“正常圏内の不安”と“病理水準の不安”

フロイトが創始した精神分析療法の主要な適応症とされた神経症(neurosis)は、心因性の精神症状と身体症状を発症する疾患です。 最新の精神病理学のテキストに神経症の表記がなくなり、国際標準の精神障害の診断・統計マニュアルであるDSM-Ⅳ(1980年制定のDSM-Ⅲから消滅)からも神経症の分類が消滅しているように、現在では神経症は古典…
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脳の構成要素である“ニューロンの創発性”と行動の発現:ニューロンの分類

過去に『脳の解剖学的構造と生理学的機能』という記事で、人間の脳の大雑把な構造と機能の相関について書きました。人間の多様性のある行動がどのようにして生まれるのかという行動原理・行動原則について、心理学は長い時間をかけて研究を進めてきました。 そして、ロジャー・ペンローズらによる脳の機能局在説が注目を集めだした20世紀あたりから、心のメカ…
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ストレスを溜め込みやすい行動パターンとストレス・コーピング(ストレス対処法)

精神的ストレッサーは、家庭・学校・職場などの生活環境への不適応や不満、対人関係の悪化やトラブル、感情や気持ちを伴うコミュニケーションの擦れ違いなどによって起こってくるストレッサーですが、それらは『その出来事や状況をどのように理解して解釈するのか』という認知に大きく依拠するストレッサーでもあります。 その為、精神的ストレッサーを認知…
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森博嗣『四季 春』『四季 夏』の書評

森博嗣の『四季』という四巻組(『春・夏・秋・冬』)の小説のうち、二冊『春 green spring』と『夏 red summer』を読みました。 二巻を読むのに3時間ほどかかったのですが、私としては結構早いペースで読み終えたほうだと思います。 私は、それほど速読が得意なわけでもないので、途中の単純な情景描写や叙情性の強い詩の部分など…
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所謂、『勝ち組』『負け組』と経済制度のあり方について:幸福論2の補足

今回の衆院総選挙について触れた記事の多くに、『なぜ、都市部の経済的弱者に相当する若年層は、新自由主義を標榜する小泉首相率いる自民党に投票したのか?』といった問題を分析した記事が多く見られた。 この場合にも勝ち馬に乗りたい心理、現在、主流の中心的価値観に権威性(優越性)を認めて、マジョリティに従属することで安心したい権威主義の心理と…
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幸福論2:強者と弱者の狭間で揺れる人間

市場経済が十分に普及した文明社会に生きる『社会的存在としての人間』は、『他者との差異』から認知する優越コンプレックスや劣等コンプレックスによって様々な行動や発言へと突き動かされる。 こう考えると、人間の本能は基本的に利己的で支配欲求が強いものだから、なかなか他人の支配的影響力を受け容れないものだと思うかもしれない。 しかし、これはあ…
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池田晶子『14歳からの哲学』の書評:各論への感想の補足

『14歳からの哲学 考えるための教科書』から個別のテーマを幾つか選んで、雑駁とした感想や簡単な意見を書き残しておきます。 Ⅰ.14歳からの哲学[A] 考える[1]~考える[3] 哲学史の系譜の中でも、私の考えや意見である『主観的(subjective)なもの』と第三者(他者)にも共通理解される考えや意見である『客観的(…
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池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』の書評

過去の書評で、池田晶子の『41歳からの哲学』を取り上げましたが、今回は、4と1の数字を入れ替えた『14歳からの哲学 考えるための教科書』をご紹介します。 池田晶子女史の著作の大半は、高校の学習指導要領に沿った倫理科目の知識や大学の文学部哲学科で教授されるような哲学史の流れとは無縁のもので、『日常言語を用いて、自分の頭で考えるという…
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幸福論1:わたしの幸福とあなたの幸福の交わるところ

『でたらめな仕組みで動く社会』の正当性や根拠にまつわる考察 という記事を書いてから、『人間の支配と服従』という物理的な政治権力の問題というよりも、『人間の自発的な服従傾向の心理』について考えたいと思っていた。 この事は、社会生活の中で人間が受ける精神的ストレスとも密接に関わっているし、対人関係の葛藤から発症するストレス反応(心因反応)…
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2005年衆院総選挙を振り返っての雑感:自公と民主の明暗を分けた前進的革新のイメージの強度

小泉首相が郵政民営化を全面に押し出して解散に踏み切った衆議院議員選挙の結果がでましたが、この結果に対して皆さんはどのような思いや感想を抱いておられるでしょうか? 国民の意志や判断を反映させることを目的とした議員選出のための選挙の結果は、蓋を開けてみると意外なほどワンサイド(自公連立政権)に偏ったものとなりました。 私は、過去のエ…
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トラックバックを当面『URL記載のあるもののみ』に制限します。

