優劣判断される“能力面の個性”と価値判断されない“人格面の個性”:理想自我と現実認識のバランス

『個性教育・個性尊重』と『社会適応・職業選択』のバランスについては、「過去の記事」で掘り下げて書いたことがあるのですが、『個性』に関連したエントリーについて読んだので個性と適応性について補足的に考えてみたいと思います。 『使えない個性は、要らない個性。』[シロクマの屑籠(汎適所属)] ”個性”の解釈の問題なのだと思います…
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島田荘司『帝都衛星軌道・ジャングルの虫たち』の書評:妻の突然の失踪を巡る謎と夫の絶望からの回復

それまで女性に全く縁が無かった信用金庫に勤める銀行マン紺野貞三(こんのていぞう)が、行き着けの定食屋『ひょっとこ』で見初めた美砂子(みさこ)にダメ元で声を掛けてデートに誘い、あっさりとOKを貰う。風采が上がらない真面目だけが取り得の紺野貞三だったが、堅い安定した仕事をしているだけに、お見合いの話は両親や上司から何度も舞い込んでいた。しか…
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青年期のモラトリアムや中年期のアイデンティティの危機と関連するアパシー・シンドローム(選択的退却)

仕事・学問といった『本業』に対する意欲(やる気)が大幅に低下しているのに、趣味・アルバイトといった『副業』に対してだけは活動的に振る舞えるという“選択的退却”の問題があります。退却神経症とアパシーについては『仕事中だけ鬱になる“新型うつ病”』の記事で詳しく考察しましたが、退却神経症は発達段階(年齢・社会的役割)によって『青年期のモラトリ…
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電車・バスの中における携帯電話の通話はどうして迷惑に感じるのか?儀礼的無関心とマナー違反

前回の記事で書いた『迷惑』というのも、『自分がして欲しくないことを、他人にしてはいけない』という風に理解するだけでは、『自分がされても構わないこと』が『相手にとっての迷惑行為』になる可能性がある。こういった迷惑行為に対する認識の違いというのは、知らない他者が集まって形成する『公共空間(道路・電車・バス・公園・図書館・病院の待合室など)』…
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絶対王政・幕藩体制による“平和な社会”の実現と戦士階級(武士階級)の支配の揺らぎ:戦闘と労働の義務

前回の記事の続きになるが、近代産業社会では仏教世界のパラダイムにおける『悟り・解脱』などには一銭の価値もないと見なされ、キリスト教世界で世俗の経済生活からひきこもっていた修道院も批判に晒されることになった。寺院に篭もって仏教の学問や修行を禁欲的に死ぬまで続けたり、俗世の欲望を捨てて布施を求める乞食坊主になられることは、国家・産業社会にと…
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なぜ人は“性”と“金銭”に対して特別な『両価性(尊重・侮蔑)』を感じるのか?銭ゲバと売買春の道徳判断

まなめはうすのニュースで、『売春がいけない理由』という記事を読んだが、売買春がどうして道徳的に否定されやすいかの理由には大きく分けて4つの観点があると考える。いずれにしても売春は被害者のない犯罪と称されることがあるように、個人対個人の関係性においては『道徳的な悪性・生理的な嫌悪』を必ずしも生じさせるものではなく、“社会的な評価・他者のま…
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G7で景気対策・雇用創出の共同声明、アメリカでも景気対策法案が可決:保護主義の誘惑と日本経済の課題

日米欧のGDPがマイナス成長に転じることになり、世界経済の急速な悪化(金融危機・需要減速・雇用減少)は深刻さの度合いを増している。主要企業の業績の落ち込みを受けて、各国が自国産業と雇用を守るために関税障壁を高くして輸入規制を強化する『保護主義』を発動する懸念も依然として残っている。保護主義は自由貿易と対置する経済政策であり、外国の輸入品…
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景気悪化・雇用調整による自殺リスクの問題:自殺予防対策につながる社会の相互扶助と他者への共感性

