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マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評6:サンデルの思想と現代の共同体の連帯
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評6:サンデルの思想と現代の共同体の連帯 前回の記事の続きになるが、目的論的な世界観を持つアリストテレスは政治についてもその目的を問い、『政治的共同体は何のためにあるのか?』という目的性の遂行にこそ正義があると考えるのだが、こういった政治理解も国民自らが投票と議会によって政治の方向性を決めていく自由民主主義の社会とは折り合いが悪いかもしれない。 ...続きを見る

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2011/08/23 15:54
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評5:ロールズの平等主義の正義とテロス
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評5:ロールズの平等主義の正義とテロス J.ロールズは彼以前の政治哲学や倫理規範において仕方が無いことや運命として見過ごされていた『道徳的恣意性(遺伝や身分、家庭、民族など偶然の要素による有利・不利)』をできるだけ縮減して無くそうとすることに正義を見出したのだが、ロールズのいう格差原理に基づく平等主義の正義論には、『実際には無くすことが難しい種類の格差(生まれながらの能力・環境)』が多いという限界も指摘される。 ...続きを見る

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2011/08/21 00:43
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評4:カントの定言命法とロールズの正義論
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評4:カントの定言命法とロールズの正義論 インマヌエル・カント(Immanuel Kant, 1724-1804)は外部の条件や他者の要求に従う『他律』ではなく、自分が定めた格律(行為規範)に従って行動する『自律(オートノミー)』こそが、真の自由であり責任能力の根拠であると主張した。I.カントは功利主義的な『結果(帰結)の利益』によって物事の善悪を判断する思想に反対して、自由な行動とは目的(利益)のための手段としての行動ではなく、目的そのものになる行動であり、行為の結果よりも動機づけのほうを重視した。 ...続きを見る

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2011/08/21 00:41
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評3:徴兵制と志願兵制(労働市場)の倫理学
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評3:徴兵制と志願兵制(労働市場)の倫理学 前回の記事の続きになるが、政府への服従を嫌う個人主義が根づいていたアメリカの北軍の勢力圏では『徴兵』は余り有効に機能せず、20万7千人に徴兵命令を送付しても、大半は逃亡するか障害申請で兵役免除を願い出たという。免除費を支払ったのは8万7千人、身代わりの傭兵を雇ったのは7万4千人で、実際に兵役に従事したのは4万6千人に過ぎなかった。鉄鋼王のアンドリュー・カーネギーや銀行家のJ.P.モルガン、合衆国大統領の親族をはじめとする金持ちのほとんどは、徴兵免除費を支払って兵役を免れていた。こういった状況を前... ...続きを見る

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2011/08/19 12:57
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評2:ベンサムの功利主義とミルの自由主義
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評2:ベンサムの功利主義とミルの自由主義 イギリスの哲学者のジェレミー・ベンサム(Jeremy Bentham, 1748-1832)は、人間の快楽と苦痛は計量可能な『量的』なものと定義して、『最大多数の最大幸福(あるいは人数にこだわらない最大幸福)』を原理とする功利主義(utilitarianism)を提唱した。ベンサムにとっては『快楽や幸福をもたらす効用(結果)のある行為』が善であるとし、快楽と苦痛を計測して快楽の総量が最大になる行為が正しいと考えた。 ...続きを見る

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2011/08/17 14:09
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評1:対話型講義と現代社会を動かす原理
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評1:対話型講義と現代社会を動かす原理 ハーバード大学教授であるマイケル・サンデル(Michael J. Sandel,1953〜)の『正義(justice)』について考える倫理学的な哲学が、現代において注目されている理由は何だろうか。その理由は色々と考えられるが、大きく分ければ以下の2点に収斂してくると思う。 ...続きを見る

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2011/08/17 13:58
“ふつうの幸せ”が手に入りにくい心理的ハードルと社会経済的要因:香山リカ『しがみつかない生き方』
“ふつうの幸せ”が手に入りにくい心理的ハードルと社会経済的要因:香山リカ『しがみつかない生き方』 現代社会では『生きづらさ・生きることの虚しさ』を訴える人が増えていて、国際比較における日本の主観的幸福度の実感はいつも低い水準に留まっている。なぜ物質的・経済的に豊かになったはずの日本で、『幸福感・満足感』を安らかに実感できる人が相対的に少なくなっているのか、なぜ自殺者や絶望者、無気力者が大勢生み出されていてメンタルヘルスの悪化が深刻になっているのか。 ...続きを見る

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2010/07/19 05:10
人間の牧畜・肉食は倫理的に好ましくないのか?アニマルライツの考え方と苦痛や死を隠蔽する文明社会
人間の牧畜・肉食は倫理的に好ましくないのか?アニマルライツの考え方と苦痛や死を隠蔽する文明社会 宮崎県の口蹄疫問題では、畜産農家の被害やその補償という観点とは別に、口蹄疫での家畜処分をきっかけに『人間と家畜との関係性』について、Twitterで倫理学的な討論も起きていたようです。私も過去に何度か『アニマルライツ(動物の権利)の問題』について言及してきたので、牧畜(屠畜・肉食文化)と人間の倫理観について少し考えてみようと思います。 ...続きを見る

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2010/05/25 00:48
“人間の知能・感情”と“動物の知能・感情”のアナロジーが生む生命倫理(権利意識)の感覚
“人間の知能・感情”と“動物の知能・感情”のアナロジーが生む生命倫理(権利意識)の感覚 自然環境保護や動物愛護は『自然・動物の価値』を高く評価する運動理念ですが、自然環境(景観・気候)や動物の生命を過剰に徹底して守ろうとすると『人間の文明的・文化的な生活水準』をある程度は落とさなければならなくなります。自然環境や動物の生命(絶滅危惧種)を守ろうというエコロジーな意見には、大多数の人が賛成しますが、実際にどこまで人間社会の利便性や快適性を犠牲にして自然環境や動物を守れるのかとなると、かなり意見は割れてきます。 ...続きを見る

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2010/03/25 13:51
アニマル・ライツ(動物の権利)と人間の倫理感覚3:文明社会における“死・苦痛のリアルの隠蔽”
アニマル・ライツ(動物の権利)と人間の倫理感覚3:文明社会における“死・苦痛のリアルの隠蔽” 地球の環境問題が本質的に『人類の存続性・資源利用にとっての問題』であり、『地球という物質の集積にとっての問題』ではないように、アニマル・ライツの問題も動物側から権利要請が為されるわけではないという意味において、『人間の良心(罪悪感)に関わる倫理判断の問題』として受け止めることができる。 ...続きを見る

