『緊張する対人状況・不慣れな環境』の不安から自分を守る“パーソナル・スペース”と“身体交差”

個人の縄張り意識については、社会学の『パーソナルスペース(私的領域)』と『儀礼的無関心』の概念で説明することができるが、人は公共空間において目に見えない心理的なパーソナルスペースの境界を持っており、知らない他人が数十センチ(80センチ前後)未満まで自分に近づいてくると強い警戒心や不快感を生理的に感じやすくなる。 そのため、電車やバ…
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人類の縄張り意識と所属集団の規模の変化2:家・家族の防衛と公共空間の一時的な私有

顔が見えて名前も知っている相手と構成する比較的小さな集団では、実際のコミュニケーションや目的の共有、感情的な共感を行うことによって、『仲間意識・帰属意識(=縄張り意識)』が高まりやすくなり共同体的な連帯感や一体感も生まれてくる。 そのため、現代社会では大多数の人が、国家という巨大集団の下位にある『会社と職場・趣味のサークル・遊び仲…
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人類の縄張り意識(防衛本能)と所属集団の規模の変化1:A.マズローの所属欲求と共同体感情

精神分析の始祖であるS.フロイトは『人はなぜ戦争をするのか』で、権力の歴史的起源をフィジカルな暴力・腕力に求め、戦争の根本原因をエスの領域にあるタナトス(死・破壊の本能)に求めた。政府も法律も存在しない原始時代の人類は、他者(他の部族)を自分の思い通りにコントロールしたり服従・滅亡させるために物理的暴力を行使したが、そういった剥き出しの…
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S.フロイトの『人はなぜ戦争をするのか』の論考と平和秩序の構想3:エロスとタナトスの二元論

フロイトの『人はなぜ戦争をするのか』という問いに対するひとつの答えは、『人口に対する資源・財・土地の少なさ』や『財の配分・身分制度による格差』によって生まれる不満・対立を、実力勝負で解決する手段として『戦争』が用いられてきたということである。 人間は『稀少な資源・食糧・土地・資産(金銭)』を奪い合うようなシリアスな争いを、『平和的…
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S.フロイトの『人はなぜ戦争をするのか』の論考と社会契約による権力2:共同体の利益と帰属意識

暴力を禁圧する文明社会・法治国家の『本質論』としては、人並み外れて腕力が強かったり威圧感があったりする無頼な個人(集団)から本気で暴力を振るわれれば、大半の個人はそれに対抗することができないので、政治権力(集団合意)や法律、道徳、公教育によって、『個人と民間の暴力』が厳しく規制され禁止されているということでもある。 現代においても…
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S.フロイトの『人はなぜ戦争をするのか』の論考と第一次世界大戦の経験1:個人-共同体の暴力

精神分析の創始者であるジークムント・フロイト(Sigmund Freud, 1856-1939)は、相対性理論で知られる物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein, 1879-1955)との1932年の往復書簡で、人間が戦争を起こす原因と戦争の解決法について考察している。 『人はなぜ戦争をするのか(光文社…
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香山リカ『母親はなぜ生きづらいか』の書評:血縁の親による子育てと社会共同体による子育てのバランス

近代日本のスタンダードな家族像である『父親が外で働き、母親が家で家事・育児をする』という性別役割分担は、共働きの農家が人口の大半を占めていた日本の伝統的な家族形態ではなく、富国強兵を目指す明治政府の国策と社会の工業化(男性のサラリーマン化)によって作られた側面がある。 男性(父親)の労働形態や家にいる時間の長さが変われば、『父親の…
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他者との関係性の種類・親密度を示す“結合サイン”のディスプレイと挨拶行動の効果

