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help RSS 3.11の東日本大震災・福島第一原発事故と共同体的な“絆”の意識化:2011年のニュース回顧1

<<   作成日時 : 2012/01/05 23:54   >>

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あけましておめでとうございます。2012年がスタートしたばかりですが、昨年末に一年の時事や政治経済、国際情勢を大まかに回顧する記事を書こうと思って書けていなかったので、幾つかの『大きな出来事・社会問題・国際情勢』を取り上げながら、2011年が日本と世界、人々にとってどのような年だったのかを駆け足で見ていきたいと思います。

2011年は激動と艱難に見舞われた年であり、その危機と困難の大きさに対応するかのように清水寺の森清範貫主が選ぶ今年の漢字には『絆』が選ばれた。2011年3月11日(3.11)は、日本にとってはアメリカの2001年9月11日(9.11)に匹敵する『国家・民族の危機』という認識が持たれ、その日時は現在進行形の歴史として人々の心に深く刻まれた。アメリカにおいて“9.11”が合衆国としての団結と絆を再確認する契機になったように、日本でもまた“3.11”は日本国民の薄れかけていた連帯と絆(縁)を思い出させるような反作用をもたらした。震災によって家族や友人、同僚といった身近な人たちとの人間関係の重要性に改めて気づかされたという意見も非常に多く聞く機会があった。

余りにも衝撃的で悲惨な“3.11の東日本大震災”の発生から約10ヶ月が経過したことで、同じ日本国内でも『居住している地域・被災者の親戚知人の有無』によって大震災のリアリティとその後の生活状況には大きな違いが出てきており、東海以西の西日本では直接的な被害はなくその脅威・不安のインパクトは小さくなっている。

それでも、震災発生後には西日本からも多くの復興支援・生活応援の寄付が寄せられ、実際に被災地でのボランティア活動に参加したいという志願者も多く出て、今までの日本に余り見られなかった『絆・つながり・連帯・支援』といったゲマインシャフト的な協働感・相互扶助が急速に高まる気運が見られた。

1945年のアジア太平洋戦争の敗戦後には広大な焼け野原が広がったが、東日本大震災が『岩手県・宮城県・福島県』の太平洋沿岸部の都市・村落に与えた被害の大きさは、局地的にはそれに匹敵するもので『大きな災難に見舞われて困っている人たちを助ける・自助努力の及ばない困難で支えあう』という自然な共同体的感情(相互扶助の必要性)を強く刺激することになり、国内の空気が従来の『経済偏重主義・個人化の傾向』からやや変質したようにも感じる。

東日本大震災の前にも困っている人や苦しんでいる人、路頭に迷っている人は多く存在していて、格差社会(貧困増加)や雇用崩壊、自殺者の多さは10年来の長期にわたる国内問題になっている。しかし、それらの問題では個人個人の自助努力や怠慢・無気力といった『自己責任原理』が前面に立ちやすく、『他者への無関心・堕落や努力不足への批判』にどうしても終始してしまいやすくなる。東日本大震災は人為や自己責任の及ばない『自然現象としての天災』であり、誰もが突発的で強大な自然災害に対しては無力・脆弱であらざるを得ないことがあり、その困窮や不安、不幸、恐れはみんなに共有されやすく、寄付・ボランティアといった援助行動もモチベートされやすい。

今でも、実際に震災で被災して住み慣れた家を離れて仮設住宅で暮らしている人たち、土地や空気、食品の放射能汚染の不安を感じ続けている人たち、近親者・友人を亡くされて悲嘆と絶望から抜け出せずに苦しい時間を過ごしている人たち、新たな仕事が見つからずに経済的に厳しい境遇にある人たちが大勢いらっしゃるわけだが、『被災地の復旧復興政策』は復興構想会議の大まかな再建ビジョン(経済特区構想・住居や学校の高台移転など)がまとめられたばかりでこれからが本番である。

被災地は復旧の端緒についたかつかないかの入り口に立ったに過ぎず、東北地方の被災地の復旧復興に必要な『第三次補正予算』が組まれたものの、今後10年以上にわたる約13兆円規模の復興活動を継続させていくためには、日本の経済力・財政力の基盤強化も必要になる。

震災・原発事故の発生時には、菅直人前首相のリーダーシップや官邸の危機管理能力の不足が問題視された。菅前首相が辞任を徹底拒否する続投意志を見せたことで、与野党の感情的対立が激化し、政治の指導力が必要とされる震災対応の時期に『政治の機能不全・ねじれ国会の弊害』が露呈するという体たらくを晒してしまった。結局、菅前首相は『辞任のための条件となる三法案通過』を突きつけて、『第二次補正予算案・特例公債法案・再生可能エネルギー法案』を通すことで辞任することになった。

菅政権の後を継いだのが野田佳彦政権だが、『消費税増税(国民負担増加)・TPP交渉参加』を巡っては民主党内が割れるような混乱も起こっており、税と社会保障の一体改革を具体的に消費税増税で押し切ろうとする野田首相に反発して複数の離党者が出る騒ぎもあったりした。菅政権における『福島第一原発事故の初動・事故対応』では、現場からの情報が錯綜して原子炉の注水・冷却に関する判断が統一されないなどの問題も起こった。

メルトダウン(炉心溶融)につながる事故の深刻さを十分に認識できていなかった事故発生時には、『福島第一原発の廃炉の可能性』を恐れる官邸が、海水の注入を躊躇ったという信じられない検証報告もあるが、菅首相に対しても『ベント開放(格納容器の圧力を下げて水素爆発・容器破損を防ぐ措置)の判断』が遅れたのではないかという指摘が為されている。

事故発生直後には、適切な情報と事態の判断ができず混乱する官邸は『(廃炉リスクのある)原子炉への海水注入』を当面待つように現場の吉田所長に指示していたが、吉田昌郎所長は原子炉の冷却を最優先しなければならないという自分自身の現場判断で海水注入を継続し、結果としては吉田所長の臨機的な判断のほうが正しかったという皮肉な結果(=政治の迅速な状況判断力の欠如)になってしまった。

それと同時に、東電や吉田所長は1号機の冷却装置である『非常用復水器(IC)』が故障していることに気づくのが遅れて、別の手段による原子炉への注水が遅れた問題、更にその誤った認識(ICが動いているという誤認)に気づく機会が何度もあったにも関わらずその機会を生かせなかったことなども報告されている。

政府の福島第一原発事故に対する『事故調査・検証委員会』は12月に中間報告を出しているが、その報告書では『東京電力の事故対応マニュアルには大地震後の大津波の想定が不十分であったこと』『政府・東電の情報公開が遅れたり不十分であったこと』が指摘されている。






■関連URI
野田政権の政治的課題と“東日本大震災の復旧復興・福島第一原発事故が残したスティグマ”:1

東日本大震災の被害と被災地の復興救助支援1:国内・世界からの善意の支援と道路物流網の改善

東日本大震災の復興支援とPTSD・苦悩感に対するメンタルケア:災害心理学から考える心理的支援

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