NLPではコミュニケーションをどう考えるか2:お互いの意図・感情を誤解しないための工夫

非言語的コミュニケーションの第一の魅力は、取り出して見せることができない『自分の心・感情』を相手に感覚的に分かりやすく伝えることで、『同じような人間らしい感情・考え方』を持っていることを示せることにあります。非言語的なメッセージを伝えて、『自分と相手の感情の共通性・共感性』を強調することで、お互いに安心感や信頼感を持ちやすくなるわけですが、『笑顔・うなずき・会釈・抱擁』などの分かりやすく好意・同感を示す非言語的コミュニケーションは相手に『誤解・歪曲』されにくいというメリットもあります。

『自分の意図・感情・趣旨』が相手にそのまま伝わらずに誤解されたり悪い方向に受け取られてしまったりする時に、『ディスコミュニケーション(コミュニケーションの歪み・断絶)』が起こるわけですが、話し言葉・書き言葉の言語的コミュニケーションだけで自分の意図や思いを伝えようとしても、『言語表現の断片性(部分性)+話す時間の有限性』によってどうしても説明不足や誤解が起こるリスクがあるのです。

電話やメールでのコミュニケーションでは、『相手の表情・声の調子・ジェスチャー・雰囲気』といった非言語的情報が欠けているために、対面でのコミュニケーションよりも説明不足や誤解・無理解が起こりやすくなります。『Aさんがあなたのことを○○だと言っていたよ』というような伝聞(又聞き)によるコミュニケーションも断片的な情報による誤解の原因になりやすいですが、できるだけ誤解や情報不足を防ぐためには『言語的コミュニケーション+非言語的コミュニケーション』のバランスを取る必要があるのです。

例えば、明日一緒に食事に行く約束をしていた恋人が、メールで『明日は行けなくなった』とだけ伝えてきてその後の返信が無かったら、何となく不安になるという人も多いでしょうが、それは『恋人がなぜ行けなくなったのかの情報の欠落(説明の省略)』と『恋人がどんな表情や声の調子でその言葉を言っているのか分からないという非言語的情報の欠落(文字情報の無機質さ)』があるからです。これが電話で明るい声の調子で、『明日は急に仕事が入って行けなくなったけど、また遊びに行けそうな予定がわかったら連絡するね』と伝えてくれれば、要件のみのメールよりも格段に安心感・納得感が増します。

笑顔や機嫌の良さを確認できる対面コミュニケーションなら更に安心感・納得感を得やすくなりますが、反対にそれほど親密ではない相手やとりあえず結果だけを知りたい場合には、『時間・労力のコストがかかる対面』よりも『結果だけを手早く伝えられるメール・電話』のほうが好まれるでしょう。ディスコミュニケーションは認知療法でいう『認知の歪み』によっても生まれやすくなりますが、これはそれぞれの人が生まれ育ってきた環境やそれまでに経験(学習)した考え方などによって、『全く同じメッセージ・出来事』に遭遇しても受け止め方や評価が異なってくるからです。

人間は『客観的な出来事』に対する『画一的な反応・評価』ばかりをするわけではなく、それぞれの人間の遺伝的要因や環境的要因(学習的要因)を反映した『個別的なフィルター』を通してその出来事を解釈して評価するのです。言い換えれば、それは人間が独自の個性を持つ多様な存在であることの証拠でもあり、『自分がされて嫌ではないこと』『他人にとっては嫌なこと』にも成り得るわけです。

『一般常識・自分の経験知』だけでは十分に予測できない他人の『認知的フィルター(その人独自のメッセージの評価基準)』があるからこそ、良かれと思ってしたことが悪く受け取られてしまったり、相手の言うことを歪めて解釈したりするディスコミュニケーションが生まれてしまうことになります。

双方向的なコミュニケーションが上手くいかない原因は大きく分ければ、以下の3点に集約することができますが、そういったディスコミュニケーションを回避して有意義な楽しいコミュニケーションを実現するためには『相手の意図・思い・感情を正確に理解するための傾聴+質問』が大切になってきます。

1.言語的コミュニケーションの不完全性(部分性)・会話時間の有限性

2.個別の経験と学習に基づく認知的フィルター(その人が持っている物事・言葉の受け取り方の癖)

3.自分の経験と少ない証拠に基づく過度の一般化(一方的な先入観と決めつけ)

双方向的なコミュニケーションでは、『自分の経験してきた事柄・学習してきた知識』『他人の経験してきた事柄・学習してきた知識』は異なるという当たり前の前提をまず共有しなければなりません。『自分(相手)が伝えたいメッセージの内容と意図』『相手(自分)が受け取っているメッセージの内容と意図』とを一致させるために、お互いの努力・共感が必要になってきます。

それは特別に難しいことでも面倒臭いことでもなく、『相手について分からないことは分からないと認める素直な態度(分からないこと=嫌いという感情に結び付けない冷静な態度)』で相手の意図や感情、考えが正確に把握できない時には、自分の経験・常識だけで決めつけずに、相手に直接的に質問して確認してみるということです。

自分の主観的な世界観や思い込みの価値観に囚われずに、できるだけ客観的かつ直接的に『相手の本当の意図・感情』を理解しようとする枠組みをNLPでは『メタモデルのフレームワーク』と呼んだりしますが、メタモデルのフレームワークを用いた質問によって『言語情報の不完全性・認知的フィルターによる情報の歪み・過度の一般化による決めつけ』の問題を解決しやすくなります。

NLPでは『コミュニケーションの成果』『それぞれが受け取った内容(相手の反応の解釈)』にあると考えますが、ディスコミュニケーションというのは『それぞれが相手の意図や感情について間違った内容を受け取っている状態』のことを意味しています。こういったディスコミュニケーションを回避するためには、『相手の真意・本当の考え(気持ち)』に対する興味関心を持って適切な質問をすること、『自分が受け取った相手についての内容』が本当にそれで合っているかどうか相手に直接確認することが大切になるでしょう。

この記事は、前回の記事の続きになっています。






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