世俗と宗教の“ダブルスタンダード(二重基準)”によって支えられた前近代の秩序と近代国家の政教分離原則

過去の記事では、孔孟思想と老荘思想の違いについて考えましたが、儒教とはアニミズム(精霊信仰)と祖先崇拝から派生した一つの宗教であり、基本的には『今よりも昔を尊ぶ』という保守的な伝統復古の教えです。近代日本では儒教道徳(忠孝・仁義の徳)が大きな力を持った時期もありましたが、孔子という個人が創始した思想体系に過ぎないので、逐語的に『論語』や…
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本田直之『レバレッジ・リーディング』の書評

読書には人それぞれのスタイルがあり、『読書をする目的』によって最適な読書スタイルは変わってきます。読書スタイルは読むスピードや読解の丁寧さ、一冊の本への愛着によって『精読・速読・多読・濫読・愛読(再読)』などに分かれてきますが、一般的には、学習活動や知識習得を目的にする読書では一つ一つの項目を正確に理解していく精読が良いとされています。…
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自殺を“個人の問題”に還元しない自殺対策と自由主義社会におけるアトミズム(個人化)の問題:2

他人からの干渉を排除して、自分が選好する最低限の相手とだけ付き合えば良い自由主義の価値観は、他人の援助を必要としないほどに心身が健康な個人、一定の経済力がある個人にとってはそれ以上ない最高の価値観ですが、当然、行き過ぎた自由主義と個人主義には幾つかの副作用が生まれてきます。 自由主義の原則は『他人の自由や権利を侵害しない限り、自分…
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自殺を“個人の問題”に還元しない自殺対策と自由主義社会におけるアトミズム(個人化)の問題:1

現代日本のメンタルヘルス(精神保健福祉)の喫緊の課題として年間約3万人にものぼる『自殺対策』の問題がありますが、最悪の結果である自殺を予防し抑止する為には『公的な支援・専門的な支援・個人的な支援』の三者をバランスよく統合して自殺志願者の生への意欲を強化していく必要性があります。意識的・病理的な自殺という行動は、高度な自己概念と自尊心、複…
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ブログでコンテンツを公開する魅力と遠い未来におけるブログのストックの行方

前回からの続きになりますが、今回の広告表示に関する変更についてぼんやり思ったのは、『ブログの成長率の鈍化とブログのアクティブ率の低下』ということであり、無料ブログサービスのユーザ数が現状以上に増加する可能性が小さくなったのだろうということです。まだ団塊世代の大量退職後のブログブームの可能性というのも残ってはいますが、10代後半~30代の…
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ウェブリブログのサービス会員への広告追加とブログのアクティブ率(更新頻度)の低下

ウェブリブログ事務局のブログに『サービス会員の皆様へ 「広告追加のお知らせ」』という記事が10月1日に掲載され、10月22日からそれまで広告が表示されていなかった『サービス会員(BIGLOBEのプロバイダ利用者)』のブログにも、一定の条件付きで広告が掲載されるようになりました。 光ファイバーやADSLなど有料のプロバイダサービスを…
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ジェームズ・ワトソンの不用意な発言と自然科学が非科学的な“人種”にこだわることの政治的・人道的問題

DNAの二重螺旋構造を発見した功績で、フランシス・クリックと共にノーベル医学・生理学賞(1962)を受賞した米コールド・スプリング・ハーバー研究所会長のジェームズ・ワトソン博士(79)が、『人種による知能格差』に言及したことで話題になっています。既に自分の落ち度を認めたワトソン博士は謝罪を済ませていますが、『黒人は知能で白人に劣る』とい…
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特定電子メール送信適正化法の改正で迷惑メールは減るか?カスタマイズ可能な“Google モバイル”

読売新聞の社説に、スパムメール規制の法改正に関する記事がありました。パソコンではGoogleのGmailをメインに使って、ケータイではパソコンからのメールを受信拒否にしているのですが、今のところ、これで迷惑メール(SPAMメール)の8割方は防ぐことが出来ています。個人的には迷惑メールによって日常の業務が支障されたり、詐欺的なウェブサイト…
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平野啓一郎『葬送 第二部』の書評2:ショパンとドラクロワの「制作への没頭」と「死」のメタファー