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2010/02/03 10:06
アニマル・ライツ(動物の権利)と人間の倫理感覚2:人間中心の世界認識を生む“人間原理”
アニマル・ライツ(動物の権利)と人間の倫理感覚2:人間中心の世界認識を生む“人間原理” できるだけペットが売れ残らないような『需給バランス』を考えたペット産業へと変わっていく必要性は当然あるが、『人間とペットとの相補的な関係性』そのものは今後も続いていかざるを得ないと思う。これは“新薬開発・解剖実習・科学研究”などの目的で行われる『動物実験』にもつながることで、『(動物の苦痛と犠牲を減らす)倫理的な動物実験のあり方』は模索しなければならないが、動物実験そのものを廃止することは現実的ではないということになる。 ...続きを見る

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2010/01/31 14:04
アニマル・ライツ(動物の権利)と人間の倫理感覚1:ペットによる癒しを得る飼い主の責任
アニマル・ライツ(動物の権利)と人間の倫理感覚1:ペットによる癒しを得る飼い主の責任 『犬・猫』といった人間にペットとして飼われる動物たちの権利を、どこまで守るべきなのかは難しい問題です。ペットの動物たちは人間以上に大切な家族として可愛がって貰えることが多いし、人間の子どものように将来の自立を期待されるわけでもないので、『ペットとして飼える環境』が維持されていれば、飼い主はペットの動物に対して死ぬまで強い愛情と関心を注ぎ続けることができます。 ...続きを見る

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2010/01/31 14:00
男性原理と女性原理が拮抗する“過渡期”としての現代:個人を制約する規範としての“性・家”と“貨幣”
男性原理と女性原理が拮抗する“過渡期”としての現代:個人を制約する規範としての“性・家”と“貨幣” 『女性の身体・性愛・生殖』が女性自身のもの、女性に自己決定権があるものになるのは、20世紀後半の1960〜1970年代以降の性の解放を通してのことでした。“男性の性”と“女性の性”が道徳的に均等化した歴史は古代社会を除けば短いのですが、18世紀以前は女性の身体は『神の所有物』とされ、19世紀〜20世紀初頭は『家・夫の所有物』とされたという男性社会における女性性の抑圧の長い歴史がありました。“宗教規範・家父長制・性のダブルスタンダード”による女性ジェンダーの規定については、『前回の記事』を読んでみ... ...続きを見る

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2009/12/23 00:30
絶対精神の個別的・歴史的な展開を予測したヘーゲルの『精神現象学』と現代における自己意識の強化
絶対精神の個別的・歴史的な展開を予測したヘーゲルの『精神現象学』と現代における自己意識の強化 『物心二元論』では物質と意識(精神)の実在性が問われるが、意識が先行して物質があるという立場を『観念論(唯心論)』、意識とは独立して客観的な物質があるという立場を『唯物論(実在論)』という。普遍論争を行った中世哲学では、普遍的実在の究極の根拠を物質ではない『神』に置いていたので、中世哲学のスキームでは実在論は唯物論ではなく観念論との親和性を持っているが、概ね近世以降の哲学で実在論という場合には人間の意識とは無関係に『物自体(物質そのもの)』が実在するという考え方のことを指す。 ...続きを見る

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2009/12/17 15:32
“宗教規範・家父長制・性のダブルスタンダード”で規制されていた女性の身体の解放と性道徳の変質
“宗教規範・家父長制・性のダブルスタンダード”で規制されていた女性の身体の解放と性道徳の変質 『前回の記事』の続きになりますが、近代の前半期まで『女性の自由・権利』は大幅に制限されており、『家庭(婚姻)・性道徳・世間体・教育』によって成長すれば結婚して家庭に入り家長(夫)に従うことを半ば運命づけられていました。しかし、男性宗教であるキリスト教信仰の衰退によって、『性道徳の緩和=女性の性的身体・快楽の解放』が起こり、女性の性行動を縛る規範の緩和が男女平等思想の嚆矢となっていきます。 ...続きを見る

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2009/12/08 16:30
近代社会の成熟と“女性の時代”の到来:“個人”の増加による“社会・宗教・性の規制力”の低下
近代社会の成熟と“女性の時代”の到来:“個人”の増加による“社会・宗教・性の規制力”の低下 前回の記事では、15〜17世紀の西欧世界における“個人(individual)”の誕生について言及しましたが、自我の主体性と独自性を自覚した個人の出現によって、社会的・伝統的に規定されていたあらゆる偏見や差別、序列秩序が緩やかな解体を始めることになります。現代という時代の最先端においても、“個人”は社会(世間)や伝統から完全に自由ではないのですが、社会共同体や伝統文化による“秩序形成”という恩恵も同時に受けています。 ...続きを見る

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2009/12/05 03:10
慈恵病院の“赤ちゃんポスト”の検証結果と匿名の相談体制についての雑感:子どもの福祉と大人の倫理
慈恵病院の“赤ちゃんポスト”の検証結果と匿名の相談体制についての雑感:子どもの福祉と大人の倫理 熊本市の慈恵病院が運営している『こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)』の利用状況・意義を検証した熊本県の最終報告書が公表されましたが、赤ちゃんポストに子どもを預ける理由は『戸籍に入れたくない・生活困窮(経済的理由)・不倫・未婚・世間体・性犯罪の被害』などが上げられていました。自分の子どもを育てられない理由として、常識的にイメージされるのは『仕事がなかったり所得が極端に少なかったりという経済的理由』ですが、『戸籍に入れたくない』という理由が一位に来ていることはやや意外な印象を受けます。 ...続きを見る

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2009/12/01 02:55
戦争を巡る価値観と原始的な脳・理性的な脳2:集団と自己を区別できる“個人”の特殊性と経済発展
戦争を巡る価値観と原始的な脳・理性的な脳2:集団と自己を区別できる“個人”の特殊性と経済発展 ポール・マクリーンの脳の三層構造論で陥りやすい誤謬として、“脳の構造の複雑化”を“種の優越性の証明”とする進歩主義があると以前に指摘したことがあるが、『戦争・紛争・テロの頻発する地域』に生まれた人々は、大脳辺縁系の情動判断が優位だから(進化論的な退行に陥っているから)兵士になったりテロを起こすのではなく、合理的な思考や人道的な判断を行っても、その土地の環境に適応できないと推測しているから軍事活動にコミットしてしまうということである。 ...続きを見る

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2009/11/26 05:36
34歳女性の婚活サイトを悪用した結婚詐欺についての考察3:虚構のセレブ生活と歪められた承認欲求
34歳女性の婚活サイトを悪用した結婚詐欺についての考察3:虚構のセレブ生活と歪められた承認欲求 34歳の女性が結婚詐欺にのめりこんでいった動機は、表面的には『虚構のセレブ生活を維持するため』であり『散財で増え続けた借金を返済するため』であるが、1億円以上の金銭を軽々と飲み込んでも尚(なお)満たされない『セレブ生活への憧憬』や『派手な消費への渇望』の根源はいったいどこにあるのであろうか。ただ贅沢で華美なライフスタイルを維持したいためだけに、他人を騙して大金を奪い取るだけではなく、殺してしまおうとまで考えるものなのだろうかという疑問は多くの人が持っているだろう。 ...続きを見る

