孔子『論語』の書き下し文と解説:ウェブサイトの更新

儒教(儒学)の開祖である孔子(Confucius, B.C.552,551-479)の言行録であり、孔子と弟子との問答の記録である『論語』の白文・書き下し文・現代語訳(口語訳)をウェブサイトで更新したので、老荘(老子・荘子)の道家と並ぶ東洋思想の原点である儒家の基本教典に興味がある人は目を通してみてください。

以下、『論語』の[学而篇・為政篇・八イツ篇・里仁篇・公冶長篇]の白文・書き下し文・現代語訳(口語訳)のリンクを掲載しておきます。


『論語 学而篇』の書き下し文と解説

『論語 為政篇』の書き下し文と解説

『論語 八イツ篇』の書き下し文と解説

『論語 里仁篇』の書き下し文と解説

『論語 公冶長篇』の書き下し文と解説



このブログの読者に、論語の漢文をリアルタイムで学ぶ中高生がいるかは分かりませんが、簡単な歴史的経緯や人間関係、儒学の理論について解説もつけているので、白文と書き下し文だけのテキストよりかは面白く読めると思います。

ただ、古典中の古典である『論語』を読む場合に重要なのは、『仁』と『礼』を中核とする形式的な封建道徳(身分秩序を維持する礼制・道徳・華夷の別)を鵜呑みにするのではなく、時代を越えて通用する『仁』と『礼』の普遍的なエッセンスの上澄みを上手く自分の生活に取り入れていくことだと思います。

人格の陶冶(人間性の成長)だとか精神性の練磨だとか高尚な理念を掲げて『論語』や『孟子』を読むことで、春秋戦国時代の貴族(士)のような興奮や矜持を持つ浮遊感を得ることは出来ますが、『論語』を読む意義の大半は、他者との相互的な関係性をより良くしていくこと、自他の弱さや痛みに対する自己の感受性を高めること、社会における自己の役割のようなものに自覚的になれることに尽きるでしょう。

現代社会において儒教の細々とした道徳規範を厳格に遵守して、他者の不道徳な振る舞いに不満や軽蔑の念を持つというのは殆ど無意味なことですが、他者を身内のように温かく思いやる『仁』に限って言えば、古今東西を貫徹する何が正しくて何が間違っているのかの一般的基準と見なすことが出来ます。儒教本来の『礼』というのも、現代人の私達がイメージする礼儀・礼節とはやや異なったもので、孔子の言う礼とは古式を歪めずにそのまま踏襲する『伝統主義の祭祀儀礼』という意味が強く前面に出ています。

現代的意義を持つ『礼』のエッセンスは、他者を不快にさせない作法や他者への敬意を表現する振る舞いということに結実すると思いますが、古来のやり方を保守する『礼』の意義が完全に失われたわけではなく、冠婚葬祭におけるマナーだとか初対面の相手への挨拶の仕方だとか、昔のやり方が現在に通用する礼の基本的性格はそれほど大きく変わってはいないと見ることもできます。しかし、孔子が、仁の徳を前提としない形ばかりの礼は空虚であり無意味だと述べているように、礼は仁があってこそその存在意義を持ちます。

孔子は、子路や顔淵、曾子といった高位の門弟と延々と『仁とは何か、礼とは何か、義とは何か』という問答を繰り返しているわけですが、孔子自身は『巧言令色、鮮なし仁(言葉が巧みで、表情が豊かという人物は、仁が少ないものだ)』と述べたようにこういった言葉上の決意や議論はあまり問題としていません。孔子が一貫して、理論よりも実践、言葉よりも行動を優先したことは、武断派の子路が孔子から与えられた課題をこなす前に次の課題を与えられることを非常に懼れた(おそれた)逸話(公冶長篇・14章)にもよく表れています。


■関連URL
『孔子を始祖とする儒教の思想と歴史の考察:倫理・教養・政治・宗教の顔を持つ儒教』

『戦乱と混迷の春秋戦国時代に徳治主義と修己治人の理想を掲げた孔子の漂白遊説の生涯』

■書籍紹介
「教養」は死んだか―日本人の古典・道徳・宗教

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