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zoom RSS フランスのエマニュエル・マクロン大統領と韓国の文在寅大統領について雑感:2

<<   作成日時 : 2017/05/17 00:01   >>

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先進国の選挙でもポピュリズムによる感情的・攻撃的(自衛からの攻撃)な意思決定が行われやすくなっており、自分たち自身が生活・仕事で困窮したり苛立ったりしていることによって、『国際協調外交・外国の難民移民への人道的配慮』にまで意識が及びにくくなっているのである。フランスをはじめEU先進国では、イスラム過激派が関与するテロリズムが繰り返し起こったことで、テロ防止・治安維持を大義名分とする『反イスラム・反移民の思想・活動』に共鳴する人も増えやすくなっている。

失業・格差・テロ・財政悪化など若きマクロン大統領が対処しなければならない『フランスの現状』は厳しいが、ドイツと並ぶEUの主要国として『孤立的でない国際協調路線+経済と財政の回復による国民統合+格差縮小による国民間の不満の緩和』を進めていってほしいと思う。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領と韓国の文在寅大統領について雑感:1

韓国の大統領選では、革新派(進歩派)で反日姿勢が強いとされる『共に民主党』文在寅(ムンジェイン)大統領が選ばれたが、韓国の保守派と革新派の違いは日本の右翼と左翼の感覚で考えると分かりにくい。

大韓民国は韓国併合の侵略をした日本との戦争に勝って民族の独立を勝ち取ったという建国神話を前提にしている。そのため、保守派でも革新派でも反日の傾向はあるが、革新派の文在寅氏が特に『反日・親北朝鮮』とされるように、韓国の革新派は『南北朝鮮の統一(南北の統一政府樹立)・民族自決の理想・社会主義への共感』を持ち、保守派よりも『親北朝鮮(北朝鮮人民とも同じ民族でありいずれは統一すべきという意識)・親中国』の意識が強い。

『保守派』は韓国の初代大統領・李承晩以降の反共・韓米同盟の現実路線を踏襲する現在の韓国では中心的な勢力で、革新派の主張する朝鮮半島の南北統一という『民族主義のイデアリズム』よりも、現在の韓国の秩序・繁栄・国防を重視する『国家主義のリアリズム』に重点を置いている。

韓国で進歩勢力とされる『革新派』は、過激な反日思想(独立運動の原点回帰)、南北統一の民族主義(北朝鮮人民との同胞意識)、親北朝鮮・親中国、民主化の学生運動と関係した反米主義、社会主義・共産主義への共感などの特徴を持っており、北朝鮮に対しては『日米と結んで戦うべき敵』というより『いずれ統合すべき朝鮮民族の同胞』という解釈になりやすいのである。

韓国の革新派は保守派と比べて、日本・アメリカと強固な同盟国として結びつくべき(北朝鮮に対抗すべき)という考え方が弱い。日本・アメリカよりも元々は同じ朝鮮民族である北朝鮮の人々と対話や連携を深めるべきだと考えやすく、現実の軍事的脅威である北朝鮮よりも歴史的遺恨のある日本・アメリカを敵視しやすい傾向もある。

文在寅大統領になって日韓関係の悪化が懸念されている由縁でもあるが、文在寅氏は北朝鮮と融和的な革新勢力であった盧武鉉政権時代に秘書室長を務めた経歴を持っており、文在寅政権の人事でも親北朝鮮活動で逮捕歴もある任鍾ル・秘書室長など北朝鮮に大きく歩み寄りそうな人材の抜擢が問題視されている。

核・ミサイル開発で恫喝する北朝鮮問題に対して日本・米国・韓国は緊密に連携して対抗する必要があるが、文在寅大統領は『慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決』とされた『日韓合意』の見直し・再交渉を公約に掲げてきていたため、北朝鮮情勢が緊迫しているにも関わらず日韓関係が再び冷え込む恐れも出てきた。

国家間の条約や合意を一方的な理由で反故にすることは、通常の国家関係ではなかなか無いことであるが、政権交代や世論の反発を理由に日韓合意を破棄し再交渉するとなれば、合意履行を翻す韓国の国際的信用が低下したり、日本人の対韓国の感情・信任が更に悪化する懸念も出てくる。

韓国併合の歴史や戦時中の慰安婦問題は、日韓関係の改善を妨げる障害物のようになっていて、お互いを自分たちがまだ生まれてもいなかった『過去の一時点の加害・被害の図式』に拘束して『共同幻想の怨恨・敵意』を強める悪循環になってしまっている。

政府間レベルの合意を韓国の民意の反発で履行できないのであれば、韓国は合意前に日韓交渉の内容について十分な話し合いを深めてからにすべきだったし、日本も慰安婦問題に関わる韓国の民族アイデンティティーの傷つきに配慮する姿勢(合意を殊更に急がず)を分かりやすく示したほうが良かったのかもしれない。

韓国の世代間伝承的な建国理念や政治体制の正当化に『旧日本からの独立闘争(韓国併合の屈辱と独立による雪辱)・民族自決による植民地からの解放(支配された被害者の立場からの尊厳の回復)』がある以上、韓国の歴史認識や社会世論から完全に『反日』の色彩を消すことは難しい。

日本側もどういった関係改善のアプローチがあるのか(日米韓で協力して北朝鮮の威嚇に対処する構図を守る上でも)を戦略的・倫理的に考えていく必要があるが、韓国でも日本でも大々的に『お互いを嫌っている政策・思想・ヘイトスピーチ(一部の人の声)』が取り上げられすぎることによって、『そこまで嫌っている相手に好かれる必要はない媚びなくて良い』といった妥協を知らない強硬な態度に陥りがちなのは困った問題である。

中国からは韓国に配備された米軍の『高高度防衛ミサイル(THAAD)』の撤去を求める要請も出されているという。親北朝鮮であると同時に親中国ともされる文在寅政権が、東アジアの安全保障体制の秩序(自由圏の日米韓の連携)を維持して北朝鮮のミサイル外交の恫喝を抑止できるかどうかが、『ミサイル防衛システム配備』を巡る米中との駆け引きで問われそうである。韓国に米軍のTHAADが配備されているかどうかは、日本にとってもミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮問題における安全保障上の安心感・連携感にもつながってくるだろう。

親友の国政介入・資金流用などの政治疑獄で弾劾・収監された朴槿恵前大統領(父の朴正𤋮も暗殺)、非業の自殺に終わった廬武鉉元大統領はじめ、韓国の歴代大統領は悲劇的な末路を辿った人が過半数を占める。民意の突き上げも激しい内憂外患で、思想的・政策的にも偏りが強そうな文在寅大統領は過去の同じ轍を踏まずに大統領任期をまっとうできるかも注視される。


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