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2009/11/03 21:06
34歳女性の婚活サイトを悪用した結婚詐欺についての考察2:結婚詐欺の心理とバランス理論
34歳女性の婚活サイトを悪用した結婚詐欺についての考察2:結婚詐欺の心理とバランス理論 人間はカタログを見ていて『どの異性が理想のタイプか?』と直観で選ぶ時の判断基準と『自分の配偶者(恋人)としてどの相手が望ましいか?』を現実的に選ぶ時の判断基準が必ずしも一致しないことがあり、現実的な異性選択では『自分の魅力・能力・属性・社会的評価との釣り合い』を無意識的に考えている。男性でも女性でも基本的な傾向として、『自分と同程度の魅力・能力・キャリア』を持っているように認知される相手との交際(結婚)に、最も自然な親近感や安心感を感じやすいという理論を『バランス理論』という。 ...続きを見る

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2009/11/03 21:02
34歳女性の婚活サイトを悪用した結婚詐欺についての考察1:事件報道の概略と自殺偽装の嫌疑
34歳女性の婚活サイトを悪用した結婚詐欺についての考察1:事件報道の概略と自殺偽装の嫌疑 東京都豊島区に住む34歳の女性が起こしたとされる『婚活詐欺(結婚詐欺)』と『練炭を用いた連続殺人の疑惑』がマスメディアやインターネットで話題になっている。過去にネットオークションを悪用したPC販売の受注詐欺をしたともされる容疑者の34歳女性は、婚活サイトを使って『結婚・ホームヘルパー(介護)の約束』を交換条件に男性をおびき寄せ、総額1億円を超える金銭を複数の男性から詐取したと言う。 ...続きを見る

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2009/11/03 20:53
小中学校における『心のノート』の廃止と学校での道徳教育・人権教育のあり方について
小中学校における『心のノート』の廃止と学校での道徳教育・人権教育のあり方について 民主党政権が、小中学校で道徳教育の補助教材として用いていた『心のノート』を廃止する意向を示している。『学校での道徳教育(道徳の科目化)』を巡る議論は、安倍晋三内閣の教育再生会議で盛り上がったことがあったが、学校教育の一部としての道徳教育には、戦前の『教育勅語に基づく修身教育』の影響を踏まえた日教組などの根強い慎重論もある。 ...続きを見る

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2009/10/06 21:42
近代社会における国民の“強制的服従”と“自発的服従”の原理2:近代市民社会とマルクスの思想
近代社会における国民の“強制的服従”と“自発的服従”の原理2:近代市民社会とマルクスの思想 近代社会の構成員である人間は、互いに武力を用いて争い奪い合うという『暴力の覇権ゲーム』から離脱して、自然権を委譲した政府(国家権力)に自発的服従をするようになるが、それは人間が利得や報酬を奪い合うゲームが『暴力ゲーム(軍事覇権の原理)』から『経済+倫理(人権)ゲーム』へと移行したということも同時に意味した。 ...続きを見る

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2009/09/04 19:27
近代社会における国民の“強制的服従”と“自発的服従”の原理1:国民の帰属とエージェントの国家
近代社会における国民の“強制的服従”と“自発的服従”の原理1:国民の帰属とエージェントの国家 多数の戦争共同体によって構成される世界は『万人の万人に対する闘争』に陥り、この危険な闘争状態を終わらせるためには、戦争の最終的な勝者である『国家(国王)』が絶対権力を力づくで確立して敗者を従属させる他はない。トマス・ホッブズは絶対的な国王権力に、個人・集団が自発的に服従することによって『万人闘争の無秩序』を克服することができると考えたが、実際にこういった社会秩序を実現する方法が、近代以前には戦争によって勝利する『軍事覇権の原理』しか無かったのである。 ...続きを見る

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2009/09/01 11:53
“歴史の終焉・共同体の衰退”を予感させる近代社会の閉塞感と自由の原理を使いこなす難しさ
“歴史の終焉・共同体の衰退”を予感させる近代社会の閉塞感と自由の原理を使いこなす難しさ 現代の哲学は、分析哲学(言語哲学)や科学哲学、政治哲学、倫理学、哲学史、現代思想などの分野で研究・理論構築が続けられているが、隣接諸科学との専門的な連続性が強まっていることもあり、哲学単体での役割や意義が一般の人たちの関心を集めることは少ない。『哲学』として多くの人にイメージされやすいのは、過去の哲学者の理論や事績を振り返って、哲学者相互の系譜や連関を考察したり記憶したりする『哲学史』であるが、哲学史・哲学書の勉強(理解)自体は『哲学すること』と同義なわけではない。 ...続きを見る

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2009/08/24 08:13
『国家と戦争・権力と自由・集団と個人』の歴史的推移とトマス・ホッブズのリヴァイアサンによる政治秩序
『国家と戦争・権力と自由・集団と個人』の歴史的推移とトマス・ホッブズのリヴァイアサンによる政治秩序 軍国主義や全体主義(ファシズム)という言葉があるように、戦争は『国家(支配階層)』の国民支配や領土・利権への欲求、思想教育の統制(集団主義的な同調圧力)、歴史的な怨恨感情、排他的な民族主義の煽動によって引き起こされると考えられることがある。確かに、個人個人がバラバラで『国家・民族・宗教』に生命を預けるような帰属心(忠誠心)を持たず、国家権力の統制・徴兵に服属しないとすれば、『国家間の戦争・民族集団間の紛争』は原理的に発生することが無いというのは論理的に“真”ではあるが、世界規模で見るとそういった... ...続きを見る

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2009/08/18 04:40
『哲学』と『宗教』の違いとは何か?:マルクス主義の挫折と『近代』という思想哲学の到達点
『哲学』と『宗教』の違いとは何か?:マルクス主義の挫折と『近代』という思想哲学の到達点 『哲学とは何か?』という問いに一義的に答えることは難しいが、哲学の実践的側面における最大の成果・実績は、『近代社会の根本原理』を呈示して権力による個人の支配(人間の道具的利用)を大幅に制限したことにある。知を愛する哲学は、宗教の子であり科学の親であるが、形而上学的な『真理(現象を規定する背後世界)』を探究するという意味での哲学は既にその役割を終えた観がある。 ...続きを見る

