政府の税制改正大綱の『法人減税・贈与税減免』は誰に恩恵をもたらすか?:企業の競争力と世代間の資産移転

アベノミクスの成長戦略と連携した与党の『税制改正大綱』が発表された。税制を通じた成長戦略の中心にあるのは『法人税減税(法人税実効税率の引き下げ)』であり、現行の34.62%(標準値)を15年度に2.51%、16年度に0.78%以上引き下げることになっている。 法人税減税を行うことで『国内の産業空洞化(企業・生産拠点の海外移転)の抑…
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ジャック・ラカンの言語主義的な人間観と自然の摂理:言葉・イメージを超えた現実(不可能性)

ジャック・ラカンの言語主義的な人間観は、『自然界の進化』を『人間社会の進化』のアレゴリー(寓喩)やアナロジー(類推)と見なす社会生物学的な世界観を否定するものである。 人間の善悪の判断基準や道徳的な規範を語る時に、『自然界の摂理』や『生物学的な意味(生存・繁殖・種の保存)』を持ち出して、自然・生物の仕組みに沿っているほうが正しくて…
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ジャック・ラカンの言語中心主義的な人間観と『失錯・機知・夢・症状』に反映される無意識

ジャック・ラカンの精神分析は、ジークムント・フロイトの原点に回帰しようとするベクトルを持っている。J.ラカンは言語活動に現れてくる『無意識の形成物』として、S.フロイトが重視した『失錯行為(言い間違え)・機知(ユーモア)・夢・症状』を取り上げ、これら4つの形成物をクライエントの無意識を理解するための有力な通路と見なした。 “失錯行…
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岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流 アドラーの教え』の書評:3

『嫌われる勇気』という本書のタイトルに関係する内容としては、『承認欲求の否定』や『課題の分離』といった考え方が取り上げられている。 承認欲求の否定の文脈では、『人間は他者の期待を満たすために生きているわけではない(自分以外には自分のための人生を誰も生きてくれることはない)』という、一見すると“エゴイスティック(他者の心情の無視)”…
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岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流 アドラーの教え』の書評:2

『嫌われる勇気』の全体を貫いているアドラー心理学のテーゼは、『人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである(すべての悩みは対人関係の悩みである)』というものであり、アドラーは『個人の内面や意識だけで完結する悩み(他者の実在・想像・心像が関係しない悩み)』などは存在しないとしている。 岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流 ア…
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岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流 アドラーの教え』の書評:1

実践的で啓発的な認知療法の趣きを持つアルフレッド・アドラー(Alfred Adler,1870-1937)のアドラー心理学を、古代ギリシアの『対話篇』の形式で分かりやすく解説している。 自分の能力や特徴、外見、コミュニケーションなどに劣等感を抱えて自己嫌悪・他者不信に陥っている“青年”に対して、“哲人”が『人は変われる・世界と人生…
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自公政権が325議席を確保した衆院選の雑感3:経済や消費増税に絞られた争点と改憲・安保

日本の株式市場は金融緩和やGPIF(年金基金管理運用機構の資金)投入の『官製相場』と言われながらも、日経平均株価が17000円を超える活況を呈したが、、先週辺りから『逆オイルショック(原油価格急落による産油国やロシアの経済悪化の余波など)』で株価が崩れ始めているのは気がかりである。 何より、労働者全体では多数派を占める中小零細企業…
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自公政権が325議席を確保した衆院選の雑感2:衆議院解散の必要性はどこにあったのか?

また、高齢世代の投票者は自分や地元の利益を代表してくれる候補者を好むだけではなく、保守主義だから自民党にしか入れない、宗教や創価学会が嫌いだから公明党には入れない、共産主義にはノーだから(天皇制を否定する暴力革命の思想を喧伝した過去があるから)共産党は選択肢に入らないといった『絶対にぶれない投票行動の軸』が決まっている人も多いだろう。 …
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自公政権が325議席を確保した衆院選の雑感1:政治への無関心・期待の薄さが際立った今回の衆院選挙

一票の格差の調整策で5減の“475議席”を争った衆院解散総選挙は、自公政権が“三分の二以上の議席(325議席)”を保持する圧勝に終わった。衆院で三分の二以上の議席があれば、憲法の規定により衆院は参院で否決された法案でも単独で『再可決』できるので、実質的に安倍政権は途中での解散がない限り、今後4年間の衆院議員任期にわたって実現したい政策・…
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宮部みゆき『ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件,上下』の感想

宮部みゆきの『ソロモンの偽証』のハードカバーが出版された時に気になっていたが、あまりに分厚くて読むのに相当な時間がかかりそうだったので読まずにいた。文庫版が全6巻で完結したので、一冊一冊マイペースで読み進めていきたいと思っている。 1ページずつストーリーを楽しむために、敢えてウェブの書評などの前提知識を入れずに読んでいるので、『第…
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貴志祐介『雀蜂(スズメバチ)』の感想

貴志祐介のミステリーでは、『新世界より』や『天使の囀り』といった重厚な物語の構成(プロット)があって、意外な視点から各テーマの探求・解釈をしてくれるような作品が好きだが、本書『雀蜂(スズメバチ)』は短編の感覚で気軽に読むことができるライトなホラーサスペンスに仕上げられている。 貴志祐介はホラー小説の分野でも活躍している作家で、サイ…
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幻想的な自己愛と消費文明社会の相互作用がもたらす未来2:他者を回避する一人遊びと人工的システム

自己愛と仕事との関わりで言えば、先進国で増大しているサービス業の中でも特に自分の感情表現やコミュニケーションをコントロールしながら顧客の感情(親和欲求+承認欲求)を満足させる『感情労働』が、『消費文明社会におけるお客様扱いを通した自己愛の満足』と深く関係している。 感情労働は顧客の自己愛を満たして気分の良いサービス利用を可能にする…
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幻想的な自己愛と消費文明社会の相互作用がもたらす未来1:経済発展によるライフスタイルの均質化

パーソナルな自己愛が重視される近代社会の背景にあるのは、中流社会における『平等意識の幻想』であり、『機会の平等の幻想(同じスタートラインからみんなが公正に競争しているという競争社会の正当化幻想)』でもあった。 資本主義の消費文明社会は、個人のライフスタイルや商品・サービスの購入機会を『画一化・平均化・均質化』していく作用を持つので…
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“個人的な自己愛”と“自我理想に基づく自己愛”:近代化・市場経済によるアイデンティティの変化

個人的な自己愛(パーソナルな自己愛)の多くは、『経済的満足・家族や恋愛のエロス(情緒的充足)・感覚的快感』と結びついていて、現実的で自己中心的な欲求(=快感・楽しさ・損得感情)を満たそうとする。 精神科医の小此木啓吾がいう『モラトリアム人間』は、“歴史・国家・社会(組織)・思想”といった個人を超越した集団幻想的な理想にコミットしな…
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