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zoom RSS フランスのエマニュエル・マクロン大統領と韓国の文在寅大統領について雑感:1

<<   作成日時 : 2017/05/16 23:30   >>

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フランス大統領選では『EU離脱・グローバリズム・移民問題』が争点になっていたが、中道・独立系のエマニュエル・マクロン前経済相(39)が、極右政党『国民戦線』の代表であるマリーヌ・ルペン氏を大差で破って大統領になったことで、EU情勢・世界経済の混乱は回避された。

フランス大統領選もアメリカ大統領選で『どちらにも投票したくない選挙』としての側面を持っていたが、移民に厳しくEUに懐疑的なフランス第一主義の極右とされるマリーヌ・ルペンが大統領になって『EU離脱・保護主義経済・移民排斥・外国人警戒(差別的な治安強化)』などの政策が実行される流れになれば、相当な政治・経済・EUの混乱が生み出されたかもしれない。

英国のブレグジットに続いてフランスまでEUから離脱したとしたら、ヨーロッパ全体を国境線・関税のない一つの平和で豊かな連合国家とする『EUの建設理念』そのものが空中分解してしまう恐れもある。反自由民主主義・反人権のイスラム国やイスラム原理主義勢力の台頭、先進主要国の国内の階層・民族・利害の分断と格差の激化なども考えると、EUがバラバラに分断していって小さな国家の寄せ集めや協力できない利害の対立になってしまう事態は避けてほしいところである。

日本でも近代フランス史上で最年少の大統領に就任したエマニュエル・マクロン大統領に関連するさまざまなエピソードが紹介されていた。右派の共和党と左派の社会党の二大政党以外から大統領が誕生するのは1958年の第五共和制以降で初めてのことであり、フランス国民の政治的社会的な問題意識の変化からフランスの二大政党制の根幹も揺らいでいる。

マクロン大統領はフランスの典型的な学歴エリートとしてのキャリアを最短距離で突っ走ってきた人物であるが、高校時代の元担任教師(当時は既婚で後に離婚してマクロンと結婚)で、24歳も年上の妻ブリジットと結婚したことなど私生活も多く話題になっていた。

24歳という大きな年齢差ばかりがクローズアップされたが、高校時代に好きになった女性(教師)への恋愛感情・憧れの思いなどを、大学進学以降も他の若い女性に目移りせずに持ち続け、遂には相手に離婚してもらってまで結婚するという初志貫徹の意思・信念の強さも並外れているように思う。

私生活での意思・信念の強さを、大統領としての職務遂行や国民連帯によるフランス・EUの再成長に結び付けていけるかに期待したいと思うが、39歳で国家の最高指導者の役職に就くというのは、日本でも中国でも東アジアの年功序列の要素が強い大国の政治制度からでは考えられない若さでの大統領就任である。

マクロン大統領は政治エリートの登竜門であるフランス国立行政学院(ENA)を卒業して、『会計検査院・ロスチャイルド銀行・オランドによる側近への抜擢・経済産業デジタル相』というキャリアを歩んでおり、政界では規制緩和法案であるマクロン法を通過させた実績があるという。そのキャリアからは自由市場原理を活用した経済政策に明るい大統領のように思えるが、政権公約では500億ユーロ規模の公共投資、公務員雇用の削減、低所得者の社会保険負担の削減など『公共事業・格差是正・公務員人件費圧縮による財政再建』のための財政政策も多い。

そもそもフランスでルペンの率いる極右的な国民戦線が台頭した背景には、『失業率の高さ・格差拡大』があり、マクロン大統領も雇用増加・格差縮小のための経済政策に力を入れなければ支持を維持できない状況である。フランスの失業率は約10%で若年労働者に限ると25.9%と高く、若者の4人に1人は仕事がない状態で移民と競合する低賃金労働も増えている。EU離脱を国民投票で決めたイギリスでも失業率は4.6%(若年労働者は13.1%)で、フランスの経済・雇用情勢はかなり悪い。

英国のブレグジットや米国のトランプ大統領誕生の背景にあるのは、アメリカ・ファーストに象徴される他国・世界・難民移民のことなど知らないとする『自国第一主義』である。こういった排他的・自己中心的な自国第一主義の台頭は、先進国で分厚かった中流階層が崩れて格差が広がり、経済と気持ちに余裕のない庶民が急速に増えていることを反映している。


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フランスのエマニュエル・マクロン大統領と韓国の文在寅大統領について雑感:2
先進国の選挙でもポピュリズムによる感情的・攻撃的(自衛からの攻撃)な意思決定が行われやすくなっており、自分たち自身が生活・仕事で困窮したり苛立ったりしていることによって、『国際協調外交・外国の難民移民への人道的配慮』にまで意識が及びにくくなっているのである。フランスをはじめEU先進国では、イスラム過激派が関与するテロリズムが繰り返し起こったことで、テロ防止・治安維持を大義名分とする『反イスラム・反移民の思想・活動』に共鳴する人も増えやすくなっている。 ...続きを見る
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2017/05/17 00:01

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