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2009/08/06 09:35
反社会的な性嗜好を含むゲームの自主規制と“表現の自由・営業活動の自由”についての雑感
反社会的な性嗜好を含むゲームの自主規制と“表現の自由・営業活動の自由”についての雑感 『表現の自由・言論の自由』と『公共の福祉による自由権の制約』については、過去に『言論・表現の自由と公共の福祉による人権の制限1:個人の自由(権利)と主体的倫理のバランス』という記事で考えてみましたが、今、凌辱系のアダルトゲームの販売規制(業界自主規制による性表現の抑制)が話題になっているようです。『アゴラ』でその話題が取り上げられた意見交換が行われていたので、アダルトゲームの表現規制と表現の自由について少し考えてみます。 ...続きを見る

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2009/06/09 15:29
“名古屋・闇サイト事件”の判決から考えたこと:償いようがない罪の重さと罪の意識の欠如の間にある落差
“名古屋・闇サイト事件”の判決から考えたこと:償いようがない罪の重さと罪の意識の欠如の間にある落差 『闇サイト殺人事件』の被告3人に対して、名古屋地裁は自首した1人(川岸健治)を無期懲役、2人(神田司,堀慶末)を死刑という判決を下した。被害者となった女性は1人であり、永山基準の確立(被害者1人の事件には原則として死刑を適用しない)以降の判例に鑑みれば、死刑判決は重いと言えるだろう。裁判員制度を控えて厳罰化を求める世論が大きくなる中で、利己的かつ情状酌量の余地を見出させない本件のような重大犯罪に死刑を言い渡した意義は大きい。1人が無期懲役になったことを甘いとする批判もあるが、『自首による減刑』が... ...続きを見る

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2009/03/22 03:17
ルネ・デカルトの近代的自我の発見と“私(自我)”の精神の限界:自己と社会(他者)の相互作用の視点
ルネ・デカルトの近代的自我の発見と“私(自我)”の精神の限界:自己と社会(他者)の相互作用の視点 京極夏彦の『邪魅の雫』では、自分の自我意識が現実世界そのものであるという画家・西田の『独我論』が展開されますが、独我論というのは“私(自我意識)”以外の“他者・物質の実在”を否定する思想です。常識的に考えると、自分以外の他者や外界が実在しないというのは馬鹿げた観念論のように思えますが、“私の意識”と“世界・他者の実在”を切り離すことができないというのは合理的事実であり、“私の意識”が消滅すれば世界や他者も消滅するというのは物理的次元における変更不可能な現実と言えます。 ...続きを見る

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2009/03/12 21:18
“生きる意味”がないと判断する人間理性の問題点と“世俗の雑事・所用”を煩わしく感じる遁世・脱俗の欲求
“生きる意味”がないと判断する人間理性の問題点と“世俗の雑事・所用”を煩わしく感じる遁世・脱俗の欲求 前回の記事の人間がなぜ生きるのかという問いには、『観念的・客観的な人生の意味』以前の問題として、『生物学的な生存本能・死の恐怖』があるはずであり、大半の人はこの生存本能(死の恐怖)に頭の中で合理的に考えたニヒリズムだけで逆らうことができないので、面白みがなくて意味のない人生(本質的な意味が不在の人生)という風に認知しているとしても、とりあえずは生きるために何らかの行動をすることになるでしょう。あるいは、人生のどこかの時点で『面白みがなくて意味のない人生』という信念を緩やかに修正して、多少、自己欺... ...続きを見る

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2009/03/02 12:48
電車・バスの中における携帯電話の通話はどうして迷惑に感じるのか?儀礼的無関心とマナー違反
電車・バスの中における携帯電話の通話はどうして迷惑に感じるのか?儀礼的無関心とマナー違反 前回の記事で書いた『迷惑』というのも、『自分がして欲しくないことを、他人にしてはいけない』という風に理解するだけでは、『自分がされても構わないこと』が『相手にとっての迷惑行為』になる可能性がある。こういった迷惑行為に対する認識の違いというのは、知らない他者が集まって形成する『公共空間(道路・電車・バス・公園・図書館・病院の待合室など)』において良く見られるが、大半の人が迷惑と感じる行為にも『実際的な被害・他人の行動の妨害』が殆どないというものは意外に多い。 ...続きを見る

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2009/02/20 21:02
なぜ人は“性”と“金銭”に対して特別な『両価性(尊重・侮蔑)』を感じるのか?銭ゲバと売買春の道徳判断
なぜ人は“性”と“金銭”に対して特別な『両価性(尊重・侮蔑)』を感じるのか?銭ゲバと売買春の道徳判断 まなめはうすのニュースで、『売春がいけない理由』という記事を読んだが、売買春がどうして道徳的に否定されやすいかの理由には大きく分けて4つの観点があると考える。いずれにしても売春は被害者のない犯罪と称されることがあるように、個人対個人の関係性においては『道徳的な悪性・生理的な嫌悪』を必ずしも生じさせるものではなく、“社会的な評価・他者のまなざし・内面の規範意識”がそこに加わることによって初めて善悪の価値判断が下されることになる。 ...続きを見る

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2009/02/15 22:28
景気悪化・雇用調整による自殺リスクの問題:自殺予防対策につながる社会の相互扶助と他者への共感性
景気悪化・雇用調整による自殺リスクの問題:自殺予防対策につながる社会の相互扶助と他者への共感性 世界的な景気悪化・雇用調整で、派遣社員の『派遣切り』や正社員のリストラが続いており、今年前半に製造業を中心として数十万人以上の人が現在の仕事(職業)を失うと見られています。ほとんどの人は企業で働いて得る労働所得(毎月の給与)によって生計を得ているわけですから、失業して仕事(収入)が無くなるということは下手をすれば生死に関わる問題でもあり、『政治・行政・企業』の積極的な雇用対策(再就職の促進)・緊急的な生活支援(次の仕事が落ち着くまでの衣食住の確保)が求められる状況になっています。 ...続きを見る

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2009/02/12 14:27
ビジネス化・マニュアル化されたサービスの気楽さと『他者の贈与』を受け取ることで得られる人間関係の喜び
ビジネス化・マニュアル化されたサービスの気楽さと『他者の贈与』を受け取ることで得られる人間関係の喜び 前回の記事の続きになるが、丁寧な個別的接客のない『小売業(スーパー・コンビニ・ファストフード・ファミレス)』では、自分が『特定の個人』として認識されない『匿名空間の気楽さ・サービス提供(商品購入)のスピーディーさ』そのものが市場価値になっている部分がある。こういった場所では大半の人が店員と個人的関係を築きたいとは思っていないし、マニュアル的なやり取り(決まったあいさつと笑顔・注文の確認・レジでの決済)以外の親密なコミュニケーションは通常発生しない。 ...続きを見る

