他人を変えるためのコミュニケーションと心理的な対立構造2:相手の言い分・感情を傾聴すること

『心理的な対立構造(拒絶の壁)を作らないこと』『相手よりも自分のほうが正しい(相手が間違っている)と必死に主張して争わないこと』は、“2.お願い・真摯さ・共感で他人を変える”という相手の行動の変え方の方法論の一つとしても考えることができます。

この相手の立場や言い分を理解した上で生産的な提案をしていくという方法が最も効果的なシチュエーションとしては、『無益な喧嘩・論争を回避する』『理不尽なクレームに対応する』があります。

他人を変えるためのコミュニケーションと心理的な対立構造1:相手を肯定的に見ること

“売り言葉に買い言葉”というように相手の挑発的な言葉や攻撃的な態度に対して、それをオウム返しにするような対応をすれば、更に相手の怒り・敵意・攻撃性を燃え立たせて、最悪の場合、激しい殴り合いの喧嘩や傷害・殺人のような犯罪にまでエスカレートしてしまうことがあります。

時々、駅や繁華街で分別があるべき年齢の大人同士が、口汚く罵り合ったりつかみ合って今にも殴りかかりそうな雰囲気になったりしていることもありますが、こういった見知らぬ第三者とのトラブルでも、そのきっかけは『ちょっと肩がぶつかった・目が合って逸らさなかった・大声で話していた一言が相手を刺激した』などの些細なことが多いのです。

どちらかが、あるいは自分の側が『すいません、大丈夫でしたか』と柔らかく返していたり、相手から挑発されてもそれに乗らずに丁寧に対応してその場を立ち去っていれば、激しい言い争いや殴り合いなどは回避できた可能性が高いケースが殆どです。

しかし、心理的な対立構造(拒絶の壁)を作って、対立的なフレームワークにはまりこんでしまうと、『引くに引けない状態+相手を何とかしてやりこめて負けを認めさせたい感情』になってしまい、初期の小さなトラブルからは思いもつかないような深刻な事態(怪我をさせたりさせられて刑事事件になる等)にまでエスカレートしてしまうことも少なくないのです。

“理不尽と思えるような批判・要求”をしてくるクレーム客への対応などでも、初めから『感情的に言いがかりをつけてくる人間性に問題のある客(そんなに嫌ならもう来なくてもいい迷惑なだけの客)』としてそっけなくあしらうように対応するのか、『何か困っていてこちらに何らかの落ち度があったかもしれないお客様(間違いの修正やサービス改善の良い機会を与えてくれたと捉えまた来て欲しいと思うお客様)』として真摯にお客のニーズを満たせるように対応するのかでは、全くクレーム客の反応が変わってくるわけです。

もちろん、初めから言いがかりをつけて金品やサービス券を強請りとろうとするような犯罪的なクレーム客の場合には、毅然としてそういった要求は一切受け付けられないと断るべきです。

しかし、『商品やサービスについての苦情・店員の接客態度やコミュニケーションに対する不満』などであればその内容が多少行き過ぎていたり理不尽であっても、『どういった点について不満や怒りを感じたのか・こちら側に今まで以上に改善できるポイントはないか』という視点から共感的に傾聴することによって、そのクレーム客をリピーターにすることができたり、自社の商品・サービス・接客接遇の改善を進めることができたりもします。

傷つけられたという思いから感情的に興奮していたり、相手側の対応に不信感を持って攻撃的になっている人を変えるためには、『真摯で誠実な対応+相手の言いたいことを丁寧かつ共感的に聴くこと+出来る範囲で納得のできる謝意や感謝を示すこと』などが効果的であり、溜まりに溜まっている『相手のこれだけは言いたい・相手に受け容れてもらいたいという言い分』を吐き出させるような対応が望ましいと思います。

他人を変えようとする時には、無理矢理に何かをやらせようとする『強制』、相手の悪い部分に焦点を合わせる『否定(粗探し・ダメだし)』よりも、率直に相手に何をしてもらいたいか、自分が何に困っていて悩んでいるのかを訴える『お願い』のほうが効果があります。しかし、『自分のプライド・正しさの訴え・競争心』などがあると普通に頼んでお願いすればスムーズに進むようなことが、高圧的な態度やイヤミな言い回しなどによって余計に上手く進まなくなりやすいのです。

同じ『お願い・要請・話し合い』などをする場合にも、自分が変わって欲しいと思っている相手が『理屈・道理』を重視する性格(タイプ)の人なのか、『情緒・印象』のほうを重視する性格(タイプ)の人なのかによって、お願い(説得)の仕方や話し合いのスタイルを変えていく必要があるでしょう。

『理屈・道理』を重視する性格(タイプ)の人であれば、『自分の主張のほうが正しいということの客観的根拠・数値的データ』を示して説得するような話し合いのスタイルが有効ですが、『情緒・印象』を重視する人が相手だとあまりに理屈・道理に頼った説得は『自分のことを軽視している・人間的な気持ちが感じられない』ということで、かえって反発・反対姿勢を強めてしまうことになってしまいます。

反対に、『情緒・印象』を重視する性格(タイプ)の人の場合には、『どんなにその人のことを信用・尊敬していて頼りにしているか』や『自分がどんなことに困っていてその人の助けを心から必要にしているか(過去に助けてもらったことに深く感謝しているか)』ということを丁寧かつ熱心に語ったほうが、『人間的に信頼できる人・印象が良くて助けて上げたくなる人・損得勘定を越えて人として好きな人』という評価になって、相手からの自発的なサポートや貢献を期待しやすくなるのです。


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