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zoom RSS 福岡市の原三信病院にタクシーが突っ込んだ交通死亡事故2:ヒューマンエラーか車の故障か

<<   作成日時 : 2016/12/06 06:22   >>

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常識的に考えれば、日本国内で何百万台も走っているプリウス30系の他の車両に類似の事故回避不能な致命的なブレーキトラブル(ブレーキが完全に効かなくなり逆に加速する)が起こっていないことから、運転者の踏み間違えのヒューマンエラーや知覚の錯誤(踏んだペダルを間違って記憶する脳機能の錯覚)、意識状態の変性・喪失を生む何らかの精神疾患・脳機能障害(認知症・てんかん・解離・脳の器質的問題など)の可能性のほうが高いということにはなるのだろう。

福岡市の原三信病院にタクシーが突っ込んだ交通死亡事故1:プリウスの回生調整ブレーキ

軽々に事故原因について、ヒューマンエラーか車の機能上の問題かを断定することはできないが、こういった事故が起こった時に『車種が誰もが知っている分かりやすい人気車種であること』と『加害者が車の性能・構造に何らかの不具合が発生して事故を起こした(自分のミスではない)と供述すること』が重なると、一種の好ましくない印象形成になってしまいやすい部分はあるかもしれない。

ブレーキペダルを踏んでもブレーキが全く効かないというのは、従来の油圧式であればブレーキ液が空になっているか、ブレーキの油圧ケーブルが切れているか、長い下り坂などのブレーキの踏みすぎで過熱してベーパーロック現象(ブレーキ液内に蒸気が入る)を起こしたかであるが、プリウスのようなハイブリッドカーでは一般ドライバーにとって『電子制御部分のブラックボックス化(どういう仕組みで制動力を発生させどこが壊れるとどんな症状がでるのか分からない)』が起こりやすいところはある。

国土交通省に寄せられたプリウスのブレーキ関連についてのユーザーの不具合報告(ユーザーの一方的な報告なので事実関係・整備状況・部品の経年劣化などは不明)は複数あるようだが、『凹凸の激しい路面などABSが作動する特定条件下』『累積の走行距離が長い車両』『長い下り坂でのヴェーパーロック現象』などにおいて、ブレーキの効きが悪くなったり効かなくなったりしたというケースが報告されている。ただブレーキが効かないを通り越して、車両が一定以上の距離を速い速度で加速して制御不能な暴走をするというケースはやはり前例がないようだ。

今回の事故は約70キロ以上程度の速度は出ていたのではないかと報じられていたが、目撃者の現場での速度の体感では、止まりかけののろのろ運転や40キロ前後の安全運転の速度ではなく、かなり加速感のある速いスピードで病院に突っ込んだようである。

突っ込む直前まで普通にブレーキが効いて停車できていた車が、次に走り出した途端にブレーキペダルを踏んでもうんともすんとも反応しなくなり、遂には再加速して突っ込むような深刻すぎる故障・欠陥が実際に有り得るものなのだろうかとは思う。しかし、運転手は病院に突っ込む前には、左車線に止めていた車を避けるハンドル操作をしていて、シフトをDからB(エンジンブレーキ)に変えて減速しようとしたができなかったと語っている。

今回の事故では、ブレーキ痕が全く残っていないので、本当に運転手がブレーキペダルを踏んでいたのなら、ブレーキシステムが全く何の反応も示さないままだったということになる。公園から病院までの約350mの直線上にある、一旦停止の停止線がある『二つの交差点(信号はなし)』でも運転手は減速も停止もしていないと報じられているから、ブレーキが壊れていたなら公園から発進した時には既に壊れていたことにはなるが。

もう一つの可能性としてはペダル周辺のフロアマットがめくれてアクセルペダルをずっと押さえつけていたり、ブレーキペダルの後ろにごみ・異物が挟まって踏めなくなっていたりということもあるかもしれないが、そんな単純な原因なら既に事故原因の検証は終わっているようにも思う。