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2009/02/04 06:42
『他人に何かをして貰うこと(贈与−返報)』の負債感の増大と経済取引に求められるサービス・人間関係の質
『他人に何かをして貰うこと(贈与−返報)』の負債感の増大と経済取引に求められるサービス・人間関係の質 今の日本でもっとも共有性の高い道徳規範は『他人に迷惑を掛けてはいけない』というものであり、これは『己の欲せざるところ、人に施すことなかれ』という儒教道徳にもつながっている。『他人の喜ぶことをして上げなさい・他人が求めるものを与えなさい』というのも説得力のある道徳規範であるが、こちらは『他人に迷惑を掛けてはいけない』という消極的な道徳よりも実践のハードルが格段に高く、相手が何をして欲しいと思っているのかを正しく知っていなければならない。 ...続きを見る

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2009/02/04 06:26
近代社会(資本主義社会)における非生産的な『高貴性』と『聖性』の消滅:無欲・貧困の怠惰への転落
近代社会(資本主義社会)における非生産的な『高貴性』と『聖性』の消滅:無欲・貧困の怠惰への転落 『前回の記事』の続きになるが、仏教思想では『煩悩(欲望)』によって人間の心が曇り汚れるという人間観が前提にあり、俗世間は人々の無数の不浄な煩悩に覆われた『穢土(えど)』と仮定される。穢土(俗世)から離れて煩悩を断ち切った禁欲生活(修行・学問・布施の物乞い)を静かに続ける出家者や隠遁者、巡礼は、世俗に生きる人たちよりも道徳的に尊い存在(聖なる存在)であると考えられていたが、近代社会では基本的にこの道徳的価値判断が労働規範によって転倒されることになる。 ...続きを見る

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2009/01/29 06:45
近代産業社会の労働道徳と『脱俗の聖域・無欲の聖性』を生み出した前近代的な宗教(仏教)の禁欲道徳
近代産業社会の労働道徳と『脱俗の聖域・無欲の聖性』を生み出した前近代的な宗教(仏教)の禁欲道徳 近代産業社会とは労働道徳と市場経済によって成立する社会であり、自然科学と功利主義によって『宗教・思想』の大部分が迷信や誤謬として退けられることになった。日本の歴史では、キリスト教やイスラム教のような一神教の強力な宗教原理が政治に根づいたことはないが、藤原氏の摂関政治が隆盛する平安時代中期くらいから『世俗(俗性)』と『宗教(聖性)』の分離が進んでいき、仏教界(宗教界)は世俗の争乱や対立、責任追及から上級貴族を中心とした人々を守る『聖域』を提供してきた。 ...続きを見る

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2009/01/29 06:35
資本主義(自由主義経済)と社会主義における労働観と『努力−結果』の因果応報を求める規範意識
資本主義(自由主義経済)と社会主義における労働観と『努力−結果』の因果応報を求める規範意識 『前回の記事』の続きになるが、自己責任論者にとって『過保護・甘やかし』と映る弱者救済の社会福祉に対する否定感情は、人間の水平的な平等感(応益負担原則)に基づく反応であると同時に、個別的な生活の困窮や将来不安の現れでもある。近代産業社会における『労働と道徳的義務の結合』は極めて強固なものであり、ミシェル・フーコーの規律訓練システムを持ち出すまでもなく、『学校・工場・企業における規則正しい生活リズム』は今でもまっとうな社会人であるか否かの指標として認識されることが少なくない。 ...続きを見る

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2009/01/17 11:56
新自由主義の自己責任原理と「派遣村」の支援に対する批判について:失業・貧困の原因帰属の心理
新自由主義の自己責任原理と「派遣村」の支援に対する批判について:失業・貧困の原因帰属の心理 世界的な金融危機と景気悪化の広まりによって、世界各地で膨大な数の人々が仕事や住居を失い雇用問題が深刻化している。日本でも派遣切りに遭った失業者や生活に困窮した人たちが東京日比谷の『派遣村』に集まって再就職に必要な支援を受けていたが、派遣村も閉村されることになり新たな滞在地での再就職に向けた活動が始まっている。マスメディアでは派遣村に集まった失業者たちに対する同情的・人道的な意見が主流であり派遣労働の待遇改善が語られているが、個人の多種多様な意見が反映されるウェブでは、失業するに至る『自己責任』を... ...続きを見る

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2009/01/14 03:53
『公共の場では静かにすべき』というマナーが持つ現代的意義:他人に注意すること・他人から注意されること
『公共の場では静かにすべき』というマナーが持つ現代的意義:他人に注意すること・他人から注意されること 現代社会では価値観やライフスタイルの多様化によって『他者と共有できる常識・慣習的規範』の幅が狭くなってきている。その結果、過去には明確なマナー違反あるいは礼儀(常識)からの逸脱と考えられていた行為を注意することが難しくなってきており、周囲の人に物理的危険が及ぶようなよほど重大な違反行為が行われない限りは『他者の迷惑行為・マナー違反』を強い態度で注意しようとする人はほとんどいなくなった。都市部の公共空間では知り合いではない『他者の行為』に対して無関心な態度を貫くことがデフォルトであり、『他者の迷惑... ...続きを見る

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2008/11/17 20:40
近代的な労働規範・社会保障制度とホームレスやニートに対する排除意識の問題:ファシズムと民主主義
近代的な労働規範・社会保障制度とホームレスやニートに対する排除意識の問題:ファシズムと民主主義 社会保障制度を備えた資本主義社会において、ホームレスやニート(NEET)といった働いていないように見える人たちに対する偏見や差別の感情は一定の割合で起こり得る。そのネガティブな感情は、労働を苦役を伴う義務とする認識や税金の負担者と受益者が異なるという不公正感、国家財政を逼迫する福祉予算に対する危機感などに根ざしているものと考えることができるが、ホームレスや無職者を非難せざるを得ない経済生活の苦境や精神的ストレスの大きさなどとも相関しているだろう。他者に対する強制力を持つ労働規範の意識は、すべての... ...続きを見る

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2008/09/12 09:29
豊臣秀吉の“刀狩(兵農分離)”と室町期の農民・国人の軍事力:武断主義と文治主義の交替史の終焉
豊臣秀吉の“刀狩(兵農分離)”と室町期の農民・国人の軍事力:武断主義と文治主義の交替史の終焉 中国王朝の交替史と日本の近世以前の政権(幕府)の交替史を眺めると、『武断主義(軍事政権)の時代』と『文治主義の時代』とが繰り返し訪れているが、近代国家が成立する以前は、武力で政権を取った勢力が官僚機構を整備して数十年〜数百年のスパンで領域を統治した。日本は公家政権(平安京の朝廷)と武家政権(源氏棟梁の幕府)という二本の柱があったが、鎌倉時代以降は公家(天皇)は権威付与の役割へと後退し、武家は政治権力の中枢へと進出したが、弓矢・刀剣を携える武芸(戦闘)を生業とする武士も天下泰平の時代には官僚化・農... ...続きを見る

