違法ダウンロードの刑事罰化についてどう考えるか?3:ネットの検閲・捜査権の拡大の懸念の考察

インターネットの技術革新は総合的には、『デジタルデータ化されやすいコンテンツの量』を爆発させて、個別コンテンツの経済価値を引き下げる効果をもたらしており(よほど人気や需要、話題性のあるコンテンツなら今でも売れるのだが)、違法ダウンロードに刑罰を科すようにしたとしても、『ネット以前の時代の音楽・映像の市場規模』を回復することは原理的に出来…
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違法ダウンロードの刑事罰化についてどう考えるか?2:インターネットの普及と著作権ビジネス

この著作権法改正をどう評価するかは、著作物によって対価・収入を得られる権利者であるか、著作物のビジネスと無関係な一般人であるかによってもスタンスが変わってくるだろうが、インターネット上に公開されている違法コンテンツの量は膨大でありユーザー数も多いため、『知らずに犯罪を犯すリスクの高さ・警察の恣意的な捜査拡大や別件での摘発』などの問題は生…
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違法ダウンロードの刑事罰化についてどう考えるか?1:違法なアップロードとダウンロードの法的責任

インターネットには著作権を侵害しているコンテンツが数多くあるが、これまではコンテンツ(音楽・映像・文書など)をネット上にアップロードした人だけに対して刑事罰が科されていたが、6月の著作権法改正によって、ネット上の違法コンテンツをダウンロードした人にも刑事罰が科されることになった。この『私的違法ダウンロード刑罰化法案』は初期の政府案には含…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評6:結婚生活に対する男性の欲望と女性の欲望の違い

結婚生活における男女の根本的なすれ違いの原因として、斎藤環は『男性の所有原理』と『女性の関係原理』の違いを上げるが、これは男女の意識の上で男性にとっては結婚が“ゴール”になりやすく、女性にとっては結婚が“スタート”になりやすい事を意味する。男性の所有原理では、好きな女性を自分の独占的なパートナー(恋人・配偶者)として手に入れるまでが目的…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評5:恋愛・結婚の偶有性と男女のカップリングの仕組み

インターネットでは『悲観的な結果を予測する結婚の格言(偉人・作家の名言)』が出回っていたりもするが、斎藤環もそういった結婚の格言を幾つか紹介したり自身の離婚経験を語ったりしながら、既婚者であればこういった格言に納得したり共感したりする部分は少なからずあると述べている。 しかし、人間は幾ら結婚の失敗事例や離婚のトラブルの事例を目の当…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評4:なぜ現代の若者は結婚しなくなったのか?結婚の選択性

本書『関係する女 所有する男』の本題である、“男性の所有原理”と“女性の関係原理”から生み出される心理や行動、考え方の違いについては、『第三章 すべての結婚はなぜ不幸なのか』『第四章 食べ過ぎる女 ひきこもる男』から本格的に語られていき、読み物としても第三章以降のほうが面白くなる。 第一章の“ジェンダー・センシティブ”や第二章の“…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評3:“男女の性差・性別役割”を科学的事実で語る誤謬

第二章『男女格差本はなぜトンデモ化するのか』では、アラン・ピーズとバーバラ・ピーズのベストセラー『話を聞かない男、地図が読めない女』などを例に挙げながら、『自然主義的な誤謬』と『疑似科学的な男女の性格行動の違いの説明』を問題として取り上げている。自然主義的な誤謬というのは、『事実命題と倫理命題が異なるという事』の指摘であるが、簡単に言え…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評2:“性別に関する知識・社会的な共有認識”としてのジェンダー

斎藤環が前書きで書いているように、『ジェンダー否定・男女平等主義の機械的な極論』というのは、自分が自分の持つ自然な欲望に傷つけられないようにしようとするシニシズム(冷笑主義)の態度に根ざしており、何とか異性を無価値化しようとする認知的不協和による虚しい努力に近いものである。しかし、シニシズムの対極にある男性と女性がとにかく性的に結びつけ…
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斎藤環『関係する女 所有する男』の書評1:ジェンダー・フリーとジェンダー・センシティブ

人間の男と女の違いが何に由来するのかという説いは、歴史的にも意識的にも常に普遍的な問いである。近代社会は『男女同権社会』を志向するプロセスの中にあるが、それでも『ヘテロセクシャル(異性愛)』によって多くの男女の行動が規定される限り、男と女の考え方や価値基準が全くフラットな同じようなものになるとは考えられない。『法律的な権利・自由』の上で…
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新田次郎『栄光の岩壁 上下』の書評4:マッターホルン北壁に登頂した岳彦の強さと弱さ

岳彦と大五郎より少し前に登り始めたパーティーは、晴天の気象に恵まれたお陰でアイガー北壁を制覇することができたが、ほんの僅か登り始める日が遅くなっただけで、登攀が不可能な気象になってしまうのである。そして、岳彦らの横を急いで通り抜けていったスペインの遠征隊は、悪天候になっても退却せずに無理をして(日本へのライバル意識を出して)強行軍で突き…
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新田次郎『栄光の岩壁 上下』の書評3:アイガー北壁を目指す岩壁登攀と仕事・結婚との両立

