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zoom RSS “支配的で過干渉な親”はなぜ子どもの自立心を阻害するのか1:子に対するコントロール願望

<<   作成日時 : 2012/11/13 22:27   >>

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過干渉で支配的な親が、子どもの人生や言動、考え方をコントロールする時には、『直接的なコントロール』『間接的なコントロール』が行われる。直接的なコントロールとは『暴力・脅迫・条件づけ・褒美(金銭)・否定(罵倒)』などを用いる子どもの言動・考え方のコントロールであり、『もし言うことを聞かなければ罰を与える、放っておいて無視する、もううちの子ではない』などの形式で脅し・不安を与えることで、子どもの行動を影響下に置こうとする。

子どもの希望や感情、好き嫌いなどを抑圧して、自分の感情や期待、理想を押し付けることによって、『自分の分身としての子ども(自分の代わりに新たな人生を生き直している子ども)』を利用したり自分に奉仕させたりするという特徴があるが、親は自分自身では『子どものため、子どもの将来を思っての強制・指導』と思っているので、その考え方や価値観を変えることは簡単なことではない。

現代社会における子育ての最終的な目的は、『子どもが自分の目標・生きがいを見つけること』『子どもが自分自身のやりたいことに向かって自立的・意欲的な人生を生きられる能力を身につけること』であるが、過干渉・支配的に振る舞う親は『子どものやりたいこと・自立的な親とは別の人生』を認めることがまずない。過干渉な親が子どもの活動・成功・意志を認めたり褒めて報酬を与えたりするのは、『自分が子どもに望んでいる生き方に沿った選択を子どもがした時』や『親の言う通りの価値観を子どもがもってそれに従った生き方をしている時』であり、子ども自身が自立的な判断をしたり自分のやりたいことをするということは評価に値しないのである。

逆に、過干渉な親にとっては『子どもの自立・意欲・主体性』や『自分のやりたいことに専念すること』は、『今まで育ててくれた親を見捨てること+親の存在や手助けが不要になること』を意味していることが多い。子どもが『もうこれからは自分でやっていくので特別な心配や援助はしなくてもいい』と言ったり、『自分のやりたい仕事や一緒に過ごしたい相手(結婚相手)を見つけたので自立的に生活できる』と言ったりすることは、過干渉・支配的な親にとっては自分が見捨てられて自己アイデンティティが拡散する(自分の必然的な居心地の良い役割が失われる)という脅威に成り得る。

そのため、子どもが就職しても結婚しても、何かにつけて親が自分との貸し借りの接点を多く作りたがり、不要不急な事柄について愚痴・不満を言い続けたり、あれこれ世話をしたり支援(その見返りとしての口出し・説教)をしたりしたがるという問題が生まれてくる。具体的には、子どもが経済的に自立して満足して働いている仕事であっても、『そんな仕事には価値がない・その職業には社会的権威がない・そんな仕事をさせるために大学に行かせたのではない』などの批判や否定をしてくることがある。

結婚生活や配偶者の選択についても、『何でそんな妻(夫)を選んだのか・私はこの結婚を認めたわけではない・まともな収入も地位もないダメな夫(まともに家事育児もこなせないダメな妻)じゃないか』などと、頭ごなしの否定や罵倒をしてきたりする。

これらは『親が期待していた職業に就かなかったこと』『親が認めるような結婚相手と結婚しなかったこと』に対する八つ当たり・当てつけであるが、『親の言うことを何でもは聞かなくなった子どもの自立心・自己選択』に対して、それを弱めようとする依存的な親の抵抗として解釈することもできる。

あるいは、自分の言うことを素直に聞いて従っている時にだけ、子どもに金銭(小遣い)や賞賛を与えてオペラント条件づけの原理でコントロールしようとするような親もいる。子どもの自立心や意欲、自信を低下させることで、『親の支配力(影響力)・子どもの言動に対するコントロール』を維持しようとするのが過干渉な親の特徴でもある。

『子どもの努力・能力・生きがい(価値観)を決して認めない態度』によって、子どもの自信・やる気を喪失させてしまうこともあるが、このタイプの過干渉な親は子どもがどんなに頑張って結果を出しても人生をエンジョイしていても、『私はお前の生き方や価値観を認めないという頑固な態度』を変えることがないのである。

子どもの生きがいや価値観、楽しみ方を決して認めないタイプの過干渉で小言(不満)が多い親であっても、子どもは何とかして親に、自分の生き方や考え方を承認して欲しいと思うことが多い。そして、『子の生き方や努力を絶対に承認しない親』『何とか自分の生き方や努力を承認してほしい子』との関係性が続く時に、子どもの心理的な苦悩や傷つきが深まり、アダルトチルドレンとしての自覚やメンタルヘルスの悪化(抑うつ感・自尊心の喪失・意欲低下・気分の落ち込み・無力感・絶望感など)の問題が起こりやすくなってしまうのである。

この記事は、『“甘やかす過保護・コントロールする過干渉”が子どもの心身発達や性格形成に与える影響:2』の続きの内容になっています。






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