尽くし過ぎて上手くいかない男女関係とマンネリ化を緩和する工夫3:相手のために努力しようという動機づけ

『彼氏(彼女)と過ごす時間以外の充実した時間』を持っていなかったり、自分のスケジュールの全てを『彼氏(彼女)の都合・希望』に合わせて変更したりすると、彼氏(彼女)があなたに向ける敬意や配慮、努力はどうしても少なくなってしまいがちです。

それは、人間は『自分が努力しなくても簡単に手に入るもの』に対しては、希少性や感謝(ありがたみ)、尊敬を感じにくくなり、『手に入って当たり前という認識』を持つようになるからであり、恋愛関係(男女関係)においても『与えるばかりの相手‐受け取るばかりの自分』という力関係ができあがると、その関係には相手を喜ばせて上げたい(相手のために努力しよう)という動機づけが起こりにくくなるからです。

彼氏(夫)が自分に対して何もしてくれない、自分を大切にしてくれない、自分を女性として見てくれないという悩みを持っている女性の場合には、その原因は大きく分けて二通り考えることができます。『自分も彼氏(夫)に何もして上げておらず興味関心も乏しいから好意が返ってこない』という原因が一つ、『自分だけが相手に尽くしすぎていて相手を安心させきっているから(相手が努力する必要性がない程度に快適な関係と環境を与えているから)』という原因がもう一つになります。

必死になって相手に尽くして相手の喜ぶことをして上げているのに、男性(彼氏)から裏切られたり見捨てられたりするという場合でも、『彼氏がいないと自分は不安でたまらない・彼氏と一緒にいるためだったら何でも言うことを聞く』といった“自己価値の引き下げ”を無意識的にやってしまっていることがあります。

男性でも『いつも女性から利用されて振られる・お金目当てのような女性ばかりが集まってくる』といった悩みを持っている人がいますが、そういった問題でも『好意・愛情のバランスの崩れ』を大きくするような態度(下手に出すぎる・言うことを素直に聞きすぎる)を取っていることがあり、知らず知らずのうちに『彼女の優位性・自分の劣位性』といった力関係の図式が固定化してしまっているのです。

結婚して協働で子育てをし始めたりするとまた別の問題がでてきますが、恋愛の段階で二人の関係を充実させてお互いに敬意・配慮を失わないためには、『相互の立場や影響力の対等性(バランス)』も必要になってきます。

そうでなければ、『尽くす側‐尽くされる側』という役割分担や力関係に基づいた付き合い方になってくるので、どちらかが『この相手と付き合っていても楽しくない・自分が利用されている(何でも言うことは聞いてくれるが異性としての魅力や手ごたえがない)』という不満を持ちやすくなります。ただし、『尽くす側‐尽くされる側』という力関係の高低があっても、お互いに納得のできる役割分担や自己アイデンティティの保持ができていれば、『相補的な相性の良さ(相手に尽くす事による充足感・尻に敷かれながらも親密な関係のある安心感など)』が発揮されて関係が上手くいくこともあるでしょう。

恋愛関係における刺激やときめき、性的魅力というのは、確かに脳内の情報伝達物質の分泌などからも『長続きしにくい・いつかはマンネリになって刺激がなくなる』とは言われているのですが、付き合いが長くなっても『お互いを異性として意識しやすくする工夫・努力』というのはできます。

例えば、彼氏(夫)から自分を女性として扱ってもらえない、自分の性的な魅力を感じてもらえない(セックスレスになっている)という事で悩んでいる女性の場合には、彼氏(夫)が貴女に対して『異性(女性)としての認知』を持てなくなり、『母親・保護者としての認知』を固めていることが問題の根本にあります。

恋愛関係や夫婦関係で、彼女(妻)が『女性として扱ってもらいにくくなる・彼氏(夫)が自分を喜ばせるための努力やサービスをしてくれなくなった・セックスレスになってしまう』という悩みを抱える時の原因は、大きく分ければ以下の3つにまとめる事ができるでしょう。

1.社会的バランス理論における『相互の魅力・価値の認識のバランス』が崩れてしまい、『好意を与える側‐好意を受け取る側』の役割が固定してしまっている。安定した関係や生活が長く続いていて、『彼氏(夫)が異性としての彼女(妻)のために努力しようというモチベーション』を高める反応や緊張感が無くなっている。

2.彼女(妻)を『異性(女)としての女性』ではなく『母親(保護者)としての女性』として認識するようになってしまっており、彼女(妻)が異性として追いかけたい対象からズレてきてしまっている。自分の身の回りの世話や子育てをしてくれたり、精神的なケアをしてくれたりする事を期待するようになり、異性としての役割の期待が小さくなっている。