世界的な景気悪化・雇用調整で、派遣社員の『派遣切り』や正社員のリストラが続いており、今年前半に製造業を中心として数十万人以上の人が現在の仕事(職業)を失うと見られています。ほとんどの人は企業で働いて得る労働所得(毎月の給与)によって生計を得ているわけですから、失業して仕事(収入)が無くなるということは下手をすれば生死に関わる問題でもあり…
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A.エリスのABCDE理論のモデルと“不快な気分・苦痛な感情”を改善する合理的信念の効果・特徴

認知療法を参照した『怒りの感情』のコントロールでは、『怒りの発生原因』と『他者への要求・報復』に着目して自分の情動的な怒りを自発的にコントロールすることを目標にしました。アルバート・エリスの論理情動行動療法(REBT)の『ABCDEモデル』やアーロン・ベックのうつ病の心理療法に応用される『認知理論(抑うつスキーマ・モデル)』では、『客観…
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6月の薬事法改正による一般用医薬品(OTC)のネット販売・通信販売の規制論議について

厚生労働省が6月の改正薬事法施行に向けて、一般用医薬品(大衆薬:OTC)のインターネット販売を規制する内容の省令を公布したことで、規制の是非や範囲を巡って議論が起こっています。薬事法改正では今までの規制緩和の流れが見直されることとなり、一般用医薬品のリスクによって3つのカテゴリーに分類し、『第1類(H2ブロッカーの胃腸薬・循環器系にリス…
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伊坂幸太郎『砂漠』の書評:『砂漠(現実社会)』へと乗り出していく大学生たちのモラトリアムの思い出

5人の大学生のモラトリアムの期間と友情・恋愛のプロセスをテーマにした小説ですが、いかにもありそうな人間関係の展開と各場面のエピソードが、上手く学生生活や恋愛関係のリアリティを浮き立たせています。伊坂幸太郎という作家は、日常的な人間の行動や発言を『小説の表現』に自然に乗せることがかなり上手いと感じますが、『砂漠』では主人公の北村の『冷めて…
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童門冬二『妖怪といわれた男 鳥居耀蔵』の書評

水野忠邦(1794-1851)の復古的な『天保の改革』に己の人生のすべてを捧げて歴史の狭間に散った幕閣・鳥居耀蔵(とりいようぞう,1796-1873)の伝記小説。耀蔵の“耀(よう)”と甲斐守の“甲斐(かい)”の音を合わせて『妖怪』の異名を取ったとされる鳥居耀蔵は、江戸南町奉行・目付として市中の厳しい風紀粛清・文化統制を行い、改革方針に逆…
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ビジネス化・マニュアル化されたサービスの気楽さと『他者の贈与』を受け取ることで得られる人間関係の喜び

前回の記事の続きになるが、丁寧な個別的接客のない『小売業(スーパー・コンビニ・ファストフード・ファミレス)』では、自分が『特定の個人』として認識されない『匿名空間の気楽さ・サービス提供(商品購入)のスピーディーさ』そのものが市場価値になっている部分がある。こういった場所では大半の人が店員と個人的関係を築きたいとは思っていないし、マニュア…
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『他人に何かをして貰うこと(贈与-返報)』の負債感の増大と経済取引に求められるサービス・人間関係の質

今の日本でもっとも共有性の高い道徳規範は『他人に迷惑を掛けてはいけない』というものであり、これは『己の欲せざるところ、人に施すことなかれ』という儒教道徳にもつながっている。『他人の喜ぶことをして上げなさい・他人が求めるものを与えなさい』というのも説得力のある道徳規範であるが、こちらは『他人に迷惑を掛けてはいけない』という消極的な道徳より…
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小中学校への携帯電話の持ち込みが原則禁止に。ウェブリテラシー・情報倫理・ネットいじめへの対応

文部科学省の塩谷文科相は1月30日に、全国の教育委員会などに『小中学校への携帯電話の持ち込み』を原則禁止するという通知を出しましたが、既に昨年の12月1日の段階で公立の小学校で94%、中学校で99%が持ち込みを原則禁止にしています。この義務教育段階の子どもが学校へ携帯電話の端末を持ち込んでも良いのかという問題は、ケータイでアクセスするウ…
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