生活と仕事が忙しくなってきて、ブログのこまめな管理が出来ない恐れがありますので、当面の間、『当ブログの記事のURLを記載していないブログからのトラックバック』を制限することにしました。 こういったトラックバック制限の措置は最大限とらないようにしようと思っていましたが、当ブログの記事内容からかけ離れたトラックバック(アダルト、宣伝広…
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精神の正常性の診断と集団組織の利害:ジョーンズとバリントの往復書簡

前回の記事で、フロイトの弟子達との離反について語った。 そこで、少し長くなるが、精神分析協会内部の激しい権力闘争や派閥の対立を窺い知る事の出来る資料としてフェレンツィの優秀な弟子ミカエル・バリントとフロイトの元から離反したフェレンツィを精神病者と診断したアーネスト・ジョーンズの手紙のやり取りを引用する。 バリントは、自分が確認し…
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トラウマ(心的外傷)を生む危機的状況:トラウマの間主観的な受容の重要性

トラウマの原因となるショック体験には、生命の危機を感じるような事件・事故・犯罪への遭遇、圧倒的な破壊力を持つ自然災害(地震・津波・土砂崩れ・火災など)の体験、死の恐怖をリアルに感じる戦争体験などがあります。また、直接、脅威的な事態や危機的な状況に遭遇しなくても、自我の発達が未熟な子どもなどの場合には、自分自身が対処不能な恐ろしい事件や事…
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台風一過、自然災害の猛威と不条理を思う。

台風一過、福岡では、昨日の暴風雨が嘘のような穏やかな天気が広がっていますが、今回の台風14号が九州南部や四国地方に残した爪痕は深く、その完全な復旧には時間がかかりそうですね。幸いにも、私の住んでいる福岡北部では、台風による風と雨はそれなりに強かったのですが、住宅地域であることもあり、家屋が損壊したり床上浸水するような被害は殆どなかったよ…
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“フロイトの権威主義と父性原理が精神分析に与えた影響”と“弟子達との訣別”

フロイトは現代的な科学の文脈から大きく外れた心理学者であり臨床家であるが、彼が理想としたのは、自然科学的な精神分析であった。 フロイトは、自らのリビドー(性的欲動)を心的活動のエネルギーとする精神分析理論の正当性を固く信じ、絶えず他者に優越していたいという権威主義の持ち主であったためにユングやアドラーを初めとして多くの弟子や同僚と訣別…
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心理学の歴史概論2:心理学に影響を与えた医学と進化論

■医学から心理学への影響 医学は、現在でも心理学に強い影響を与える学問分野のひとつですが、心理学の成立期に特に大きな影響を与えたのは身体の構造や機能を調べる“生理学”の分野でした。 身体の構造を調べる人体解剖学は、16世紀からかなり進歩していたのですが、実験機器・観察機器の性能の限界から神経解剖学の研究はやや停滞していました…
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心理学の歴史概論1:大陸合理主義とイギリス経験主義の影響

日本の心理学は、欧米の心理学を輸入する形で始まりましたが、心理学そのものの始まりは非科学的なものであれば古代ギリシアのプラトンやアリストテレスの魂(プシュケ)を巡る学問などが心理学としてありました。 しかし、科学的な近代化された心理学は、19世紀半ばになって夜明けを迎えます。心理学の歴史は、思弁的な哲学の領域に包含されるものであれ…
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権威と社会4:自由意志の世界と決定論の世界

権威主義の内面は、絶えず権威に対する畏敬・敬愛・驚嘆という肯定感情と権威に反した場合に加えられる制裁への恐怖・不安・憎悪という否定感情が入り乱れて葛藤する両価性(アンビバレンス)の状態に置かれている。 故に、権力への敬愛を批判的に捉える不安や憎悪は、絶えず抑圧されて意識化されないか、もしくは、権威を『良い権威』と『悪い権威』という形に…
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権威と社会3:何故、北朝鮮国内の独裁体制は維持され続けているのか?

例えば、人権保護や経済情勢悪化、核兵器開発など数多くの問題を抱えた独裁国家として注目されることの多い北朝鮮を題材にして考えてみても、北朝鮮は金正日という独裁者一人によって完全支配されている国家ではありません。 どのように強力な権力者であっても、彼(彼女)一人で全国民を完全に掌握し支配することは不可能であり、必ず彼の命令を忠実に伝達して…
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