佐藤賢一『小説フランス革命Ⅱ バスティーユの陥落』の書評2:人権宣言と憲法制定で紛糾する議会

武装蜂起の英雄に瞬時に担ぎ上げられたカミーユ・デムーランは、パリ市民に対して『武器をとれ』と呼びかけたものの、実際には正規の軍隊に敵対して戦えるような小銃・火器などの武器はほとんど無かった。『武装』といっても実際には、家庭にある包丁やナイフ、農具などを持ってきているだけだったり、軍隊に投げつけるために拾った瓦礫(石つぶて)を集めているだ…
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佐藤賢一『小説フランス革命Ⅱ バスティーユの陥落』の書評1:第三身分の市民の武装蜂起

西欧諸国に自由化・民主化をもたらす起爆剤となった『1789年のフランス革命』を題材にして書かれた佐藤賢一氏の小説である。フランス革命に主要な役割を果たした人物たちの心理描写が実に繊細で迫真的に描かれており、特に、自己の臆病と卑屈を乗り越えて『民衆の武装蜂起』を指導する青年弁護士カミーユ・デムーランの感情の揺れや興奮の高ぶりを書き記す滑ら…
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Google Ad Plannerのサイト解析機能,Android搭載のグーグル携帯HT-03A

Googleが、広告主が『広告を出稿しようとするウェブサイト』のアクセスデータを解析できる“Google Ad Planner”というサービスを日本でも使えるようにしたみたいです。アメリカでは2008年6月頃から使えたサービスですが、広告出稿先の候補となるウェブサイトのURLを入力するだけで、そのサイトのPV(ページビュー)やUU(ユニ…
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韓国の盧武鉉前大統領の不正資金疑惑と自殺,北朝鮮の危機演出外交としての『核実験』について

ネット民主主義の台頭や若年層の支持などで韓国の政治のトップにまで上り詰めた盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が、自宅近くの山から転落して死亡したが、側近の証言や遺書が残されていたことから自殺と見られている。盧武鉉前大統領の自殺の原因は遺書には直接書かれていないが、現在の李明博(イミョンバク)政権の指揮下で最高検察庁は、盧武鉉氏の在任時の『不…
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S.フロイトの“エディプス・コンプレックス”とM.クラインの“原始的防衛機制”に基づく発達的な病因論

『前回の記事』では、S.フロイトの無意識概念に基づく精神分析の病因論と作用機序を考えてみたが、精神分析の病理学の特徴はエミール・クレペリンの生物学主義を否定して『精神症状の心理学的意味(欲求の抑圧のメカニズム)』を探求したところにある。フロイトは『偶然の産物・脳神経系の機能異常』に過ぎないとも解釈できる『失錯行為・夢・神経症(精神疾患)…
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S.フロイトの精神分析における“無意識の原因論”と“欠如した物語性の回復”:幼少期記憶の位置づけ

S.フロイトの精神分析は神経症(精神疾患)の原因論として『幼児期のトラウマ・抑圧されたエス(本能的衝動)』を仮定し、夢分析や自由連想といった技法は、それらの否定的な記憶・感情の想起(言語化)を目指すものである。抵抗や苦痛があって自分では思い出すことができなかった『無意識の内容』を意識化(言語化)することによって、心身症状が軽減・回復する…
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吉本隆明『超恋愛論』の書評:現実の生活・役割を超えた「終わらない理想の恋愛」は可能か?

吉本隆明の古くて新しい恋愛論で、『文明・文学の進歩水準(欧米と近代日本のズレ・近似)』に焦点を合わせた味わいのある語り口が軽妙である。『恋愛・結婚・家族・子育て・三角関係』などのテーマを経験に裏打ちされた自在な姿勢で論じているのだが、その内容・意見は一読すると極めて保守的でスタンダードな響き、純愛的な一夫一婦制を必然とする流れを持つよう…
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村上龍『半島を出よ 上下』の書評

村上龍の大部の長編小説だが、北朝鮮の特殊部隊である『高麗遠征軍(こうらいえんせいぐん)』が近未来(2011年)の日本に解決困難なテロリズムを仕掛けてくるという政治サスペンスである。北朝鮮のミサイル実験や核開発問題などを考慮するとタイムリーな物語設定であるが、北朝鮮の兵士ひとりひとりの人物像と心の揺れの詳細な描写により、単純な勧善懲悪の筋…
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勝間和代『会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く』の書評:終身雇用制の問題とリスク教育

