“社会適応”と“個性教育”を目的とする学校教育の問題点1:個性的であることへの欲求と逸脱行動

現代社会には“普通であること”と“特別であること”という二つの価値基準があり、学校教育では規律訓練によって『(個性を抑制した)普通の生徒』へと教育しようとする一方で、長所や利点を伸ばす個性教育によって『個性的な生徒』を生み出そうとする。人間には『無個性な主体として集団に適応したい』という欲求と『個性的な主体として集団の中で目立ちたい』と…
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麻生内閣発足についての雑感:大幅な財政出動による景気対策の問題と暫定的な選挙管理内閣

ねじれ国会の運営に行き詰まった福田首相の辞任を受けて自民党総裁選が行われ、圧勝で総裁に選出された麻生太郎幹事長(68)が第92代首相に任命された。麻生首相は漫画・アニメに代表されるオタク文化や秋葉原に関心を持っていることがクローズアップされたこともありネット界隈での支持率は高そうだが、経済政策に関しては小泉-安倍の構造改革路線(緊縮財政…
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コミュニティの流動性と学校環境におけるいじめ問題:集団活動の本来の目的からの逸脱と優越欲求

学校・職場などにおける『いじめの問題』については、過去の記事でも何度か取り上げてきましたが、いじめとは『異質性を排除しようとする集団力学』に基づいて発生する現象です。いじめは、特定の集団内において暴力・嫌がらせ・侮辱・からかいなどを伴う『擬似的な階層序列(上下関係)』を作り出しますが、いじめが激しくなるか弱まるかは頻度依存的(数的優位性…
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村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』の書評:“走ること”と“書くこと”を継続する原動力

村上春樹が『書く人』であることに加えて『走る人』であることを初めて知った。本書は、村上春樹が『走ること』について語りながら、自分の私生活と執筆にまつわる事柄を率直に振り返っている日記形式の随筆である。自叙伝的に村上が自分の人生と執筆のあらましをラフな言葉で語っていくのであるが、村上の私生活と作家活動の根底にはフィジカルに走り続けるという…
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パラノイア(妄想症)の特徴とジャック・ラカンの『エメの症例』に見る自罰パラノイア・理想自我の投影

統合失調症の陽性症状(妄想・幻覚)と混同されやすい精神疾患に『パラノイア(paranoia, 妄想症・偏執症)』がありますが、近代精神医学のテキストや精神分析の臨床事例で頻繁に用いられていたこのパラノイアという疾病概念は最近では用いられることが殆どなくなっています。その理由の一つは、統合失調症であれパラノイアであれ妄想症状に対する標準療…
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リーマン・ブラザーズの経営破綻とアメリカ金融の業界再編:複雑化・高度化する金融商品と金融危機のリスク

アメリカで第四位の規模を持つ大手証券会社リーマン・ブラザーズが経営破綻し、総計63兆円とも言われる単独企業としては史上空前の負債を残して倒産することになった。数年前まではアメリカ金融経済の中核を担う伝統ある証券会社の一つとして、飛ぶ鳥を落とす勢いであったリーマン・ブラザーズだが、経営破綻に際してアメリカ政府も民間金融会社も救済の手を差し…
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19世紀的な古典的自由主義に基づく“夜警国家”と20世紀的なリベラリズムに基づく“福祉国家”

資本主義に関する記事の続きになりますが、『(神の)見えざる手』が市場経済に働いて個人の利益(利己的欲求)の追求が社会公共の利益を増進させるというアダム・スミスが用いた『資本論』のメタファーはマンデヴィルの影響を受けていると言われます。古典派経済学の祖とされるアダム・スミスは、『市場経済の効率性』を主張して『国家(政府)の市場経済への介入…
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近代的な労働規範・社会保障制度とホームレスやニートに対する排除意識の問題:ファシズムと民主主義

社会保障制度を備えた資本主義社会において、ホームレスやニート(NEET)といった働いていないように見える人たちに対する偏見や差別の感情は一定の割合で起こり得る。そのネガティブな感情は、労働を苦役を伴う義務とする認識や税金の負担者と受益者が異なるという不公正感、国家財政を逼迫する福祉予算に対する危機感などに根ざしているものと考えることがで…
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ピエール・ジャネの精神衰弱概念と不安障害・強迫性障害につながるパーソナリティ特性