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2008/07/14 08:03
東京都江東区潮見のマンションで起きた隣人による殺害事件:特異な反社会的人格と都会のマンションの盲点
東京都江東区潮見に立つマンションの最上階(9階)の一室から、僅かな血痕とピアスを残して忽然と23歳の女性が消えた事件は、当初から非常に奇異な印象を受ける事件で気になってはいました。行方不明になっていた23歳の女性は広告会社勤務の派遣社員・東城瑠理香さんであると発表されましたが、事件は予想される幾つかの蓋然性の中で最悪の展開へと進んでしまいました。日々の時間と出来事が絶え間なく流れていく中で、江東区潮見のマンションの失踪事件をほとんど意識することもなくなっていたのですが、東城さんが4月18日の午後... ...続きを見る

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2008/05/27 08:25
死刑存置論と死刑廃止論が仮定する人間観と自由意志の強度:自律的な倫理主体としての人間と環境
刑事裁判が国民感情と応報原理の正義に偏り過ぎると、加害者にとっても被害者にとっても『事件に対する世間の関心の強さ・被害者の人間関係が持つ物語性=共感可能な属性の多さ』によって、裁判の公正性・量刑水準の妥当性が損なわれる可能性がある。個人的復讐の国家による代理執行をどう価値判断すべきなのかは難しい問題だが、『応報刑としての死刑』を肯定するということは、復讐原理と社会正義とを同一視するような世界観を持つことを意味する。現代日本における死刑は法理的には『被害者の代理復讐』ではなく『社会防衛的な排除』だ... ...続きを見る

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2008/04/25 08:12
山口県光市母子殺害事件の死刑判決・“当事者の応報原理”と“社会的な秩序維持”を代理する死刑制度の考察
1999年の山口県光市母子殺害事件の被告に対して広島高裁の差し戻し控訴審で『死刑判決』が出されたが、前回の最高裁審理における差し戻しの理由が『特に酌むべき事情がない限り、死刑を選択するほかない』とするものだったので今回の判決は十分に予測されたものであった。現行の刑法規定のみから考えると18歳以上の殺人犯には死刑が科されてもおかしくはないが、日本の判例から考えると20歳未満の少年が起こした被害者二人の殺人事件としては異例の判決であるとされる。犯行当時18歳になったばかりの少年だった被告(27)は、... ...続きを見る

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2008/04/25 07:23
漫画やゲームに登場する“創作上の人物”に対する表現規制の問題:『表現の自由』と『メディア学習』
あらゆる情報(コンテンツ)を容易に複製・頒布・共有できるインターネットの普及に伴って、音楽や映像作品などの『著作権の問題』が取り上げられる機会が増えましたが、ここ最近は、インターネットを含む各種メディアを介在した『有害情報の規制』に関連する政治的議論が活発になっているようです。有害情報とは何かを一義的に定義することは出来ませんが、多くの人にとって有害情報は『性的指向・性的嗜好(セクシュアリティ)』と深い関連を持っています。青少年の健全育成にとって有害な情報という時、私たちの脳裏に反射的にイメージ... ...続きを見る

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2008/03/17 21:57
日本社会の治安の安定を示す統計データと“治安悪化・将来不安・他者不信”を感じる主観的な心
『平成19年(2007)の殺人発生数は戦後最低』という記事によると、去年2007年は戦後で最も殺人発生数(1199件)が少ない年だったようで、日本は一億人を超える人口数から考えると世界的に見ても極めて安全な治安状況を実現していると言える。凶悪な少年犯罪や子どもに対する犯罪も昭和40年代前半をピークに実際には減り続けていて、昭和60年代頃からは大方横ばいになっている。あらゆる犯罪を完全にゼロにすることが出来ない以上、過去と比較して改善傾向にある現在の治安水準が危機的な状況であるとは言えないが、一般... ...続きを見る

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2008/02/12 17:34
代理出産(代理母)の法規制と倫理性についての論点・総務省による携帯フィルタリングの過剰規制の見直し
■代理出産(代理母)の法規制についての論点 ...続きを見る

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2008/02/01 15:16
民主党の違法サイト規制案とインターネット上の未成年の保護政策についての雑感:2
前回取り上げた民主党の違法サイトの規制案に関しては、一般的な言論・表現の自由の侵害とは余り関係ないと思いますが、PDFファイルと報道のニュアンスが微妙に違うので実際の運用は分からないところがあります。法案の主眼は、反社会的な表現をしてはいけないとか有害情報を強制削除するとかいうことではなく、異性紹介業を営むサイト(出会い系)や有害性の強いサイトに未成年をアクセスさせないことにあるという風に読めるのですが、未成年に直接的な生命の危険が及ぶ恐れのあるサイトということでは明文化されていないものの自殺サ... ...続きを見る

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2008/01/09 15:40
民主党の違法サイト規制案とインターネット上の未成年の保護政策についての雑感:1
価値観の年代による変遷の話の続きになりますが、子どもが何に時間を費やしていてどういった影響を受けているのかは、絶えず世論の関心となり有力な規制の根拠になったりもしますが、最近では子どもに有害情報にアクセスさせないために『未成年が持つ携帯電話のフィルタリングが原則義務化される』などの政治の動きがありました。ゲームやケータイ、パソコン、インターネットなどの娯楽機器・情報通信機器に関しての現代社会における批判の論点は無数にあり、その全てを議論することが難しいほどになっていますが、特に子どもの日常生活の... ...続きを見る

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2008/01/06 20:11
宮崎県の東国原知事の『徴農(徴兵)発言』と現代の自由社会における道徳教育の原則論
宮崎県の東国原英夫知事が、若者の規律訓練を目的とする『徴兵制』の復活を肯定するような発言をして、その後、戦争と関連する徴兵制ではなく強制参加を前提とする『徴農制』の導入が必要ではないかという意見に変更して話題となっているようです。自由主義国家で徴兵制(徴農制)を議論することは法原則的にはナンセンスだと思いますが、政治思想や法哲学の原理原則はともかくとして、徴兵制(徴農制)のような行動の強制が、『最近の若者の根性を叩き直せ』というポピュリズムの後押しを受けて実現する可能性は皆無とは言えません。そこ... ...続きを見る

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2007/11/30 09:36
“ハレのウェブの認知”が引き起こす心理的な解放感と反社会的な危険性:ウェブ社会の暗部の回避
前回の記事の最後でウェブの長短について書きましたが、良くも悪くも、ウェブ世界は現実世界を反転させた鏡像であると考えることができます。それは、現実にもウェブにも『善人・悪人・一般人・強者・弱者・知者・愚者がそれなりの比率』で分布しているという認識であり、『ハレ(非日常)とケ(日常)の雰囲気』が私たちの精神に何らかの影響を与えるという確率論的な予測です。 ...続きを見る

