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help RSS パーソナリティ障害における“問題状況(不適応)のパターン化”と“主観的な悩み・他者への影響”

<<   作成日時 : 2011/12/21 05:05   >>

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パーソナリティ(人格)とは発達過程の各種の要因によって形成される『一貫性と持続性のある思考・感情・行動・コミュニケーション・対人関係のパターン』です。日常生活や人間関係の中で“その人らしい性格特徴・行動様式・感情表現・考え方・物言い”として周囲に認識されているものがパーソナリティですが、臨床心理学(心理療法)・精神分析ではそのパーソナリティの形成プロセス及び内的構造が分析的に理解されることもあります。

パーソナリティ障害(人格障害)という言葉の響きには、『性格が我がまま・他人に配慮できない・善悪の分別がつかない・反社会的行為に発展しやすい』という道徳的な先入観や批判的な認識が持たれやすい問題もありますが、基本的には『誰もが持っている性格特性の一部分』が極端に強くなったり弱くなったりしている適応能力の低下した人格構造です。そこには反社会性パーソナリティ障害の加害性や犯罪企図を除いては、『適応能力の高低』は含まれていても、『道徳的な良い・悪い』『客観的な正しさ・間違い』という人格的価値までは含まれていません。

なので、ある人がパーソナリティ障害であるか無いかというのは、専門家(医師)や周囲の親しい人が判断できる要素もありますが、それ以上に『本人の主観的心理的な苦しみ・生活上職業上の困難の多さ・対人関係のトラブルの多さ』というのが問題になってきます。パーソナリティ障害の診断状況では、『本人の主観的な苦悩+パターン化された問題状況』『周囲にいる家族や恋人などとのトラブル+周囲に与えている迷惑や心配』というのがまず前提の主訴にあることが多くなります。

そこに『専門家(医師)によるDSMの医学的診断』が加わることになりますが、薬物療法が対症療法的にしか効かないパーソナリティ障害では、医学的診断そのものよりも『本人の主観的な苦悩の緩和』『周囲の家族・恋人などの巻き込まれの改善』がとても重要になってきます。精神医療の薬物療法・精神療法では『パーソナリティ変容』の限界があることから、パーソナリティ障害の具体的な病名診断には慎重な精神科医も多いのですが、人格障害という日本語の語感が道徳的・常識的な人格上の欠点や問題があるという『負のラベリング』として受け取られやすかった問題もあります。

パーソナリティ障害の多くは精神疾患とオーバーラップ(重複)するので、外部から観察しやすい抑うつ感や衝動性、パニック、不安感、焦燥感、対人緊張、依存性などの精神症状だけに注目して、『うつ病・全般性不安障害・社交不安障害・パニック障害』といった精神疾患のみが診断されるケースも多くなります。

パターン化された対人トラブルや不適応問題によってパーソナリティ構造の偏りが自覚されやすくなりますが、パーソナリティ障害の原因は性格形成の要因と同じで『遺伝要因・脳の器質的要因』『環境要因(重要な人間関係・トラウマ的な体験)』の相互作用が考えられています。

遺伝特性や脳の器質・機能というのは『生得的要因』なので事後的に改善することは難しいですが、子ども時代の親子関係の歪みや思春期の友人関係・恋愛関係のトラウマ、過去の衝撃的な出来事の影響といった『後天的要因(経験的要因)』に関しては、認知行動療法やイメージ療法、精神分析などのカウンセリング的対応をすることができます。

20世紀半ばには精神分析の対象関係論(英国独立学派)の隆盛もあって、境界例(境界性パーソナリティ障害)の発達的な原因として、メラニー・クラインの乳幼児を対象にした早期発達理論やマーガレット・マーラーの分離‐個体化理論、D.W.ウィニコットの依存期理論(移行対象・程よい母親)などが注目されたりもしました。






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