挨拶ディスプレイの一つであるスキンシップを伴う『近接ディスプレイ』は、どういった触れ合い方や身体接触の仕方をしているかによって、二人の人間関係の種類や結びつきの強さを推測することができます。身体接触が行われる近接ディスプレイにはさまざまな種類がありますが、“握手”や“身体に軽く触れる誘導(道案内)”のようにそれほど親しくない相手(初対面…
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中国の民主化・近代化を非暴力的に訴えた劉暁波がノーベル平和賞授賞:一党体制・人権状況の問題

中国政府は『多民族・多宗教国家の統合性』を高めて、拡大する経済格差(都市・農村の格差)の不満を緩和するために、『国民のナショナリズム・対外的な拡張主義』を活用すると同時に制御しなければならないという困難なミッションを抱えている。 強硬な軍拡路線や資源外交、核心的利益(海洋覇権)へのこだわりといった中国の動向についても、『本音』と『…
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尖閣諸島沖の中国船衝突事件のあらましと戦後日本の領土問題2:中国の経済成長と元の為替

中国は尖閣諸島の領有権について、台湾航路の目印とされた島が尖閣諸島の魚釣島だったといい、先取権の根拠を明代の古文書に求めていたりもするが、明確に近代以前の歴代中国王朝が『尖閣諸島の領有』を宣言したり官吏を派遣したという記述はない。 そもそも、中国や台湾が尖閣諸島の領有権にこだわり始めたのは、尖閣諸島周辺に海底資源が眠っている可能性…
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尖閣諸島沖の中国船衝突事件のあらましと戦後日本の領土問題1:残されていたフジタ社員の釈放

尖閣諸島沖で起こった中国船衝突事件では、中国の外交圧力に押されて公務執行妨害容疑で逮捕されていた中国人船長・セン其雄が釈放され、菅政権への国民の批判が強まった。菅政権の仙石由人官房長官は、中国人船長釈放は沖縄県の那覇地検の外交的配慮を伴う判断であって、政府は検察に介入すべきではなくこの判断を了とすると延べ、主権と軍事緊張の関わる重要な外…
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“歓迎・送別の場”で相手への好意を示すコスト・ディスプレイと接客サービスの受け取り方

長年の友人や離れていた恋人などが飛行機でやってきた時に、生活拠点から離れた空港にまで出迎えに行くという行為が、前回の記事で説明したコスト・ディスプレイの分かりやすい例になります。当然、時間とお金を使って飛行機に乗ってまで、遠い場所からやって来てくれたその友人も、会いに行く相手に対してコスト・ディスプレイを行っています。空港前の道路で車に…
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交流分析における“儀式(挨拶)”の交流と相手に親密さ・歓迎の気持ちを伝える“挨拶ディスプレイ”

他人に挨拶をする行為は、エリック・バーンの交流分析の『時間の構造化』において、『儀式(儀礼)』という行為類型に分類されます。交流分析では他者とのコミュニケーションの目的を『ストローク(stroke)の獲得』としていますが、ストロークというのは他者から自分の存在を認められる情緒的・生物学的な刺激のことです。 ストロークには“肯定・賞…
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リリエンフェルド『臨床心理学における科学と疑似科学』の書評2:科学的な心理療法研究の概略

S・O・リリエンフェルドの『臨床心理学の科学と疑似科学』では、特定の精神障害の客観的な実在性や診断の妥当性、因果論的な分析、症状の影響の範囲についても考察されていて、特に第5章では解離性同一性障害(多重人格障害)の研究の解説に力を入れています。第9章の『心的外傷後ストレス障害(PTSD)の新奇で論争となっている療法』では、PTSDに伴う…
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リリエンフェルド『臨床心理学における科学と疑似科学』の書評1:症候群の認定と法的責任の変化

臨床心理学における『理論仮説・心理アセスメントの科学的客観性』は、心理学者・精神科医・精神保健専門家・行動科学者の証言の真実性や有効性とも関係していますが、リリエンフェルドの『臨床心理学における科学と疑似科学』の『第4章 専門家証言の科学と疑似科学』では裁判における心理専門家の証言の有効性・許容性についての検証が為されています。 …
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