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zoom RSS 幸福を感じるための人間関係・つながりの欲求についての考え方2:存在の相互承認の機会

<<   作成日時 : 2017/01/19 02:41   >>

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近代的自我と競争原理は一般的に、自分と他者の幸せ(目標)を切り離して、自分だけ(自分と深い関わりのある家族や人たちだけ)が幸せになろうとするので、余計に主観的幸福感・人生の意味の実感が低下しやすくなってしまう。

他者に干渉されない『個人主義』や人を傷つけない限りは自分のやりたいようにできる『自由主義』は、確かに自分のコンピテンス(有能感)と競争的優位と望ましい人間関係(家族・恋人・友人)が維持されている限りにおいて、自分にとって重要ではない他者に振り回されない(好ましくない悪影響を受けない)という主観的幸福に貢献する面はある。

幸福を感じるための自己実現欲求についての考え方1:自己実現のプロセスと自分にとっての成長感

しかし、みんなが自分の個人的な人生設計と私的な人間関係だけを失敗(挫折)なしで順調に充足させられるわけではなく、主観的幸福度には『広範な他者との情緒的なつながり』も関係してくる。

接客業・営業の仕事で顧客の笑顔や喜ぶ顔、感謝の声によってモチベーションが上がることは珍しくないが、『他者に喜ばれることをする・自分と他者との間で共感的な体験をする』というのも人間の幸せや楽しみと深い相関があるのである。それほど深い関係のないその場で顔を合わせただけの人とでも、散歩やランニングの途中で笑顔で挨拶をしたり、旅や登山、食事の合間にちょっと雑談をしたりするだけで、気分が前向きになり心理的に癒されるような感覚を覚えることは少なくない。

家族や恋人、親友のような近しい関係にある他者と『愛情・承認・尊敬』をやり取りすることは大きな幸福感や安心感、充実感とつながっているが、それほど近しい関係にはない他者であっても『お互いの存在をその場において肯定的に認識して表現すること』には安らぎや楽しみの心理的報酬があるのである。

自分が幸せでなければ他人を幸せにはできないというのはよく言われるが、『人を喜ばせる・人のために動く』ことによって、結果的に相手の笑顔や感謝、対話(コミュニケーション)によって、自分もいつの間にか幸せな気分や安らいだ気持ちになることは多いものである。他人のちょっとした挨拶や笑顔、気遣いに対して『感謝できる心理状態にあること』そのものが、自分自身が幸せであることの間接的な現れであるとも解釈できるし、『他者との良好な気持ちいい関係』を作れるということも自然な安らぎや満足につながる簡単ではない人生の課題の一つになっている。

自分自身の理想や選好、目標を突き詰めていこうとする『自己実現欲求』は、『自分と向き合う上昇志向(成長志向)の幸福感』と関係しているが、それに対して他者との間で『愛情・承認・尊敬・感謝・親切』などをやり取りして良い関係を作ろうとする『人間関係(他者とのつながり)の欲求』は、『他者と向き合う関係維持志向(相互承認)の幸福感』と関係していると言えるだろう。

自分と向き合う自己実現欲求は『新規性・変化性(今よりも上の成長性)』を追求していくが、他者と向き合う人間関係の欲求は『維持性・安定性(安心できる相互理解の深まり)』を追求していくという違いがある。

それらの対照的な幸福実現の欲求の根底にあるのが、つらいことや大変なことも多くあるが何とか良い方向に変えていけるはず(自分には自分なりの楽しみ方や生きがいもある)という『楽観主義・自己受容』である。

楽観主義や自己受容は、『自分は自分・他人は他人』というアドラー心理学のような他者と比較しない自他の課題の分離とも関係しており、『自分自身が何者であり何をしたいのか』という自己アイデンティティや価値観の確立のための行動に上手くフォーカスできているのである。

人生には誰にでも多くの上手くいかない失敗や挫折、苦悩が当たり前のようにあるが、それらに不運にも直面した時にそこで精神が折れてしまって長期の不適応・病的状態に陥るか、今は辛くて耐え難いけれどまた自分にとって良い局面が訪れて何とかなるはず(そのために今できることを何とかやっていこう)という楽観主義(ポジティブ思考)を持てるかで、中長期の人生や自意識、心理状態は大きく変わりやすい。


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