“河本峯吉・辰村昭平・谷村弥市”と相次いで親しい人たちを山で亡くしてしまった岳彦は、自分と一緒に山に登った者は次々に死んでしまうと感じ、自分自身を不運な疫病神のように蔑んだりもする。だが、高校時代に冬の八ヶ岳で峯吉と一緒に死んでいてもおかしくなかった自分がこうやって生かされていること、もう二度と歩けないはずの足が再び歩けるようになったば…
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新田次郎『栄光の岩壁 上下』の書評2:“山を歩く登山”から“岩を登攀する登山”への転換

同級生の誰よりも優れた体力があり、長距離を歩いても疲れないだけのスタミナを持っていた岳彦だったが、足を失ってからは『山道を歩くこと』が途轍もない苦痛となり、歩くことに対する苦手意識にも囚われるようになった。 山から離れられない岳彦が見出した活路は、『山道を歩く登山』ではなく『岩壁を登攀する登山(腕力で岩に取り付いてよじのぼる登山)…
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新田次郎『栄光の岩壁 上下』の書評1:敗戦による社会・人心の変化と冬の八ヶ岳での遭難

新田次郎の書いた小説『孤高の人』は、不世出の登山家・加藤文太郎を題材にしたヒューマンな山岳小説だったが、『孤高の人』では長距離をひたすら歩き続ける縦走登山と日本の冬山での過酷なビバーク(厳冬期の野営を可能にする生命力)に力点が置かれていた。この『栄光の岩壁』という作品は、『孤高の人』『銀嶺の人』と並ぶ新田次郎の長編三部作の一つとされてい…
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人はどんな時に頼み事(要求)を受け入れやすくなるか?:贈与に対する心理的負債感(返報意識)の感じ方

個人間の贈与にせよ団体に対する寄付にせよ、贈与をする行為には良い自己イメージを強化したり、対人関係の持続性を担保するというような効果があり、個人間では全く何の貸し借りがない関係(毎回綺麗に清算する関係)よりも、一定の無理のない貸し借りをバランス良くやり取りしているほうが、人間関係が長続きしやすいことも指摘されます。また何か他人に頼み事を…
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近代社会が求める“個人の自立・貨幣経済の自由・自己責任”は人間関係や相互扶助をどう変えるか:3

前回の記事では、ゲゼルシャフト(機能的・利害関係的な共同体)における現代の個人ベースのライフスタイルについて書きました。それと合わせて、生活保護者数の増加だったり芸能人の生活保護不正受給疑惑だったりも、『親族の扶養義務(相互扶助の負債感)』を弱めた“個人単位(世帯単位)の近代的な社会保障制度・自己責任原理”と無関係ではないでしょう。 …
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近代社会が求める“個人の自立・貨幣経済の自由・自己責任”は人間関係や相互扶助をどう変えるか:2

前回の記事の続きになりますが、地縁血縁が薄れていき誰も親しい他者とのつながりがないという『無縁社会・孤独死の増加』も、ゲマインシャフト(伝統共同体)を段階的に解体していった高度な貨幣経済の浸透と無関係ではないでしょう。大半の事がお金で解決できる便利で計画的な社会(直接的に地縁・血縁・他人に依存して助け合わなくても良い自立した個人が基準と…
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近代社会が求める“個人の自立・貨幣経済の自由・自己責任”は人間関係や相互扶助をどう変えるか:1

人間は他者と全く関係しない『自分自身の利益・快楽』だけでは十分な幸福感・安心感を得られにくい存在であり、その意味において人間は古代ギリシアのアリストテレスが示唆したように『政治的な動物』であり『社会的な動物』と言えます。構造主義の精神分析家として知られるジャック・ラカンは、人間の欲望(desire)の定義を『他者の欲望を欲望すること』と…
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“studygift”の学費支援サービスはなぜ炎上したのか?:どういった学生を支援するかの認識のズレ

2012年5月17日に開設された“studygift(スタディギフト)”は、不特定多数の賛同者から寄付を集めて、学費の支払いに困っている学生を支援するクラウドファンディング・サービスですが、学費支援を求めていた早稲田大学・元学生の坂口綾優さんはSNS“Google+”で多くのフォロワーを集めた有名人だったこともあり、わずか2日で195人…
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コミュニケーションを円滑にするカウンセリング的な傾聴のポイント2:反射・共感・明確化・開いた質問

『相手の話題・発言』に対してどのような反応(応答)を返せば円滑なコミュニケーションにつながるのかは、なかなか難しい部分もありますが、『相手の話題(話したいこと)について話すという事』を基本にしながら、『自分の話題・経験に相手の興味関心を惹きつけるという事』も意識してみると良いと思います。 ○相手の話題(話したいこと)について話すと…
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コミュニケーションを円滑にするカウンセリング的な傾聴のポイント1:非言語的コミュニケーションの影響

人間関係やコミュニケーションを円滑にするカウンセリング的な技法として、『傾聴・共感的理解・肯定的受容』について紹介しましたが、相手の話を真剣に聴いている事を示すためには『自分の側の反応・態度』も必要になってきます。どんなに真剣に『相手の話』を聞いてその訴え・内容を理解しているつもりでも、表情・目線が上の空でぼんやりしていたり姿勢が悪くて…
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