特定電子メール送信適正化法の改正で迷惑メールは減るか?カスタマイズ可能な“Google モバイル”

読売新聞の社説に、スパムメール規制の法改正に関する記事がありました。パソコンではGoogleのGmailをメインに使って、ケータイではパソコンからのメールを受信拒否にしているのですが、今のところ、これで迷惑メール(SPAMメール)の8割方は防ぐことが出来ています。個人的には迷惑メールによって日常の業務が支障されたり、詐欺的なウェブサイトに誘導されたりといった被害はまずないのですが、今現在でも迷惑メール(SPAMメール)の送信量や被害は減っていないようです。一般的なウェブユーザが感じる迷惑メールの被害実感というものは分かりませんが、私は3年ほど前くらいが迷惑メールを受け取るピークだったような気がします。現在は、迷惑メールを受信時に排除するフィルタリング機能が高度化されたことや迷惑メールに記載されたURLをクリックする人の数(ウェブ初心者の数)が減少したことなどから、迷惑メールによって何らかの利益を得ようとする『グレーゾーンのビジネスモデル』は下火になっているような印象があります。

今現在は、フィルタリングされる迷惑メールを合わせた『迷惑メールの受信数』は、多くても1日に100件を越えるか越えないかであり、大抵は1日に数十件でその殆どはフィルタリングされます。携帯メール以外を受信しないようにしているケータイのアドレスには一通も迷惑メールが来ませんが、これはケータイ・アドレスをウェブ上に公開せず親しい知人にしか教えていないことが大きな理由でしょう。迷惑メール(SPAMメール)が急増するパターンというのは、ウェブ上にアドレスを公開するか、怪しげなサイト(出会い系サイトや懸賞サイトなど含む)にメールアドレス情報を書き込むかのどちらかだと思いますが、今はサイトやブログにアドレスを公開するだけでは、それほど多くの迷惑メールが送りつけられることは無いのではないかと思います(いや、毎日物凄い数のSPAMが押し寄せてくるという人もいるかもしれませんが)。

とはいえ、ウェブでの情報処理に慣れておらず、『迷惑メールの危険性(送信者の意図・蒙る恐れのある被害)』を十分に理解していない初心者にとっては、迷惑メールは以前としてセキュリティ上の大きな脅威ではあるでしょう。初心者でなくても何らかの興味を惹かれる情報に引きずられて、『各種の詐欺的な手法』にひっかかる可能性がないとは言えません。ワンクリック詐欺などのあからさまな手法にひっかからなくても、ウェブサイトを閲覧するだけで個人情報を抜き取るためのスパイウェアを仕組まれたり、ウイルスに感染したりする危険がありますから『迷惑メール(SPAMメール)規制への要望』は以前として根強くあります。実害を受ける恐れがない人でも、不快な内容や興味のない話題のメールを無差別に送りつけられるだけでも迷惑という人も多いでしょう。

元々、勧誘・販売・詐欺などを目的とした迷惑メール(SPAMメール)送信というのは、何千通送っても1件も利益を生まないというような方法であり、多少の送信量では儲からないからこそ何万通以上の膨大な規模で迷惑メールを送信し続けるわけです。SPAMの送信者の思惑通りに素直にサイトに誘導される不注意なユーザはそうそういないので、一見すると、効率が極めて悪い方法にも見えますが、迷惑メールは何万通送ってもコストはほぼゼロなので『いつかはひっかかる人がいるはず(下手な鉄砲、数打ちゃ当たる)』という信念に支えられて続けられるのでしょう。もしくは、ウイルスやボットに感染させて個人情報を抜き取ったりPCをのっとったりすることが主目的のSPAMメールで、とにかくアクセス(ダウンロード)さえしてくれればいいのかもしれません。

ウェブのトラフィック増大というマクロな視点で見ても、ウェブ上の円滑なメールの送受信を妨げる恐れがあるという問題がありますし、個人の被害というミクロな視点では、ウェブ・リテラシーの低い初心者やセキュリティ意識の弱いユーザが何らかの実害を受けるという問題があります。メール送受信のトラフィックという点では、SPAMメールはメール全体の80%以上を占めており、送信数も一ヶ月に数百億通以上と推計されています。

『迷惑メール(SPAMメール)の被害につながる仕掛け』について考えると、『ワンクリック詐欺(架空請求)・不当請求(請求金額を事前に提示せず法外な金額を請求)・個人情報の抜き取り(IDやパスワードを入手)・ウイルスやボットへの感染・フィッシングサイトへの誘導(ネットバンクやECサイトなどの偽造サイトを作成してクレジットカード・キャッシュカードの暗証番号などを抜き取る)』などがあり、ネットバンクの暗証番号やパスワードを抜き取られたりすると非常に大きな被害を蒙るリスクもあります。最近は、ネットバンクのセキュリティが向上して、物理的な乱数表やワンタイムパスワード(1回しか使えないパスワードの即時発行)によって被害が防ぎやすくはなっているようですが。

送信元のアドレスの多くは偽装されているか、アドレスの表記自体がないようなものもありますが、外部からPCやメーラーを遠隔操作できる『ボットネット(不正プログラム)』に感染して本人の意図とは無関係に自動的に迷惑メールを送信しているケースも多いようです。