『会社に人生を預けるな』という刺激的なタイトルであるが、本書の主題は自分の人生のリスクを主体的に引き受けてコントロールすることによって、『不確実な未来』に備えることにある。個人も会社も国家も『不確実な未来』に向かうベクトル上にあるリスクに恐怖して、リスクを『回避すべき危険』としか認識していないが、リスクは『不可避な危険』であると同時に、…
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“不況による雇用悪化・生活苦・うつ病”などの影響で30代の自殺者が増加。うつ病原因論の問題点

世界同時不況が拡散した昨年から非常に厳しい経済情勢と将来不安が続いていることもあり、2008年の自殺者(警視庁発表)は前年より844人(2.6%)減ったものの、11年連続で3万人超の自殺を出すことになってしまった。 自殺者の年齢別集計を見ると、数が多い順に50代(6363人)、60代(5735人)、40代(4970人)、30代(4…
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鳩山由紀夫と岡田克也の民主党代表選挙と民主党・政策方針のオルタナティブ性:公開討論の雑感

政権交代が実現すれば次期首相の座が約束されていた小沢一郎・前民主党代表が、西松建設からの不正献金問題で辞任を余儀なくされ、民主党の支持率がやや低下した。当初は無意味なバラマキと批判された麻生政権の『定額給付金』もいざ支給されてみると、支給を喜ぶ国民の声は少なくなく、自公政権の支持率は盛り返しの動きを見せている。 麻生政権は緊急景気…
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エリック・バーンの交流分析と人生脚本(基本的な構え):不快なラケット感情を繰り返し受け取る“ゲーム”

アメリカの精神科医エリック・バーン(1910-1970)が創始した『交流分析(TA:Transactional Analysis)』は精神分析の簡易版といわれますが、人間の性格特性やコミュニケーション・パターンを分析するために役立つ技法です。交流分析は人間の精神構造を3つの自我状態(P・A・C)に分けて分析する性格テストの『エゴグラム(…
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塩野七生『ローマ亡き後の地中海世界・上』の書評2:救出修道会と救出騎士団による奴隷解放事業

軍事的・経済的に強大な国家・都市国家が存在しなくなった中世前期は、誰もヨーロッパ世界の防衛と安全に責任を負うことが出来なくなった時代であり、『キリスト教文明圏の弱体』と『イスラム教文明圏の攻勢』のコントラストが際立った時代でもある。ムハンマド(マホメット,570-632)が創始したイスラーム(イスラム教)の布教速度は驚異的なスピードを持…
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塩野七生『ローマ亡き後の地中海世界・上』の書評1:イスラーム圏の拡大とサラセン人の海賊業の猛威

法秩序に基づくリアル・ポリティクスを追求して広大な世界帝国を建設したローマ帝国だが、4世紀以降は人口減少・農業経済の衰退・元老院の腐敗・キリスト教の浸透(ローマン・アイデンティティの喪失)などによって国家防衛の機能を大きく減退させ、『ゲルマン民族の大移動(傭兵隊長オドアケルの侵略)』によって476年に西ローマ帝国は崩壊した。ローマ帝国が…
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“個性と職業のマッチング”を超える“キャリア設計の個別化”を支援するキャリアカウンセリング

『前回の記事』の続きになるが、かなりの割合の人は『横方向のキャリア(転職・転業)』に昇進の幅に上限がある『縦方向のキャリア(小規模組織での昇進)』を組み合わせていくか、『横方向のキャリア』でフリーターやフリーランス(自営業者)、法人の経営者になって独自のニッチ(市場適応できる地位)を模索することになる。 労働市場に強い競争原理が働…
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“Googleブック検索”と著作権問題,SNSなど交流サイト(コミュニティサイト)と未成年者保護

Googleブック検索は世界中のあらゆる書籍・出版物をスキャンして検索可能にするという壮大な計画であり、国家・言語の枠組みを超越する電子図書館プロジェクトにもつながるものですが、日本では既存の著作権との間でコンフリクトを起こしているようです。アメリカではGoogleのブック検索(図書館プロジェクト)が大規模な著作権侵害に当たるとして『集…
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子どもに愛情を感じる“生得的本能”と子どもの育児方針(養育態度・虐待リスク)に影響する“モデル学習”

母親と父親は、『子どもの安全と健康』に最大限の配慮をするのが当たり前という社会的認識は相当に強く、子どもを虐待するという行為は極めて特殊でイレギュラーなことだと思われています。そのため、子どもを虐待する親は『一般的・平均的な親』とは異なる特別な性格や背景を持った親と見なされやすく、『児童虐待』は大多数の親とは無関係な遠い場所で起こってい…
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