事件の始まりだった。

※追記:6月3日午前7時50分頃、行方不明となっていた小学2年生の男児が、陸上自衛隊の『駒ケ岳演習場』の建物内で、演習で来ていた自衛隊員によって無事に発見されました。目立った怪我・病気はなく、自分の名前を名乗ることができ、自衛隊員が差し出したおにぎりを食べたということです。服装は行方不明時と同じで、食べ物は所持していませんでしたが(建物内に食料品は保管されていないということですが)、水道は使える状態であったと報じられています。

男児本人は『土曜の夜に歩いて小屋にたどり着いた。水は飲んでいた』と説明しているようで(本人以外の大人が関与していたという話はでておらず)、行方不明の場所から演習場までは細い林道(山道)が続いており、距離は車で約20分かかり6~7キロほどだということです。

男児は普段から学校への通学で『徒歩40分』かけて歩いているといい、足腰が鍛えられていて脚力が平均的な7歳児よりも強かった可能性がありますが、雨風・寒さを凌げる小屋(マットがあってくるまっていたとも伝えられています)にたどり着けたこと、無駄に動かず体力を温存できたことが、結果として生命を救う奇跡につながったように思います。警察・消防・自衛隊が200人体制で必死に男児の行方を探していましたが、演習場内の建物はやや距離が離れていて駒ケ岳よりも北にあることから、まだ捜索されておらず盲点になっていたのでしょうか。とにかく無事に発見されて健康状態にも大きな問題や怪我が見られなかったのは良かったなと思います。

○6月3日で行方不明になってから一週間が経つが、警察・消防・自衛隊が150~200人体制で森林の周辺を幅広くしらみ潰しに探しているのに、男の子の行方は杳として知れず、衣服・靴などの持ち物なども全く発見されていない。見落としを極力小さくできる『ローラー作戦』の捜索も行ったが、足跡のような男児が移動したと見られる痕跡もない。嗅覚による警察犬の捜索でも、どちらの方向に動いていったのか全く分からないという神隠しのような事件である。

5月28日、警察に通報した父親ははじめ『山菜採りをしていてはぐれた』と虚偽の説明をしていたが、警察から採っているはずの山菜が車内にまったくないことを指摘され翌日に『しつけのために林道に置き去りにした』と説明を変えた。そのことから根拠のない色々な憶測も起こっているが、現状で出ている証言・証拠からは『事件の真相』は分からない。父親は嘘をついた理由として、『虐待を疑われそうで言い出しにくかった・世間体を気にしてしまった』というようなことを車内で語っていた。

そもそも論として、男の子を山林にまで連れて行っていないのではないかという憶測も出ているが、テレビ報道などによると行方不明になった現場には『家族四人』で夕方頃に行っていて、姉の小学生の女の子も含まれていることから、口裏を合わせてみんなであの山林に行ったことにしてしまうというのは難しいだろう。車で置き去りにした後、現場に戻って男の子がいなくなっていた時には、小学生の姉も一緒になって積んでいた自転車で探し回ったと伝えられている。

初めに男児を車から置き去りにした後、泣いて追いかけてきたので一回は車に乗せたのだが、また聞き分けがない(もう少し懲らしめなければ効果がない)などの理由からもう少し林道の奥にまで進んで置き去りにしたとされる。2回目に男の子を下ろした場所から500メートルほど車を走らせて、なぜか父親は車を下りて徒歩で下ろした場所にまで歩いて行ったようである。子供を置き去りにしてから現場に戻るまでにかかった時間は『約5~10分間』と父親は言っているが、この時間の正確性についてもはっきりした事は分からないように思う。

子供の足で5~10分移動してもそんなに遠くまではいけないはずであり、警察・消防・自衛隊が丁寧に捜索したとされる範囲内で本人・痕跡が発見されてもおかしくないと思うのだが、現時点では子供が『数十分の範囲内で歩いていけそうな場所』は恐らく隅々まで探しているはずだが、何の痕跡も発見することができていない。

そもそも、林道の両側に広がっている森林は、登山にある程度慣れているような人でも足をまず踏み入れないであろう(いったん入ってしまえば迷って出てこれそうにない)『鬱蒼とした目印のない足場の悪い森林・樹海』である。実際、北海道の駒ケ岳はその山麓に広がる樹海が複雑で迷いやすく危険であるため、一般の登山者が登ることがまずない山(決まったルートがないので誰も頂上にまでは登っていかない山)だと言われている。

