ブログでコンテンツを公開する魅力と遠い未来におけるブログのストックの行方

前回からの続きになりますが、今回の広告表示に関する変更についてぼんやり思ったのは、『ブログの成長率の鈍化とブログのアクティブ率の低下』ということであり、無料ブログサービスのユーザ数が現状以上に増加する可能性が小さくなったのだろうということです。まだ団塊世代の大量退職後のブログブームの可能性というのも残ってはいますが、10代後半~30代の若年世代(ウェブでの情報発信・コミュニケーションに興味あり)に限っていえば、『ブログを既に一度は開設したことがある』という人が大半だと思います。

ブログを一回(あるいは複数回)開設して更新してみたが、『ブログに書きたいことがなくなった(ブログに飽きた)・自分の目的や欲求がブログでは満たせない・現実の生活が忙しくなって時間がなくなった・情報発信よりもコミュニケーションがしたかった・時間や労力がかかる割にはメリットが小さい・誹謗中傷や批判などの応答がストレスになる』などの理由によってブログ更新を辞めた人は相当多いと思いますし、その結果として無数の放置ブログが生まれているとも言えます。何回かブログをやってみて、自分は特別に情報発信する内容がなくなったというユーザやブログを書く時間を他のことに使いたいと思ったユーザ、ただ何となくブームに乗ってブログをしただけで面白さが分からなかったというユーザもいると思いますが、実際問題として、(特別な目的や面白さをブログに感じていない限りは)月に1回程度のペースであっても数年間以上にわたってブログを継続するのは大変なことだと思います。

嫌々ながら更新しても決して長くは続けられませんし、義務的にストレスを溜め込みながらブログを書き続けるというのは『苦しむためのブログ』という本末転倒に陥ります。仕事としてブログを書いているという人も少なからずいるとは思いますが、例え仕事であってもやはり何らかの面白さや有意味性をブログ更新に感じていないと、長期的スパンで『読まれるブログ』を継続していくのは難しいでしょう。

『ブログ更新のモチベーション(心理的・経済的インセンティブ)』『ブログ記事のストックに対する価値認識』『ブログでつながった相手とのコミュニケーション』などが個々人のブログ作成者の更新意欲を支えているわけですが、現在では、ブログ以外のより参加が簡単なウェブツールによってそれらの欲求(目的)が満たされるようになってきています。『ブログでなければ実現できないという価値(目的)』は少なくなってきていて、他のツールよりもブログ(サイト)に魅力を感じる要素としては以下のようなものに限られてきています。


1.知人以外の不特定多数に読んでもらえる。

2.検索エンジンにインデックスされる。

3.自分の広告やアフィリエイトを表示できる。

4.「閉じたSNS」ではなく「開いたWWW」に情報を公開できる。

5.SNSや掲示板よりも堅い内容のトピック・アカデミックな解説・時事評論を掘り下げて書きやすい。友人知人が興味をもってくれそうにない話題でも気軽に取り上げられる。


本ブログのような情報発信に軸足を置いたブログのスタイルであれば、やはりSNSよりもブログのほうが適しているわけですが、『友達と気軽におしゃべりしたい・現実の生活の日記を書きたい・個人的なつながりを広げていきたい・公開範囲を制限して安心できる知人にしか読まれたくない』というユーザの場合にはブログは余り適しているとは言えません。そういったユーザの目的や欲求の変化(個別化)を受けて、数年前に起こったブログブームの熱気が『SNSやtwitterをはじめとする各種のコミュニケーションツール』へと分散していったのだと思いますが、これは、『WWWへの情報公開の需要・意欲』『ウェブを介在した友達作り(話し相手作り・異性探し)の需要・意欲』との違いが明確化してきた現れではないかと思います。

ブログユーザ数の増加が頭打ちとなり、各種ブログサービスに停滞感が見られてきたという内容の記事として『ブログサービスの停滞感』(北の大地から送る物欲日記)を読んだのですが、この記事にある『ブログとSNSの二者択一感』というのは確かにあると思います。この記事は、ニュースサイトの『明日は明日の風が吹く』を経由して読ませて頂きましたが、ウェブ内部の話題(トピック)を中心にして色々なジャンルから記事をリンクして紹介してくれるサイトです。一般的な社会人の時間的制約を考えても、ブログを毎日書きながらSNSでも頻繁なコミュニケーションを行うというのはかなり無理がありますし、『個々人がウェブに求める要素』を考えるとブログとSNSの両方を活発に更新するモチベーションというのは湧きにくいと思います。

象徴的な言葉で換言すると、『不特定多数に向けて同一内容を発信するブログ』『特定の知人に向けてオリジナルな内容を発信するメール』の違いとも言えますが、ブログのほうはメールと比較すると、(自分を知らない)多種多様な価値観を持つ他者に開かれているので『反論・批判・誹謗中傷を受ける可能性』が高くなります。その代わりに、メールは一人の相手にだけしか読んで貰えませんが、アクセスが増えてきたブログでは複数の人たちに自分の記事を読んで貰うことができます。また、『過去に書いた記事』を検索エンジンやリンクを介して何度でも読んで貰える可能性があるというのもブログの魅力であり、伝えたい主張や内容がある人にとっては『過去記事の再読性・ストック性』もメリットになっていますね。

最後に、ウェブリブログの広告表示の話題に戻ると、今までコツコツと蓄積してきた『過去記事のストック(コンテンツとパーマネントリンク)』を保全するという意味では、ウェブリブログのブログサービスを長期的に継続して貰う必要性があるわけですから、新たに生まれる広告収益を『トラックバックスパム対策や安定的なシステム運営』だけでなく『今後のブログサービスの長期継続』に役立てて欲しいと思います。ブログを長く続ければ続けるほど過去記事のストックが蓄積するわけですから、10年後、20年後…のブロゴスフィアにおいて課題になってくるのは、何千記事以上の単位で増えてくるブログユーザのコンテンツとURLの保護なのかもしれません。

仮にそういった遠い未来において、利用しているブログサービスが停止されたとすると、記事そのもののバックアップを取っておいても、それを現状のような形で復元するのは相当な手間と労力がかかってしまうでしょうね。また、検索エンジンへの自ブログのインデックスという点では、やはり独自ドメインを取得しておいたほうが安全性は高いと思いますが、独自ドメインを取った放置ブログ(放置サイト)が多いことや、独自ドメインで料金を払わない場合の即時削除のリスクを考えると、意外に無料ブログでのんびりやっている人のほうが長続きしている印象もあります。

いつまで、自分のブログ更新意欲とそのための時間を維持できるのかという問題、独自ドメインを取って飽きてしまった場合の問題などがありますが、数年後、数十年後の未来に、どれくらい自分が読んでいるブログ(サービス事業者)が残っているだろうか、自分はまだブログを書いているだろうかと想像してみるのも面白いですね。長期に更新を継続しているブログユーザになると、自ブログに数千時間を費やしている人も少なくないと思いますから、『遠い未来におけるブログのストックの行方』も気になる部分があります。経営不振によりブログサービスが停止された場合の『過去記事のストックの復元とURLの書き換えにかかる膨大な手間・時間』を考えると、サービス会社(事業者)に安定した収益源を確保してもらうことは非常に大切なことでもあります。


■関連URL
“ブログの継続的な更新”と“ブログの長期的な存続”を支えるもの

ウェブ上のコンテンツを閲覧(活用)される喜びとブログの情報価値のストック化

ブログ(ウェブサイト)のアクセス数の大小と独自ドメインやレンタルサーバの利用

『ブログの量の増大』と『ブログの質の向上』の間にシナジー効果を生み出す事の困難


■書籍紹介
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