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2007/08/30 00:10
孟子の“四端説”と自己の価値を貶めて他者を傷つける“自暴自棄(投げやり)”の抑制
『孟子』は、道徳規範を理解できる理性を有する人間と動物(禽獣)との違いとして徳性の原点である『四端(したん)』を挙げ、『惻隠(仁)・羞悪(義)・辞譲(礼)・是非(智)』の四端を持ちながらそれを無視する人間は、人間としての自分の価値を捨て去ろうとしているに等しいと説いた。 ...続きを見る

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2007/05/24 14:13
『孟子』の性善説に基づく徳治主義と混迷する現代社会の道徳教育:2
孔子や孟子が語る徳治主義(性善説)による王道政治などは絵空事の理想論に過ぎないというのは、確かにその通りであるが、弱肉強食の論理が当然のように罷り通っていた戦国時代に徳治主義を説いたことに孔子・孟子の面目躍如があるのではないだろうか。現代日本でもここ数年、強者が弱者を利用したり見捨てたりすることが当然であるかのような行き過ぎた自由主義の価値観が瀰漫(びまん)しつつあり、『正直者が馬鹿を見る・力のない正義は無力である』といった仁義・礼節・勇気を無効化する言説に説得力が生まれてしまっている。『寄らば... ...続きを見る

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2007/05/22 13:37
『孟子』の性善説に基づく徳治主義と混迷する現代社会の道徳教育:1
儒教の始祖である孔子に次いで著名な大儒(たいじゅ)として孟子(B.C.372-B.C.290頃)がいるが、孟子は孔子と比較すると剛毅果断(ごうきかだん)であり直情廉恥(ちょくじょうれんち)の傾向の強い人であった。剛毅果断とは、言い換えれば、不正に対して憤慨する気質、悪事を見逃さずに懲罰の為の行動を即座に決断できる気性の激しさのことを指す。曲学阿世(信念を曲げるおもねり)を嫌った孟子は、王者の師であることの自意識に根ざして活動し、『仁義・礼節の道』を君主に啓蒙する士としての自負心が非常に強い人物で... ...続きを見る

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2007/05/22 13:03
三歳男児が預けられた熊本市・慈恵病院の赤ちゃんポスト:家族の変質と養育責任の所在
熊本県にあるカトリック系の慈恵病院(蓮田晶一院長)で、5月10日から子どもの生命保護を目的とした「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」の運用が始まりました。運用初日に、赤ちゃんポストへの委託が想定されていなかった3歳の男児が預けられたということで、早くも赤ちゃんポストの存在が安易な養育放棄の助長になるのではないかという道徳的批判が起きているようです。 ...続きを見る

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2007/05/16 00:58
アリストテレスの『二コマコス倫理学』と実践三段論法によるエウダイモニアの追求
生理的な快(欲望)に駆動される『動物化する生』に拮抗するのは、生理的な快の誘惑に逆らって倫理的(意図的)な善を実現しようとする『人間的な生』である。人間的な生とは、端的に、『主体的な選択と決断を伴う生』のことであり、『盲目的かつ機械的な生』というある種の運命論への抵抗である。 ...続きを見る

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2007/04/06 00:40
ソクラテスの産婆法とプラトンのイデア論:ロゴス(言葉)に生命を吹き込む知行合一の生き方
前回の記事で、プラトンのイデア論について言及したが、正しく善く生きようとする倫理的(理性的)な意志を放棄して、その場その場で湧き起こる欲求や必要を満たし、与えられた義務や責任を果たしていけばそれで良いのではないかという反イデア的なプラグマティズムの価値観も近代以降は強くなっている。 ...続きを見る

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2007/03/24 00:47
プラトンのイデア論(本質主義)と善悪の価値判断の変遷:目に見えない普遍的価値を目指す人間の本性
前回のプラトンに関する記事で、自然科学が人間の価値判断に直接的にコミットできないという話をしたが、哲学という思弁的な学問の魅力の一つは、人間が感得する価値の根拠に直接的に言及して論理的・直感的に分析するという点にある。 ...続きを見る

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2007/03/16 18:27
悲観主義を徹底できない人間の弱さとオプティミズムによる生きる意味の発見
My Life Between Silicon Valley and Japanの『悲観主義とオプティミズム』と分裂勘違い君劇場の『なんでも悲観的に考える人と、なんでも努力すれば何とかなるという人』という記事を読んで、悪い結末を予期する悲観主義(ペシミズム)と良い結末を予期する楽観主義(オプティミズム)について考えた。 ...続きを見る

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2007/03/03 00:10
俗物の欲求のあからさまな開示と同じ穴の狢コミュニケーションの挫折:聖女と娼婦の同一化(二面性)
趣味のWebデザインで『斜陽産業』という性風俗についての経験に根ざした記事を読みましたが、性サービスを『貨幣を介在して売却する・購入する』という行為には、人間の根源的な価値観というか人生(異性)に対するスタンスというものが反映されやすいと思います。 ...続きを見る

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2007/03/02 14:04
人工妊娠中絶の生命倫理と親子関係・養育責任を巡る葛藤:熊本市・慈恵病院の“赤ちゃんポスト”について
少し前に幾つかのブログで、人工妊娠中絶の倫理的な是非にまつわる話題が出ていましたが、中絶の問題には『胎児の生存権・子どもの養育責任・堕胎の自己決定権・宗教的な価値観・セックスの特殊的価値』が関係していて、中絶に対する否定感情(罪悪感)には個人によって相当に大きな落差があります。 ...続きを見る

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2007/02/26 18:22
三権分立を前提とする近代法の原則:心神喪失者等医療観察法の理念と処遇について
『行為の法的責任』を何処に求めるか?の記事で、重篤な精神病などで善悪の判断能力を障害された場合や年齢が成人に満たない場合の道義的責任と社会的責任について考えましたが、自由意志の有無と刑罰の有効性(適法性)の関係というのは非常に難しい問題です。 ...続きを見る

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2006/11/19 18:35
宇和島徳洲会病院の臓器売買事件と万波誠医師の疾患腎移植に関する倫理学的考察:2
前回の記事では、徳洲会病院で移植を受けた患者の臓器売買の話題が長くなりましたが、現在、議論の的となっている『疾患腎(病腎)移植』については、長期的なレシピエントの健康性と安全性が確保できないのであれば、早期に臓器移植法を改正して『生体移植に関する禁止事項』を明確化すべきだと考えます。 ...続きを見る

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2006/11/10 08:17
宇和島徳洲会病院の臓器売買事件と万波誠医師の疾患腎移植に関する倫理学的考察:1
医学とは、生体の構造・病気の機序・疾患の治療と予防について研究し、病気や怪我に苦しむ患者に医療を提供する為の経験科学です。医療の究極の目的は『患者の生命の救助』であり、生命の安全を確保した上で『疾患・怪我による苦痛(不安)の緩和(ケア)』も同時に行っていくことになります。 ...続きを見る

