現代人の傷つきやすさと自己愛の時代精神2:アイデンティティ人間からモラトリアム人間へ

裏返せば消費中心の現代社会というのは、『生産者・労働者としての立場』から外れると、それほど自己愛が傷つけられたり、他人から不快な対応(上からの厳しい態度)を取られたりすることが無くなっている『お客様社会(丁寧・礼儀正しい他者が多い社会)』でもある。 もちろん、恋愛や家族、友達づきあいなどの『プライベートな人間関係』における虐待・D…
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現代人の傷つきやすさと自己愛の時代精神1:強制の困難と消費者(お客様)としての意識の広がり

近代以前は身分制(上下関係のある役割分担)による『忠義・奉公(従属)』が行動理念となっていて、近代初期のナショナリズムが強まった時期には愛国心・国民教育による『国家への貢献・義務』が行動理念として機能した。 いずれも、自分自身よりも優先して従うべき上位者や集団権力(帰属集団)があるという前提に立っており、自分の価値観やプライド、生…
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J.ラカンの言語とイメージ2:“言葉にしないと分からない”か“言葉にしなくても察して欲しい”か

『言葉にしなくても察して欲しい』と『言葉にしなければ分からない』は、実際にはどちらも場合によって『真』に成り得るのだが、『人間主体の自己表現の手段』としての言語がなければ、一般的には自分が何を考え感じていて誰にどうして欲しいのかといったことを代理表象することはできない。 何も言葉を話さない人間が延々と黙ってそこにいても、それがよほ…
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J.ラカンの言語とイメージ1:シニフィアンの言語が持つ意味の流動性(文脈依存性)

言語やイメージとは『意味の体系』であり、精神分析とは『クライエントが語る言葉の意味』を解釈しようとする学問である。一方、実社会では『言葉は表層的なもの・言葉(口)で言うだけなら何とでも言える』というような言語を軽視する見方も多い。 だが、『言葉を話さなければ考えや思いが他者に伝わらない・言語が使えないと自己認識や他者との意味の共有…
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ジャック・ラカンが示したイマージュ(視覚の刺激・想像)に影響される人間像と“無知の知の前提”

カウンセリングでは『言語』と『イメージ(イマージュ)』の相互作用が使われることも多いが、視覚的あるいは想像的なイメージ(心像)は、言語よりも直感的であり本能的でもある。 構造主義の精神分析家ジャック・ラカンは、動物行動学者コンラッド・ローレンツの『刷り込み』の概念からの着想で、アヒルが孵化して初めて見た『親のイメージ(視覚刺激)』…
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なぜ『日本人の幸福度』は先進国の中で低いのか?:経済成長期の中流階層の人生設計を標準とする自己評価

日本人の主観的幸福度が先進国で最下位というニュースで、日本は世界第3位のGDPを誇る経済大国なのに、なぜ国民は幸福を実感できないのかという疑問が提示されている。 日本人の「幸福度」は先進国で最下位 「幸せはお金で買えない」国民性なのか タイトルには『日本人は幸せをお金で買えない国民性なのか』とあり、本文中にも 『幸せを感じ…
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『大学教育』に何が期待されているのか?2:G型大学とL型大学の分離案と職業教育のニーズ

1970~1980年代以降は大学教育(高等教育)が普及化する一方で、進学塾・中高一貫校・(都心部の進学に有利な)私立校が増加して『教育にお金のかかる時代』となっていったが、バブル崩壊までは『一億総中流社会(持続的な経済成長)』によって、子供の大学卒業までの費用を親が負担することがそれほど難しくなかった。 大学教育が本格的に大衆化す…
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『大学教育』に何が期待されているのか?1:大学全入時代で揺らぐ“学問の府”

文部科学省が進めようとしている大学教育改革の有識者会議で、経営共創基盤の代表で経営コンサルタントの冨山和彦氏が、トップレベルの大学をグローバルに通用する人材育成を行う『G(グローバル)型大学』、それ以外の大学を実務的な職業訓練を行う『L(ローカル)型大学』をすべきだという提案をして話題になっていた。 非エリート大学の「職業訓練校化…
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尊厳死・安楽死に示される『死の自己決定権』と安楽死法制化の議論2:優生思想・高齢化社会の影

日本でも近年、高齢者医療の末期患者や植物状態の患者を対象に含んだ形で『尊厳死・安楽死の法制化議論』が有志の国会議員や医療関係者の間で行われていることもあるが、1970年代にも重度障害者(重度障害の新生児)の安楽死問題などを嚆矢として医師・太田典礼らの『安楽死法制化運動』が起こったことがあり、その時には障害者団体の激しい抗議や倫理的な問題…
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尊厳死・安楽死に示される『死の自己決定権』と医療の関与1:米国のB.メイナードさんの尊厳死の事例

近代社会が成熟したことで人間の生命に“QOL(人生の質)・苦痛回避の安楽死”が求められるようになり、古代から“ヒポクラテスの誓い”によって定められてきた生命至上主義の『医の倫理』が変質を迫られるような動きが起こってきている。 ヒポクラテスの誓いには『私は自分の力の限り病人を助けるために治療に当たります。また、病人にとって有害無益な…
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人間の脳に快感をもたらす『物理的報酬』と『社会的報酬』の関係2:人の利己性・利他性と公平感

社会心理学の実験では、『物理的報酬(金銭的報酬)』と『社会的報酬』が対立している時に、人がどのような意思決定(行動選択)をするかを『チップ配分の実験(チップの分配ゲーム)』で確認しているが、一方的に配分するチップの枚数を決定できる分配者になっても、大多数の人は受け手が0枚になるような極端な『自己利益の最大化』はせず、若干は自分の取り分を…
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人間の脳に快感をもたらす『物理的報酬』と『社会的報酬』の関係1:金銭・モノ・他者への欲望

人間が脳の『報酬系』の神経伝達回路を通して快感を感じるプロセスと報酬の内容は大きく分ければ、『感覚的報酬・物理的報酬・社会的報酬・知性的報酬』に分けることができる。 “感覚的報酬”による快感というのは、食欲・性欲・睡眠欲・美的感覚・知覚の心地よさなどを伴う報酬である。人間の生理的欲求(本能)とも密接に関係していて、概ね誰もが自動的…
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