3.彼女(妻)と私生活を共有して、お互いの自己開示が進み過ぎたことで、想像の余地がなくなる生活感が出すぎたり、相手の嫌な側面(知りたくなかった側面・だらしない部分)まで知りすぎてしまった。お互いに緊張感が無くなったり、相手のために努力することが無くなっていき、良くも悪くも安心しきった関係性になっている。


長く続いている恋愛関係や結婚生活で、『異性としての魅力・価値』『相手のために努力しようとする動機づけ』を相手に意識してもらう事は、男性にとっても女性にとっても難しいことですが、『異性としての魅力や価値』を長く保つためには以下のようなポイントを考えることができます。

1.彼氏(夫)の好意や思いやりに対して、『彼氏(夫)が愛情やトキメキ』を実感できるような適切なフィードバックを返すこと。

2.子どもが産まれた後にも、二人だけで過ごすようなデート・語り合いの時間を意識的にでも作るようにすること。

3.お金や時間がないという理由だけで、二人だけで食事(外食)をしたり景色の綺麗な場所に外出したり、仲良くスキンシップをしたりすることを惜しんだり諦めてしまわないこと。生活や子育てに追われすぎて、相手に対する興味関心を失い過ぎないこと、少しでも余裕を作るために二人で協力すること。

4.マンネリ化して日常生活や相手への思いが色褪せないように、時にはサプライズや意外なイベントなどを計画してみること。相手を喜ばせてあげよう、相手のために何かをしてあげたいという気持ちをお互いに忘れないこと。

5.セックスに関して拒絶的で冷淡な態度を取り過ぎず、異性としての相手やその欲求も時には意識して上げること(相手を喜ばせようとする思いやりや刺激の探求を忘れないこと)。セックスをするのが面倒くさくなり、相手と触れ合うのが嫌になってくると、自然に相手を異性として意識することが難しくなっていき、(特に拒絶されている側の)心理的距離も開きやすい。

6.お互いの『プライベートな時間・趣味の時間』などを尊重して、それぞれが自分の好きな事や興味のある事に熱中できるようにすること。相手の趣味や活動、興味について文句を言ったりケチをつけるのではなく、それぞれが好きな趣味や活動に対しても、お互いに興味を持って会話をすること。

7.最低限のデリカシーや自意識を持って、相手に対して何から何まで曝け出し過ぎないこと。『異性としての自分』を全くイメージできなくなるようなだらしなさや不潔さ、いい加減さはできるだけ目立たないように工夫する。ドアを閉めずにトイレをしたり、素っ裸でウロウロしたり、下着や生理用品などをそこら辺に放り投げておいたりするような行動は、何にも気を遣わないリラックスした関係にはつながるが、異性として相手を見づらくなるという副作用もある。

8.相手の行動や発言の自由を奪うような、過度の束縛や嫉妬、愚痴(小言)などはできるだけしないようにする。必要以上に相手を疑ったり、一つ一つの予定を管理したがったり、何でもないようなことに嫉妬したりするのは、自分への敬意や好意を下げる恐れがあるし、『毎日の行動の報告・その日にやったことの連絡』を細かく求めると母親のようなイメージを持たれやすい。

9.恋愛段階では特に『ある程度の謎・秘密』を残しておくくらいのほうが、相手の愛情や好意、献身が長く続きやすくなる。全てをオープンにして開けっぴろげにする事には、信頼関係が深くなるメリットもあるが、『だらしなさ・いい加減さ・わがままさ・欲の強さ』などを残さず伝えすぎると、異性としての魅力は感じづらくなる。

10.男女それぞれが自立心や責任感、自己尊厳(自意識)を持つことで、『相手にとっての自分の魅力・価値』を高めていくことも大切である。外見的なおしゃれやファッション、メイクなどにも、最低限度の気遣いは必要であり、結婚した途端にファッションや自己管理に無関心になるのは好ましくない。

11.相手のためだけに自分の全てを捧げたり尽くし過ぎたりせずに、『自分自身の人生・趣味・仕事』なども大切にして相手の人生も尊重することで、『異性としての自分の魅力』が高まりやすくなる。相手の言いなりになり過ぎると、『魅力・好意のバランスの崩れ』によって、相手から敬意や関心を持たれにくくなる。

12.ユーモアのセンスや知的な興味関心、相手への敬意ある態度を忘れないようにして、『二人だけのコミュニケーションのやり取り(相手の話し相手としての面白さ・奥深さ)』を楽しむ時間を作ること。相手の人間性や価値観に触れる会話をしてみたり、お互いが興味を持っていることについての意見交換をしてみたりして、『相手の人格・内面』に対する敬意や配慮を持つようにすること。






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