S.フロイト(1867-1939)が創始した精神分析は神経症(neurosis)を主要な研究対象とし、“不安・恐怖・強迫観念・ヒステリー”という感情の病理性を自我防衛機制との相関で考えました。特定の対象に対する明確な恐れを感じる“恐怖”と不特定の対象に対する曖昧な恐れを感じる“不安”の大きな違いの一つは、『将来に対する不安・自分の能力に…
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J.バビンスキーの“無意識的な観念”の作用と認知療法の“認知の歪み”の変容:抑圧による病理形成

自己暗示として機能する『無意識的な観念・思考』が『身体的な行動(反応・症状)』や『感情・気分の変化』を生み出すというバビンスキーのアイデアは、アルバート・エリスのABC理論やアーロン・ベックの認知療法(認知理論)にもつながっていく画期的な基本図式を含むものでした。前回の記事で書いたように、バビンスキーは日々抱いている意識的な観念・思考が…
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桐野夏生『グロテスク』の書評:2

第6章『発酵と腐敗』では、名門のQ女子高を卒業して東大医学部に進んだ秀才ミツルの人生の挫折と、Q女子高を退学したユリコと斡旋役の木島高志のその後の転落について語られるが、年齢を重ねるにつれて人間の悪い部分や醜い要素が強調されるという意味での『発酵と腐敗』は本書全体を暗喩するメタファーでもある。あらゆる男を誘惑する完成された美貌を持ち自由…
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桐野夏生『グロテスク』の書評:1

『グロテスク』は、スイス人の父親と日本人の母親から生まれた対照的な容姿と性格を持つ二人の姉妹、姉の“わたし”と妹の“ユリコ(百合子)”を巡る小説で、そこに勤勉な垢抜けない同級生の“佐藤和恵”と学校一の秀才で東大医学部に進んだ“ミツル”のエピソードが加わってくる。第1章『子供想像図』と第2章『裸子植物群』では、P区役所のアルバイトをする“…
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千利休の茶の湯(茶道)の精神と豊臣秀吉の勘気に潜むもの:和風文化の原型を形作った東山文化

日本国王としての権勢を強めた義満の時代に豪華絢爛・華美典雅を特徴とする北山文化が花開き、将軍としての指導力を殆ど発揮できなかった義政の時代に侘び寂び(わびさび)・幽玄枯淡を特徴とする東山文化が成熟したのは興味深い。豪奢な鹿苑寺(金閣寺)と風流な慈照寺(銀閣寺)の建築物の外観の対照は鮮やかであり、義政の東山文化の潮流の中で和(日本)の文化…
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Googleのブラウザ“Chrome”を使ってみた感想:シンプルなUI設計とスクリプトの高速処理

前日の記事で、Googleが開発したブラウザのChrome(クローム)について書きましたが、先ほどダウンロードして実際に使ってみました。Chromeは初心者でも直感的に使いやすい“シンプルなデザイン”と“スマートな機能”を備えたブラウザであり、余計なボタンやメニューなどの表示を大胆に排除したことで“ウェブサイトの表示領域”が格段に大きく…
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Googleが開発したオープンソースのブラウザ“Chrome(クローム)”が間もなく公開か?

Googleがオープンソース対応のブラウザ“Chrome(クローム)”を開発して、米国時間の2日から100ヶ国以上で無償提供を開始する予定になっています。OSのWindowsと抱き合わせになっているMicrosoftのIE7(Internet Explorer6,7)のシェアを切り崩すことは容易ではないですが、Firefox(Mozil…
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仕事中だけ鬱になるという“新型うつ病”についての雑感2:退却神経症とアパシーを巡る労働意欲の問題

前回の記事の続きになりますが、職場・仕事・人間関係の精神的ストレスが抑うつ感や意欲減退の原因になっているのであれば、基本的な対策としては『ストレスを消極的に回避する』か『ストレスに積極的に対処する』かのどちらかになってきます。精神的ストレスを低減させる本人の否定的認知の修正やコミュニケーション内容の改善と合わせて、周囲の上司や同僚の協力…
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仕事中だけ鬱になるという“新型うつ病”についての雑感1:一般的なうつ病とストレス反応の異同

8月初めに仕事中だけに抑うつ感や無気力などうつ病の精神症状が出て、帰宅後や休日には活発に行動できるようになるという“新型うつ病(メディアの通称)”が話題になっていましたが、精神的ストレスの強い状況や活動だけに反応して精神症状が発症するというストレス反応性障害は何十年も前からあります。重症度の高い精神病である“うつ病(気分障害)”という疾…
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