家族が車で走っていった林道が目の前にある状態で、7歳の男児がわざわざ林道を歩かずに危険で暗い樹海のほうに足を踏み入れていくというのは、常識的には考えにくいと思う。仮に樹海に入ったとしてもそれほど遠くにまで行けず、険しい地形に阻まれてすぐに先に進めなくなってしまうはずだが、林道周辺に広がっている半径5キロ圏内の森林には男の子が歩いたり転落したりした痕跡は何も見つかっていない。

しかし、真相として考えられる可能性は以下の3つしかないといえばないのだろう。

1.男児が森林(樹海)に足を踏み入れて、それほど距離が遠くないとしても、非常に見つかりづらい場所に移動したり転落したりはまりこんだりしてしまった。

2.10分ほど置き去りにされた林道で、そこを偶然通りかかった車に乗った大人から声を掛けられて乗せられ、山とは違う場所に連れ去られてしまった。

3.そもそも初めから山で置き去りにされておらず、山ではない場所にいる。

『3』は行方不明になった現場まで、男児と一緒の車に乗っていたとされる小学生の姉からも、警察が詳しく当時の状況などを聴いているだろうから、『家族で山に移動したことそのもの』が虚偽という可能性は低いように思える。親による虐待・育児放棄などの可能性も、『複数の親族(祖母・叔父など)と近隣住民からの証言・楽しそうにしてる男児の写真の多さ・親子関係の良さを感じさせるエピソード』を聞く限りでは低いのではないかと思われるし、函館市の児童相談所にも虐待の通報・相談の前歴はないようである。

インタビューに応える父親を『優しい人だから・怒ったことがない』など必死にかばっていた義母の姿が印象に残るが、実際、親族からは子供とよく遊んであげている良い父親と思われていたようである。

一方で、『活発で元気の良い子供』と男児を知っている人みんなが口を揃えてその特徴を語り、母親が学校に『活発すぎるから小学生にあがって上手くついていけるか不安』と胸の内を語っていたというような報道もあった。男児にはADHDのような発達障害とまでは言わないにしても『過活動性・落ち着きのなさ・感情制御が苦手・衝動的でやんちゃ(石を投げる行動など)』というような性格行動パターンの特徴(母親がちょっと学校生活に馴染めるかきちんと落ち着いて授業を受けられるか心配してしまうようなところ)があったのかもしれない。

『1』と『2』の可能性はどちらも有り得るが、警察・消防・自衛隊が総出で相当に広い範囲を丁寧に捜索してもまったく痕跡がないことから、初めから山林には足を踏み入れておらず、『2』の現場を車で通りかかった誰かに善意で連れ去れられた可能性(初めは山奥に一人で立ちすくんでいた男児のことを心配して車に乗せ、街まで連れていき警察に届けようとした可能性)も考えられる。

といっても、両親たちと男児が離れていた時間は約5~10分間程度とされるから、そんな短時間の間に『偶然、現場に車が通りかかるかどうか+通りかかった車に乗っている人が誘拐のような連れ去りを果たしてするか+なぜ警察にすぐに届けなかったのか(そんな子供を誘拐してまで欲しいような子供好きが偶然そこを通りかかることが有り得るか)』という疑問は残る。通りかかった車については、両親の証言では二台ほどの車とすれ違ったとされているから、その二台を含む現場を通った数台の車のうちのどれかに乗せられていた可能性はゼロとまでは言えない。

どうか男の子には無事で生きて帰ってきて欲しいと願うばかりであるが、子供が生存している可能性の高さという意味では、『2』の誰かが可愛くなって自分の家に連れ帰ってしまい、大きな事件になって警察に届けようにも届けられなくなったケースのほうが最も生きている可能性が高いということにはなる。山林に入り込んでいた場合には、半袖の軽装で何の装備も食糧もないことから、大人であっても相当に過酷な環境に晒されていることになるが、雨風を凌げるような小屋でもあればまた少しは違ってくるだろう。

今の時点で分かっている情報だけから、私たちが組み立てる仮説の多くは『納得できるように考えられた推測的なストーリー』に過ぎない。そして、『偶然性・確率性』を軽視して『関係者の過去の意志・意図・行動』だけを勝手に推測して考えられた単純なストーリーの多くは間違っているということを、『ブラック・スワン』の著者ナシム・タレブは『因果関係についての物語の誤り』という概念で説明していたが……写真に写っている明るく可愛らしい男の子の笑顔を見せられると、どうにかして偶然の幸運・確率的な導きによって男の子が無事に帰ってきてくれさえすればと思う。


スポンサーリンク







■書籍紹介

「ほめ方」「叱り方」「しつけ方」に悩んだら読む本
PHP研究所
若松 亜紀 佐々木 正美

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 「ほめ方」「叱り方」「しつけ方」に悩んだら読む本 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのトラックバック