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zoom RSS モラルハラスメントはなぜ周囲に気づかれないのか?2:モラハラの加害者と被害者の心理

<<   作成日時 : 2015/03/06 01:53   >>

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モラハラという精神的虐待は、本人たちにも自覚されにくいのだが、周囲にいる親族や友人知人といった人たちも気づくことが難しい問題である。モラハラが容認される異常な共依存関係にある二人は、プライベートでは『自分たちだけの世界』に閉じこもっており、その自分たちだけの世界で通用するルールや常識、善悪・罰則の基準などが『(外に知られてはならない)秘密・恥』として囲い込まれている。

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そのため、モラハラが被害者の証言によって外部に漏れることはほとんどないし、物理的な暴力で殴られたり蹴られたりしているわけでもないので、すぐに暴力を受けていると分かる怪我・傷口・あざなども無い。

恋人・配偶者からモラハラ(精神的暴力)を受けているという話が、被害者の口から語られる時は、『加害者から受けていた自己否定及び劣位・従属の洗脳(暗示)が解除された時=外部世界の常識や倫理を理解できるようになり加害者との不健全な関係性を終わらせたいと思った時』である。

モラハラの加害者から言葉・態度を通して何度も何度も繰り返し、『自分はダメな人間(価値のない人間)である・自分は相手がいなければ生きていけない弱い人間である・自分は相手に返しても返しきれない恩がある(相手のおかげで自分はなんとか生きていられた)・自分は社会では通用しない無能な存在である・経済的にも社会的にも一人前として扱われないダメな奴である・粗末な冷たい扱いを受けてもしょうがない価値のない人間である・自分を見捨てずに付き合ってくれている相手に感謝するしかない』といった自己否定につながるメッセージを刷り込まれた被害者の多くは、ぎりぎりの心身状態に追い込まれるまでモラハラの存在に気づくことができない。

『二人の関係や二人の世界(常識)が何かおかしい・このままでは自分の人間性や人生がむちゃくちゃなままで終わってしまう・この相手と付き合いだしてから自分が自分ではなくなっている(以前のような明るさ・楽しさを感じられなくなった)』と気づくきっかけとしては、『長年にわたる原因不明の体調不良・第三者からの客観的なアドバイスと現状分析・相手と離れていられる時間が作れた時の心身の調子の回復・書籍やネットなどでモラハラの情報に偶然に触れる』などを考えることができる。

モラハラの加害者の多くは、被害者をできるだけ『外部の社会・一般的な情報・会話ができる第三者』から遠ざけて、自分たち二人だけの世界の価値観やルール、常識を刷り込もうとするが、自分がもしかしてモラハラを受けているのではないかという気づきは『二人だけの世界の外部の人や情報+自分自身の慢性的かつ長期的な心身の不調(心身の調子が悪化した原因探索の内省における自分の人生・関係の見つめ直し)』からやってくるものである。

モラハラの被害者に選ばれやすい人は、『他人の不幸・苦痛・寂しさに過度に共感しやすい優しい人(そういった不幸な人を自分の力で何とか助けてあげたいという利他性・援助性が強い人)』や『几帳面・生真面目でいったん関わった人とのつながりを簡単には切れない責任感の強い人(他人からあなたが絶対に必要だとかすがりつかれるとどうしてもその人から離れられなくなる人)』である。

つまりは、いったんある程度の深い関わりを持った他者に対する優しさや思いやり、情の深さ、感情移入の強さといったものを逆手に取られてしまい、自分が甚大な被害(精神疾患を発症したり自殺を思い悩むなど)を被っていても義務感・責任感・洗脳のされやすさ(自分が悪いから相手も悪くなるという思い込み)などから離れられなくなるのである。

モラハラをする加害者の性格構造や心理状態の根底にあるのは、『孤独感・不安感・支配欲・嫉妬と束縛・対外的な承認欲求』であり、そういったネガティブで自己否定的・他者操作的な感情は『私は自分ひとりでは生きていけない不完全な存在である(私には常に側にいてくれて自分の思い通りに振る舞ってくれる他者が必要だ)』という核心的認知を生み出す。

その結果、『自分の自尊心や孤独感を満たしてくれる他者(無条件に自分のすべてを受け容れてくれるモラハラの被害者)』を強く求めることになるのだが、モラハラの加害者の多くは『外面が良い・コミュニケーションが上手い・一定の対人魅力がある』などの特徴を併せ持っているので、第一印象や浅い付き合いの段階ではむしろ他人から好かれやすいのである。

そういった加害者は、モラハラをしている相手以外には、外面が良くて仕事もできて対人魅力もあるので、『被害者のほうが悪者にされてしまうケース・被害者が自分のほうが悪いから仕方ないと思い込まされてしまうケース・モラハラの嫌がらせや暴言について話しても信じてもらえないケース』も増えやすくなる。

モラハラを受けている被害者の側が逆に、相手に対する申し訳なさや罪悪感、謝罪の必要などを感じさせられてしまい、『加害者による人格や言動の支配制御(お前が悪いからこういう厳しい言葉を言わなければならない・お前のためを思って自分はこういう暴言を言っているの暗示)』を洗脳的に受け容れやすい心理状態になってしまう。

モラハラの加害者の持っている『自分ひとりだけでは生きていけないという孤独感』は、クラスターBのパーソナリティー障害(人格障害)である境界性パーソナリティー障害の“見捨てられ不安・狂気的なしがみつき”と類似したところのある性格構造である。

だがモラハラの場合には、加害者が潜在的に持つ『自分が見捨てられたくないという心理(自分の思い通りにしてくれるパートナーがいないと精神の安定を保てないという弱さ)』は巧みに隠蔽されており、被害者に対して逆に『お前は自分がいなければ生きていくことができない弱くて無能な存在だ』という暗示を繰り返しかけようとする傾向がある。

モラハラの加害者が最も恐れているのは、自分よりも劣位(弱い立場)にある存在として見下して支配・制御している被害者(パートナー)がいなくなってしまうことであり、被害者が自分を見捨てようとする兆候を感じ取ると即座に激しい罵倒・暴言・非難・侮蔑で責め立てて、『被害者の自尊心・自立心』を必死にへし折って自分の元に引きとめようとする。

どんなに激しい暴言や非難、罵倒を浴びせても、『自分と別れるという相手の決心』が変わらないことが分かると、途端に態度を急変させて『自分を見捨てないで欲しいという懇願や泣き落とし・今までしてあげた恩を忘れて冷たく裏切るのかという恩義や無慈悲さの強調・お前がいないと自分は生きていくことができない(野垂れ死にや自殺をするかもしれない)という間接的な脅し』を用い始めることもある。

基本的に、モラハラをする人は『相手が自分を必要にしているという暗示』をかけていることとは裏腹に『自分が相手を必要にしている部分』が大きいので、いざ本当に別れるという話になると、諦めの悪さや未練がましさ、恩知らず(冷たい奴)だと訴える恨み節、元気の無さ(落胆の大きさ)が目立ちやすくなることも多いだろう。

モラハラの加害者も、幼少期からの健全なパーソナリティー構造の形成に失敗している可能性は高く、発達早期の母子関係の問題や自尊心・安心感の傷つきなどによって、『無条件に自分を受け容れてくれる他者・絶対に自分から離れないと確約してくれる他者=母性的な元型像の理想化や執着的な追求』に妄想的に囚われてしまっているところがある。

その結果、加害者になってしまう人は、自己と他者との間で好意や援助を与え合うようなコミュニケーションをしたくてもできないとか、他人の愛情や約束を心から信じることができないとか、相手を支配・制御するような関係を築かないと安心(満足)できないとかいった対人関係の悩みを抱え込んでいるとも言える。

しかし、長期的なモラハラの被害者は、うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、心身症をはじめとして重症度の高い精神疾患を発症するリスクが高くなり、自分の人間性や存在、尊厳を繰り返し何度も強く否定されてきた場面がフラッシュバックして苦しみ続けることもあるので、加害者の性格構造やコミュニケーションの矯正プログラムを優先させるという訳にもいきにくい。

モラハラの被害や悪影響を自覚できるきっかけがあれば、被害者の方はできるだけ速やかに加害者との洗脳的(共依存的)な共同生活やコミュニケーションから距離を置いたほうが良い。その上で、自分の人生や相手との付き合い方を冷静に見つめ直せるような環境・心理状態を整え直して、客観的な立場に立てる第三者にも間に入ってもらって次善策(その後の自分の人生・人間関係のあり方)を検討すべきである。






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