無規律な迷惑メール(スパム)の氾濫状況を受けて、総務省の迷惑メール対策研究会は『特定電子メール送信適正化法』を来年に改正する予定ですが、改正されると今までグレーゾーンのビジネスモデルだった『事前承諾のない広告宣伝メールの送信』が全面的に禁止されるようです。スパムメールに対する罰則つきの法規制強化にどれくらいの実効性があるかは疑問ですが、とりあえず法的には『グレーゾーンの宣伝広告メール送信』は出来なくなるということになります。

現在施行されている『特定電子メール送信適正化法』では、『表示義務の条件』を満たしてさえいれば、広告・宣伝目的の『特定電子メール(実質的なスパム)』を相手の事前承諾なく無断で送りつけることが出来るので、それらの表示義務を果たしていればグレーゾーンの広告メールを大規模に頒布することが出来ました。表示義務は以下の4件でメールのタイトルに『未承諾広告※』と書けば宣伝広告メールを無差別に送ることは可能ですが、同法が改正されると『事前にメール受信を許諾した相手』にしか特定電子メールを送れなくなります。


1.特定電子メールである旨
2.当該送信者の氏名又は名称及び住所
3.当該特定電子メールの送信に用いた電子メールアドレス
4.当該送信者の受信用の電子メールアドレス等


とはいえ、現状のスパムの大半には『義務づけられた表示』がなく、送信元アドレスが偽装されているので、特定電子メール送信適正化法には違反している状態です。また、受信者が『特定電子メールの受信を拒否する連絡』をした場合には、事業者が特定電子メールを送ることを禁止するという規定がありますが、実際には、相手に受信拒否の連絡をすると『スパムを送信するアドレス名簿のデータベース』に追加されるだけで逆効果になっています。スパムメールの被害を撲滅する根本的な対応は法的規制だけでは難しいと思いますが、ある程度厳しい罰則と技術的な対処(サーバ側のメール送信容量の規制)、受信者の適切なメール処理(スパムメールのサイトにアクセスしない)を組み合わせて対応していく他はないでしょうね。

罰則強化のみでは膨大無数なスパムメール業者を駆逐することは出来ないと思いますが、海外サーバを経由したスパムメールの法的な取り扱いなど一国だけでの規制が難しい問題もあります。最終的には、何百万通送信しても全く利益が得られない状態が生まれれば悪質業者の多くは自然消滅していくと思いますが、不正プログラムやウイルスの組み込みなどの手法(本人の意志と無関係に被害を与えられる手法)がある限りは、粘り強く不正なスパムを送り続ける人はいるでしょうね。個人個人でできる予防的な対応としては、スパムをフィルタリングして可能な限り読まないということしかないのかもしれません。

最近では、Gmail以外のMSN HotmailやYahoo!メール、@niftyメールなどでもスパム対策のフィルタリング機能が向上してきているので、ウェブで送受信できる無料のウェブメールを利用してみても良いと思います。保存容量も数GB以上に拡大されてきていて検索機能が付いていることも多いので、一般的なメールの用途だけでなく『テキスト・画像(写真)などのデータ』を保存しておくオンラインストレージとして気軽に利用することも出来ます。GmailやYahoo!メールは携帯電話からも簡単にアクセスできますので、普段移動しながらメールをチェックしている人にもウェブメールは便利です。また、携帯電話でアクセスするGoogleのポータルである「Google モバイル」のデザインがリニューアルされて、トップページでGmailの受信メールをチェックできるようになっていますね。


「Googleモバイル」が個人ポータル化 地域情報に素早くアクセス

グーグルは10月19日、携帯電話向け検索サービス「Googleモバイル」のトップページに、ニュース一覧やGmailの新着メールなどを表示できる機能を追加し、個人ポータルとしてリニューアルした。最近検索した地名を自動で保存し、手早くローカル検索したり、周辺地図や乗り換え案内をワンクリックで利用できる機能も装備した。

従来は検索窓だけのシンプルな構成だったが、新たに、Gmailの新着メールや「モバイルGoogle ニュース」のヘッドライン、PC向け個人ポータル「iGoogle」の人気RSS(「nikkansprts.com」「痛いニュース」「ITmedia +D最新記事一覧」など)から好きなものを選び、トップページに表示できるようになった。


モバイルでサイトやブログを長時間閲覧することは余りないのですが、『Googleのモバイル検索』の機能に関して言えばPCのGoogle検索よりも『店舗情報・地理情報・公共交通機関の乗り換え』などの面で検索結果が優れていますね。余り行き慣れていない地域ですぐにレストランや乗るべき電車を検索する時には結構役立ちそうですが、PC版の検索エンジンが『調べたい知識の確認・必要な情報の入手』のために検索するとすれば、モバイル版は『実際の移動・利用・購入』につながりやすい検索だと言えるでしょう。物理的な店舗やサービスがある場所に近づいて検索するという意味では、より店舗の利用や商品の購入につながりやすくなりそうです。

とりあえず、今度のGoogle モバイルのリニューアルによって、トップページに『RSS情報・最新ニュース』を登録することが出来るようになったので、モバイルのヘビーユーザにとっては嬉しい変更かもしれません。基本的に、PC版の『iGoogle(カスタマイズ可能なポータル)』のコンセプトをケータイにも持ち込もうとしているのだと思いますが、『画面の表示領域の狭さ(サイトのユーザビリティ)』『文字入力の相対的なストレス』を無視すれば、ケータイでPC同様の情報処理ができる時代になってきたことを感じます。個人的な問題としては、このブログのような長文ブログをさすがにケータイで書こうとは思えないことですが、最近出始めたミニブログのような発想でブログを書く人であれば、ケータイのほうがかえって書きやすいかもしれませんね。


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