髙村薫『太陽を曳く馬 上・下』の書評:2

最終的に、死刑判決を受けた福澤秋道は、何の主張も抵抗もないまま国家権力が執行する絞首刑(死刑)に処せられるのだが、父の彰閑は死刑が執行される直前まで、『秋道と関連する人物や場所の近況報告・秋道の芸術の感性や興味・自由意思と人間の罪業・思想や哲学による本質考察』といった秋道の犯罪とは直接に関係していない難解なテーマを、一方的に手紙に書き付…
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髙村薫『太陽を曳く馬 上・下』の書評:1

都会の片隅にある“永劫寺サンガ”では、禁欲的な雲水たちが集まって道元禅師が伝えた只管打座と布施行の修行に黙々と励んでいる。永劫寺サンガは形式的な葬式仏教を批判する福澤彰閑(ふくざわしょうかん)が主導して開いた僧侶集団の修行道場であり、物質主義の現代で身心脱落と教外別伝の悟りを追求する不可思議な聖地である。福澤彰閑を名乗る福澤彰之(あきゆ…
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岡田正彦『検診で寿命は延びない』の書評:2

エックス線によるレントゲン検査で被検者が受ける放射線量(ミリシーベルト)は、『胸部レントゲン検査:0.05~0.1,検診の胃レントゲン検査:0.6~106,精密な病院での胃レントゲン検査:3~1058,マンモグラフィ:0.1~1.8,大腸のレントゲン検査:5~100,腹部CT検査:2~10,頭部CT検査:2~50』という数字が示されてい…
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岡田正彦『検診で寿命は延びない』の書評:1

健康診断(健診)や検診のイメージは、『肯定派』と『否定派』で両極端に分かれています。健常者を対象にして大雑把に健康状態を確認するための“健診”と特定の疾患の有無を判断するための“検診”の違いはありますが、健診に肯定的な人は早めに深刻な病気が見つかれば助かる可能性が上がるという『早期発見・早期治療のメリット』を重視します。健診に否定的な人…
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“自民党・民主党・第三極(日本維新の会)の対立図式”と衆院選の争点・政策の差異:2

橋下徹市長や松井一郎知事が率いる『日本維新の会』は、自民党や民主党、石原氏(たちあがれ日本のメンバー)と比較すると、政治思想的なスタンスの分類は曖昧であるが、社会福祉や財の再配分、平和主義(護憲)を重視するという意味での“リベラル(リベラリズム)”でないことは確かで、経済的な自由を重視しつつ精神的な自由はやや規制するという“古典的自由主…
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“自民党・民主党・第三極(日本維新の会)の対立図式”と衆院選の争点・政策の差異:1

12月の衆院選でマスメディアが強調している対立図式は、『民主党VS自民党VS第三極(日本維新の会)』の構図であるが、マスメディアが取り上げる放送時間では圧倒的に『第三極(新興勢力)』とされる橋下徹市長や石原慎太郎氏が優先的にクローズアップされており、『第三極の議席増・台頭』がなるとすればメディア効果も含めたものになるだろう。自民党と公明…
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野田首相の衆院解散の決断と民主党政権の総括3:原発事故後のエネルギー政策・代替電力の論点

菅政権で『再生可能エネルギー(自然エネルギー)の固定価格買取制度・全量買取制度』が立案されて今年の7月から実施されているが、固定の買取価格が自然エネルギーの設備投資・土地・人件費の原価を考えても余りに高すぎ、市場化することなく利権化するのではないかという問題が指摘される。 固定の買取額は、太陽光が1キロワット時当たり42円(出力1…
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野田首相の衆院解散の決断と民主党政権の総括2:不透明なエネルギー政策に基づく原発再稼働

2009年の政権交代時の民主党マニフェストを見直してみると、以下の『5つの約束』を骨子にして、『月額2万6千円の子ども手当支給・高校教育無償化・高速道路無料化・最低保証年金・最低賃金1000円への引き上げ・CO2削減の低炭素社会化・自主財源による地域主権の強化』を行うというものだった。 1.無駄遣い削減……国の総予算207兆円の全…
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野田首相の衆院解散の決断と民主党政権の総括1:マニフェスト選挙の無意味化

“近いうち解散”の実行が求められていた野田佳彦首相が、11月16日に衆院を解散して12月16日に衆議院選挙が実施される運びとなった。戦後初の二大政党制に基づいた『政権交代・民主党マニフェスト』の興奮は、民主党が政権与党として担った約3年4ヶ月の間にすっかりと冷め切ってしまった。 政権を獲った民主党は、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と…
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“支配的で過干渉な親”はなぜ子どもの自立心を阻害するのか2:親子の人生の境界線の混乱

