“ハレのウェブの認知”が引き起こす心理的な解放感と反社会的な危険性:ウェブ社会の暗部の回避

前回の記事の最後でウェブの長短について書きましたが、良くも悪くも、ウェブ世界は現実世界を反転させた鏡像であると考えることができます。それは、現実にもウェブにも『善人・悪人・一般人・強者・弱者・知者・愚者がそれなりの比率』で分布しているという認識であり、『ハレ(非日常)とケ(日常)の雰囲気』が私たちの精神に何らかの影響を与えるという確率論…
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ウェブで語られる“プライベートな問題”と“メンタルヘルスの悩み”:共感的なコミュニティの可能性と影響

前回の記事では、『社会的に不利な属性を持つ人』でもウェブであれば各種のコミュニティに参加しやすいというメリットについて触れました。これをメンタルヘルスの文脈で考えると、精神疾患(心的外傷・不安障害・うつ病)や社会不適応(対人恐怖・非社会性・失業)などの問題を抱えた人たちの『セラピューティック(治療的)なコミュニティ空間』を準備できるとい…
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鑑真の戒律と授戒制度を無効化した天台宗・最澄の“円戒の思想”:古代日本の怨霊信仰と宗教観

浄土系の鎌倉仏教は、旧仏教の難行苦行の修行と難しい学問による『善行の功徳』を否定することによって、『仏教の大衆化・救済の一般開放』に成功し、農民(被統治階級)への求心力が強かった浄土真宗などは親鸞の死後に急成長を遂げました。浄土真宗の『中興の祖』となった蓮如(1415-1499)の時に、山科本願寺と石山本願寺(石山御坊)が建設され、真宗…
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保田隆明『なぜ株式投資はもうからないのか』の書評2:求められる公正な投資環境の整備と将来不安

前回の記事で触れた『金融市場における格差』についてであるが、第2章『株式投資の理想と現実、そしてワナ』の冒頭でずばり、株式市場は『金持ち(上得意)優位の世界』であると述べ、『金融・株の勉強をすれば儲かる』という理解の落とし穴を指摘している。金融・財務・経営・投資の専門的な高等教育を受けていない素人の個人投資家が、雑誌や書籍のみを頼りに勉…
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保田隆明『なぜ株式投資はもうからないのか』の書評1:米国サブプライムローンの焦げ付きと株式市場の下落

世界経済は昨年来概ね好調に推移していたが、8月初めにアメリカの低所得者向け住宅ローンであるサブプライムローンの焦げ付きによる信用不安が起き、日欧米の世界同時株安が進行している。日米欧の主要銀行は非常事態宣言を発して、即座に40兆円以上の巨額資金を金融市場に投入することで事態の鎮静化を図ったが、下落した株価や投資信託、REIT(不動産投資…
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『不適応な行動パターン』を効果的に変容させる解決志向アプローチのカウンセリング

認知療法的な視点を取り入れた『解決的アプローチ(解決志向や解決構築のカウンセリング)』の嚆矢となったのが、REBT(Rational Emotive Behavioural Therapy, 論理情動行動療法)のアルバート・エリスやうつ病の認知療法で実績を挙げたアーロン・ベックですが、解決的アプローチでは『現在の問題への具体的な対処法』…
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“貴族守護(国家鎮護)の古代仏教”から“衆生救済の鎌倉仏教”への転換:無条件の救いを説く浄土信仰

老荘思想(道教)と儒教の原理的な考え方について書いた過去の記事で、『老荘の無為自然』と『仏教の悟り(解脱)』の類似性を指摘しました。仏教には、出家した僧侶が厳しい修行の中で悟りを目指す『上座部仏教(小乗仏教)』と在家の仏教信者である衆生(一般大衆)を仏法によって救済しようとする『大乗仏教』とがあります。日本仏教では、末法思想と政情不安定…
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“世俗の儒教思想”と“隠遁の老荘思想”の中庸を探った古代中国の処世術