前回の記事で『創作と時間間隔』について書いたが、芸術や執筆、創作といった活動の本質は『孤独に耐え得る力』ではないかと思う。実際に相手に会うか会わないかに左右されない『他者との想像的なつながり』を信じられる相手でないと、創作・思索の狂気に耽溺する芸術家(思索家)との人間関係に不信や不快を感じてしまうだろう。本作におけるショパンとドラクロワ…
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平野啓一郎『葬送 第二部』の書評1:終わりなき「制作」に取り組む芸術家たちの生

『葬送 第二部』では、第一部の冒頭で描写された『フレデリック・ショパンの葬儀』へと至る悲壮なプロセスが詳細に叙述されていく。繊細な神経を持つ不世出の天才ショパンを絶え間なく苦しめたのは、回復不能な病魔(結核)と彼を見捨てた愛人のジョルジュ・サンド夫人であった。か細い指から至高の音の芸術を創り出すショパンは王侯貴族からその無類の天才をこよ…
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実存主義と『生きる意味・人生の価値』を探求する実存療法(existential therapy):2

ニーチェは、本来的に無意味な『人間の生』に生きる意味や根拠を与えてきた『宗教(神)・道徳・形而上学の虚構性(作為性)』を指摘し、『人間は自分の弱さ(無意味さ)に耐え切れず、自分が創造したものに従属しているに過ぎない』という誰もが目を背けていた身も蓋もない事実を無遠慮に突きつけました。世界を構成する現存在(人間)を超越的に拘束すると信じら…
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実存主義と『生きる意味・人生の価値』を探求する実存療法(existential therapy):1

自分の人生の一回性や歴史性(一貫性)、不可避性を自覚する時に、自己認識の『実存主義的な転換』が起こってきますが、この自己認識の劇的な転換は『自分は、今生きているこの人生以外の人生を生きることはできない』という冷徹な現実認識に基づいています。自分自身の今までの人生を無かったものにして、新生児の段階からもう一度人生をやり直すことはできず、生…
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自己一致と肯定的受容を促進する来談者中心療法と早期母子関係を重視した精神分析理論の問題

『現在の問題の具体的な解決』に焦点を合わせる解決志向アプローチ(解決構築アプローチ)については過去の記事で解説しましたが、解決志向アプローチでは『今までと違った行動や考え方』を選択することで不適応な行動パターン(認知傾向)が改善されていきます。支持療法であるカール・ロジャーズの来談者中心療法(クライアント中心療法)では、カウンセラーの基…
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“生きる意味”を積極的に生み出す『合理的な信念』と“生きる資格の障壁”を生み出す『不合理な信念』

解決構築カウンセリングを始めとする解決的アプローチは、臨床的な精神症状(抑うつ感・不安感・パニック発作・強迫観念など)にも応用可能ですが、日常的な悩みや対人関係(異性関係)の問題、学校や企業への環境不適応、仕事や勉強の能力向上(目標の達成)などありとあらゆる心理社会的問題に行動的レベルから直接的にアプローチできます。何故なら、人間社会の…
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ジェフリー・F・ミラー『恋人選びの心 Ⅰ 性淘汰と人間性の進化』の書評:2

本書『恋人選びの心 Ⅰ』の第3章『脳のランナウェイ進化』では、ロナルド・フィッシャーのランナウェイ過程を脳進化の原動力として多面的に考察していく。男性が『政治的地位(集団内での優位)・経済的豊かさ・創造的知性・芸術的感性』を女性に誇示してディスプレイしやすい脳の形質が、性淘汰のランナウェイ過程を通して発現してきたという話であり、10代後…
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ジェフリー・F・ミラー『恋人選びの心 Ⅰ 性淘汰と人間性の進化』の書評:1

生得的な遺伝要因によって発現する生物学的性差をセックス(sex)といい、後天的な社会文化要因によって発現する社会的性差をジェンダー(gender)というが、本書は、進化生物学の性淘汰(sexual selection, 性選択)の観点からセックスの性分化と繁殖適応度について学術的に考察した本である。20世紀初頭まで多くの生物学者や動物行…
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ユング心理学の“影(シャドウ)”の元型から見る“いじめる人間”のコンプレックス:いじめと笑い

前回の記事の続きになるが、一般的には、高校生くらいの発達年齢になると『個人の発言権の平等性・個人の人格性の尊重』を意識するメンバーが増えて、クラスの中に固定的な階層序列が生まれにくくなりいじめ行動に関心を示す人もほとんどいなくなる。しかし、高校や生徒の気風によっては、頻度依存的な『いじめの娯楽化』の雰囲気が残っていることもあり、金銭目当…
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