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zoom RSS ADHDの不注意優勢型における注意力・集中力の障害と心理社会的ストレス(注意力のむら)

<<   作成日時 : 2017/02/23 14:53   >>

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精神疾患全般の誘因として『心理社会的ストレス(原因論の素因ストレスモデル)』は作用するとされるが、大人のADHDが発見されるきっかけになるのも『思春期以降の社会的・職業的なストレス(就労困難・仕事がうまく遂行できない・集団関係に適応できない・一つの場所で集中できないなど)』が多くなっている。

特に不注意優勢型のADHDでは、多動性・衝動性が見られないために子供時代にはそれなりに上手く学校環境・勉強や進学・友達関係に適応できることも多く、実際に職場で仕事をやってみないとADHDの困難や不利益に気づくことができないようなケースもある。

大人のADHDの増加と“中枢神経の情報伝達・遺伝・近代的環境”のADHDの原因論:2

社会人・職業人としてのストレスや拘束時間、仕事の難易度は、学生時代とは比較にならないほどきつく厳しいものになることが多く、特に高度な情報処理の作業や注意力を持続しなければならない知識労働において、ADHDの症状による環境不適応・仕事の困難が浮かび上がってくることがある。

仕事面におけるADHDの分かりやすい典型的な特徴としては『ケアレスミスが増える・同じミスを繰り返して何度も注意される・人の話をしっかり丁寧に聴くことができない・ある程度の時間デスクに座って作業すると集中できなくなる』などがあるが、知識や能力そのものは人並みにあるのに仕事が上手くできない、適切に遂行できないこと(真面目にやっているのに手抜きをしているとかミスが多い人と見られること)が大きなストレスや劣等コンプレックスになりやすかったりもする。

ADHDの理解されにくさの一つとして、注意力が常にどんな時も低下しているわけではないということもある。ADHDには自閉症スペクトラムよりかは軽度だが『興味関心・注意力・集中力の偏り』があり、自分の好きな仕事や興味のある趣味であればかなりの注意力・集中力を示すことができる。

そのことで、新型うつ病(非定型うつ病)のストレス反応性と似たような誤解釈をされて無理解・偏見を受けやすいという対人評価の問題が悩みになることも少なくないが、ADHDの場合には『気分・感情・体調の問題』によって仕事や義務的な作業に集中できないのではなく、『注意力の各種の機能障害』によって注意力・集中力のむらが生み出されるという違いはある。

近現代で正常とされる注意力は、ある程度までの勉強・学問・情報処理に耐えられるだけの注意力であり、前近代社会と比べれば『相対的に高度な注意力・集中力』を持っていて当たり前とする基準の高いものになっている。だが現実にはADHDやLD(学習障害)の問題を持っていないとしても、その人の個性(体調・気分・境遇にも影響は受ける部分はある)としての注意力の相対的な低さ・むら・乱れはあるはずで、勉強・学問・情報処理のような一つの場所に落ち着いてじっとしながら注意力を使う作業が苦手だなと感じる人はかなりの割合でいると想定することは可能だろう。

注意力には『持続性・配分性・転換性(注意の対象の切り替え)』などの要素があるが、特定の課題や物事に対して注意を向けてやるべきことを遂行するには、それらの要素を適切に組み合わせて使える必要があり、多くの人は半ば無意識のうちに課題に適切な注意を向けて集中できるが、ADHDの人ではこの要素がちぐはぐに組み合わされて持続できなかったり違う刺激や考え事に注意が向いたりしてしまう。

ADHDの不注意優勢型で問題になるのは、『計画的な仕事・手順のある作業』などの複数のタスクやプロセスが組み合わされた複雑な行動の遂行であり、全体的な順番を考えながら一定の時間のかかる複雑な仕事・作業をやり遂げることが困難になりやすい。

複数の行動・課題に注意を配分して振り分ける必要のある『マルチタスク』もADHDの人が苦手な状況であり、どちらを優先してやるべきかわからなくなったり、途中まで注意を向けていたやりかけの作業を忘れてしまったりしやすい。思いつきや衝動の影響も受けやすく、今注意を向けてやるべき仕事・課題があっても、『頭に思い浮かんできたこと・急にやりたいとか行きたいとか感じた衝動』に気を取られてしまうと、本来やるべきことに注意を持続して向けることが難しくなる問題が起こることもある。


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