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2006/11/09 04:29
母親が娘の子供を出産する“代理母”と亡きパートナーの凍結精子を利用する“死後生殖”の生命倫理:2
『母胎を使った“産みの母親”(分娩した母親)でなければ、血縁関係のある実母・実子(嫡出子)とは認めない』という現行の民法や最高裁の判断に見られる価値観も、そういった保守的なこだわりや家族観の反映ですが、分娩した母親のみを実母と認める現行の民法解釈には、『実の親子関係(血縁関係/権利関係)』の明確な客観性を保持するという意義もあります。自分と血縁関係のある子供であることを複雑な手続き(医学的検査)を経ずに証明できる簡単な方法が、通常の性行為を経て自分の母胎を使って妊娠出産することだからです。 ... ...続きを見る

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2006/10/21 08:08
母親が娘の子供を出産する“代理母”と亡きパートナーの凍結精子を利用する“死後生殖”の生命倫理:1
既に死亡した配偶者の配偶子(卵子・精子)を用いた生殖補助医療の問題、卵巣・子宮の摘出及び機能障害によって妊娠出産が不可能な女性の代理母の問題など、人間の生命の誕生とその社会的承認を巡る医学的・法的・倫理的な問題が、マスメディアやインターネットの記事で取り上げられる機会が多くなっています。 ...続きを見る

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2006/10/21 07:28
『行為の法的責任』を何処に求めるか?:道義的責任(主体責任)と社会的責任(結果責任)の比重
理性的抑制と本能的欲望が葛藤する脳の構造:『認識能力』と『行動制御』で構成される責任能力の記事で、脳の生理学的機序と刑法の責任能力について雑多な感想を書きましたが、それと関係して、近代法の理念や少年法の問題について書きかけていたので公開しておきます。 環境と遺伝に関係した性格心理学などの問題にも踏み込みたかったのですが、時間がなかったのでまた心理学やカウンセリング関連の記事を書く時に、性格理論・行動原理と遺伝などについても考えてみたいと思います。 ...続きを見る

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2006/10/13 22:01
“心脳一元論における責任能力の曖昧化”と“刑法39条の責任阻却事由の原理的考察”
『物理的な脳と心理的な意識の並行関係と機械論的生命観の限界』で、人間の脳器官と精神機能の相関関係について考えましたが、精神科医や心理学者、生物学者の中には、『脳の機能(状態)』と『人間の心(精神)』を同一のものと見る唯物論的な精神観を持っている人が少なからずいます。 ...続きを見る

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2006/10/06 01:43
坂東眞砂子氏の日経新聞の記事から考える“ペット化した動物”の生命の価値と尊厳
『死国』『狗神』などの著作で知られる直木賞作家の坂東眞砂子さんが、飼い猫の仔猫を殺していることを日経新聞の『プロムナード』のコーナーに寄稿したことでネット界隈で大きな批判と糾弾の声が上がっているようだ。 ...続きを見る

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2006/08/22 11:57
心理アセスメントで用いる心理検査とインフォームド・コンセント:ビネー式知能検査による一般知能の評価
臨床心理学の研究分野を構成する主要分野には、『心理療法の理論と技法・心理アセスメント・異常心理学(精神病理学)』があり、心理検査(心理テスト)を中心とする心理アセスメントでは、クライエントの問題解決や利益増進を目的とした各種テストを行ってその後のカウンセリング計画や治療方針を立てていきます。 ...続きを見る

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2006/05/08 06:59
パトリオティズムとナショナリズムの愛国心2:平和主義の理想と宗教倫理の愛
前回の記事の続きで、戦争放棄の平和主義と自他を分別しないキリスト教的なアガペー(博愛)について少し付け足しておきます。 ...続きを見る

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2006/05/01 05:27
山口県光市母子殺害事件が問いかける社会正義と人権2:死刑制度と罪悪感の倫理
国家が社会防衛と秩序維持の観点から、個人である犯罪加害者に司法矯正や社会復帰を目的とした刑罰を科すという近代法の限界は、被害者遺族が加害者へ向ける復讐感情の浄化をシステム的にスポイルしてしまったところにある。 ...続きを見る

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2006/04/21 16:48
山口県光市母子殺害事件が問いかける社会正義と人権1:加害者と被害者の非対称性
1999年に起きた山口県光市母子殺害事件の被害者遺族・本村洋さんが、鋭い眼差しと厳しい表情で司法記者クラブの会見に臨み、加害者少年への死刑執行を強く求めている姿をテレビで見た。 ...続きを見る

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2006/04/21 16:04
『集団・個人の内部と外部』を切り分ける『ヒトの認知モジュール』:愛の証明としての自己犠牲の元型
過去に『何故、人を殺してはいけないのか?』、個人の倫理と共同体の倫理の乖離と接近という記事を書きましたが、それを補足する形で、愛国心と軍事外交、集団規律と個人の自由、観念的価値と生命の肯定などのキーワードを元に書いていた記事がある程度の分量になったので記録しておきます。 ...続きを見る

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2006/04/01 12:59
『神の視点・自我意識(パーソン論)・共同体利益』と関係した倫理規範の根拠:生命肯定の倫理
「哲学の初歩:事実から当為は導出できない」(趣味のWebデザイン)という記事を読み、倫理命題と事実命題の相関や倫理判断の根拠について考えさせられました。 前回の記事に引き続いて「何故、人を殺してはいけないのか?」について、パーソン論概念などをかいつまみながらもう少し考えてみようと思います。 ...続きを見る

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2006/03/10 13:51
『何故、人を殺してはいけないのか?』、個人の倫理と共同体の倫理の乖離と接近
「琥珀色の戯言」に、「バーチャルな「勝ち組」に捧ぐ」という興味深い記事があり、『排他的な愛国心』と『戦争行為の倫理性』について考えさせられました。 ...続きを見る

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2006/03/04 05:00
韓国科学界の英雄・黄禹錫教授のES細胞捏造疑惑:再生医療・ES細胞研究と生命倫理の問題
韓国ソウル大学の黄禹錫教授の胚性幹細胞(ES細胞)に関する研究論文や実験データの捏造疑惑が、国際的な生命科学分野に大きな波紋を起こしているようです。 AP通信では、今年度最大の科学界の不正捏造問題になると指弾され、米国「ワシントンポスト」でも黄禹錫教授の捏造問題によって生命科学の進歩が大きく後退する恐れがあると手厳しく非難されました。 黄禹錫教授は「サイエンティフィック・アメリカン」という科学誌が選出する生命科学分野の「研究分野リーダー」からも除名され、およそ権威ある科学誌全てからその研究全... ...続きを見る

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2005/12/19 22:11

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