踏み間違えのヒューマンエラーであれ車両の故障であれ、ブレーキをかけて車を制止させることがどうしてもできない時に、どこに衝突させて止めるのが最も人的被害を少なくできるかを咄嗟に判断するのは難しいかもしれないが、約350mを直進する途中で危機回避的な強引な停止措置やハンドル操作ができなかった(死亡事故を回避できなかった)ことは悔やまれる。

プリウスのコンパクトなシフトノブは、Nをデフォルトポジションとして、斜め右下にD、斜め右上にR、Nの下にBを配置しているが、Pは従来のオートマのシフトとは違って別ボタンになっている。エンジン始動はキーレスエントリーで、ブレーキを踏んだ状態でスタートボタンを押してかける仕組みだが、鍵を回す従来の方式のように走行中にエンジン停止はできないらしい(緊急時にはスタートボタンを長押しすることでエンジン停止するがユーザーも走行時のエンジン停止方法はあまり知らないだろう)。

病院のガラス張りの待合いにぶつかる前に、Pのボタンを押してみたりNにしてサイドブレーキを踏んでみたりしたら少しは減速できた可能性もあるが、後知恵ではある。あるいは、駐車中の車(できれば誰も乗っていない車)の後部にぶつけたり、建物の壁・柱などの堅固な部分に突っ込んだほうが、(壁だと自分自身は大怪我を負うかもしれないが)人に危害を加えずに止まれたかもしれない。

今まで報道されてきた高齢者の交通事故の多くは『認知症の知能低下・失見当識・言語不明瞭』が関与しているケースが多く、『重大な交通死亡事故の意味・加害者になった自分の立場と処遇・被害者への謝罪や賠償の意思と必要』もよく分かっていないような80代以上の高齢者が加害者になっていたので、『初めからできるだけ車に乗らせないようにするという対策(即時の対応としては家族が免許返納を説得したり納得させ車を売却処分したりする・抜本的な対応としては認知症の高齢者の確実なスクリーニングと運転免許更新の要件の厳格化など)』しかなかった。

だが今回の原三信病院で起こった交通事故は、非常に深刻な被害を出した痛ましい事故であったが、加害者は現状では認知症もてんかんもなく健康・認知(知能)の状態に問題はなかったとされていて、自分で自分自身の運転のプロセスや危機回避のためにした動作について説明するだけの正常な認知・言語も維持されている。

それと合わせ、今回の交通事故は『一瞬の判断ミス・踏み間違えで起きた事故』ではなく、『約350mの直線道路を走っている間にブレーキが効かない異常に気づいてどうにか止めようと考えていたが、本人にはどうしようもできなかった事故(車のブレーキの故障ではない踏み間違えの可能性もあるが、止めるための方法を考える一定の時間があった事故)』であり、何とか車のシフト操作やサイドブレーキ、ハンドル操作、踏み間違えていたならブレーキの踏み直しによって死亡事故を避けられなかったのだろうかと悔やまれる部分があるように思う。

[追記]

12月11日づけの報道記事で、暴走したタクシーの運転席のフロアマットが二重に敷かれていたことが捜査関係者への取材で分かったとされ、上の固定されていないマットがずれてアクセルやブレーキのペダル操作に影響を与えた可能性があると伝えられている。福岡県警は、フロアマットのズレの可能性と事故との関連を慎重に調べているという。

フロアマットがずれてアクセルペダルやブレーキペダルに絡まると、『アクセルが踏まれたままの状態になる』『ブレーキを踏んでも反応しない状態になる』といった物理的問題が発生することがあり、過去にもマットや足元のゴミ(空き缶・ペットボトル)が原因となって暴走したりブレーキが効かなくなった交通事故は起きている。今回の事故原因がフロアマットのズレや絡みつきだと断定されたわけではないが、一つの可能性として浮かび上がっており、ドライブ・イベント・レコーダーの解析と合わせて事故の原因について真相解明を進めてほしい。


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