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zoom RSS “個性と職業のマッチング”を超える“キャリア設計の個別化”を支援するキャリアカウンセリング

<<   作成日時 : 2009/05/05 00:35   >>

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『前回の記事』の続きになるが、かなりの割合の人は『横方向のキャリア(転職・転業)』に昇進の幅に上限がある『縦方向のキャリア(小規模組織での昇進)』を組み合わせていくか、『横方向のキャリア』でフリーターやフリーランス(自営業者)、法人の経営者になって独自のニッチ(市場適応できる地位)を模索することになる。

労働市場に強い競争原理が働いて『人材の流動性』が高いアメリカでは、優秀な人材ほど『横方向のキャリア(転職・ヘッドハンティング)』を『昇給・昇格・やりたい仕事』に上手く利用しているケースがあるが、日本の労働市場では転職を重ねる『横方向のキャリア』が今よりも良い労働待遇につながることは少ないと言えるだろう。

その意味では、流動性の低い日本の労働市場では、まだまだ終身雇用に近い大組織(官庁)の『縦方向のキャリア』のほうが適応度が高いし、ごく一部の極めて有能で実績のある人材を除いて『横方向のキャリア』を自分の職位・所得に有利な方向で活用していくことは難しいのである。キャリアカウンセリングには様々な役割が期待されるが、その役割の一つが『横方向の解雇・転職のキャリアの不利益』を最小化して、教育訓練やキャリアデザイン、モチベーション向上、心理的ケアの効果を最大限に引き出し、納得できるキャリアにつなげることである。

従来の終身雇用(長期雇用)を前提に置くキャリアカウンセリング(キャリアガイダンス)は、『学校から職業への移行の支援(初めての職業選択と職場適応)』がメインとなっていたが、現在では『失業・無業から最適応(転職)への移行の支援』『職業(仕事)から職業(仕事)へのステップアップの支援』も大きな課題となっている。不安定化する雇用情勢・企業活動の中で、『自由な仕事(職業)の選択』『経済生活や人生設計の自己責任』がセットとして語られることが多くなっているが、企業福祉や雇用保障、職業経験(職務履歴)の欠損を埋めるためには、『個人の努力・意志決定・キャリアカウンセリング』だけではなくて、『行政サイドの社会的セーフティネットや教育訓練・職業研修の支援』も必要である。

『市場経済・企業経営(雇用環境)・景気状況の変化』に対して適応していく役割や責任が『企業(所属組織)』から『個人』へと移行してきているが、職業カウンセリングを創始したフランク・パーソンズは円滑な職業選択や転職の成功の要因として以下の3つを挙げていた。

1.適性・能力・興味・リソースなどの自己理解

2.就業を目指す職業(仕事)についての知識・条件・利点(報酬)など客観的知識

3.上の『自己理解』と『職業についての客観的知識』のマッチングの推論

キャリアカウンセリングでは古典的な職業カウンセリングの『個性と職業のマッチング』に加えて、『能力開発(自己啓発)・コーチング・ネットワーキング・キャリア学習(キャリア教育)・カウンセリング技法』などが利用されることになる。

そういった各種の技法を活用しながら、クライエントの『自己決定・進路選択(職業選択)・職場適応・人間関係・ストレスマネージメント』を効果的かつ実用的に支援していくのであるが、その理論的基盤には、20世紀後半のクライツやスーパーに代表されるキャリア発達(キャリア行動)の心理学がある。

『個人の特性(能力・適性・興味・意欲・持続力)』と『職業の特性』とのマッチングには、特性因子論や類型論のような性格心理学の成果が職業適性検査などに応用されている。動機づけや功利主義的判断(合理的な損得勘定)、労働規範の内面化、職業についての情報によって、自分にとって納得できる職業上の意志決定が可能になるという『意思決定論』からのアプローチもあるが、ジェラットは社会的な行動選択の“曖昧性・リスク・不確実性”を受け容れて実際に行動することで適応性が高まるとしている。キャリア選択にかかわる意志決定の具体的プロセスについては、クルンボルツが以下の7段階を挙げている。

1.重要で必要な意志決定場面の選定。

2.現実的に対処可能な課題目標の設定。

3.自己観察や環境観察の経験・知識を一般化して、現実的な自分の課題に役立てる。

4.キャリアの選択肢をできるだけ広げる。

5.各選択肢についてのメリット・デメリット・可能性・リスクなどの情報収集。

6.信頼できる正確な情報リソースを選択する。

7.選択した項目を実行に移す。

キャリア発達とは『選択‐適応‐不適応‐再適応のプロセス』を漸進的に繰り返していくことだと解釈することができ、各発達段階において社会的・経済的・対人的な不利益(障壁)を乗り越えながら、『自分にとっての価値の実現・人生の充実』を促進することを目指すのである。

広義のキャリアと人間個人は密接不可分であり、『職業活動(仕事)・人間関係(家族,異性,友人)・経済活動(消費)・余暇(学習,娯楽)・承認を通した自分固有の生き方の選択の連続』がそのまま個人のキャリアの形成や人生の喜怒哀楽につながることを忘れないようにしたい。






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人間はどうして働くのか?2:自発的に働くモチベーションや意味を規定するパースペクティブ
過去の戦争の勝者の血筋や宗教的権威の利用者である『労働しない貴族・僧侶・武装階級が支配する旧体制(アンシャンレジーム)』は労働者・ブルジョワを含む新興市民階級によって転覆されることになり、豊かな商品市場経済や消費文明を生産活動(労働現場)の土台で支える『労働する者が主役になる社会』が近代において突如として出現したのである。 ...続きを見る
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2009/12/20 05:08

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