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zoom RSS やる気・行動力を高める考え方とニヒリズムのリスク1:面白くない・つまらないの決めつけを捨てる

<<   作成日時 : 2017/03/15 11:40   >>

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やる気(意欲)がでないや行動力がでなくなるというのはうつ病(気分障害)の中心的な症状ですが、うつ病のような精神疾患の水準の意欲低下・行動力低下でなくても、一般的な悩みとしてやる気がでなくて行動力がないというのは多いものです。

うつ病などの病的な意欲低下・行動力低下の背景には『興味・喜びの喪失+強い気分の落ち込み』『身体症状(心身症)による全般的な体調不良+鉛様と表現される身体感覚の重さ』がありますが、一般的な意欲や行動力の低下にはそういった心身の症状は乏しく、どちらかといえば『面倒くささ・つまらなさ・面白みのなさ・くだらなさ(バカらしさ)といった行動全般に対するネガティブな評価』があって何となく行動できないということになります。

やる気がでない心理に影響しているのは、『どうせやっても無駄であるという結果の先読み(決めつけ)の認知』『何も好きなことややりたいことがないという積極性・興味関心の欠如』です。

うつ病などの原因として実際に何度も挑戦的にやってみたがダメだった、行動する度に失敗して挫折感や失望感を味わわせられたという『学習性無力感(学習性絶望感)』が影響しているケースもあります。

ただそういったケースでも『効果のないジャンルの活動や自分に不向きな目標に過度にのめり込み過ぎた(努力・時間を注ぎ込む対象を間違っていた)』という可能性のほうが高く、どんな事をやってもダメとか何をやってもつまらないというのは客観的な事実ではないことがほとんどでしょう。

まだ何もやっていない内から敢えて何にも興味を持たず、行動の結果を好ましくない方向に決めつけることによって、ますます意欲や行動力が無くなっていくネガティブなフィードバックに陥ることになります。

人間の感情と生理反応の関係では、“悲しいから泣くのではなく泣くから悲しい”とするジェームズ=ランゲ説が知られていますが、意欲・行動力にもその仮説と似た部分があるのです。常識的には人間は自分が好きだからそれをやるとか、興味を持っているから行動すると思われがちなのですが、実際には『とりあえず行動してみた後に好きになっていく(やってみた後に少しずつ興味を持っていく)』というパターンも非常に多いのです。

仕事・職業でもスポーツでも文化的趣味でも、初めから『自分のやっていること』がものすごく好きだからそれをやっているという人ばかりではなく、初めはむしろ『とりあえず仕事をしなければならなかったから・親から勧められて練習をやらされていた・人に誘われたのでとりあえずやってみた・好きでも嫌いでもなく何となく部活(サークル)に参加してみた』という所から始まり、『行動や参加をしている内に興味関心が広がったり好きになったりして、練習・努力を前向きに積むようにもなった』という感じの人はその分野で一流の人にも多いのです。

もちろん、実際にやってみた結果として、やっぱり自分には向いていなかった、ある程度やってみたが得られるものがなかった、面白みや楽しさが分からなかったということは幾らでもあるわけですが、大事なのは『とりあえず行動・参加をしてみる,前向きに興味関心を持ってみる,どうせやるからには真剣に取り組んでみる,何度かはやってみてまだ続けるかどうかを判断していく』というトライ&エラー(試行錯誤)の姿勢であり、やっている内にやる気や行動力が高まりやすくなります。

先入観・食わず嫌いで実際にやる前から完全に拒絶したり、まだ何もしていないのに『面白くない・つまらない・馬鹿らしい』と決めつけていたりすれば、やる気・行動力が低下するだけではなく、世界・他者の魅力が極端に色あせて、自分に対する自信・自尊心も失ってしまいます。結果、うつ病にまでならないにせよ、人生全般の楽しみ・面白さまで薄らいで、人生や世界に大して意味のあることなどないという虚無主義的な世界観を持ちやすい危険があります。

極端な結果の先読みや物事の本質の追求を極端にやり過ぎると、究極的には人間はいつか死ぬから何事にも意味はないとか、どんな事もいずれ終わりが来るから頑張っても無駄だとかいうネガティブなニヒリズム(虚無主義)を言い訳にして、やる気や行動力を起こせなくなってしまいます。

しかし、最終的な終わりやいつか来る帰結そのものに意味があるかないかが問題なのではなく、『自分が生きている人生の時間』や『今・ここにある自分の感じ方・生きがい』をどう充実させるかこそが『意義ある人生を生きようとする人間(私)にとっての問題』なのです。

そこを前提にしなければ、行動力を落としてしまう人生の虚しさや無意味さの感覚は解消されないわけですが、ニヒリズムの感覚を解消するためには『何事もとりあえずやってみてからどうするか判断する(実際にやる前から嫌だとか無意味だとか決めつけない)』ようにすることが重要になってきます。


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