過去の記事で、 孔孟思想の『陽(世俗)』の原理と老荘思想の『陰(脱俗)』の原理について対比的に考えてみましたが、儒教思想と老荘思想というのは個々バラバラなものというよりは、一人の人間の内部に矛盾を抱えながら存在するものです。長い歴史を持つ中国文化では、官界(政治の世界)で可能性が開けた時には『儒家の道理(処世)』に従い、俗世界の重圧に打…
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S.フロイトの快楽への意志, C.ロジャーズの有機体の価値判断, A.エリスの合理的思考の接点

どういった考え方や物事の捉え方が自分にとって実際的に役立つのか、どの行動を選択すれば自分の未来の可能性を高めてくれるのかを考えるのが、認知療法や解決志向(解決構築)アプローチですが、C.ロジャーズのカウンセリングでは『生得的な功利性への気づき(自然に自己肯定感や幸福感が高まってくれる自己充足的な意識の目覚め)』がその中心にあり、生得的な…
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議会制民主主義における“国民主権の実感”とロベルト・ミヘルスの“民主制の寡頭支配の原則”

前回の記事では、政治統治における『貴種崇拝(伝統尊重)の原理』について取り上げましたが、人類が形成してきた集団国家(共同体)の歴史を振り返ると、少数者(君主・貴族・官僚)が多数者(大衆・人民)を支配するというのはおよそ普遍的な原則であり、アメリカ独立革命(1775)やフランス革命(1789)以前には、最高権力である『主権』は絶えず人民の…
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政治支配の正統性(レジテマシー)を支えてきた貴種崇拝の原理と『政治とカネ』の問題

『抽象的な将来不安』を構成する要素には、国家による社会保障(年金制度)や「美しい国日本」に向かう改革の具体的な影響、「政治(行政)とカネ」の不透明性への不満、少子高齢化の進展、若年層の格差拡大、憲法改正がもたらす安全保障政策の変化などさまざまな要素を考えることが出来ます。 特に今回の選挙では、『年金記録漏れ問題(社会保険庁職員によ…
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参院選における自民党の歴史的大敗とイラク・アフガニスタンにおける特措法の問題

7月29日の参議院選挙については以前このブログでも関連記事を書いたのですが、猛暑の中、行われた実際の参院選の結果についてはフォローする時間がありませんでした。選挙後の議席数を見ると自民党が大幅に議席数を減らし、民主党が参院の第一党へと躍進して江田五月氏(66)を参院議長として送り込みました。 自民党は「37議席」と大幅に減少、公明…
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S.フロイトの精神分析の基本原則とC.ロジャーズのクライアント中心療法の共感的態度:2

精神分析療法を実施する分析家とクライアント中心療法を行うカウンセラーとの基本的態度(基本原則)の違いを原則論的にまとめると以下のようになります。現在のカウンセリングでは、カウチ(寝椅子)で横になったクライエントが次々に自由連想を続けるような精神分析や、助言や情報提供を全く行わないクライエント中心療法は減っているので、折衷的な態度を取るカ…
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S.フロイトの精神分析の基本原則とC.ロジャーズのクライアント中心療法の共感的態度:1

カール・ロジャーズの"person centered therapy"とも呼ばれるクライエント中心療法とシグムンド・フロイトを始祖とする力動的心理学の精神分析療法(psychoanalytic therapy)は、理論的・技術的に見ると大局的な技法なのですが、長期間の心理面接を予期した『人格的成熟・精神的発達』を究極の目標とする意味では…
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“言語的表現(意味内容)が優位のウェブ世界”と“社会的属性(役割規範)が優位のリアル世界”

過去の記事では、現実社会とウェブ世界におけるコミュニケーションの特性について考えてみましたが、リアルとウェブでは人を惹きつける『価値(value)・魅力(charm)』が認証されやすい対象に大きな違いがあります。 ウェブでコンテンツを作成するユーザ(大衆)が爆発的に増大した背景には、『書かれているテキスト(話している内容)』と『ウ…
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精神分析学が“精神現象の解明”に果たした功績とカウンセリングの構成要素

カウンセリング(counseling)とは“健常パーソナリティ”を持つ人の心理的問題に対処する非日常的な人間関係であり支援技術ですが、心理療法(psychotherapy)はカウンセリングよりも臨床的な精神障害の問題に焦点を向けており“病理パーソナリティ”に専門的に取り組む傾向があります。 言語的あるいは非言語的コミュニケーション…
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