間接的な子どもの言動のコントロール法としては、『断りにくい善意・援助の形をした過剰な干渉』や『寂しくて可哀想な親(子どもから取り残されて佇む親)のイメージの演出』、『家庭内の特殊な慣習やルールの押し付け』などがある。いずれの方法も子どもに自分のほうが間違っていて悪い、親に対して申し訳ない冷たいことをしているという『罪悪感・自己否定感』を…
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“支配的で過干渉な親”はなぜ子どもの自立心を阻害するのか1:子に対するコントロール願望

過干渉で支配的な親が、子どもの人生や言動、考え方をコントロールする時には、『直接的なコントロール』と『間接的なコントロール』が行われる。直接的なコントロールとは『暴力・脅迫・条件づけ・褒美(金銭)・否定(罵倒)』などを用いる子どもの言動・考え方のコントロールであり、『もし言うことを聞かなければ罰を与える、放っておいて無視する、もううちの…
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“甘やかす過保護・コントロールする過干渉”が子どもの心身発達や性格形成に与える影響:2

自分で善悪や損得を判断して、自分で自分の人生の進路や価値観を選択できるようになってくる『思春期以降の発達段階』においては、親は相談相手になってアドバイスをしたり経験に基づく意見をしたりする役割が期待されるが、(子どもの犯罪行為や反社会的勢力への参加を抑止するケースなど特殊な場合を除いて)『私の言う通りにしなさい・お前の考え方は間違ってい…
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“甘やかす過保護・コントロールする過干渉”が子どもの心身発達や性格形成に与える影響:1

子どもの育児や教育において発達上(適応上)の問題になりやすい関わり方として、『過保護・過干渉・過度の放任・無関心(極端な無干渉)』がある。“過保護”というのは、子どもの発達年齢や自律性・積極性・知識+能力に見合った『自発的な行動・挑戦』を“甘やかし・馴れ合いの行き過ぎ”で阻害してしまうことである。『あなたにはまだ危なくて無理だから,私(…
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『万里の長城100キロトレッキングツアー』の遭難事故と山の気象変化の恐ろしさ:2

登山・アウトドアスポーツの前提知識を欠くニュース報道では、山・高所での遭難事故が起こると『参加者の装備が不十分だった』という報道が適当な推測で為されることが多い。今回の万里の長城での遭難事故でも『防寒着としてフリースなどを持っていくように』というアミューズトラベルの注意喚起に対して、『フリースでは防寒装備が不足していたのではないか』とい…
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『万里の長城100キロトレッキングツアー』の遭難事故と山の気象変化の恐ろしさ:1

旅行会社のアミューズトラベルが企画した8泊9日の『万里の長城のトレッキングツアー』で、参加した顧客4名のうち3名が大雪と強風で凍死するという遭難事故が発生した。このツアーは観光地としては整備されていない『バックカントリー(原自然)としての万里の長城』を登山的な醍醐味も味わいながら100キロにわたって長く歩くというハードなもので、『一定の…
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アダルトチルドレンの親子関係の問題点と“親の生き方・考え方”が子どもの状況認知に与える影響

親の生き方や人間性に憧れ・敬意を持つような子どももいるが、一方で、親のようにはなりたくないという反発・否定の思いを持つ子どもも多い。それでも『親の人生の生き方・仕事の捉え方・配偶者との関わり方・他者との関わり方・社会や環境への適応の仕方』などを見て真似して育つという側面を無視できず、親が人生や仕事、人間関係を基本的にポジティブに捉えてい…
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子どもを“叱ること”と“怒ること”の違いをどう考えるか:人格形成的・教育的な効果

子どもを『叱ること』と『怒ること』の違いは、善悪の区別や他人の気持ちを理解させるために『言語での説諭・叱責』を子どもが納得できるまでするのか、親の上位性や不機嫌を伝達させるために『精神的な恫喝・身体的な痛み』を与えるのかの違いでもある。『感情的に怒ることの問題』は自分よりも強いもの・怖い相手には従うべきだが、自分よりも弱いもの・与しやす…
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親子関係の悩みに対する“共感的理解・疎外感・転移感情”についてどのように考えるか。

成育環境や親子関係、過去の経験から受ける影響をゼロにすることはできず、誰もが『過去から今までの間に積み重ねてきた経験・知識・人間関係』に少なからぬ影響を受けていて、そういった小さな要素の積み重ねによって現在の人格や価値観、人間観が段階的に形成されていく。両親からの適度な愛情・保護・教育を受けられなかったり、虐待的な環境で成長して大きくな…
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